プラズマディスプレイパネルの技術を応用した独自の真空断熱ガラスを開発
パナソニック株式会社 エコソリューションズ社(以下、パナソニック)は、パナソニックが従来保有していたプラズマディスプレイパネル(以下、PDP)の開発・製造技術を応用することで、約6 mmの薄さで業界最高クラス(※1)の断熱性能を有する真空断熱ガラスの開発および量産化に成功しました。総厚約6 mmのガラスとしては業界最高クラス(※1)の断熱性能である熱貫流率(Ug値)0.7(W/m2・K)(※2)を実現し、総厚約3 cmのアルゴンガス(※3)入りトリプルガラスと同等以上の断熱性能です。
PDPは、真空封着された2枚のガラス間の非常に薄い真空層内で蛍光体が発光することにより画像を表示しています。
一般的にガラスを真空状態に保つためには、真空層内の物質からのガスの発生を抑制しつつ、高真空状態を維持する真空封着材料技術が必要です。パナソニックは、PDPの開発・製造で培った、「真空ガラスパネル製造技術」や、「気密性を維持する鉛フリーの封着材料技術」を保有していました。
今回、パナソニックは真空層内で発生するガスを吸着する薄型のガス吸着剤や、2枚のガラス間に0.1 mm程度の隙間を形成する低熱伝導性材料などを新開発することで、優れた断熱性能を持つ真空断熱ガラスを実用化しました。さらに独自の工法により、ガラス表面には真空空間を形成する際に必要な排気孔の封止部がありません。これによって、フラットですっきりとした製品外観を実現しています。また、有害物質として規制されている鉛を一切使用していないため、環境面・安全面でも安心して使えます。
なお、今回開発した真空断熱ガラスを、米国エネルギー省の規制強化(※4)対応として、パナソニックの完全子会社である冷凍・冷蔵ショーケースメーカー「ハスマン社」のコンビニ・スーパー向け屋内用自動ドアのガラスに先行納入します。
パナソニックは、持続可能な社会の実現に向け、パリ協定にみられるような国際的エネルギー規制の高まりに伴う、国内外の断熱事業への展開を目指します。
<特長>
1. 総厚約6 mmのガラスとして業界最高クラス(※1)の断熱性能(熱貫流率Ug値=0.7(W/m2・K))(※2)
2. ガラス表面に真空排気孔の封止部がない、フラットですっきりした外観
3. 環境面・安全面で安心して使用できる鉛フリー真空封着材
※1 ガラス業界における厚さ約6 mmのガラスとして、真空断熱ガラス単体の熱貫流率。2017年12月5日現在 パナソニック調べ。
※2 Ugは窓枠などを含まない、ガラス単体での熱貫流率(U値)を表す。
熱貫流率とは、部材の熱の伝わりやすさを表す数値。値が低いほど熱は伝わりにくく、断熱性能が優れていることを示す。
※3 アルゴンAr。他の元素と反応しにくく、安定した元素である。空気よりも熱伝導率が低いため、複層ガラスに封入することで高い断熱性能が得られる。
※4 米国エネルギー省による省エネルギーに関わる2017年規制(DOE2017)。
【お客様お問い合わせ先】
パナソニック株式会社 エコソリューションズ社 ハウジングシステム事業部
建築システムビジネスユニット 新建材事業推進部
電話:06-6908-1131(代表 受付 9:00~17:30)
全文は以下プレスリリースをご覧ください。
▼[プレスリリース] プラズマディスプレイパネルの技術を応用した独自の真空断熱ガラスを開発(2017年12月5日)
http://news.panasonic.com/jp/press/data/2017/12/jn171205-1/jn171205-1.html
<関連情報>
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