VRアニメーション「Clap」が第78回ヴェネチア国際映画祭VR部門「Venice VR Expanded」にノミネート
株式会社WOWOW(本社:東京都港区、代表取締役 社長執行役員:田中 晃)と株式会社CinemaLeap(本社:東京都品川区、代表:大橋哲也)が共同製作したVRアニメーション「Clap」が、第78回ヴェネチア国際映画祭バーチャルリアリティ(VR)部門「Venice VR Expanded」にノミネートされました。
本作品は、昨年CinemaLeapと共同製作した「Beat」に引き続き、VRアニメーション監督の伊東ケイスケが監督し、当社としては2年連続のノミネートとなりました。
ヴェネチア国際映画祭は、本年で78回を迎える世界最古の歴史を誇る映画祭であり、カンヌ国際映画祭、ベルリン国際映画祭と並ぶ世界三大映画祭の一つに数えられ、本年は9月1日より11日まで開催されます。本映画祭のVR部門は、 2017年に新設され、本年で5回目を迎えます。本年は昨年に続き、新型コロナウイルス感染症流行の影響によりVR作品の上映はバーチャル・プラットフォームおよび世界各国のサテライト会場で開催する形式が取られます。「Venice VR Expanded」は、ヴェネチア映画祭終了後も、1週間延長され、9月19日までの開催となります。
本作品は、ハンドトラッキング(※1)機能を利用し、体験者自身の両手をVR空間内で認識し、「Clap=手をたたく」というインタラクションによりストーリーが進みます。
また、WOWOW Lab(※2)の活動で培ってきたイマーシブオーディオ制作技術を活用し、音楽と効果音は11chで制作。視覚だけでなく、聴覚でも360度空間を体感できる作品となっています。
※1 ハンドトラッキングとは、本作品の対応デバイスであるOculus Quest2に搭載されている機能です。デバイスに設置されているカメラでとらえた体験者の手と指の映像をディープラーニング(深層学習)で解析し、位置などの情報を取得することで、VR空間でも体験者の手を認識することができ、VR空間での操作をコントローラーを使わずに自分の手を使って行うことができる機能です。
※2 WOWOW Labとは、WOWOW単独では難しいさまざまな取り組みを外部連携を積極的に行なうことで継続的に実現させるための仕組みです。クリエイター、エンジニア、技術系スタートアップ企業などと組み、コンテンツに関わる新しい技術の実験や試験を行ない、お客様に向けた新しいコンテンツ・サービスを生みだすことを狙いとしています。
WOWOW Labサイト https://corporate.wowow.co.jp/wowowlab/
■VRアニメーション「Clap」 概要
・作品名:Clap
・製作年:2021年
・製作:株式会社WOWOW/株式会社CinemaLeap
・作品尺:13分
・ジャンル:アニメーション
・あらすじ: この物語はClapの受け手である主人公と、送り手であるあなたの目線で紡がれる物語です。自分に自信がなく、自分のことをなんの取りえもないちっぽけな存在だと感じてしまい、糸のような姿になってしまった主人公、糸男。ある雨の日、糸男が路地を歩いていると、偶然目の前にさびた空き缶が落ちてきます。
その空き缶から鳴り響く、おかしくも心地良い音に魅了された彼は、缶でメロディーを奏でることを思い付きます。やがて糸男の周りには大勢の人だかりができ、拍手の音も大きくなっていきます。しかし次第にその拍手が大きなプレッシャーとなり、彼を悩ませます。
糸男はなぜ拍手が怖くなり、受け入れられなくなってしまったのか。
あなたの心からの拍手を糸男に届けることができたとき、Clapは本来の意味を取り戻し、美しい音色を奏で始めます。
【制作チーム】
・監督:伊東ケイスケ(VRアニメーション監督)
・エグゼクティブプロデューサー:藤岡寛子(株式会社WOWOW 技術局技術企画部 チーフプロデューサー)
・プロデューサー:待場勝利(XRコンテンツプロデューサー / Supership株式会社 XR戦略企画室)
・アシスタントプロデューサー:大橋哲也(株式会社CinemaLeap 代表取締役)
・音楽:森下唯(ピアニスト)
・テクニカルサポート:橋本裕(TECH Planning合同会社 技術顧問(XR担当)、VR Creators Labo事業
Director)
・ストーリーテリングアドバイザー:中嶋雷太(映像プロデューサー兼物語作家)
・振り付け:YAMATO(Choreographer)
・テクニカルサウンドデザイナー:牛島正人(株式会社ソノロジックデザイン 代表/サウンドデザイナー)
・イマーシブサウンドデザイナー:蓮尾美沙希(株式会社WOWOW 技術局技術企画部)
【伊東ケイスケ監督コメント】
VRアニメーション「Clap」は、シンプルに⼿をたたくだけで体験することのできる作品です。しかし「Clap=⼿をたたく」というインタラクションには、たった⼀つの動作にさまざまな意味合いが含まれており、とても奥深いものです。
⼈⽣には思うように⾏かず、時には落ち込んでしまうこともあります。そんな時、Clapを通して他者を、そして⾃分⾃⾝を勇気づけて欲しいと思います。
さあ、たくさん⼿をたたいてください。前向きに!
【伊東ケイスケ監督プロフィール】
VRアニメーション監督。多摩美術⼤学グラフィックデザイン学科卒。メーカーのグラフィックデザイナーを経て、2012年よりフリーランスのCGアーティストに転⾝。現在はVRを⽤いたインタラクティブなストーリーテリングに挑戦している。2020年に「Beat」が第77回ヴェネチア国際映画祭のコンペティション部⾨、および「Cannes XR」 VeeR Future Award 2021にノミネート。2019年に「Feather」が第76回ヴェネチア国際映画祭にて、VR部⾨では⽇本⼈初のビエンナーレカレッジセレクションとしてプレミア上映。ほか、ベルリン国際映画祭、釜⼭国際映画祭、SIGGRAPHなど数々の映画祭で監督作品が上映されている。
WOWOWおよびWOWOW Labは、今後も新しい技術を積極的に取り込み、より深い映像体験を生み出して参ります。
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