美容室の市場規模は、ここ5年で最大の1兆3884億円に。アイビューティーサロン市場は、2年連続で2桁成長!前年比17.4%増の1384億円

美容センサス2025年上期(美容サロン利用実態調査)

株式会社リクルート

株式会社リクルート(本社:東京都千代田区 代表取締役社長:牛田 圭一)の美容に関する調査研究機関『ホットペッパービューティーアカデミー』(https://hba.beauty.hotpepper.jp/)は、全国の人口20万人以上の都市居住者のうち、15~69歳の男女1万3,200人を対象に、過去1年間における美容サロン(※1)の利用に関する実態調査を実施いたしました。美容室の市場規模は、ここ5年で最大の1兆3884億円に達し、アイビューティーサロンの市場規模も2年連続で2桁成長となり、前年比17.4%増の1384億円へと拡大しています。本調査では、消費者の美容室、アイビューティー、エステ等の美容サロンの利用実態を明らかにすることで、サロン経営における集客・マーケティング等のヒントを発信しています。

(※1)美容サロン…美容室、理容室、アイビューティーサロン、エステサロン(フェイシャル、ボディ/痩身、脱毛)、リラクゼーションサロン、ネイルサロン

<調査トピック>

①美容室の市場規模は、ここ5年で最大の1兆3884億円に(前年差342億円)

物価高を背景に1回あたり利用金額は、女性7,668円、男性4,879円とここ5年での最高額に。

②アイビューティーサロンの市場規模は、ここ2年で急拡大し1384億円に(前年差205億円)

男女とも利用率が増加。20代女性の29.0%が1年以内にサロンを利用。

③エステサロンの市場規模は、2024年に一時的に持ち直したものの、2023年とほぼ同水準の3360億円に(前年差マイナス588億円)

なかでも、脱毛サロンの市場規模は2021年から672億円減少。女性の脱毛サロン利用率は減少が続く。

<美容サロンの市場規模推計>(※2)(2021年~2025年)

(※2)サロン利用率、1回あたり利用金額、年間利用回数と人口推計(総務省統計局)からの推計(P7参照)

(※3)理容室は2024年まで男性のみに聴取していたが、2025年より女性にも聴取開始。前年差・前年比は、2025年女性分(178億円)を除く

(※4)美容サロン全体の前年差・前年比は、理容室の2025年女性分(178億円)を除く

<研究員からのコメント>

『ホットペッパービューティーアカデミー』研究員 田中 公子

美容センサス2025年上期では、物価高の影響がある中でも、消費者が自分にとって価値のある美容サービスには積極的に投資している様子が各ジャンルで見られました。例えば美容室では、1回あたりの利用金額が女性7,668円、男性4,879円とここ5年での最高額となり、物価高の影響だけではなく、高単価メニューやクロスセル(複数メニューの組み合わせ提案)の広がりがうかがえます。

また、アイビューティーサロンでは、1年以内の利用率が女性11.8%と前年に比べ2.7ポイント増加。特に20代女性では約3人に1人が利用しており、日常的なケアとして定着しつつあることが明らかになりました。

エステサロンでは、脱毛分野の市場規模の縮小が続き、2021年から672億円の減少となった一方で、フェイシャルなどは一定の市場規模を維持しています。

これらの動向から、消費者が「全ての美容にお金をかける」のではなく、メニューの内容や期待する効果に応じて、取捨選択をしながら“使うところには使う”というメリハリのある消費行動を取っていることが分かります。今後のサロン経営には、メニューごとの価値訴求や、特定のニーズに寄り添った提案力がいっそう求められるでしょう。

【美容室】トピック

■1回あたり利用金額はここ5年で最も高く、女性7,668円、男性4,879円

女性は2年連続で1回あたり利用金額が上昇し、2025年はここ5年で最も高い7,668円に。

男性は上昇を続け、2025年は4,879円とここ5年での最高額を記録。

1回あたり利用金額平均

(美容室利用者/実数回答)

<研究員からのコメント>

美容室の1回あたりの利用金額が上昇した背景には、物価高の影響があります。加えて、「縮毛矯正」など単価の高いメニューや、「まつげメニュー」などを併せて提案する「クロスセル」の増加も影響していると考えられ(※5)、サロン内での複数メニュー利用が、利用金額上昇の一因となっている可能性があります。

(『ホットペッパービューティーアカデミー』研究員 田中 公子)

(※5)「美容センサス2025年上期≪美容室編≫資料編」P11参照

【アイビューティーサロン】トピック

■男女ともに利用率が増加。20代女性の29.0%が1年以内にサロンを利用

1年以内のアイビューティーサロン利用率は、女性・男性ともに増加。女性は全ての年代で前年を上回り、特に20代では29.0%が利用と、日常的な利用が定着しつつあることがうかがえる。男性は4年連続で利用率が増加。

