【小中学生~大人に大人気!】「5分後に意外な結末」シリーズの5冊が、新作ストーリー&イラストを約100ページ増量し大改訂!! 発売を記念して制作陣にインタビュー!
大人気シリーズ「5分後に意外な結末」の5冊が、各巻約10編の新作ストーリーとusi氏のマンガ・イラストを加え、大幅改訂。約100ページ増量された中身とは――!? 著者と編集者に詳しい話を聞いた。
株式会社 学研ホールディングス(東京・品川/代表取締役社長:宮原博昭)のグループ会社、株式会社 学研プラス(東京・品川/代表取締役社長兼COO:南條達也)は、2022年7月28日に、『5分後に意外な結末 赤い悪夢[増補改訂版]』を含むシリーズ5冊を同時発売いたしました。
シリーズ累計430万部を突破し、「小学生が選ぶ!〝こどもの本″総選挙(短編読み物部門)」第1位、中学生対象ファッション誌『nicola(ニコラ)』の「ニコラなんでもランキング(好きな本部門)」第1位をともに2年連続で受賞するなど、小中学生に絶大な支持を得るだけではなく、一般成人にも読者層が広がっている「5分後に意外な結末」シリーズ。満を持して、同シリーズの出発点である"ファーストシリーズ″の5冊が同時改訂された。今なぜ"ファーストシリーズ″なのか、パワーアップした内容とともに、子どもたちに支持される理由を編集担当者の目黒哲也氏と執筆陣の1人である桃戸ハル氏に聞いた。
――まず、「5分後に意外な結末」が、どういうシリーズなのかを教えてください。「ショート・ショート」という認識でよいのでしょうか?
目黒 今、「ショート・ショート」は、書く人も読む人も急増し、最後に「ドンデン返しがある」というだけではない、さまざまな可能性にチャレンジするジャンルになっているのではないかと思います。一方で、「5分後に意外な結末」は、そのタイトルの通り、「短く読める」「最後に驚きがある」ということに徹底的にこだわったシリーズです。ある意味、それは保守的なのかもしれませんが、その2つのみを約束ごととして、そこでできるあらゆることにチャレンジしているつもりです。
――「あらゆること」と言うと?
目黒 たとえば、テイストで言うと「笑える」「怖い」「感動する」など、さまざまな感情にタッチしたいと思ってますし、ジャンルも、ミステリー、SF、ファンタジー、恋愛など、一つに限定しません。「怖い話かと思ったら、感動する話」みたいに、趣が大きく変わる話も少なくありません。それはなぜかというと「読者の方々を飽きさせたくない」「驚かせたい」と思っているからです。「意外な結末」というタイトルを看板に掲げていると、どうしても読者の中には「騙されるものか」「オチを読んでやる」という気構えで読もうとする方も多いと思います。そういう人たちを、なんとかして心地よく騙すために「あの手この手」を準備している、という感じです。
――ほかに、シリーズの特徴と考えていることはありますか?
目黒 「読者を限定的にしない」ということです。これは、結果論でもあるので、偉そうに語るのは、ちょっと恥ずかしいんですが……。もともと、このシリーズは「中学生くらいに読んでほしい」と思って作りました。自分自身、中学生の頃に、たくさんそういう短編を読んだので、読者対象として考えやすかったからです。結果、「『朝の読書』で読まれた本(中学生部門)」で1位になりましたし、中学生向けの雑誌『ニコラ』でも、2020年、2021年の「好きな本ランキング」で1位になりましたので、目標は達成できたと思っています。でも予想をしていなかったことで嬉しかったのは、中学生から下にも読者層が伸びていき、また逆のベクトルで、一般層にも読者層が広がっていったことです。
――「小学生が選ぶ!"こどもの本″総選挙」と「文庫」のことですか?
目黒 そうです。「"こどもの本″総選挙」は、実際の小学生が「自分の好きな本」に投票して、「最強の好きな本」を選ぶというイベントです。このイベントで、「5分後に意外な結末」シリーズは(短編読み物部門)で1位、『5分後に意外な結末 赤い悪夢』は(総合TOP10)6位に選んでいただきました。それと、学研には「文庫」がないので、講談社文庫から「ベスト・セレクション版」を出していただいているのですが、それもとても読まれているようです。
――文庫版は、児童書として出しているものと、同じ内容なんですか?
