本日10/16より予約開始。「書泉と、10冊」第4弾は、復刊ドットコムさんと。名作映画「戦場のメリークリスマス」の原作本「影の獄にて」を14年ぶりに新装丁で復刊!
読みたいけれど、なかなか手に入りにくい本を出版社、著者、読者の方々と一緒に復刊させていく「書泉と、10冊」企画。おかげさまで、第4弾を開始できることになりました。
今回は初の試み「読者の方が待ち望んでいる本の復刊」をその道を究めている株式会社復刊ドットコムさんと取り組みます。
今回の作品は、大島渚監督最大のヒット作であり4K映像化もされた伝説の名作「戦場のメリークリスマス」(1983年公開)の原作本『影の獄にて』(著者:L.ヴァン・デル・ポスト 訳者:由良君美/富山太佳夫)です。
これまで思索社(後に新思索社)より刊行されてきた『影の獄にて』は、大島渚監督による1983年公開の映画「戦場のメリークリスマス」の原作本として知られています。出版元である新思索社が2016年に清算したこともあり、2009年刊行の『戦場のメリークリスマス : 影の獄にて・映画版 : 原作版 新装版』を最後に、書籍の形で原作を読むことはかなわず、長らく絶版状態が続いていました。
一方「絶版や品切れなどで手に入らなくなった本を、投票をもとに復刊させる」という日本初のユーザー参加型のサイトを運営する復刊ドットコムさんのリクエストサイトにも、同サービス開始すぐの2001年より復刊を望むリクエストが入り、先の映画4K映像化などの影響もあってか、今日までに老若男女問わず同書への復刊を望む熱いリクエストが数多く寄せられています。
影の獄にて:復刊リクエストページより
https://www.fukkan.com/fk/VoteDetail?no=6401
*リクエストコメントは一部抜粋して引用
・ヴァン・デル・ポストの、人が生きるということへの丁寧で明晰な意味づけ、詩的なイメージの奔流、世界中を飛び回った人間でないと描くことのできない、世界各地の固有のランドスケープの美しさ、広さ。そして、人種を飛び越えた人間存在への冷静な洞察。私がずっと気になっていた「種子」の正体も分かりました。素晴らしい小説でした。この小説は何度もなんども、我々に繰り返し「蒔かれる」べき小説なのだと思います。
・映画だけでは理解のできないテーマや登場人物の感情など原作小説から得られるものは多い。作品理解という側面以外に、太平洋戦争当時の日本人を西洋人がどのように捉えていたか他者の目を通した自国、自己理解という意味でも価値ある資料と考えられる。この作品を日本人が日本語で読めるようにしたい。
今回の企画は、長年にわたり復刊へのリクエストを頂いた原作ファンの方はもちろんのこと、映画「戦場のメリークリスマス」のファンの方にも原作があることを知っていただきたい!と復刊ドットコムさん側で考え「書泉と、10冊」の1冊としてやりませんか?と突撃ラブコールをいただき始まりました。これまでの書泉の書店員発の企画ではないカタチですが、その熱意とこの作品を今の時代に問うてみたい、と考え取り組んでいきます。
〈復刊ドットコム編集担当 政田さん コメント〉
読むのが先か、観るのが先か…。本書は映画「戦場のメリークリスマス」の原作です。映画を観てから原作を読むと、映画では描き切れなかったであろう各場面への理解がさらに深まりますし、原作を読んでから映画を観ると、原作に描かれた数々の場面が視覚的にさらに鮮明になります。
どちらが先かということではなく、原作と映画それぞれの表現がシナジーを生み、作品に出会う人々に新たな体験をしていただけることと思います。
今回のカバー装幀には、映画冒頭の場面ショットを使いました。内容もあらためて校正し、より読みやすくなりました。手に取っていただけたら幸いです。
〈訳者・由良君美氏の著作権継承者 由良えりもさん コメント〉
訳本の初版から四十五年、映画化から四十年が経つが、坂本龍一氏のテーマ曲と共に、「戦メリ」は人々の記憶から何とか消えずにあるようだ。
ヴァン・デル・ポスト選集第一巻として刊行された本書『影の獄にて』は評判が良く、帯に「映画化決定!」と刷られて版を重ねることとなるが、残念ながら選集は未完となり、今では著者の名前を目にすることも無くなった。
「戦メリ」は戦争映画であるが、原作は所謂戦争ものではない。読者の記憶に刻まれるのは、登場人物の魂の苦悩と解放であって、彼らのカタルシスを追体験出来るのは、本書を手に取った人のみに与えられた特権である。絶版となって久しい本書の復刊を、素直に喜びたい。
なお、書泉各店ではこの作品と同時にやはり「戦場のメリークリスマス」の映像・音楽も一緒に楽しんでいただきたいと考え、以下のような特別セットも用意して予約販売をさせていただきます。
1.五感全てで体験する新装版「影の獄にて~戦場のメリークリスマス」セット
=12,000円(税込)
→新装版『影の獄にて』+「戦場のメリークリスマスBlu-ray DVD」+「サウンドトラックCD」
2.読むと映画もみたくなる「影の獄にて~戦場のメリークリスマス」セット
=8,500円(税込)