1年以内のアイビューティーサロン利用率

「過去1年間に1回以上利用」の割合

【全体】いずれの年も男女各n=6,600/【女性年代別】各年15~19歳n=600、20~60代各n=1,200(各単一回答)

<研究員からのコメント>

アイビューティーサロンの市場規模は、2年連続で前年から2桁成長を続けており、いま最も勢いのある美容ジャンルのひとつです。コロナ禍をきっかけに目元への美容ニーズが高まったことを背景に、利用者層の拡大が進んでいます。特に20代女性は約3割が1年以内にサロンを利用しており、サロン利用がケアのルーティンに組み込まれていることがうかがえます。まつげメニューも、ボリューム感のあるデザインから自然な仕上がりのスタイルまで多様化が進んでおり、時短美容ニーズにも応える存在となっています。

(『ホットペッパービューティーアカデミー』研究員 田中 公子)

【エステサロン(フェイシャル、ボディ/痩身、脱毛)】トピック

■脱毛サロンの市場規模は2021年から672億円減少。女性の1年以内の脱毛サロン利用率は減少が続く

脱毛サロンの市場規模は2021年から672億円減少し、ここ5年で大きく縮小傾向に。女性の1年以内の脱毛サロン利用率は9.3%(2021年)から5.2%(2025年)へと減少し、利用者離れが顕著に。

一方で、フェイシャルおよびボディ/痩身分野は、年による増減はあるものの、ここ5年ではおおむね一定の市場規模を維持。

エステサロンの市場規模推計(※6)・1年以内の脱毛サロン利用率(※7)

(※6)サロン利用率、1回あたり利用金額、年間利用回数と人口推計(総務省統計局)からの推計(P7参照)

(※7)「過去1年間に1回以上利用」の割合(いずれの年も男女各n=6,600/各単一回答)

<研究員からのコメント>

女性の1年以内の脱毛サロン利用率が大きく減少している背景には、医療脱毛やセルフ脱毛といった選択肢の増加があると考えられます。また、近年の大手脱毛サロンの倒産も、消費者の行動に影響を与えていそうです。一方で、フェイシャルやボディ/痩身の分野では市場の安定が見られ、特にフェイシャルでは高単価のメニューを利用する層の増加という兆しも見られます(※8)。今後は、各分野でのサービス差別化や価格戦略がより重要になると考えられます。

(『ホットペッパービューティーアカデミー』研究員 田中 公子)

(※8)「美容センサス2025年上期≪エステサロン編≫資料編」P14参照

【リラクゼーションサロン】トピック

■着衣の施術の1回あたり利用金額の上昇を背景に、リラクゼーションサロン全体の市場規模が3年連続で拡大

リラクゼーションサロンの市場規模は、2022年から3年連続で拡大し、2025年は3798億円とここ5年で最大に。特に着衣の施術の1回あたり利用金額が上昇傾向にあり、2025年は女性5,196円、男性4,792円といずれもここ3年で最高額に。

リラクゼーションサロンの市場規模推計(※9)・【着衣の施術】1回あたり利用金額平均(※10)

(※9)サロン利用率、1回あたり利用金額、年間利用回数と人口推計(総務省統計局)からの推計(P7参照)

(※10)【着衣の施術】(整体、もみほぐし、足つぼなど服を着たまま受ける施術)のサロン利用者/実数回答

<研究員からのコメント>

リラクゼーションサロンの市場規模が拡大を続けている背景には、在宅勤務の定着に伴う運動不足や、スマートフォンの長時間使用による「スマホ疲れ」など、身体的ストレスの増加があると考えられます。また、リラクゼーションサロンは他の美容サロンに比べて「気軽に入れる」点も、男女問わず利用しやすい理由のひとつでしょう。全身のもみほぐしに加え、短時間で頭・足裏などをリフレッシュできるメニューも支持されており、日常の中に取り入れやすいケアとして定着しつつあります。

(『ホットペッパービューティーアカデミー』研究員 田中 公子)

【ネイルサロン】トピック

■市場規模は3年連続で拡大し1455億円。女性は毎月利用する高頻度層の割合がここ4年で最高値に

ネイルサロンの市場規模は2022年から3年連続で拡大し、2025年には1455億円とここ5年で最大に。女性利用者の年間利用回数において「12回以上」と回答した高頻度層の割合は27.2%とここ4年で最も高く、前年から2.9ポイント増加。物価高の中でも、利用頻度の高い層が増えているのが特徴的。

ネイルサロンの市場規模推計(※11)・【女性】年12回以上利用者の割合(※12)

(※11)サロン利用率、1回あたり利用金額、年間利用回数と人口推計(総務省統計局)からの推計(P7参照)

(※12)年間利用回数が「12回以上」と回答した人の割合(ネイルサロン利用者/実数回答)