目黒 ルビ(振り仮名)を取ったりはしていますが、基本的には同じ内容です。同じ内容の小説を、小学生から、(上は何歳までかよくわからないですが)大人までが読むことって、そんなには多くない気がするので、とても嬉しいですね。
――「読者が幅広い」ということは、読者やターゲットを絞れない、ということですよね? そのデメリットはないんですか?
目黒 おっしゃる通り、今は、特に読者を絞るような方向は考えていません。POSデータで「どれくらいの人数に買っていただけているか」というのは、とても気になっていますが、それ以上の細かい分析はしていません。あまりにもターゲットを絞り込んでいくと、特定の層には届くけれど、その他の層には届かなくなってしまうのかな、と思っているからです。今のところ、デメリットはそう感じません。子どもの数が減っていると言われている中で、「児童書」の読者を広げていく方法のひとつは「いかに一般成人である親御層に読んでもらえるか」だと思っています。
――たしかに、まだ「児童書は、親が購入する」と言われますね。その、親自身が「自分も読みたい」と思ってもらえるか、ということですね?
目黒 「絵本」などは、子ども自身が文字を読めなくて親が読み聞かせをしますから、自然と親も読んで、「親が(その絵本を)好きになる」ということがでてくるんじゃないでしょうか。だから、定番化して長く読まれ続けるのかもしれません。でも、年齢が上がっていくと、親は「子どもの本」を読まなくなる。子どもにとっては、自分が読みたい本を親も気に入ってくれたら、こんなに嬉しいことはないはずです。たぶん、本を買ってもらいやすくなるでしょうし、今の「友人関係」に近い親子関係の中では「共通の好きなもの」「共通の話題になるもの」って、とても大事なんだと思います。
――執筆も、そのあたりの考えを念頭に置いているんですか?
桃戸 いや、私のほうでは、そんな理屈っぽいことは全然考えてないですね。「面白いと思ってもらえるか」だけを考えてます。編集側からの「こういうジャンルを書いてほしい」というオーダーも、ほぼないです。ただ、自分自身が書くものは、目線をいたずらに下げないようにはしていますね。「本を読む」って、けっこうカッコイイことだと思うんです。それなのに、その本の内容が変に子どもっぽかったら、ちょっと興ざめしちゃうかな、と思うので。
――今回、最初に出したシリーズの5冊を改訂された、ということですが、具体的にはどのようなところが変更されたのでしょう?
目黒 最初に申しました「あらゆることにチャレンジ」は、この「5分後に意外な結末」のシリーズを積み重ねる中で、試行錯誤を繰り返しながら行ってきたことです。ただ、およそ10年近く前に出した最初の5冊では、そこが明確化されていませんでした。だから、長い間模索して確立してきた「5分後に意外な結末」シリーズのコンセプトを 最初の5冊にも還元した、という感じです。
桃戸 具体的に言うと、旧版のシリーズには1冊につき約30編のお話が入っていましたが、各巻に約10編の新作を加えました。そこで加えた新作は、さっき話に出た「あの手この手」に「奥の手」まで加えて、さらにバリエーションに富んだ作品集にしています。
目黒 もうひとつ、とても大きなことは、usi氏のイラストを全変更し、マンガを追加した、ということです。今まで、シリーズのコンセプトなどを理屈っぽく説明してきましたが、それらを直感的にビジュアルで説明しているのが、usi氏のイラストです。
――たしかに、多くの読者が「5分後に意外な結末」シリーズというと、あの特徴的なイラストを思い浮かべますね。大人向けでもなく、子ども向けでもなく、どこの世界なのかもわからない。イラストは「どういうモチーフを書いてほしいか」ということをオーダーするんですか?
