来春、全国劇場公開! 各メディアが取り上げた感動の実話『35年目のラブレター』が刊行!
小学校に通えず、読み書きができないまま社会に出て、還暦を過ぎて夜間中学で学んだ。最愛の妻にラブレターを書くために――。映画化が決定した真実の物語が、4月18日、ノンフィクション書籍として刊行されます。
『35年目のラブレター』という実話が持つ重み
貧しさ故にうそつき呼ばわりされていじめられ、低学年で小学校に通うのをやめた。読み書きができないまま社会に出て、つらい思いをした。でも、自分を苦しめてきた読み書きを覚えようと64歳で夜間中学に通い始めた。長年連れ添ってくれた妻にラブレターを書くために――。
今年(2024年)、米寿を迎えた西畑保さんは、奈良県に住んでいます。
和歌山県の山間で生まれ育った西畑さんは、小学2年生の途中から学校に通っていません。山間で高値で売れる木の皮を集めて貯めたお金だったのに、小学校で落とした財布は自分のものだと名乗り出たらうそつき扱いされたのです。貧しい暮らしの西畑さんが、そんなお金を持っているはずがないと、クラスメートも教師も彼を責め、いじめました。その一件があってから、西畑さんは学校に行くのをやめてしまいました。
中学校に通う年齢になって働きに出た西畑さんですが、その人生につきまとったのは「読み書きができないこと」でした。
勤めた飲食店では、電話で受けた注文の内容をメモに記すことができず、職場の先輩からは「字も読めないやつ」と差別的な扱いをされました。
劣等感を抱き、結婚なんて夢のまた夢とあきらめていた西畑さんのもとに、お見合いの話が舞い込みます。読み書きができないことを隠して結婚した西畑さんでしたが、町内の回覧板にサインができず、妻の皎子(きょうこ)さんの知るところとなります。その事実を知った皎子さんは、西畑さんにこう声をかけました。
「ずっと、つらい思いをしてきたんやろな」
子どもも生まれ、孫も生まれ、還暦を過ぎた西畑さんの日常に、ある変化が訪れます。64歳になって、夜間中学に通うことに決めたのです。それは、読み書きのできない自分に長年連れ添ってくれた妻に、感謝の気持ちを伝えるラブレターを書くためでした――。
「学ぶのに遅すぎるということはない」
「明るく、前向きに生きる」、「自分の人生を他人や環境のせいにしない」、そして「学ぶのに遅すぎるということはない」――。西畑さんの人生からは、さまざまなメッセージを受け取ることができます。新聞、雑誌、テレビなどメディアでも取り上げられた西畑さんに、毎日新聞論説委員である小倉孝保氏が寄り添い、これまで西畑さんが見てきた風景、抱えてきた思いを一冊の書籍にまとめました。それが『35年目のラブレター』です。
西畑保さんの生き様が映画に! 2025年3月7日(金)全国劇場公開
この実話をもとにした映画の製作が決定しました。主人公の西畑保役は落語家・タレントとして笑顔を届け続ける傍ら、『閉鎖病棟-それぞれの朝-』(2019年)、「しずかちゃんとパパ」(NHK)など俳優としても活躍を重ねる笑福亭鶴瓶さん、その妻・西畑皎子役には2022年にデビュー40周年を迎え、歌手活動とともに『星の子』(2020年)など話題作に出演し続ける原田知世さんを迎えます。監督・脚本は、『今日も嫌がらせ弁当』(2019年)、「舟を編む ~わたし、辞書つくります~」(NHK)などユーモアに富んだヒューマンドラマを手掛ける塚本連平さんが務めます。
2025年3月7日(金)、全国劇場公開の予定です。
書誌情報
書名:『35年目のラブレター』
著者:小倉 孝保
発売日:2024年4月18日
定価:本体1980円(税込)
サイズ:四六判ハードカバー
ページ数:288ページ
発行:講談社
【著者プロフィール】小倉 孝保(おぐら・たかやす)
ノンフィクション作家。滋賀県生まれ。1988年、毎日新聞社に入社。カイロ支局長、ニューヨーク支局長、欧州総局長、外信部長を経て論説委員。『柔の恩人 女子柔道の母」ラスティ・カノコギが夢見た世界』(小学館)で、小学館ノンフィクション大賞(2011年)、ミズノスポーツライター賞最優秀賞(2012年)をダブル受賞。2014年、乳がんの予防切除に道を開いた女性を追ったルポで日本人として初めて英外国特派員協会賞受賞。他の著書に、『十六歳のモーツァルト 天才作曲家・加藤旭が遺したもの』(KADOKAWA)、『踊る菩薩 ストリッパー・一条さゆりとその時代』(講談社)などがある。
※著者、および、西畑保さんへのインタビューなど調整いたします。
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