<デビュー50周年 髙橋真梨子3カ月特集>WOWOWで2023/1/2(月・休)に独占放送・配信する『髙橋真梨子 コンサート2022 our Days -Last Date-』のライブレポートを公開!

https://www.wowow.co.jp/music/takahashi/

株式会社WOWOW

<デビュー50周年 髙橋真梨子3カ月特集>
髙橋真梨子 コンサート2022 our Days -Last Date-
2023年1月2日(月・休)午後7:00
[WOWOWライブ][WOWOWオンデマンド] ほか

 来年デビュー50周年を迎える髙橋真梨子。1979年のファーストツアーから累計で700万人以上に、歌で真心を届けてきた彼女が全国ツアーからの“卒業”を発表した。2022年1月から始まったラストツアー「髙橋真梨子 コンサート2022 our Days -Last Date-」は、約1年かけて全国を回る大規模なものとなった。その中で、東京国際フォーラム公演の模様をレポートする。

 この日を待ちわびたファンの期待感が会場を満たすなか、どこか厳かな雰囲気を漂わせながらコンサートは始まりを告げた。
 宮殿を思わせるセットの中で、シックな衣装に身を包んだヘンリーバンドが音を奏で始めると、髙橋真梨子はしずしずとステージに現われた。深いグリーンのドレスと華やかなボレロジャケットをまとった姿は、クイーンのような風格さえ感じさせる。1曲目に彼女が選んだのは「ありがとう」。会場に詰め掛けたファンへの謝意を伝えるとともに、“これからもよろしく”という歌詞で想いを直接届けたかったのだろう。
 最初のMCで、「デビューから休むこともなくずっと走り続けてきた感じ」と全国ツアーへの想いと難しさを吐露しながらも、「あれこれ理由を付けてコンサートはやっていきたい」と語りかけ、彼女の歌声を愛する人たちを安堵させた。

 序盤は、髙橋の名が最初に広く知られるきっかけとなったペドロ&カプリシャス時代の名曲をいくつか続けた。クラリネットとピアノの温かな音色から始まる1973年のヒット曲「ジョニィへの伝言」では、ウォームなバンドサウンドを携え、哀愁とノスタルジーを帯びた歌声で聴衆を歌の世界へと誘った。
 続く「五番街のマリーへ」では、頬を優しくなでるようなやわらかなサウンドを従えて、街の片隅で生きる人たちへの深い愛をにじませるようにして歌った。「陽かげりの街」ではしみじみとした余韻をいい意味で裏切るように、情熱的なリズムに合わせて、内なる炎が表出するかのような熱を帯びた歌唱で観客の心をぎゅっと抱きしめた。

 ここからはさらに、髙橋真梨子が50年の歌手人生で放ってきた珠玉のヒットソングを辿る旅のような選曲だった。幻想的でメランコリック、かつエキゾチックな「桃色吐息」を艶やかに歌ったかと思えば、「ごめんね…」では、過ちを悔いながらその罪深さも背負う覚悟を歌という人生にじませた。

 

 中盤は、彼女の原点ともいえるジャズを数曲披露する場面も。流麗なピアノソロからムーディーなサキソフォーンへと続く「OLD TIME JAZZ」は吐息を交えながら、また、ナット・キング・コールの歌唱で知られる名曲「Unforgettable」では、やわらかく深い歌声を場内いっぱいに響かせた。こうした、夢見るようなうっとりとしたヴォーカルもまた髙橋真梨子の魅力の一部だ。
 彼女の歌声を彩るヘンリーバンドが織りなす、贅沢で豊潤なバンドサウンドもコンサートの聴きどころ。たとえば、後半のスタート時に、総合プロデューサー・ヘンリー広瀬が緊張感漂うフルートを奏でたあと、丸みを帯びたギターサウンドへとスイッチした場面。時間にするとほんの数分だが、こうした緩急を織り交ぜた“音で魅せる”極上のエンターテインメントは、髙橋のコンサートの懐の深さを示すものだろう。

 後半、髙橋は赤く煌びやかでマニッシュな装いでステージに現われた。ロックなサウンドに合わせた「はがゆい唇」で、大人の恋をドラマチックに歌い、過ぎし日を思い返すような叙情的な「フレンズ」では、大切な誰かに歌いかるようにぽつりぽつりと言葉を紡いだ。

