スキルアップ研究所、「ITスキルに関するリスキリングの実態調査」の調査結果を発表

IT分野でのリスキリングによりキャリアアップを果たした人は約3割、評価制度の整備が課題

株式会社 学研ホールディングス(東京・品川/代表取締役社長:宮原博昭)のグループ会社、株式会社ベンド(本社:東京都千代田区、CEO近藤潔)は、運営する「スキルアップ研究所(https://reskill.gakken.jp/ )」にて、「ITスキルに関するリスキリングの実態調査」を行いましたので、以下に結果を報告いたします。

調査結果全文はこちら:https://reskill.gakken.jp/3330

【調査結果概要】

  • ITでのリスキリングを行う人は半分ほど

  • ITでのリスキリングによって年収増加、キャリアアップしているのは3割程度

  • 仕事との両立に悩む人が多い

  • ITスキルを学びたいという人は多いがむずかしさや学習フローがわからないなどの理由で断念する人が多い

  • ITでのリスキリングをしやすい、かつ正当に評価される環境作りが急務

◼️調査背景

経済産業省はデジタルトランスフォーメーション(DX)の進展に対応するため、社会人のリスキリングを推奨しており、ITスキルの習得を目指すリスキリングが注目されている。

しかし、実際にITスキル習得を意識してリスキリングに取り組んだ社会人がどのような手段を用い、どのような効果や課題があったのかはあまり知られていない。

そこで、スキルアップ研究所では今回、IT分野でのリスキリングの取り組みに関する実態調査を行い、結果を分析した。

◼️調査結果

◆IT分野でのリスキリングの実態

スキルアップの際にITスキルの向上に取り組んだかという質問には、「はい」と回答した人は42.8%、「いいえ」と回答した人は57.2%だった。

IT分野への取り組み率は非常に高いが、経産省が推進している中では、まだまだ取り組み率に伸び代が窺える結果となった。

◆ITスキルの取得メリット

ITスキルの習得によるメリットとして、最も多かった回答は「自己学習と成長」で49.8%を占めた。次いで「業務の自動化と効率化」が44.3%と高い割合となった。業務プロセスの改善や日々の作業効率が上がるなど、実務面でのメリットを実感している人が多数いることがわかる。

また、「問題解決能力の向上」「コミュニケーションの向上」「創造性とイノベーションの促進」など、ITスキル習得による副次的な効果も少なくない。ITリテラシーを高めることで、様々な分野での能力向上につながっているようだ。

◆年収増加・キャリアアップの効果には課題あり

実際に年収が増加したかを尋ねたところ、「明確にITスキルの向上によって増加した」は8.6%にとどまり、「部分的に増加した」とする人も23.7%にすぎなかった。一方で、「増加していない」「増加したが、スキルアップとは関連がない」と回答したのは計7割弱にのぼった。

また、明確にITスキルの向上によってキャリアアップできた」と答えた人は10.6%にすぎず、「一部影響があった」とする回答も27.1%と3割に満たなかった。約6割の人が、「キャリアアップしていない」(50.8%)または「キャリアアップしたがスキルアップとは関連がない」(11.6%)と回答している。

ITリスキリングが推奨される中、年収増加やキャリアアップの点でメリットを実感できていない人が多いことがわかった。DXの進展に伴い、ITのリスキリングが重視されているだけに、現状のままではこの先のリスキリングへの取り組みが失墜してしまう可能性が危惧される。

◆ITスキルの学習実態

ITスキル向上の取り組み方について、調査対象者の84.2%が「ITスキルの向上に際して独学で取り組んだ」と回答した。ITスキルのリスキリングにおいて、独学が圧倒的に主流となっていることがわかる。

ITスキルの独学における最大の困難は、「仕事との両立」であり、回答した人は47.3%と最多となっている。また、「時間が足りない」(39.4%)、「モチベーション維持」(42.4%)も上位に挙げられており、社会人が本業の合間を縫ってITスキル習得に取り組むことの難しさが窺える。

他にも「難易度が高い」(31.5%)、「適切な学習法がわからない」(32.1%)など、独学の課題も多く指摘された。

企業として、社員のITリスキリングを支援するには、学習時間の確保や適切な教材・メンターの提供など、効果的な環境づくりが求められそうだ。個人だけでなく、組織的な後押しが重要になってくるだろう。

