「似て非なる二人のマッチアップなど、今回は実に興味深いカード」“世界のTK”髙阪剛も注目する『UFC237』を5/12(日)WOWOWで独占生中継!

開催地・ブラジルのレジェンドファイターたちが多数参戦する豪華カードが実現!!

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(写真左より)ジョゼ・アルド、ローズ・ナマユナス、ジェシカ・アンドラージ、アンデウソン・シウバ 写真:Getty Images(写真左より)ジョゼ・アルド、ローズ・ナマユナス、ジェシカ・アンドラージ、アンデウソン・シウバ 写真:Getty Images

日本時間の5月12日(日)、ブラジル・リオデジャネイロ、ジュネス・アリーナで『UFC237』が開催される。
メインイベントは、ローズ・ナマユナスvsジャシカ・アンドラージのUFC世界女子ストロー級タイトルマッチ。その他、元フェザー級王者ジョゼ・アルド、元ミドル級王者アンデウソン・シウバなど、地元ブラジルが生んだレジェンドファイターたちが多数参戦する豪華カードが並んだ。
この大会の見どころを、WOWOW『究極格闘技-UFC-』解説者としても知られる“世界のTK”髙阪剛に語ってもらった。

UFC最軽量の階級とは、とても思えない迫力ある試合になる」

ローズ・ナマユナス 写真:GettyImagesローズ・ナマユナス 写真:GettyImages

――「UFC237」のメインイベントは、王者ローズ・ナマユナスが、地元ブラジルのジェシカ・アンドラージの挑戦を受けるUFC女子ストロー級2度目の防衛戦が行われます。この一戦、髙阪さんはどう見ていますか?
「この二人はどちらも、打撃と寝技の両方が強いアグレッシブな選手なのですが、これまでの試合を見るかぎり、“ファイターとしての性格”が正反対だと思うんです。まず、アンドラージは、“ぶっ倒しにいくぞ”という気合が前面に出ていて、“女ヴァンダレイ”と呼びたくなるタイプの選手。左右のフックをガンガン振り回してくるという、まさにヴァンダレイ・シウバのような闘い方です。相手のパンチを被弾しながらも、最終的には自分の重いパンチをヒットさせて勝つという形ですよね。一方、王者ナマユナスは、スマートな闘い方をしているように見えて、エグイことが平気でできてしまうタイプなんです」
――エグイことというと、具体的にどんな攻撃ですか?
「例えば、グラウンドでポジションを奪いにいきながら、常にパウンドを落とし続けて、その打撃をいちいち相手の目や鼻に入れているんですね。そういう相手が嫌がる、相手の心を折るような攻撃が平気でできる強さがナマユナスにはあるんです」
――気迫を前面に出すアンドラージに対して、ナマユナスは冷徹なタイプということですね。
「それでいながら、お互いパンチをもらっても怯まないという共通点もある。だから、ある一面では対照的で、ある一面では似た部分がある二人という、非常に興味深いマッチアップになっています」
——ナマユナスは、201711月に長期政権を築きつつあったヨアナ・イェンジェイチックをアップセットで破り王座を獲得。昨年4月のリマッチでもしっかり返り討ちにするなど、ここ2~3試合で実力的に急上昇してきた印象ですが、その強さの秘密はどのあたりにあると思いますか?
「ナマユナスは、勝ちながら自分を修正し続けている選手だと思うんです。ヨアナとの試合でも、1戦目と2戦目では試合のやり方や身体の使い方を変えてきていた。普通は前回勝ったイメージのまま闘おうとするものだし、自分の弱い部分を確認する作業って、選手にとっては嫌なものなんですよ。でもナマユナスは、勝っていながら自分の弱点をちゃんと直視して、修正し続けているから、毎回成長しているでしょうね」
――その進化する王者と、現在3連勝中と勢いに乗る挑戦者の闘いのポイントどのへんになりそうですか?
「アンドラージは、今回もどんどん前に出てくると思います。それに対して、ナマユナスが冷徹にジャブを突いていって、ダメージを蓄積させようとする展開が予想されます。それでもアンドラージは前に出続けてきて、大きなパンチが一発当たれば、ナマユナスも倒れると思うので、そこから先の攻撃。どちらかがアドバンテージを取ってから、二つ目の局面でどういう攻撃ができるか。そこがキモになる気がします」
――両者ともに、追い込んでからどんな二の矢三の矢を放てるかがポイントだと。
「そうですね。アンドラージの方は、ケージレスリングも得意なので、テイクダウンを奪って上のポジションから攻めるというのも選択肢のひとつだと思います。ナマユナスの方は効かせるパンチが打てる選手だから、そのままスタンドで終わらせようとするかもしれない。また、二人とも5ラウンドをフルに攻め続けるようなスタミナと集中力を持った選手ですからね。女子ストロー級というのはUFC最軽量の階級ですが、そうとはとても思えない迫力ある試合になると思うので、これはもう、観た方がいいですよ(笑)」
 

