ドーピングにより生じるシリコン内の現象を深く理解できる『シリコンに導入されたドーパントの物理』発行
インプレスグループで理工学分野の専門書出版事業を手掛ける株式会社近代科学社は、2025年2月28日に、近代科学社Digitalレーベル(※)より、『シリコンに導入されたドーパントの物理』(編者:公益社団法人 応用物理学会 半導体分野将来基金委員会)を発行いたしました。
(※近代科学社Digitalとは : 近代科学社が著者とプロジェクト方式で協業する、デジタルを駆使したオンデマンド型の出版レーベルです、詳細はこちらもご覧ください https://www.kindaikagaku.co.jp/kdd/scheme/)

●書誌情報
【書名】シリコンに導入されたドーパントの物理
【編者】公益社団法人 応用物理学会 半導体分野将来基金委員会
【仕様】B5判・並製・印刷版モノクロ/電子版一部カラー・本文366頁
【印刷版基準価格】5,000円(税抜)
【電子版基準価格】5,000円(税抜)
【ISBN】(カバー付き単行本)978-4-7649-0718-8 C3054
【ISBN】(POD)978-4-7649-6091-6 C3054
【商品URL】https://www.kindaikagaku.co.jp/book_list/detail/9784764960916/
●内容紹介
本書は、半導体デバイスにおいて最も重要な技術の一つである不純物ドーピングにおける基本的な課題や学術的疑問点を取り上げ、それらを物理的な観点から理解を深めることを目的としています。シリコンナノエレクトロニクスおよびシリコンパワー半導体技術の両方に対して、ドーピングに伴って起こるさまざまな現象の物理的理解に関する議論と、さらにその理解に基づいて課題をどのように克服するかという技術展開を詳述しています。
●編者紹介
公益社団法人 応用物理学会 半導体分野将来基金委員会
●目次
はじめに
第1部 ドーピングの基礎
第1章 シリコン中の1×10^10から1×10^20cm^−3にわたる濃度範囲のドーパント不純物のフォトルミネッセンス評価
1.1 はじめに
1.2 ドーパント不純物の発光機構
1.3 実験方法
1.4 各濃度領域の代表的 PL スペクトル
1.5 PL スペクトルの励起光強度依存性
1.6 定量分析
1.7 PL 法へのコメント
1.8 まとめ
参考文献
第2章 シリコン基板中のドーパントとその制御
2.1 実デバイス作製時におけるドーパントの諸現象
2.2 シリコン結晶における酸素,炭素の役割と制御
参考文献
第3章 シリコン中の不純物原子の活性化とそのからくり
3.1 はじめに
3.2 Si 中に導入された不純物原子の電気的活性化
3.3 単結晶 Si 中の不純物原子の固溶度
3.4 単結晶 Si 中の不純物原子の固溶度が何によって決まるかについての考察
3.5 単結晶 Si 中の不純物原子を電気的に活性化させるためになぜ高温が必要か?
3.6 半導体デバイスで必要な浅くて低抵抗の不純物拡散層形成の熱予算 (thermal budget)
3.7 低温アニールにより不純物原子を高濃度に電気的に活性化する技術
3.8 一度電気的に活性化した不純物原子の不活性化 (deactivation)現象とその原因
3.9 Si 基板中原子空孔による転位欠陥抑制
3.10 金属との反応に伴う不純物の再分布現象および考察
3.11 まとめ
参考文献
第4章 ドーパントによる電子準位とドーパント拡散のミクロな機構:計算科学によるアプローチ
4.1 はじめに
4.2 置換位置のドーパントの引き起こす電子準位
4.3 ドーパント拡散のミクロな機構
4.4 まとめ
参考文献
第5章 放射光を用いた光電子ホログラフィーによるシリコン中の高濃度ドーパントクラスターの 3 次元原子配列構造解析
5.1 はじめに
5.2 光電子ホログラフィーの原理
5.3 Si 結晶中のドーパントに対する光電子分光測定および電気的活性/不活性との対応づけ
5.4 Si 結晶中にドープされた As に対する光電子ホログラフィーによる 3 次元原子配列構造の再生
5.5 Si 中にドープされた B に対する光電子ホログラフィー適用への課題
5.6 As と B の共ドーピングによる AsnV 型クラスターの電気的活性化の可能性
5.7 まとめ
参考文献
第2部 ナノシリコンデバイス
第6章 シリコンデバイスへのドーピング技術の事共
6.1 はじめに
6.2 PN 接合の登場
6.3 各種ドーピング技術の発想
6.4 ドーピングによるデバイスの微細化
6.5 プラズマドーピングの事共
