能登半島地震から一年。同じ地域を襲った二つの激甚災害を乗り越え復興への一歩となるものづくりを再開した能登の職人たち。日本橋三越本店に、新作をはじめとする伝統技術の粋が一堂に集結。
輪島塗・珠洲焼を中心に、震災後に制作された新作ほか幅広い伝統工芸品をご紹介します。
~「未来につなぐ能登のものづくり」~
■2025年2月26日(水)~3月4日(火)
■日本橋三越本店 本館1階 中央ホール
令和6年能登半島地震ならびに奥能登豪雨により亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆さま、そのご家族、ご関係者の皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
地域の「伝統・文化・芸術・暮らし」を日本全国・世界各国のお客さまに向けて発信したいという想いにより、 日本橋三越本店ではこれまでも能登の優れた伝統工芸品をご紹介してまいりました。その日頃の取組みにより能登の職人と代々バイヤーの親交は数十年に渡ります。
去年1月1日の能登半島地震の被害が日本中に大きな悲しみを与えるなか、日本橋三越本店でもなにか少しでも復興の足掛かりになりたいとすぐに職人の方々に連絡を取り、工房で被害を免れた作品を集めて販売する会を4月に開催するに至りました。その後、能登では震災の被害から一歩ずつ立ち上がり、新しいものづくりが始まっています。
本展は、産地復興のシンボルとなることを願い、新しい制作を始めて大きく進化した能登のものづくりの魅力をお伝えします。
輪島塗・珠洲焼を中心に、震災後に制作された新作ほか幅広い伝統工芸品をご紹介。
令和6年1月の能登半島地震、9月の奥能登豪雨により甚大な被害を受けた能登半島地方。特に珠洲焼の被害は大きく、個人の窯は倒壊してしまったという職人がほとんどのなか、伝統文化を絶やすまいと共 同で窯を立ち上げるなどして一歩ずつ着実に新しいものづくりを再開しています。
今回の企画では、そうした震災後に新たに制作された作品を中心に、輪島塗は約800点、珠洲焼は約50点もの品ぞろえを実現し、お披露目・販売いたします。
現地より職人約15名も来場予定です。
〈古込和孝〉乾漆香炉「秋草」 5,500,000円(1点限り)
〈輪島塗 八重門漆器店〉飾箱 乾漆羽 衣蒔絵 880,000円(1点限り)
〈箱瀬淳一〉面取大鉢(黒) 550,000円(1点限り)
〈輪島屋善仁〉つぼみ合子蝶蒔絵 242,000円 (1点限り)
〈中島大河〉丸壺 78,100円(1点限り)
輪島塗について
堅牢な塗りと加飾の優美さを特徴とし、日本を代表する漆器として高く評価されている「輪島塗」。およそ1000年の歴史をもつといわれ、国の重要無形文化財にも指定されています。地元で産出した珪藻土を粉末にした「輪島地の粉」を下地に使用し、代表的な加飾方法として蒔絵と沈金が挙げられます。蒔絵は、漆で絵柄を描き、硬化する前に金粉などを蒔きつけ固着させます。沈金は、漆の表面に沈金ノミで文様を削り、その溝に漆をすり込み、金箔や金消粉を入れる技法です。
【輪島塗 出展工房・作家】
大森蒔絵工房、川﨑漆器店、五島屋、坂口漆器店、潤慶堂 みやひら漆器店、辻椀木地木工芸、天野屋、中島忠平漆器店、ヌシヤ株式会社、箱瀬工房、古込和孝、古原秀樹、松木大輔、若島孝雄、輪島塗 慶塚漆器工房、輪島塗 しおやす漆器工房、わじま塗の津田、輪島塗 八重門漆器店、輪島屋善仁、わじま龍作
珠洲焼について
平安時代末期から室町時代後期にかけて珠洲市を中心に能登半島の先一帯(現珠洲市および旧内浦町)で生産された、中世日本を代表するやきものの一つです。室町時代に忽然と姿を消し、幻の古窯といわれた珠洲焼は1979年に再興し、1989年に石川県の伝統的工芸品に指定されました。そのつくり方は、古墳時代から平安時代にかけて焼かれた須恵器を受け継ぎ、窖窯(あながま)を使い燃料の量に対して供給する酸素の少ない還元炎焼成(かんげんえんしょうせい)で、1,200度以上の高温で焼き締めていくものです。火を止めた後も窯を密閉し窯内を酸欠状態にすることで、粘土に含まれる鉄分が黒く発色し、焼きあがった製品は青灰から灰黒色となります。
