にしおかすみこが自著『ポンコツ一家2年目』刊行記念サイン会を実施。発売前重版決定、夢は「ドラマ化!」

株式会社講談社

あ~~~!にしおかぁ~すみこだよっ。

2024年にポンコツ一家2年目という本を出して浮かれている、2007年の一発屋っていうのは、どこのどいつだ~い? 

あたしだよっ!

SMの女王様ファッションには身を包まないまでも、ムチを手に2007年一世風靡したネタで記者会見の会場を沸かせたのは、お笑い芸人・にしおかすみこさん。

最新刊『ポンコツ一家2年目』刊行を記念し、9月24日にブックファースト新宿店で記者会見とサイン会が開催された。

にしおかさんは、SMの女王様の格好で行う漫談で「エンタの神様」などで一斉を風靡した。それから17年余り、認知症の母、ダウン症の姉、酔っ払いの父と同居を始めた2020年から赤裸々につづっている連載が2021年9月より「FRaU web」にてスタート。連載と書きおろしをまとめた書籍『ポンコツ一家』が2023年1月に刊行となり、現在10刷のロングセラーを続けている。

『ポンコツ一家2年目』はその名の通り「同居から2年目」を描いた待望の2作目だ。連載15編に書きおろし4編、番外編1編とボリュームアップした単行本が刊行。2作目も発売前に重版が決定するという好スタートを切った。Amazonでは1冊目と2冊目が別々のカテゴリでベストセラー1位にもなった。

 1作目からパワーアップ

冒頭のように、にしおかさんの現役さながらのネタで始まった記者会見。会場からも笑いがこぼれ、和やかなムードでスタートした。写真撮影では、「“アーーー”ください」という記者からの声に、「アーーー!」と叫ぶこと計7回。「写真なので声はいらない」と言われても全ての声に答えようとするにしおかさんのサービス精神溢れる人柄が伺えた。

「母は81歳、認知症&糖尿病。姉は48歳、ダウン症。父、は82歳、酔っぱらい。私は47歳、元SMの女王様キャラの一発屋。毎日ジタバタしながら過ごしています」

トレードマークだったボンテージ衣装と黒髪ロングヘアから一転、白のワンピースに緑のレースのワンピースを重ね着し、ショートカットで ハツラツとした笑顔を見せる。これだけ見ると、苦労を微塵も感じさせない。

「エンタの神様」で大ブレイクした頃

「自分ファースト」はずっと大切にしています

疲れた時どうするのか、という問いには、「自分ファースト」を大事にしていると語った。

「私も迷うこともたくさんあるけど、“自分ファースト“はずっと大切にしています。自分が幸せじゃないと家族も幸せに出来ないと思っています。たまたま今実家に戻っていますけど、それが正解でもない。家族を施設に入れるもの、実家から逃げるのも選択肢の一つ。自分が選んだ道を大切にしていきたいと思っています」

帯には「『壮絶だけと笑って泣ける』家族のリアルな物語がパワーアップ」と書かれている。それはどういうことなのか。

「1作目より2作目『ポンコツ一家2年目』の方が内容とページ数がパワーアップしています。家族は個性だけでなくふてぶてしさ、図々しさもすごいパワーアップ。それに伴い、私の経験値もパワーアップしています。ちなみに誰にも言われていないんですが、私の文章力もパワーアップしています!」

「一線を超えた」の意味とは

本書の14章にはこんな一節がある。

“この連載で初めて、私は一線を越えた。書籍化するにあたりもう一度考えた。改めて心に刻む。家族を晒すも、守るも私だ。私にとって書くことは、このふたつが同じ線上にある”

これはどういう意味なのか。にしおかさんにとって、家族について書くことは葛藤もあるという。

「家族の個人情報だったり尊厳だったり、どこまで出すかっていうのは私次第なんですよね。本を出すことによって家族が生活しづらくなるのも嫌だし。私もポンコツなのでどこまで書くことが正解なのか迷う日々なんですが、考えながら書いています」

にしおかさんの誠実さは、家族に対しても読者に対しても揺るがない。

「連載は1年前のことを書いています。家族の言った言葉は誇張したくないので、メモしていて、これだったら誤解のない内容かな、など選んで書いています。多くの方に笑っていただきたい、誰も傷つけたくないんです」

もちろんどこまで書くかだけでなく、家族についても日々迷いながら過ごしている。

ただし、要介護認定はまだ受けていないのだという。その理由は、母が「できないこと」に傷つくのではないかということや、要介護認定を受けて受けられるサービスをいますぐ必要としているかどうか迷うからだとも語る。そんな中。記者会見では、「この前すごいことがあったんです。聞いてください!」と興奮気味に、ほやほやの家族エピソードを語ってくれた。

「この前うちの母が『県民共済入っているから大丈夫だよね』と言ってきたので、『お母さん81歳だからそろそろもうなくなるよ。でも介護保険っていうのがあって、それを使うとうちの家族が助かるよ』と言ったんです。そしたら『ええ、それやろうよ!』と前向きな答えが返ってきて。今まではこんな提案したら猛反対して『頭カチ割って死んでやる!』って言ってたのに…。このチャンスを逃すまいと地域包括支援センターに予約をとって今度行く、というところまできています」

夢はドラマ化・映画化

「今度の夢は?」と聞かれると「まずは3冊目を出したい」と答えたにしおかさん。そして、その先の夢についても語ってくれた。

「夢のまた夢ですが、ドラマ化とか映画化とか出来たらそれはすごい嬉しいなと思っています。1作目も2作目も笑ってほしくて書いたので、例えば三谷幸喜さんだったり、宮藤官九郎さんとかに手掛けていただけたらすごく嬉しいです。夢の夢ですが……」

会場では超ビッグネームの名前に「おぉ!」という声が上がった。

「主演はどなたにやって欲しいですか?」という質問に「私の役はお任せで!」

「主演はにしおかさんで、と言われたら?」と重ねて質問されると「もちろんやります!」と答えたにしおかさん。

記者会見は「たくさんの方に読んでいただきたいと思いますし、悩んでいる方や疲れている方が笑っていただいて、箸休めになれば嬉しいと思います」という言葉で終わった。その後のサイン会では10代から60代の幅広いファンが駆け付け、終始温かい空気に包まれたイベントとなった。

書籍概要

書名:ポンコツ一家2年目

著者:にしおか すみこ

発行:講談社

発売日:2024年9月20日

ページ数:244ページ

定価:1,650円(税込)

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▼『ポンコツ一家2年目』11章試し読みを読む

https://gendai.media/articles/-/138046?media=frau

●にしおかすみこ プロフィール

1974年生まれ。千葉県出身。2007年日本テレビ「エンタの神様」で女王様キャラのSMネタでブレイク。現在はテレビ東京「なないろ日和!」など、リポーターとしても活躍中。趣味のマラソンでは、2019年にフルマラソンで3時間05分03 秒、2015年ウルトラマラソン100キロ女子の部にて第2位!! 最近はベジタブルカービングにハマりクオリティーの高さで話題になる。デジタルメディア「FRaUweb」にて「ポンコツ一家」連載中(毎月20日更新)。

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