目黒 まったくしません。usi氏が思うままに、好きに書いていただいています。今回、各巻にイラストだけではなく、usi氏の描き下ろしマンガを巻頭と本文に入れてます。収録された小説と関係があるようなないような、不思議な世界観のマンガです。それが、小説のつなぎのようになっていて楽しめます。
桃戸 小説も40編近く収録されているし、usiさんのイラスト・マンガも楽しめる。本当に贅沢な作りだと思います。
――同時に5冊が発売されましたが、読む順番はあるんですか?
目黒 今回、『5分後に意外な結末 赤い悪夢』『 同 青いミステリー』『 同 白い恐怖』『 同 黒いユーモア』『 同 黄色い悲喜劇』の5冊を同時に発刊しました(すべて、増補改訂版)。どの巻から読んでもよいですし、(その巻の中では)どのお話から読んでいただいても大丈夫です。旧版は、①~⑤とナンバリングをしてしまいました。その結果、①から順番に読む、という暗黙のガイドラインができてしまいました。でも、実際は、さっき言いました通り、どの巻から読んでもいいんです。気になるタイトルの作品から読んでほしいと思います。
桃戸 ちなみに、「悪夢」「ミステリー」「恐怖」「ユーモア」「悲喜劇」というサブタイトルにも深い意味はないそうです。
目黒 さっきも言いましたが、「白い恐怖」の巻に「怖い話」だけを集めてしまったら、読者は、「感動的な話に見せかけているけど、結局、怖い結末になるんでしょ」と退屈してしまうと思うんです。
――「退屈させない」とか、「飽きさせない」というのは、「5分後に意外な結末」シリーズの全体像にも反映されていますよね?
目黒 そうなんです! ご存じない方への説明になりますが「5分後に意外な結末」シリーズは、より小さなくくりである複数の「ライン」で構成されています。そのラインのひとつが、今回改訂した「5分後に意外な結末(ファーストシリーズ)」なのですが、ほかにも『5秒後に意外な結末』『5分後に意外な結末Q』『5分後に恋の結末』などがあります。
――先ほどの話では、「恋の話みたいな限定はせず」ということだったと思うのですが?
目黒 たとえば『5分後に恋の結末』は、「恋」というテーマについてのチャレンジというより、「特定のキャラクターを設定する」ということへのチャレンジです。『5分後に意外な結末』のようなアンソロジー集は、どうしてもパラパラとしたまとまりのないものになりがちです。それをつながりのあるものにするために、キャラクターを設定しています。先ほどのusi氏のイラストも、同じ役割ですね。シリーズの中では、ほかに『悩み部』『5分後に意外な結末Q』が、そのようなチャレンジをしています。
桃戸 あと、私が執筆を担当している『5秒後に意外な結末』は、『5分後に意外な結末』よりもずっと短く、オモテ・ウラの2ページで完結する、究極のショートストーリーを目指してます。
目黒 今では、2ページ構成の小説が他の出版社からも出されるようになりましたが、『5秒後に意外な結末』は、ビジュアルをオチにしたり、お話とお話が実はつながっていたりなど、桃戸さんがありとあらゆる手法のオチを使っていて、そういうバリエーションの豊富さでは、他に並ぶものがないんじゃないかと思います。
桃戸 ですが、『5秒後に意外な結末』のスピンオフの『5億年後に意外な結末』では、最初に『5秒後に意外な結末』として物語が始まるのに、その登場人物に本を乗っ取られてしまうという……。本を乗っ取られてしまって、途中からは私の作ではないのですが、『5億年後に意外な結末』は、馬鹿馬鹿しさと奥深さが合体した、シリーズの中でも最大の衝撃作だと思います。
――同じシリーズの中にも、まったく違うアプローチのラインがあって本当にすごいシリーズだと思います。今後は、シリーズはどのような方向へと向かうのでしょう?