【珠洲焼 出展作家】
篠原敬、有賀純一、折坂理恵、中島大河、林春香
北法相宗管長・清水寺貫主(きたほっそうしゅうかんちょう・きよみずでらかんす)の森清範和上(もりせいはんわじょう)による揮毫(きごう)のデモンストレーションと独演会
能登半島地震で被災した地域を応援したいという強い想いを持つ森清範師が、輪島塗の職人たちの想いを込めた一文字を揮毫するデモンストレーションを行うほか、ご自身の輪島に対する思いや支援に向けた独演会を開催します。
■2025年3月1日(土) 午後2時~2時45分
■日本橋三越本店 本館1階 中央ホール
■入場無料
※観覧席の整理券は、3月1日(土)午前10時より中央ホールで1名さまにつき1枚配布します。
※座席は選択できません。
※整理券配布数には限りがございます。
※整理券をお持ちでない場合は立ち見でのご観覧となります。予めご了承願います。
京都・清水寺の森清範師が本展で揮毫する言葉は「共生」。輪島塗は一つの作品ができるまでに多くの分業の過程を必要としていることや、輪島塗そのものが自然とともに成り立っていること、またこの度の震災で多くの支援をいただいたことから、輪島塗の職人たちが「共生」という言葉を選びました。 1月に名古屋栄三越で披露された「共」に加え、本展では「生」を揮毫し、その「共」と「生」の二文字を会場に展示します。
森清範(もりせいはん)
北法相宗管長・清水寺貫主。毎年財団法人日本漢字能力検定協会が主催する「今年の漢字」において、公募で選ばれたその年を表す一文字の漢字を清水寺の舞台で揮毫していることでも知られる。
輪島の高校生を中心とする選抜メンバーが伝統芸能 和太鼓の演奏会を開催。
輪島に古くから伝わる伝統の祭り太鼓を基本として和太鼓に新しい風を取り入れる「輪島・和太鼓虎之介」。本展では、高校生を中心とした選抜メンバー5名が想いを込め、伝統の響き、能登の響きを伝える演奏会を開催します。
■2025年3月2日(日) 午前11時30分~正午
■日本橋三越本店 本館1階 中央ホール
■入場無料
※観覧席の整理券は、3月2日(日)午前10時より中央ホールで1名さまにつき1枚配布します。
※座席は選択できません。
※整理券配布数には限りがございます。
※整理券をお持ちでない場合は立ち見でのご観覧となります。予めご了承願います。
「能登國切籠祭」、「鼓風舞」、「正調輪島祭り」、「夫婦寿」、「鼓心」、「楽」を演奏します。
輪島・和太鼓 虎之介
2000年結成。和太鼓の甲子園といわれる「日本太鼓ジュニアコン クール全国大会」で2度優勝し内閣総理大臣杯受賞。ニューヨークのカーネギーホールなど海外公演も行う。二度の激甚災害によりメンバーの自宅や稽古場も被災するなか、伝統ある能登の和太鼓の響きを伝えるため活動を継続中。
呉服フロアでも能登のものづくりをクローズアップし、織元<山崎麻織物工房>による能登上布を特集。
凛とした美しさを纏う、日常を彩る~能登上布特集~
■2025年2月26日(水)~3月4日(火)
■日本橋三越本店 本館4階 呉服 男のきもの
<山崎麻織物工房>は1891年(明治24年)紺屋(染め屋)として創業。創業約130年、能登上布伝統の技を継承する唯一の織元です。昭和最盛期、百二十軒以上あった能登上布の織元は、今では<山崎麻織物工房>一軒となりました。戦後着物需要が減少するなか、大変厳しい時期もありましたが、三代目織元の「こんなによいものを残さないのは罪だと思う」という言葉を胸に、代々守ってきた職人による手絣等の伝統技術や日本の伝統的な夏着物の上布文化、美意識を次世代に繋ぐため、自社ブランド<能登上布 YAMAZAKI NOTOJOFU>を立ち上げました。伝統と共に、現代の日常に溶け込むアイテムとして、能登上布の魅力を再定義し多岐にわたり展開し、能登上布から着物の新たな未来をつくることを目指しています。
※価格はすべて税込です。
※画像は一部イメージです。
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【NEWS】
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