ITスキルの学習が敬遠される理由

ITスキルを学ばなかった理由として、最も多かったのが「難易度が高そうだから」で44.6%を占めた。ITリテラシーを身につけることへの心理的ハードルが非常に高いことが窺える。また、「何から始めていいかわからなかった」も36.1%と多く、ITスキル習得の入り口が分かりにくいことも障壁になっているようだ。

◆ITへの学習意欲は高い

他分野でリスキリングを経験した人に対して、ITスキルの学習意欲を尋ねたところ、82.3%が「はい」と回答した。ITへの関心は非常に高いことがわかる。

ITスキルの習得を妨げている主な要因を取り除けば、多くの人が学習に取り組む潜在的可能性があることが窺える。

◼️今後の展望・課題

デジタル化が急速に進む中で、ITスキルの重要性は高まる一方である。本調査でも、リスキリングを行う人の約4割がIT分野でのスキルアップに取り組んでいることが明らかとなった。社会の変化に対応するため、ITリテラシーを身につけようとする人々の意欲は高いといえよう。

しかし一方で、ITスキルの習得が必ずしも年収増加やキャリアアップにつながっているわけではない。ITリテラシーが適切に評価される環境が整備されていないため、デジタル人材の確保が難しくなっている実態が浮き彫りになった。ITスキルの重要性が高まる中で、ITスキルが正当に評価され、キャリア形成にも役立つような環境整備や、働き手のモチベーションを維持し、スキルを適切に評価する仕組みづくりが必要となる。

また、多くの人が時間的な制約や習得の難しさから、ITリスキリングへの取り組みを敬遠しているという課題もある。時間的・経済的な制約を取り除き、きめ細かなサポートを提供することで、デジタル人材の裾野を広げていかなければならない。

◼️調査概要

項目

詳細

調査名

ITスキルに関するリスキリングの実態調査

対象者

20代以上の社会人の方で、スキルアップに取り組んでいる方

対象地域

全国

調査方法

インターネット調査

調査期間

2024/3/7~3/14

回答数

470

調査結果の引用・転載について

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◼️大人の学び直しのためのWEBメディア「スキルアップ研究所」

スキルアップ研究所は、当社実施のアンケートによる最新の実態調査に基づき、独自のキャリア情報や有益な学習法を紹介しています。

実態調査では、スキルアップ及びリスキリング等に関する現状について、実際にアンケートを実施し、結果をもとに解説しています。現状を分析し、今後、より多くの方が望んだ時にスキルアップに取り組める社会を実現するためには次に何をするべきか、生の声をもとに検討していきます。

キャリア情報や有益な学習法を紹介するページでは、実際にキャリアアップ・スキルアップを目指すにあたって参考となるような情報をお届けしています。

「キャリアアップ・スキルアップに取り組みたいが、次に何をすべきかわからない」という方や、「リスキリングって聞いたことはあるけど自分にもできるのかな」と思っている方に是非読んでいただきたい記事となっています。

スキルアップ研究所:https://reskill.gakken.jp/

【企業情報】

◆株式会社ベンド(Bend Co., Ltd.)

https://reskill.gakken.jp/company

代表取締役:近藤潔

設立:2019年3月1日

資本金:1500万円(資本準備金を含む)

所在:〒102-0083 東京都千代田区麹町5-3-23 日テレ四谷ビル 4F

問い合わせ窓口: info@thebend.jp

■株式会社学研ホールディングス(GAKKEN HOLDINGS CO.,LTD.)

https://www.gakken.co.jp/
・代表取締役社長:宮原 博昭
・法人設立年月日:1947年3月31日
・資本金:19,817百万円
・売上高:1,641億円、連結子会社75社(2023年9月期)
     東京証券取引所 プライム市場情報(証券コード:9470)
・所在住所:〒141-8510 東京都品川区西五反田2丁目11番8号
・電話番号:03-6431-1001(代表)
・事業内容:1946年創業の教育・医療福祉関連事業を展開する持株会社
      教育分野:「学研教室」を始めとする教室・学習塾事業、
           学習教材などの出版・コンテンツ事業、
           教科書・保育用品などの園・学校事業など
      医療福祉分野:サービス付き高齢者向け住宅事業、
             認知症グループホーム事業、
             保育園・学童などの子育て支援事業など
      グローバル:150か国以上で活動・事業展開

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会社概要

URL
http://www.gakken.co.jp/
業種
情報通信
本社所在地
東京都品川区西五反田2丁目11番8号 学研本社ビル
電話番号
03-6431-1001
代表者名
宮原 博昭
上場
東証プライム
資本金
198億1700万円
設立
1947年03月