目黒 安定した面白さを提供したいと思いつつも、シリーズの可能性を広げるような、いろいろなチャレンジを続けていきたいと思います。先ほど軽く言いましたが、実は来年がシリーズをスタートさせて10年目の年になります。これから本を出すだけではない、さまざまなアプローチで楽しんでいただくよう、頑張って参ります。
[商品概要]
『5分後に意外な結末 赤い悪夢[増補改訂版]』
『5分後に意外な結末 青いミステリー[増補改訂版]』
『5分後に意外な結末 白い恐怖[増補改訂版]』
『5分後に意外な結末 黒いユーモア[増補改訂版]』
『5分後に意外な結末 黄色い悲喜劇[増補改訂版]』
定価:各1,210円(本体1,100円+税10%)
発売日:2022年7月28日木曜日
判型:四六判
ISBN:
①978-4-05-205586-7
②978-4-05-205585-0
③978-4-05-205584-3
④978-4-05-205587-4
⑤978-4-05-205583-6
発行所:(株)学研プラス
公式サイト:https://gakken-ep.jp/extra/5fungo/series01.html
【本書のご購入はコチラ】
・Amazon https://www.amazon.co.jp/dp/4052055861
・楽天ブックス https://books.rakuten.co.jp/rb/17159398/
・セブンネット https://7net.omni7.jp/detail/1107306192
- 「5分後に意外な結末」シリーズとは?
――まず、「5分後に意外な結末」が、どういうシリーズなのかを教えてください。「ショート・ショート」という認識でよいのでしょうか?
目黒 今、「ショート・ショート」は、書く人も読む人も急増し、最後に「ドンデン返しがある」というだけではない、さまざまな可能性にチャレンジするジャンルになっているのではないかと思います。一方で、「5分後に意外な結末」は、そのタイトルの通り、「短く読める」「最後に驚きがある」ということに徹底的にこだわったシリーズです。ある意味、それは保守的なのかもしれませんが、その2つのみを約束ごととして、そこでできるあらゆることにチャレンジしているつもりです。
――「あらゆること」と言うと?
目黒 たとえば、テイストで言うと「笑える」「怖い」「感動する」など、さまざまな感情にタッチしたいと思ってますし、ジャンルも、ミステリー、SF、ファンタジー、恋愛など、一つに限定しません。「怖い話かと思ったら、感動する話」みたいに、趣が大きく変わる話も少なくありません。それはなぜかというと「読者の方々を飽きさせたくない」「驚かせたい」と思っているからです。「意外な結末」というタイトルを看板に掲げていると、どうしても読者の中には「騙されるものか」「オチを読んでやる」という気構えで読もうとする方も多いと思います。そういう人たちを、なんとかして心地よく騙すために「あの手この手」を準備している、という感じです。
――ほかに、シリーズの特徴と考えていることはありますか?
目黒 「読者を限定的にしない」ということです。これは、結果論でもあるので、偉そうに語るのは、ちょっと恥ずかしいんですが……。もともと、このシリーズは「中学生くらいに読んでほしい」と思って作りました。自分自身、中学生の頃に、たくさんそういう短編を読んだので、読者対象として考えやすかったからです。結果、「『朝の読書』で読まれた本(中学生部門)」で1位になりましたし、中学生向けの雑誌『ニコラ』でも、2020年、2021年の「好きな本ランキング」で1位になりましたので、目標は達成できたと思っています。でも予想をしていなかったことで嬉しかったのは、中学生から下にも読者層が伸びていき、また逆のベクトルで、一般層にも読者層が広がっていったことです。
――「小学生が選ぶ!"こどもの本″総選挙」と「文庫」のことですか?
目黒 そうです。「"こどもの本″総選挙」は、実際の小学生が「自分の好きな本」に投票して、「最強の好きな本」を選ぶというイベントです。このイベントで、「5分後に意外な結末」シリーズは(短編読み物部門)で1位、『5分後に意外な結末 赤い悪夢』は(総合TOP10)6位に選んでいただきました。それと、学研には「文庫」がないので、講談社文庫から「ベスト・セレクション版」を出していただいているのですが、それもとても読まれているようです。
――文庫版は、児童書として出しているものと、同じ内容なんですか?
目黒 ルビ(振り仮名)を取ったりはしていますが、基本的には同じ内容です。同じ内容の小説を、小学生から、(上は何歳までかよくわからないですが)大人までが読むことって、そんなには多くない気がするので、とても嬉しいですね。
――「読者が幅広い」ということは、読者やターゲットを絞れない、ということですよね? そのデメリットはないんですか?
