「能力主義」のアメリカ海軍、「成績順」の日本海軍――勝敗を分けた「人事」を12人の指揮官から読み解く! 大木毅『海軍士官たちの太平洋戦争』が新潮社から本日発売されます。

真珠湾攻撃、珊瑚海海戦、ミッドウェイ海戦、マリアナ沖海戦、レイテ沖海戦……「錯誤の波濤」の中で指揮官たちはどう決断したのか?

株式会社新潮社

太平洋戦争の勝敗を分けたものは、兵力や物量だけではなかった――。日本海軍は「学校の成績」を重んじ、アメリカ海軍は「実戦での能力」を重視した。こうした人事制度や組織文化の違いは、予測不能な戦場で指揮官たちの判断にどのような影響を与えたのでしょうか。『独ソ戦』で「新書大賞2020」を受賞した現代史家・大木毅氏が、日米英独12人の海軍軍人の軌跡から太平洋戦争を再検証。真珠湾からレイテまで、硬直した教育や教条主義に縛られた日本海軍と、冷徹にリスクを計算した米海軍の違いを浮き彫りにする『海軍士官たちの太平洋戦争』を、新潮社より9月28日に刊行します。本書は、前2作『指揮官たちの第二次大戦』、『決断の太平洋戦史』に続く、シリーズ第3弾となります。

戦争では、想定通りのことなどほとんど起こりません。敵の予想外の行動、情報の不足、作戦上の錯誤――。次々に襲いかかる「不測の事態」に対し、現場の指揮官がいかなる判断を下すかが、戦局そのものを左右します。

本書が描くのは、そうした「錯誤の波濤」に投げ込まれた12人の海軍軍人です。

日本海軍からは、源田実、嶋田繁太郎、井上成美、大西瀧治郎、永野修身。アメリカ海軍からは、フランク・J・フレッチャー、ハロルド・R・スターク、レイモンド・A・スプルーアンス、チェスター・W・ニミッツ、アーネスト・J・キング。そしてイギリス海軍のジェイムズ・F・サマヴィル、ドイツ海軍のパウル・ヴェネカー。

著者は彼らの来歴と実際の決断を追いながら、それぞれの能力や個性だけでなく、彼らを選び、育て、指揮官に据えた「組織」にも目を向けます。

本書に登場する海軍士官および関連写真

【目次】

第一章 猛禽の虚飾 源田実大佐(日本海軍)

第二章 生に執着した総帥 嶋田繁太郎大将(日本海軍)

第三章 インド洋の「ミッドウェイ」? ジェイムズ・F・サマヴィル元帥(イギリス海軍)

第四章 「開拓者的闘士」 フランク・J・フレッチャー大将(合衆国海軍)

第五章 「カイザーの海軍」の太平洋戦争 パウル・ヴェネカー大将(ドイツ海軍)

第六章 知性派提督の「白い染み」 井上成美大将(日本海軍)

第七章 日本を干上がらせた男 ハロルド・R・スターク大将(合衆国海軍)

第八章 未解明の動機 大西瀧治郎中将(日本海軍)

第九章 リスクを計算しつくした知性 レイモンド・A・スプルーアンス大将(合衆国海軍)

第十章 勝てるチームをつくった提督 チェスター・W・ニミッツ元帥(合衆国海軍)

第十一章 人格者ならざる「名将」 アーネスト・J・キング元帥(合衆国海軍)

第十二章 陰翳にみちた主戦論者 元帥永野修身大将(日本海軍)

終章 「混沌」に対応できなかったエリートたち――昭和海軍の失敗

 

◾️書籍内容紹介

勝敗の主因は人事にあり。組織と個性で見る指揮官列伝。

真珠湾から珊瑚海、ミッドウェイを経て、マリアナ、レイテ海戦に至るまで、不測の事態が生起する「錯誤の波濤」の中、海軍軍人はどのような判断を下したか。その軌跡を辿りながら、硬直した教育や教条主義に縛られ、戦場の混沌に対応できなかった日本海軍エリートの姿を、冷徹にリスクを計算した米海軍と対比して描き出す。

