ローカル5Gを使ったリモートプロダクションの技術検証を実施~WOWOWの映像制作技術をさらに⾼度化~
株式会社WOWOW(本社:東京都港区、代表取締役 社長執行役員:田中 晃、以下「WOWOW」)は、次世代の番組制作技術の開発を目指し、ソニーワイヤレスコミュニケーションズ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:渡辺 潤、以下「SWC」)のローカル5G設備を使った、リモートプロダクションの実証実験を実施しました。
WOWOWではWOWOW Lab(※)のICT技術を活用した効率的な番組制作手法の取り組みとして、2019年よりTBSテレビと共同で独自のリモートプロダクションシステム(以下「本システム」)の開発を行なっています。今回は本システムで利用している独自のリモートカメラと、SWCのローカル5G設備を組み合わせたリモートプロダクションの実証実験を、8月19日、20日の2日間にわたり、都市型音楽フェスSUMMER SONIC 2023の幕張メッセSONIC STAGEにて行ないました。
実証実験では、混雑した会場であっても安定したワイヤレス通信が可能であることを確認し、WOWOWの映像制作技術をさらに高度化させることができました。これにより、インターネットを介したカメラ等の機材の制御や映像伝送をワイヤレスで行なうことができます。
※WOWOW Lab(ワウワウラボ):さまざまな企業・アーティスト・エンジニア・クリエイターとWOWOWのプロデューサーがコラボレーションしながら未来のWOWOW、そして新しいエンターテインメントをつくる活動です。
◆リモートプロダクションとは
中継先に多くのスタッフや機材が出向くスタンダードな中継とは対照的に、中継先の人手や機材を極限まで減らす、新たな番組制作の手法です。現地に人を配置せず、現地の映像を見ながら遠隔で番組中継・収録を行ない、移動費や宿泊費などの経済的コスト、移動時間などの時間的コストを削減することができます。
WOWOWとTBSテレビで共同開発した 本システムの特徴は、重厚な業務用機器ではなく、市販の小回りが利く機材やソフトウエア、インターネットを駆使している点です。そこに独自の低遅延技術を掛け合わせることで、機材の軽量化・コスト削減と映像のクオリティーを両立しています。
◆検証の概要
本システムではこれまでモバイル回線を使い、無線で映像を伝送する方法を模索して映像制作のスマート化を目指してきましたが、混雑した会場では観客に電波が吸収されて弱まる等の課題がありました。
そこに高速、大容量、かつ混雑した環境でも安定性の高いローカル5Gを採用したことで、SUMMER SONICのような観客が多い環境でもローカル5Gの電波は一定の品質が保たれ、安定した通信を行なうことができました。
今後もこの技術を活用することで、映像制作のスマート化の可能性が広がります。
本技術検証では、SUMMER SONICのSONIC STAGE上にリモートカメラを設置し、カメラ映像を伝送するコンピューターをローカル5Gに接続しました。
一方で、中継車側にはカメラを遠隔制御するためのPCを設置し、こちらは一般的なインターネットにつなぎ、インターネットを介して安定してリモートカメラを制御することに成功しました。
今回はカメラの遠隔制御とそのモニタリング用の映像伝送をローカル5Gで行ないましたが、今後は配信用の映像伝送もワイヤレスで行なうことを目指しています。
WOWOW は中期経営計画(2021年-2025年度)の戦略に基づき、テクノロジーを活用した新商品の開発に取り組んでいます。今後もクラウドやAI、次世代通信を取り入れた開発を行ない、「優れたクリエイターや外部パートナーとの協業」を軸に、WOWOWらしいコンテンツの開発に取り組みます。
◆WOWOW Labに関する情報・お問い合わせはこちら
株式会社WOWOW 技術センター 技術推進ユニット https://corporate.wowow.co.jp/contact/wowowlab.html
WOWOW Lab Webサイト https://corporate.wowow.co.jp/wowowlab/
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