目黒 おっしゃる通り、今は、特に読者を絞るような方向は考えていません。POSデータで「どれくらいの人数に買っていただけているか」というのは、とても気になっていますが、それ以上の細かい分析はしていません。あまりにもターゲットを絞り込んでいくと、特定の層には届くけれど、その他の層には届かなくなってしまうのかな、と思っているからです。今のところ、デメリットはそう感じません。子どもの数が減っていると言われている中で、「児童書」の読者を広げていく方法のひとつは「いかに一般成人である親御層に読んでもらえるか」だと思っています。
――たしかに、まだ「児童書は、親が購入する」と言われますね。その、親自身が「自分も読みたい」と思ってもらえるか、ということですね?
目黒 「絵本」などは、子ども自身が文字を読めなくて親が読み聞かせをしますから、自然と親も読んで、「親が(その絵本を)好きになる」ということがでてくるんじゃないでしょうか。だから、定番化して長く読まれ続けるのかもしれません。でも、年齢が上がっていくと、親は「子どもの本」を読まなくなる。子どもにとっては、自分が読みたい本を親も気に入ってくれたら、こんなに嬉しいことはないはずです。たぶん、本を買ってもらいやすくなるでしょうし、今の「友人関係」に近い親子関係の中では「共通の好きなもの」「共通の話題になるもの」って、とても大事なんだと思います。
――執筆も、そのあたりの考えを念頭に置いているんですか?
桃戸 いや、私のほうでは、そんな理屈っぽいことは全然考えてないですね。「面白いと思ってもらえるか」だけを考えてます。編集側からの「こういうジャンルを書いてほしい」というオーダーも、ほぼないです。ただ、自分自身が書くものは、目線をいたずらに下げないようにはしていますね。「本を読む」って、けっこうカッコイイことだと思うんです。それなのに、その本の内容が変に子どもっぽかったら、ちょっと興ざめしちゃうかな、と思うので。
- 「5分後に意外な結末 増補改訂版」について
――今回、最初に出したシリーズの5冊を改訂された、ということですが、具体的にはどのようなところが変更されたのでしょう?
目黒 最初に申しました「あらゆることにチャレンジ」は、この「5分後に意外な結末」のシリーズを積み重ねる中で、試行錯誤を繰り返しながら行ってきたことです。ただ、およそ10年近く前に出した最初の5冊では、そこが明確化されていませんでした。だから、長い間模索して確立してきた「5分後に意外な結末」シリーズのコンセプトを 最初の5冊にも還元した、という感じです。
桃戸 具体的に言うと、旧版のシリーズには1冊につき約30編のお話が入っていましたが、各巻に約10編の新作を加えました。そこで加えた新作は、さっき話に出た「あの手この手」に「奥の手」まで加えて、さらにバリエーションに富んだ作品集にしています。
目黒 もうひとつ、とても大きなことは、usi氏のイラストを全変更し、マンガを追加した、ということです。今まで、シリーズのコンセプトなどを理屈っぽく説明してきましたが、それらを直感的にビジュアルで説明しているのが、usi氏のイラストです。
――たしかに、多くの読者が「5分後に意外な結末」シリーズというと、あの特徴的なイラストを思い浮かべますね。大人向けでもなく、子ども向けでもなく、どこの世界なのかもわからない。イラストは「どういうモチーフを書いてほしいか」ということをオーダーするんですか?
目黒 まったくしません。usi氏が思うままに、好きに書いていただいています。今回、各巻にイラストだけではなく、usi氏の描き下ろしマンガを巻頭と本文に入れてます。収録された小説と関係があるようなないような、不思議な世界観のマンガです。それが、小説のつなぎのようになっていて楽しめます。
桃戸 小説も40編近く収録されているし、usiさんのイラスト・マンガも楽しめる。本当に贅沢な作りだと思います。
――同時に5冊が発売されましたが、読む順番はあるんですか?