→ 新装版『影の獄にて』+「戦場のメリークリスマスBlu-ray DVD」
3.読むと聴こえる「影の獄にて~戦場のメリークリスマス」セット
=6,300円(税込)
→ 新装版『影の獄にて』+「サウンドトラックCD」
本日10月16日(月)より、書泉各店・書泉オンライン、芳林堂書店にて予約を開始する新装版『影の獄にて』。時代を超え、繰り返し読み継がれるその魅力を存分に体感してください。
【取り扱い店舗】
書泉グランデ・書泉ブックタワー
芳林堂書店高田馬場店・芳林堂書店みずほ台店
書泉オンライン:https://shosen.tokyo/?mode=grp&gid=2909740
書泉オンライン楽天市場店:https://item.rakuten.co.jp/shosen/c/0000000989/
*予約〆切は11月20日(月)までとなっています。
(商品のお届けは12月10日以降となります)
【書誌情報】
影の獄にて(著者:L. ヴァン・デル・ポスト 訳者:由良君美/富山太佳夫)
仕様:四六判・並製・284⾴(予定)
定価:2,200円(本体:2,000円+税)
ISBN:978-4-8354-5901-1 C0097
あらすじ:
『影の獄にて』(原題:『The Seed and the Sower』)は、南アフリカの作家ローレンス・ヴァン・デル・ポストによる本で、語り手である「わたし」のもとに戦友だったローレンスがクリスマスの日に訪ねてきて、二人で戦中の体験を語り合うという内容。「影さす牢格子」「種子と蒔く者」「剣と人形」の三部作で構成。
元は第一部である「影さす牢格子」が『影の獄にて L・ヴァン・デル・ポスト選集 (1)』に所収され、1954年に思索社より出版。その後、第二、三部が増補される形で、映画編集版となる形にまとまりました。それぞれ、クリスマスの前夜、朝、夜としてまとめられており、映画のもとになったのが第一部「影さす牢格子」と第二部「種子と蒔く者」になります。
今回は1978年11月に思索社より刊行された『影の獄にて』を底本とし、新たな装丁・編集にて復刊をするものです。
<参考>前回リリース「書泉と、10冊」企画概要と、これまでの販売実績数
昨今、さまざまなネットサービスで過去に出版され、探しても見つからない数々の本が法外な値段で取引されています。「欲しい人が払える分の値段を払う」ということは一見、今の世の中の「当たり前」に見えますが、私たちは「そうではない」と考えます。
ファンの方が熱望するあの名作、私たちも是非お勧めしたいあの名著を「適切な価格」でお届けすることに私たちは挑戦していきます。
そして、それは私たち“本屋”だけでは実現できません。
著者の方々、出版社のみなさま、ファンのみなさま、などご縁のある方と協力しながら、少しずつでもこの挑戦をカタチにしていけると信じています。
この企画を「書泉と、10冊」という名前にしました。
「書泉と、ご縁ある方で世に送り出す10冊」という願いを込めての企画タイトルです。
まずは、10冊。この企画で改めておススメしたい本をお届けしていきます。
第1弾の「鉄腕ゲッツ行状記-ある盗賊騎士の回想録-」白水社刊も順調にご予約いただき、933冊の予約に店頭販売分を含め1,400冊の重版となりました。引き続き店頭、オンラインにて販売しております。また、第2弾の「復刻版バスジャパンハンドブック 東京交通局」「同 神奈川中央交通」「同 東急バス」も3冊累計で400冊を超える販売数となっております。第3弾の「堕天使拷問刑」早川書房刊は3,000冊を超える予約をいだたきました。
引き続き、企画に賛同いただける出版社・著者のみなさまからのお声かけもお待ちしております。
<掲載記事リンク>
長年の「重版未定」から2カ月で2万冊 奇跡を生んだ書店員の情熱(朝日新聞デジタル)
https://www.asahi.com/articles/ASR616T0YR5ZULLI001.html?iref=pc_extlink
ファン熱望の品切れ本、書泉が復活計画 書店員の目利きで魅力再発見(朝日新聞デジタル)
https://www.asahi.com/articles/ASR664DR4R65ULLI006.html
人文書「中世への旅」復刊でヒット 書店員の推しに共感(日本経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD09BFI0Z00C23A6000000/
重版未定本の復刊を実現、売り切った書店員の情熱:書泉グランデ・大内学さん(じんぶん堂)
https://book.asahi.com/jinbun/article/14965068
書泉を「来る理由」がある場所にする(文化通信デジタル)
https://www.bunkanews.jp/article/343123/
「この本を再重版してください、全部買って売り切ります!」 書泉グランデの名作復刊企画が実現したワケ(ねとらぼ)
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