全勝王者と最強挑戦者がついに激突!『UFC281』WOWOW独占生中継&ライブ配信!世界のTK「ものすごくスリリングでハイレベルな戦いが見られることは間違いない」
11/13(日)午後0:00[WOWOWライブ]※生中継(WOWOWオンデマンドで同時配信)
■生中継前後に出演陣のYouTube配信!
『スタジオ裏トークUFC281』生中継直前 平良達郎選手出演決定!
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日本時間の11月13日(日)、アメリカ・ニューヨーク州ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで『UFC281』が行われる。
メインイベントは、ミドル級王者イズラエル・アデサニヤが、かつてキックボクシングルールでKO負けを喫したアレックス・ペレイラを迎え撃つ6度目の王座防衛戦。この一戦の見どころをWOWOW『UFC-究極格闘技-』解説者としても知られる“世界のTK”髙阪剛に語ってもらった。
――『UFC281』のメインイベントは王者アデサニヤvs挑戦者ペレイラのミドル級タイトルマッチが実現します。アデサニヤにとってペレイラは因縁の相手と言っていいですよね。
「そうですね。キックボクシングルールで2度敗れていて、しかも2戦目は完全にKOされていますから。自分もあのキックボクシングマッチの映像は観ましたけど、そんな昔の試合でもないんですよね。」
――アデサニヤがKO負けしたのは2017年3月で、翌18年2月からUFC参戦ですからね。
「だからアデサニヤがまだ、MMAを並行してキックボクシングのリングにも上がっていた時期だったんだなと思って、そこに合点がいったんですよ。MMAとキックボクシングの打撃って似ているようで違うので、アデサニヤはキックボクシングの打撃からMMAの打撃にアジャストしていっている最中に、あの試合をやってるんですよね。
MMAだと打撃だけじゃなく、相手の組みも警戒しながら試合しなきゃいけないので、それを自分の打撃スタイルにうまく当てはめることを模索している状態だったんだと思うんですよ。だからキックでのペレイラ戦では、相手との距離を詰める際に半歩深くて、バックステップされたときに前のめりに崩れていた。アデサニヤがキックボクシングしか頭になかったら、ああいう体の崩れはなかったんじゃないかと思うんですよね。」
――ある意味で、キックボクサーとMMAファイターがキックの試合をやった感じになっていた、と。
「そんなことが起こっていたと思うんですよ。そしてペレイラのほうは自分が観た感じだと、自分の距離設定と自分のタイミングじゃないとパンチを出さないタイプの選手なんです。ちゃんと当てられる状況でのみ打撃を出して無駄撃ちしない、選んで打っているという印象がありますよね。
対してアデサニヤのほうは、どちらかと言うとどんどんプレッシャーをかけていってフェイントを入れたり、自分から攻撃をして崩そうとしている。それでペレイラ戦ではカウンターをもらってしまっているんですね。」
――今回は、それがMMAルールになったらどうなるか、ということですよね。
「そういうことですね。そしてペレイラのUFCに来てからの戦いを見ると、キックボクシング時代とおおよそ変わってないんですよ。自分からバンバン手を出しながら前に出ていくというよりは、距離を保ちながら、“的”が射程範囲内に入ってきたときに、針の穴に糸を通すようにパンチを打ち抜くという。打って、それが当たるべきところに当たってない打撃のほうがたぶん少ないんじゃないかな。」
——相当な命中率の高さだ、と。
「パンチをボディにも散らしますけど基本、顔面のガードが一瞬空いたところに自分のタイミングでパーンと打ちにいくという、精密機械のような試合のやり方をやってますよね。ペレイラの他のキックの試合も観たんですけど、自分のタイミングになった瞬間のハンドスピードと当てる感覚はすごく優れたものがあるなと思いました。」
――GLORY(キックボクシング)のライトヘビー級、ミドル級の2階級制覇しているのは伊達じゃないわけですね。
「そういう選手がMMAに来てどんな戦いをしているかといえば、自分が見るかぎり“総合の試合”をほぼやってない。キックボクシングのつもりでやってる感じがするんですよ。UFCデビュー戦のアンドレアス・マイカライディス戦では、キックボクシング時代にも使っていた二段式の跳びヒザ蹴りでKOしてるんですけど、相手がダウンした時に追撃のパウンドをしてないんですよ。キックボクシングならあそこでダウンカウントが始まるので。だからペレイラはUFCのオクタゴンにいながら、頭の中は“キックボクサー”なんだと思います。」
――前回のショーン・ストリックランド戦もパウンドを叩き込んでのTKOではなく、打撃で倒した瞬間に終わるKOでした。
