全米図書賞翻訳部門、ブッカー国際賞ダブルノミネートのオランダの異才、アニエット・ダーニエによる大長篇『コウノトリとラクダの歌』を本日発売!
新潮社は、欧米の文学界で最大の注目を集めるオランダの異才、アニエット・ダーニエの『コウノトリとラクダの歌』を発売します。エミリー・ブロンテに捧げられ、プルーストを超えると絶賛された傑作大長篇です。
ブラックベリーの繁る丘に眠る女性作家をもとめて――。
魂の奥に死を抱えて生きる人々の声は、いつしかつながり合い、一つの歌を宇宙に響かせる。何と深遠な物語。
――小川洋子
呪いと暴力、そして死に不意打ちされ続ける生のなかにも愛がみいだされる、さながら『嵐が丘』のような世界が流転し、その激しくも静鎰な物語がいかに後世の人たちの魂の共感を呼んだかが微に入り細に入り語られる。まさに、フィクションとノンフィクションのあわいを捉えた稀有な長編小説。
――小川公代

19世初めの英国ヨークシャー。牧師の娘エライザ=メイ・ドレイデンは、ヒースの丘の散策と読書が好きで、姉妹とともに密かに小説を書いていた。だが、ようやく男性名義で出版された唯一の本が「不道徳」と酷評され、失意のまま早逝する。
11章からなる本書では、寡黙な独身女性だったエライザをめぐるゴシップや手紙、伝記、謎めいたノートからの引用が各章冒頭に置かれ、やがて世界を熱狂させる存在となった彼女の姿を浮かびあがらせる。
一方、いずれも心を奪われる11の物語は、ニューヨーク、ロンドン、第一次大戦中のフランス、21世紀のオランダへと舞台を移しながら、村の女性納棺師、エライザを見守る文房具屋兼郵便局の娘、伝記作家の母と娘たち、古い手稿の蒐集家と息子、時計職人の夫と悲しいほど不器用な物理学徒の妻などを中心に、死と再生の終わりのない循環、人生という名の絶え間ない繰り返しが怒涛のように描かれてゆく。
愛と喪失。時間の不可解。物語ること。異なる時代の異なる人々の人生のなかに、エミリー・ブロンテをモデルとするエライザ=メイ・ドレイデンの囁きが、こだまのように響きつづける。オランダの5つの文学賞を独占! 息がつまるほど豊穣な圧倒的長篇小説。
■装幀について
カバーを飾るのは、美術家・勝本みつるさんのコラージュ作品です。タイトルにちなんだコウノトリとラクダ、作品のなかに繰り返し現れるモチーフであるブラックベリーや時計、ハエやイラクサなどの植物を全面にちりばめ、さらにイラストの一部には金の箔押しが施されています。表紙はチョコレート色の用紙に銀の箔押し。832ページの大著の迫力に拮抗する美しいブックデザインです。


■書籍内容紹介
時は静かに、とても静かに過ぎてゆく。そしてあるとき、一秒が永遠になるーー。
英国ヨークシャーの荒れ野、ブラックベリーの生い茂る丘に眠る、知られざる女性作家エライザ=メイ・ドレイデン。19世紀のイギリスから第一次大戦下のフランス、21世紀のオランダまで、さまざまな人々の人生のなかに繰り返される死と再生の循環。エライザの面影。 『嵐が丘』にインスパイアされ、エミリー・ブロンテに捧げられた、オランダ最大の文学賞リブリス賞受賞の大長篇。
■著者紹介

1965年、オランダ・ドレンテ州生まれ。ユトレヒト大学で数学博士号取得。1993年、作家デビュー。シナリオライターとしても活躍し、短篇映画でベルリン映画祭金熊賞受賞。前作『記憶される兵士』の英訳が、2025年度全米図書賞翻訳部門、2026年度国際ブッカー賞候補に。2022年刊行の本書『コウノトリとラクダの歌』により、オランダでもっとも権威あるリブリス文学賞、図書券文学賞を史上初のダブル受賞。2023年、作家活動全体に対しコンスタンタイン・ハウヘンス賞受賞。2025年、本書がNRCハンデルスブラット紙が選ぶ〈今世紀最良の本〉に選出。
■翻訳者紹介:長山さき
1963年神戸生まれ。関西学院大学大学院修士課程修了。文化人類学を学ぶ。1987年、オランダ政府奨学生としてライデン大学に留学。現在アムステルダム在住。訳書にトーン・テレヘン『ハリネズミの願い』(本屋大賞翻訳小説部門受賞)、ハリー・ムリシュ『天国の発見』、サンダー・コラールト『ある犬の飼い主の一日』ほか。
■書籍データ
【タイトル】コウノトリとラクダの歌
【著者・訳者名】アニエット・ダーニエ 長山さき訳
【発売日】2026年10月28日
【造本】四六判変型
【定価】6600円(税込)
【ISBN】978-4-10-507481-4
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