目黒 今回、『5分後に意外な結末 赤い悪夢』『 同 青いミステリー』『 同 白い恐怖』『 同 黒いユーモア』『 同 黄色い悲喜劇』の5冊を同時に発刊しました(すべて、増補改訂版)。どの巻から読んでもよいですし、(その巻の中では)どのお話から読んでいただいても大丈夫です。旧版は、①~⑤とナンバリングをしてしまいました。その結果、①から順番に読む、という暗黙のガイドラインができてしまいました。でも、実際は、さっき言いました通り、どの巻から読んでもいいんです。気になるタイトルの作品から読んでほしいと思います。
桃戸 ちなみに、「悪夢」「ミステリー」「恐怖」「ユーモア」「悲喜劇」というサブタイトルにも深い意味はないそうです。
目黒 さっきも言いましたが、「白い恐怖」の巻に「怖い話」だけを集めてしまったら、読者は、「感動的な話に見せかけているけど、結局、怖い結末になるんでしょ」と退屈してしまうと思うんです。
- 「5分後に意外な結末」シリーズの全体像
――「退屈させない」とか、「飽きさせない」というのは、「5分後に意外な結末」シリーズの全体像にも反映されていますよね?
目黒 そうなんです! ご存じない方への説明になりますが「5分後に意外な結末」シリーズは、より小さなくくりである複数の「ライン」で構成されています。そのラインのひとつが、今回改訂した「5分後に意外な結末(ファーストシリーズ)」なのですが、ほかにも『5秒後に意外な結末』『5分後に意外な結末Q』『5分後に恋の結末』などがあります。
――先ほどの話では、「恋の話みたいな限定はせず」ということだったと思うのですが?
目黒 たとえば『5分後に恋の結末』は、「恋」というテーマについてのチャレンジというより、「特定のキャラクターを設定する」ということへのチャレンジです。『5分後に意外な結末』のようなアンソロジー集は、どうしてもパラパラとしたまとまりのないものになりがちです。それをつながりのあるものにするために、キャラクターを設定しています。先ほどのusi氏のイラストも、同じ役割ですね。シリーズの中では、ほかに『悩み部』『5分後に意外な結末Q』が、そのようなチャレンジをしています。
桃戸 あと、私が執筆を担当している『5秒後に意外な結末』は、『5分後に意外な結末』よりもずっと短く、オモテ・ウラの2ページで完結する、究極のショートストーリーを目指してます。
目黒 今では、2ページ構成の小説が他の出版社からも出されるようになりましたが、『5秒後に意外な結末』は、ビジュアルをオチにしたり、お話とお話が実はつながっていたりなど、桃戸さんがありとあらゆる手法のオチを使っていて、そういうバリエーションの豊富さでは、他に並ぶものがないんじゃないかと思います。
桃戸 ですが、『5秒後に意外な結末』のスピンオフの『5億年後に意外な結末』では、最初に『5秒後に意外な結末』として物語が始まるのに、その登場人物に本を乗っ取られてしまうという……。本を乗っ取られてしまって、途中からは私の作ではないのですが、『5億年後に意外な結末』は、馬鹿馬鹿しさと奥深さが合体した、シリーズの中でも最大の衝撃作だと思います。
――同じシリーズの中にも、まったく違うアプローチのラインがあって本当にすごいシリーズだと思います。今後は、シリーズはどのような方向へと向かうのでしょう?
目黒 安定した面白さを提供したいと思いつつも、シリーズの可能性を広げるような、いろいろなチャレンジを続けていきたいと思います。先ほど軽く言いましたが、実は来年がシリーズをスタートさせて10年目の年になります。これから本を出すだけではない、さまざまなアプローチで楽しんでいただくよう、頑張って参ります。
[商品概要]
『5分後に意外な結末 赤い悪夢[増補改訂版]』
『5分後に意外な結末 青いミステリー[増補改訂版]』
『5分後に意外な結末 白い恐怖[増補改訂版]』
『5分後に意外な結末 黒いユーモア[増補改訂版]』
『5分後に意外な結末 黄色い悲喜劇[増補改訂版]』
定価:各1,210円(本体1,100円+税10%)
発売日:2022年7月28日木曜日
判型:四六判
ISBN:
①978-4-05-205586-7
②978-4-05-205585-0
③978-4-05-205584-3
④978-4-05-205587-4
⑤978-4-05-205583-6
発行所:(株)学研プラス
公式サイト:https://gakken-ep.jp/extra/5fungo/series01.html
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