6.6 エピドーピングとの関係
6.7 まとめ
参考文献
第7章 シリコンナノ結晶への不純物ドーピング
7.1 はじめに
7.2 不純物ドープシリコンナノ結晶の作製と評価
7.3 電子スピン共鳴 (ESR) による不純物ドープシリコンナノ結晶の評価
7.4 フォトルミネッセンスによる不純物ドープシリコンナノ結晶の評価
7.5 ホウ素,リン同時ドープコロイドシリコン量子ドット
7.6 まとめ
参考文献
第8章 IV 族半導体ナノワイヤへの不純物ドーピングと評価
8.1 はじめに
8.2 形成およびドーピング手法
8.3 不純物ドーピング評価
8.4 まとめ
参考文献
第9章 シリコンへの高濃度ドーピングにおける活性化と不活性化
9.1 はじめに
9.2 固相エピタキシャル成長による活性化状態の形成と不活性化
9.3 固相エピタキシャル成長法以外の方法による高キャリア濃度層の形成
9.4 まとめ
参考文献
第3部 パワー半導体
第10章 パワー半導体とドーピング技術
10.1 はじめに
10.2 パワー半導体の役割
10.3 パワー半導体の重要機能と重要特性
10.4 電力変換装置とパワー半導体の進化の歴史
10.5 パワー半導体の進化のポイント
10.6 パワー半導体の損失
10.7 パワーエレクトロニクスのスケーリング則
10.8 パワー半導体の損失と耐圧の関係
10.9 バイポーラ型パワー半導体
10.10 スーパージャンクション (SJ)
10.11 パワー半導体の進化を支えたドーピング技術
10.12 将来展望と課題
10.13 まとめ
参考文献
第11章 パワー半導体用シリコンウェーハにむけた中性子核変換ドーピングの現状と今後の展開
11.1 はじめに
11.2 IGBT に必要なシリコンウェーハの品質
11.3 中性子核変換ドーピング (NTD: Neutron TransmutationDoping) 技術
11.4 中性子核変換ドーピング技術の課題と今後の展開
11.5 まとめ
参考文献
第12章 パワー半導体における宇宙線照射による故障の TCAD を用いた解析
12.1 はじめに
12.2 ゲートターンオフサイリスタ (GTO) における宇宙線照射による故障
12.3 宇宙線故障のメカニズム
12.4 宇宙線によるパワー半導体の故障の新しいモデル化
12.5 TCAD による Qcrit(VDC, z) の計算
12.6 宇宙線中性子流束のデータと解析例
12.7 まとめ
参考文献
第13章 300 mmSi-IGBT 時代へ向けた不純物ドーピング制御の物理的課題と技術的挑戦
13.1 はじめに
13.2 ウェハ技術
13.3 プロセス技術
13.4 まとめ
参考文献
編集委員・執筆者一覧
【近代科学社Digital】 https://www.kindaikagaku.co.jp/kdd/index.htm
近代科学社Digitalは、株式会社近代科学社が推進する21世紀型の理工系出版レーベルです。デジタルパワーを積極活用することで、オンデマンド型のスピーディで持続可能な出版モデルを提案します。
【株式会社 近代科学社】 https://www.kindaikagaku.co.jp/
株式会社近代科学社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:大塚浩昭)は、1959年創立。
数学・数理科学・情報科学・情報工学を基軸とする学術専門書や、理工学系の大学向け教科書等、理工学専門分野を広くカバーする出版事業を展開しています。自然科学の基礎的な知識に留まらず、その高度な活用が要求される現代のニーズに応えるべく、古典から最新の学際分野まで幅広く扱っています。また、主要学会・協会や著名研究機関と連携し、世界標準となる学問レベルを追求しています。
【インプレスグループ】 https://www.impressholdings.com/
株式会社インプレスホールディングス(本社:東京都千代田区、代表取締役:松本大輔、証券コード:東証スタンダード市場9479)を持株会社とするメディアグループ。「IT」「音楽」「デザイン」「山岳・自然」「航空・鉄道」「モバイルサービス」「学術・理工学」を主要テーマに専門性の高いメディア&サービスおよびソリューション事業を展開しています。さらに、コンテンツビジネスのプラットフォーム開発・運営も手がけています。
【お問い合わせ先】
株式会社近代科学社
TEL:03-6837-4828
電子メール: kdd-qa@kindaikagaku.co.jp
d5875-6484-2b248d5e6c7bc7811722a1bde852262f.pdfすべての画像