 ◾️著者紹介:大木毅(おおき・たけし)

1961年東京生まれ。立教大学大学院博士後期課程単位取得退学。DAAD(ドイツ学術交流会)奨学生としてボン大学に留学。千葉大学他講師、防衛省防衛研究所講師、陸上自衛隊幹部学校講師等を経て著述業に。雑誌「歴史と人物」の編集に携わり、旧帝国軍人を多数取材。『独ソ戦』(岩波新書)で「新書大賞2020」大賞、 『天才作戦家マンシュタイン 「ドイツ国防軍最高の頭脳」-その限界』(角川新書 )で第11回「猪木正道賞」特別賞(2025)を受賞。著書に『決断の太平洋戦史 「指揮統帥文化」からみた軍人たち』(新潮選書)、『太平洋戦争』(PHP新書)、『ミッドウェイ海戦』(文春新書)など。

◾️著者のメッセージ(本文「はじめに」より)

 2022年以来、『波』誌(新潮社)に連載ののち、加筆訂正を加えて上梓するというスタイルで、第二次世界大戦軍人列伝を発表してきた。本書は、その3冊目である。今回は、太平洋戦争において決定的な意味を持った海上戦の指揮を執った海軍軍人に対象を絞ってみた。

 航空機が本格的に主兵となったことにより、未知・想定外の事態が多発した、この人類史上最大の海上闘争において、彼らは、あるいは錯誤し、あるいは明断を下した。かかる苦闘は、戦争に勝つ策を定める「戦略(ストラテジー)」、戦争目的を達成するための軍事行動を立案・実施する「作戦(オペレーション)」、現場の局面である戦闘を有利に運ぶわざである「戦術(タクティクス)」の、いわゆる「戦争の諸階層(レヴェルズ・オブ・ウォー)」の三次元での能力も赤裸々に示された。そのなかで、海軍軍人としての彼らの個性もおのずからあらわになったのだ。

「指揮」という戦争の一側面を考察する企ての題材として、太平洋戦争の海軍軍人を選んだゆえんである。

 具体的な執筆にあたっては、日本海軍の軍人については、敗戦から80年を経て、すでに定着しているであろう像に再検討を加えることを心がけ、また日本では必ずしもポピュラーであるとはいえない米英の海軍軍人については、その歴史的個性のアウトラインをつかめるように努力したつもりである。

「用兵思想」という軍事的な概念を用いて分析するが、同時に読者のヒューマン・インタレストを満足させることを自らに課すという原則は、本書においても変わりはない。幸い、前2冊で読者の支持をいただけたと思われる手法である。

◾️筑波大学名誉教授・波多野澄雄氏(日本政治外交史、国際政治史)絶賛!

著者が内外の軍人像を描き出すうえで卓越している点がいくつかある。その一つは評価基準が明確であること。たとえば、戦争遂行を戦略、作戦、戦術という三次元に区分し、各次元における指揮官能力の多角的評価である。ちなみに著者の眼鏡にかなう総力戦時代の卓越した指揮官は米陸軍参謀総長マーシャル元帥ぐらいであろうか。

もう一つは指揮官の戦歴の一面的な評価に陥らず、その功罪を多面的に検証する姿勢である。さらに透徹した眼差しの向こう側には生身の軍人がいることを著者は決して忘れてはいない。換言すれば読者との対話が常に意識されているのである。

 

◾️書籍データ

【タイトル】海軍士官たちの太平洋戦争

【著者名】大木毅

【発売日】2026年9月28日

【造本】新潮選書

【定価】1,870円(税込)

【ISBN】978-4-10-603951-5

【URL】https://www.shinchosha.co.jp/book/603951/

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会社概要

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業種
情報通信
本社所在地
東京都新宿区矢来町71
電話番号
03-3266-5220
代表者名
佐藤隆信
上場
未上場
資本金
8000万円
設立
1896年07月