「私の海藻、大きくなあれ!」小学校内で海藻を養殖【海藻School2024】を開催しました!
2024年5月~2025年2月 【場所】東彼杵町立彼杵小学校、時津町立時津北小学校
一般社団法人海と日本プロジェクトinながさきは、海藻の育成を通して海の特徴を学び、海藻増加へ寄与することを目的に、2024年5月~2025年2月の約1年間を通して「海藻School2024」を開催いたしました。
このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。
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イベント概要
・開催概要:海藻School2024
・開催場所/日程:
東彼杵町立彼杵小学校 / 第1回2024年5月9日(木)、第2回2024年5月10日(金)、第3回2024年12月18日(水)、第4回2025年2月14日(金)
時津町立時津北小学校 / 第1回2024年5月23日(木)、第2回2024年5月24日(金)、第3回2024年12月10日(火)、第4回2025年2月7日(金)
・参加人数:東彼杵町立彼杵小学校6年生 44名、時津町立時津北小学校6年生 63名、計107名
・講師:長崎ダイビングサービス海だより 代表 中村 拓朗氏
・協力:長崎大学水産学部 教授 水産学博士 桑野 和可氏
卵を採取して、海藻を育てよう!
小学生が学校で海藻を卵から陸上養殖する年間を通した体験学習を、大村湾周辺の小学校2校で実施しました。
5月、東彼杵町立彼杵小学校と時津町立時津北小学校で、オリエンテーションと卵の採取、卵播きを行いました。彼杵小学校ではアカモク、時津北小学校ではアカモクとヤツマタモクを育成します。
まずはオリエンテーションで、大村湾の特徴と課題、海藻の役割などについて学びました。「海藻はたくさんの生き物が集まって産卵したり子どもを育てる場所。海藻は海の環境を支える上で一番重要な場所です。ですが今、海が砂漠化して海藻が生えなくなっています。これを磯焼けと言い、大村湾でも問題になっています。なのでみんなで海藻を育てて、磯焼け問題解決に取り組みましょう!」と話すと、子どもたちはワクワクしつつも真剣に聞いていました。
オリエンテーションでしっかりと学んだら、いよいよ海藻の卵採取に取り掛かります。まずは海藻の特徴を観察して絵を描き、気づいたことをワークシートに書き込みました。その後、卵がついた生殖器床をハサミで切り取り、ネットを張って海水を入れたお皿に置いていきます。初めての作業に子ども達は興味深々。楽しそうに作業を進めていました。卵が生殖器床からネットの下に落ちるまで時間がかかるので、1日目はこれで終了です。
次の日、ネットの下にたくさんの卵が落ちていました。その卵をスポイトで回収していきます。卵がとても小さく、回収するのにみんな苦戦していましたが、講師の中村氏のアドバイスを聞きながら必死に回収していました。
回収できたら、卵と一緒に入っている大小のごみを取り除き、卵播きを行います。ジョウロに海水と卵を入れ、苗プレート上に卵を播きました。植物への水やりのような播き方に、みんな不思議そうな表情を浮かべつつ、興味津々な様子でした。
卵播きが終了したら、卵が苗プレートにしっかりと着くように3日間動かさずに置いておきます。3日後からは教室で子どもたちが毎日栄養を与え、2週間に一度水の入れ替えを行い海藻を育てました。
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成長した海藻を海に返そう!
12月、成長した海藻をいよいよ海に出します。子どもたちが各校の近くの海岸に集合しました。
海に出す準備を子ども達全員で行います。海藻の苗が付いた苗テープをプレートから外し、その苗テープを結束バンドでロープに固定していきました。真っ直ぐにしっかりと固定するのが難しかったようですが、自分たちの海藻が海でちゃんと成長できるように、気持ちを込めて作業しました。
すべての海藻をロープに固定できたら、講師の中村氏が海藻を海に設置しました。この後は、海藻が海の栄養素でちゃんと成長できるのか見守ります。海藻の成長が気になり、設置場所に観察に行った子ども達もいたようです。
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1年間で学んだことを発表しよう!