「あれは左フックでしたけど、一瞬フェイントをかけてステップインで左フックという、あれもキック時代によく使っていた技ですよね。だから言ってしまえば、ほぼキックボクシングで培った技術だけで、UFCというMMA最高峰の舞台で通用して、なおかつタイトルマッチまで来てしまったということが言えると思います。」
――“キックボクサー”がUFCの頂点に立ってしまうかもしれないわけですね。
「アデサニヤの方はと言うと、同じキックボクシング出身のストライカーですけど、今はそのキックの技術をMMAに落とし込めている状態だと思うんですよ。スタンドでの距離の詰め方とか、MMAをすごく研究して努力しているからこそ、ここまでいろんなタイプのトップファイターたちに勝つことができている。MMAファイターとしての完成度なら、アデサニヤのほうが上ですよね。
ペレイラのほうは、たとえば何でもできるロバート・ウィテカーみたいな選手とやって、打撃だけじゃなくタックルや組みをいろいろ混ぜられたら苦戦するかもしれないし、デレク・ブランソンのようなゴリゴリのレスラーや、パウロ・コスタのような打撃も強い柔術家とやったらどうなるかは未知数。でも、王者であるアデサニヤに対しては、ペレイラは自信を持って戦えると思うんですよ。そこがこの試合の面白さですね。」
――MMAのキャリアは浅くても同じキックボクシングベースのストライカー相手だったら、GLORY王者の自分に分があるという。
「だからもしかしたら、アデサニヤにとってペレイラは“天敵”のような存在かもしれないですね。アデサニヤってUFCミドル級屈指の長身でリーチも長い。そこが打撃技術と並んで、対戦相手に対する大きなアドバンテージにもなってきたと思うんですけど、ペレイラは身長もリーチもアデサニヤとほぼ一緒なんですよ。それを踏まえてアデサニヤがどういう試合作りをするのか。そこにすごく興味がありますね。」
――身長、リーチというアドバンテージがなく、打撃技術も自分と同等かそれ以上かもしれない相手と戦うわけですからね。
「だから、もしかしたらアデサニヤが自分からタックルに行くかもしれない。ペレイラもタックルに対して初動が遅れるところがあるので、うまく相手の攻撃をもらわないでタックルに入ったら、削ることはできると思うんですよね。アデサニヤも自分のプライドとして打撃でKOしたいという気持ちはあると思うんですけど、これはMMAだから、タックルを選択肢として持っていてほしい希望は自分の中にありますけどね。」
――早い段階でテイクダウンできて、グラウンドで削ることができたら、かなりの優位になるでしょうからね。
「ペレイラは1発の破壊力があるので、それを弱めることをアデサニヤも考えていると思うんですけど、それがなんなのか。普通に考えたら、組んで削るというのがかなり有効だと思いますから。」
――アデサニヤは柔術世界王者アンドレ・ガウバオンの指導も受けていますしね。
「アデサニヤはウィテカー戦やマービン・ヴェットーリ戦なんかを観ても、柔術やグラップリングをしっかりやってないとできない動きを随所に見せていましたからね。だから今回、ペレイラという最強のキックボクサーを相手に、アデサニヤがまた新たに覚醒する姿が見られるんじゃないかと期待しています。それと同時に、ペレイラもMMAファイターとしての成長度合いも未知数なので、この試合で真の実力が見られるかもしれない。」
――ペレイラはグローヴァー・テイシェイラのチームですしね。
「ペレイラも絶対にグラップリングのトレーニングも積んでるはずなんです。だけど試合になったら思いっきりキックボクサーになっている。よっぽど打撃で倒せる自信があるんでしょうね。アデサニヤ相手でもそのままいけるかどうか。いずれにしても、ものすごくスリリングでハイレベルな戦いが見られることは間違いないと思います。」
(取材・文/堀江ガンツ)
◆◆◆WOWOW『UFC -究極格闘技-』放送・配信スケジュール◆◆◆
『生中継!UFC‐究極格闘技‐ UFC281 in ニューヨーク いよいよ激突!アデサニヤVSペレイラ』
11/13(日)午後0:00[WOWOWライブ]※生中継
(WOWOWオンデマンドで同時配信)
11/16(水)午前8:00[WOWOWライブ]※リピート
(WOWOWオンデマンドで同時配信)
【対戦カード】
ミドル級タイトルマッチ/イズラエル・アデサニヤ vs アレックス・ペレイラ
女子ストロー級タイトルマッチ/カーラ・エスパルザ vs ジャン・ウェイリー
ライト級/ダスティン・ポワリエ vs マイケル・チャンドラー
【収録日・収録場所】
2022年11月12日<現地>/アメリカ・ニューヨーク州ニューヨーク マディソン・スクエア・ガーデン
【出演】
解説:髙坂剛、堀江ガンツ
実況:髙柳謙一
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