 ときにわがままなくらい情熱的で、かと思えば触れたら崩れそうなほどにもろくも見える…。そんな、人間くさくて魅力的な歌の中の主人公をリアルに生き切る、その豊かな表現力と心からの歌唱が多くの人の耳と心を離さないのだろう。
 終盤のMCでは海外公演の思い出にも触れた。日本人として初めて三度立った米・カーネギーホールや英・ロイヤル・アルバート・ホールなど、世界屈指のコンサートホールで歌ってきた髙橋。だが、きっとその時とこの公演で、何も変わることなくひたむきに歌っているに違いない。そうした不器用なまでの誠実さが、彼女の歌の端々から伝わってくるからこそ、彼女の歌を愛さずにいられないのだ。

 本編の締めくくりに選んだのは、1997年に自ら作詞した「海色の風 ~君住む場所へ~」だった。スケールの大きなLIFE SONGを力強く荘厳に歌い切ると、会場から割れんばかりの拍手が沸き起こったのは言うまでもない。
 鳴りやまない拍手に応えて、再び登壇した髙橋は、シャンパンゴールドのドレスをまとっていた。これも何かの意志の表れだろうか…、ラストとなると思わずさまざまな推論が頭をよぎる。

 アンコールのお礼を伝えるMCでは、ヘンリーバンドのメンバー紹介で、サキソフォーン担当の万☆照がマジックを披露。「サックスの練習は全然しないで、マジックの練習ばかり…」と髙橋が告げると、会場が笑顔に包まれた。ミステリアスでストイックな孤高のシンガーというイメージに縛られない、こうした自由度の高さも彼女のコンサートの楽しさだろう。

 

 アンコールでは、髙橋真梨子からファンへのギフトが贈られた。それが、彼女の人生が詰め込まれたナンバー「The Road」だ。“生まれたときから きっと唄ってた” “唄うことは命の証だと知った今” “貴方に捧げたい 揺るぎないこころを”と、思いのたけを伝えたあと、深々と頭を垂れた。ラストで光の中に溶けていくようにして見えなくなっていった姿を、観客は心の奥深くに刻んだことだろう。
 感動の渦が巻き起こり、拍手はいつまでも鳴り響いた…。すると、急きょ、髙橋はサプライズで2度目のアンコールに応じたではないか。ステージ上でバンドメンバーと軽く打ち合わせ、即興で奏でたのはペドロ&カプリシャスのデビュー曲「別れの朝」だった。ある意味、原点のような楽曲を選んだことは、ここからまた新章がはじまるというメッセージなのだろうか…。

 いずれにせよ、繊細で優しく、ときにクールで、かと思えば情熱的に心を翻弄する。そんな目くるめく歌の世界を魅せてくれる髙橋は、比類なきシンガーということは論を俟たない。そして、デビュー50周年という節目を迎えてなお、その魅力はまだまだ増し続けていくだろう。
 そんな彼女の唯一無二の歌声を追い続けてきたWOWOWは、本公演の独占放送をはじめ、「デビュー50周年 髙橋真梨子3カ月特集」を展開する。WOWOWオリジナルの「髙橋真梨子 STUDIO LIVE 2020“THE FIRST”」や、秘蔵映像で綴る「50th Anniversary 髙橋真梨子 50年の軌跡」も、ぜひ楽しみにしてほしい。

 

文:キツカワユウコ/撮影:田中聖太郎

【番組情報】
デビュー50周年 髙橋真梨子3カ月特集

<ラインナップ>
  • 髙橋真梨子 コンサート2022 our Days -Last Date-
2023年1月2日(月・休) 午後7:00 [WOWOWライブ][WOWOWオンデマンド]

髙橋真梨子“最後の全国コンサートツアー”となった2022年のツアーの中から、
東京国際フォーラム公演をお届け。

収録日:2022年11月9日
収録場所:東京 東京国際フォーラム ホールA

 

  • 髙橋真梨子 STUDIO LIVE 2020“THE FIRST”
2023年2月放送・配信予定

 

撮影:田中聖太郎撮影:田中聖太郎

全国ツアーがキャンセルとなった2020年に行なった、WOWOWだけのオリジナルスタジオライブをお届け。色あせることのない髙橋真梨子の歌声をお楽しみいただきたい。

収録日:2020年11月
収録場所:東京 AVACO STUDIO
 
  • 50th Anniversary 髙橋真梨子 50年の軌跡
2023年3月放送・配信予定

2022年、最後の全国コンサートツアーとして「our Days -Last Date-」を実施した髙橋真梨子の歌声の軌跡をお届け。

※全番組、放送終了後~2週間、WOWOWオンデマンドでのアーカイブ配信があります

【番組サイト】
https://www.wowow.co.jp/music/takahashi/

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