<研究員からのコメント>

物価高が続く中でも、ネイルサロンでは女性の年間利用回数が増加傾向にあり、「12回以上」と答える高頻度層の割合が年々増加しています。生活全体では支出を見直す場面もある一方で、「自分にとって価値がある美容にはしっかりお金をかけたい」と考える人が増えていることがうかがえます。ネイルは日常的に目に入り、気分を上げてくれる存在でもあり、日々のQOLを高める投資先として位置付けている人が増えているのかもしれません。

(『ホットペッパービューティーアカデミー』研究員 田中 公子)

【理容室】トピック

■女性の1年以内の理容室利用率は4.6%と限定的ながら、「顔そり」の利用率は26.7%。新たな顧客層として注目される

男性の理容室の市場規模は2761億円で前年から横ばい。2025年からは女性にも理容室利用について聴取を開始。女性の1年以内の利用率は4.6%とまだ低いものの、利用者のうち26.7%が「顔そり」を目的に来店しており、女性向けサービスの可能性がうかがえる。男性では「カット」や「顔そり」「眉カット」などが継続して主要なニーズに。

理容室の市場規模推計(※13)・1年以内の理容室利用率(※14)・1年以内のメニュー利用率(※15)

(※13)サロン利用率、1回あたり利用金額、年間利用回数と人口推計(総務省統計局)からの推計(P7参照)

(※14)「過去1年間に1回以上利用」の割合(男女各n=6,600/各単一回答)

(※15)各メニュー「過去1年間に1回以上利用」の割合(理容室利用者/実数回答)

<研究員からのコメント>

2025年から女性にも理容室利用について聴取を始めたことで、これまで見えなかった女性の来店実態が明らかになりました。理容室は男性中心のサービスと捉えられがちですが、顔そりやシェービングを利用する女性も一定数存在しており、新たな顧客層として注目されています。今後は、プライベート空間の確保や女性向けメニューの打ち出しなど、受け入れ体制を整えることで市場拡大の余地もあると考えられます。

(『ホットペッパービューティーアカデミー』研究員 田中 公子)

■調査概要

調査名  :「美容センサス2025年上期(美容サロン利用実態調査)」

調査手法:インターネットリサーチ

調査期間:2025年1月27日(月)~2月12日(水) 

調査対象:全国、人口20万人以上の都市に居住する15~69歳の男女各6,600人

※市場規模推計の値は小数第1位を四捨五入しているため、差分や合計値において、単純計算した数値と合致しない場合があります。

【人口統計比率に合わせた集計(ウェイトバック集計)】について

2024年調査より人口統計比率に合わせた集計(ウェイトバック集計)に変更しています。(2021年~2023年のデータも再集計)

詳細は「美容センサス2025年上期」各資料編をご参照ください。

P1、P4、P5、P6【市場規模推計 算出の方法】

男女各年代の市場規模推計の合算値(15~69歳・男女合計)

市場規模推計(円)

 =人口(人)(※1)×1年以内のサロン利用率(%)(※2)×1回あたり利用金額平均(円)(※3)×年間利用回数平均(回)(※4)

(※1)人口データは人口推計(総務省統計局)を使用。年齢(5歳階級)、男女別人口―総人口(各年10月1日時点)。調査年の前年10月1日時点の人口を使用。

(※2)(※3)(※4)ホットペッパービューティーアカデミー「美容センサス2025年上期」各資料編より使用。

「美容センサス2025年上期≪美容室編≫資料編」

「美容センサス2025年上期≪理容室編≫資料編」

「美容センサス2025年上期≪エステサロン編≫資料編」

「美容センサス2025年上期≪リラクゼーションサロン編≫資料編」

「美容センサス2025年上期≪ネイルサロン編≫資料編」

「美容センサス2025年上期≪アイビューティーサロン編≫資料編」

■『ホットペッパービューティーアカデミー』とは

美容に関する調査研究機関。「美容の未来のために、学びと調査・研究を」をビジョンに2014年に開校しました。美容サロンのマネジメントやマーケティングを学ぶ「経営セミナー」、美容センサスなどの「調査研究」、訪問美容・女性活躍・SOGIEなどの情報提供・イベント開催などをはじめとした「サステナビリティ活動」を柱に、全て無料で美容業界へ情報発信しています。これらの活動により、美容業界の成長に寄与する場の提供を目指しています。

 

▼リクルートについて

https://www.recruit.co.jp/

▼本件に関するお問い合わせ先

https://www.recruit.co.jp/support/form/

このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります

メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。

すべての画像


会社概要

株式会社リクルート

377フォロワー

RSS
URL
-
業種
サービス業
本社所在地
東京都千代田区丸の内1丁目9番2号
電話番号
-
代表者名
牛田 圭一
上場
未上場
資本金
-
設立
-