2月、1年間の集大成としてまとめの授業を行いました。
まずは12月に海に出した海藻の様子を、講師の中村氏が撮影した写真で確認しました。沖だしから約10日後、各校の海藻はどちらも育ちが悪く、弱っていました。原因は各校共通して「光合成がしずらい環境だったこと」。大村湾は超閉鎖性海域という特徴から外海との海水の交換が行われにくく、海水の透明度が低いため、水中に光が届きにくい特徴があります。原因を踏まえ中村氏が海藻を光があたりやすい水面近くに移動させたところ、約30日後にはどちらの海藻も復活!少しずつ伸び始め、海藻の周りに生き物がいる様子も観察できました。「海藻は海で成長できています!なのでみんなが取り組んだ海藻の育成は成功です!」と伝えると、みんなとても嬉しそうな表情をしていました。
成長が確認できたところで、1年間を振り返り、学んだことを発表してもらいます。この海藻Schoolは海藻を育てることがゴールではありません。海藻の育成を通して大村湾で起きている問題を学び、どうすれば大村湾を守り、海を未来へつなぐことができるか考えてもらうことを目的としています。なので「①これまで海藻を育てて大変だったこと」「②私が海を守るためにできること」「③私が描く未来の海」について、グループで発表してもらいました。
〈①これまで海藻を育てて大変だったこと〉
・毎日餌を与えたり、水を換える作業が大変だった。
・海藻を沖だしする作業が大変だった
〈②私が海を守るためにできること〉
・できるだけごみを出さない。ごみ拾いをする。プラスチック製品をできるだけ使わない。
・ポスターを作って問題を知ってもらう。
・大村湾のことをもっと知る。
・海の大切さをたくさんの人に伝える。
〈③私が描く未来の海〉
・海藻が多く、生き物がたくさんいて、綺麗で豊かな海。
・いろんな生き物が安心して、幸せに暮らせる海。
などたくさんの意見を発表してくれました。海藻育成を通して、大村湾の特徴や起きている問題を学んだ子ども達。1年間で大村湾に親しみを持ち、大村湾を守りたいという気持ちが芽生えたようでした。
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参加した子ども・保護者からの声
・今まで海への興味はなかったけれど、授業を通して海の魅力をたくさん知って興味が沸いた。今の海の状況を知り、海をきれいにしたいという意識が高まった。
・今回の授業で海藻を育てることに成功したので、これからも色々なところで海藻を育てて海をきれいにしたい。海にごみを捨てたり、プラスチック製品を使わないことで少しでも海がきれいになるように、これから気を付けて生活したい。
・これからは自分でごみ拾いするだけでなく、周囲にも呼びかける。自分たちだけでなく周りの人にも海を大切にしてもらいたいので、授業で学んだことを周りにも伝えていきたい。
・どんな問題や課題があるのか知ることができた。これから、もっと海のことを知ったり、大村湾のイベントなどに参加したり、自らごみ拾いをしたりして、海を守る行動をしたい。
・実際に海藻を育てる体験をしたことで、海藻を育てる活動の大変さや大切さがわかった。
<団体概要>
団体名称:一般社団法人海と日本プロジェクト in ながさき
URL:https://nagasaki.uminohi.jp
活動内容:県内企業・団体への「海と日本プロジェクト in ながさき」への参加要請、海と日本プロジェクト in ながさき 応援動画の制作・放送やホームページの制作、長崎県独自の特徴を活かしたイベントの開催 など
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日本財団「海と日本プロジェクト」
さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。
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「大村湾ワンダーベイプロジェクト」
超閉鎖性海域であるが故に、周辺地域の生活環境が影響しやすい大村湾は、地域住民・企業・自治体がワンチームとなって取り組み、大村湾を大切に守る気持ちを育む必要があります。そこで、2023年度新たに立ち上がったのが「大村湾ワンダーベイプロジェクト」です。日本財団 海と日本プロジェクトの活動の一環として、豊かで美しい大村湾を守るために推進するプロジェクトです。
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