 

「どっちが相手の心を折るかの勝負になるかもしれない」
 

 

――もう1試合、かつてのフェザー級絶対王者ジョゼ・アルドと、現在16連勝中のアレックス・ヴォルカノフスキーという注目カードも組まれています。
「これも興味深いですよね。アルドは、現王者マックス・ホロウェイに連敗した後、どうなのかなって、ちょっと心配だったんです。やっぱり、ホロウェイ戦で肉体的にも精神的にも大きなダメージを負ったと思うので」
――あのアルドが、血だるまボコボコにされてのTKO負けでした
「ところが次のジェレミー・スティーブンス戦では、始まって1~2分で相手の打撃を見切り始めて、なおかつボディブローからのパウンドでKOした。このボディで倒したっていうのが大きいと思うんですよ。アルドは、もともとボディブローが得意ではありましたけど、ちゃんと勝負所でボディを打つっていうのは、冷静じゃないとできないことです。だからあれを見て、ホロウェイに負けた精神的なダメージは何も感じないなって。しかも2連敗で、あれだけの滅多打ちにされているので、普通はなかなか立ち直れないものなんですよ。それを跳ね返す精神力というのは、スラム街で育ったという生い立ちも関係があるのかな、とあらためて感じましたね」
――アルドは続くヘナート・モイカノ戦でも2ラウンドTKOで勝利して、現在連勝中です
「だから、やっぱりジョゼ・アルドは、ジョゼ・アルドなんですよ。フィジカルも衰えてないし、いまだトップの実力は持っていますね。ただ、アルドは年内引退を表明していて、今回の試合も含めて、あと2試合と考えているとか。僕としては、まだまだ、やってもらいたいんですけどね……」
――そんなレジェンドのカウントダウンマッチでもありますが、その相手が現在16連勝中のヴォルカノフスキーですから、UFCはあらためて厳しい戦場です
「オクタゴンで闘うかぎりは、そういう試合が続くんですよね。ヴォルカノフスキーはフィジカルの化け物ですから。いわゆるボクシング・レスリングのスタイルで、パンチを出しながらケージに追い込んで、テイクダウンしてパウンドを落とすという。闘い方は地味なんだけど、ただただ強いという、対戦相手からすると“もう、こいつとはやりたくない”と思わせる、かなり嫌なタイプの選手です」
――実際、あのチャド・メンデスが、ヴォルカノフスキーに敗れたあと、引退を表明しています
「そんな相手に、自分はアルドがローキックで攻めていくところが個人的には見たいですね。ヴォルカノフスキーは、頭のディフェンスはがっちりとガードを固めているんだけど、キックのディフェンスは留守になっているところが多いので、そこにアルドが強烈なローをバシバシ入れたらどうなるか。あのアルドのローキックをもらって、引退を表明した選手もいたじゃないですか」
――ケニー・フロリアンですね。「アルドの蹴りは、人生で受けた蹴りの中で一番痛かった」と語って引退を表明したという。
「だから、どっちが相手の心を折るかの勝負になるかもしれない。あのヴォルカノフスキーのプレッシャーの中で、ローを効かせて勝つことができたら、あらためてジョゼ・アルド完全復活をアピールできると思います。だからこそ、まだまだ、やってほしいなって思うんですけどね(笑)」
――いずれにしても、残された時間は少ない中での貴重な試合ですね。また今大会は、レジェンドであるアンデウソン・シウバも出場します。
「アンデウソンみたいな一時代を築いた選手は、もう自由に闘ってほしいですね。前回、アデサニヤ戦では、アンデウソンらしい変幻自在な闘いが観られたので、今回もそういうアンデウソンに期待したいし、見届けたいと思います」
(取材/文・堀江ガンツ)

アンデウソン・シウバ 写真:GettyImagesアンデウソン・シウバ 写真:GettyImages


◆◆WOWOW『UFC-究極格闘技-』放送スケジュール◆◆◆

★『生中継!UFC‐究極格闘技‐ UFC237 in ブラジル 元王者で伝説の格闘家アルド、シウバがオクタゴンに登場!』

5/12(日)午前11:00[WOWOWライブ]生中継
(WOWOWメンバーズオンデマンドにて同時配信)

5/16(木)深夜0:30[WOWOWライブ]リピート
(WOWOWメンバーズオンデマンドにて同時配信)

【対戦カード】
・女子ストロー級タイトルマッチ/ローズ・ナマユナスvsジェシカ・アンドラージ
・ミドル級/ジャレッド・カノニアvsアンデウソン・シウバ
・フェザー級/ジョゼ・アルドvsアレクサンダー・ヴォルカノフスキー

【出演】
解説:髙阪剛、堀江ガンツ
実況:髙柳謙一
進行:渋佐和佳奈

■詳しくはWOWOW番組オフシャルサイト(https://www.wowow.co.jp/sports/ufc/)をチェック!
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山本 均
上場
東証プライム
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50億円
設立
1984年12月