<ライブレポート>奥田民生と吉川晃司が結成した奇跡のユニットOoochie Koochie。待望の全国ツアーの中から日本武道館公演の模様を、11月22日(土)にWOWOW独占放送・配信!

https://www.wowow.co.jp/music/ooochie-koochie/

株式会社WOWOW

撮影:岸田哲平

 長年にわたり音楽シーンの最前線に立つ奥田民生と吉川晃司には、同じ1965年に広島で生まれ同地で育ったという共通点がある。ずっと接点が無かったが、ここ数年各地のフェスで何度か邂逅を果たし、酒を飲み会話を重ねていく中で意気投合。還暦を迎えるタイミングで実現したのが、奇跡のユニットOoochie Koochie結成だ。2月26日にまさかの合体を発表後、彼らは積極的なメディアアピアランスを行ない、3曲の配信シングルと1枚のフルアルバムをリリース。そして、待望の全国ツアーは地元・広島を皮切りに7月から9月にかけて全7カ所8公演がセットされた。(その後、広島での大晦日公演が追加決定。彼らは2025年を通じて旋風を巻き起こすこととなった。)

撮影:岸田哲平

 9月11日、12日。ツアーの一旦の締めくくりとなったのは日本武道館2DAYSだ。詰めかけた大観衆の熱気が渦巻く中、定刻が過ぎ場内が暗転すると拍手と歓声が舞台に降り注ぐ。下手から登場した奥田と吉川がそれぞれギターを抱えて演奏されたのは、エッジの効いたサウンドが刺激的な“表明曲”「おちこち」だ。続く「Do The Shuffle」も、70年代ハードロックを彷彿とさせるソリッドなナンバー。重なり合う歌声のユニゾンが聴き手の心を震わせる。アジテートするかのような二人のギターソロも切れ味抜群だ。戦国大名・毛利元就の「三矢の訓」をモチーフにサンフレッチェ広島への思いを込めた「Three Arrows」では、広く日本全体に向けてエールを贈る。ロックオペラ的な展開も実に見事だ。

撮影:岸田哲平

 幾つものミラーボールが鮮やかな光を放ち、赤いスパンコールのジャケットを着た奥田と素肌にゴールドのロングジャケットをまとった吉川の姿を鮮やかに照らす。武道館が煌びやかなディスコホールと化したのは「GOLD」だ。ギターを置きハンドマイクで踊りながら歌う奥田と、バッキングギタリストに徹する吉川の息もぴったり。大神田智彦(Ba)と湊雅史(Dr)が生み出すスケールの大きなグルーヴもたまらない。吉川が歌い、奥田がコクのあるギターリフを刻んだのは、作曲:奥田民生/作詞:吉川晃司によるロマンティックなフレーバーの「片恋ハニー」だ。ホッピー神山(Key)と斎藤有太(Key)が奏でるフレーズが深い余韻を残していく。続いてはダンスミュージックの古典とも呼ぶべき名曲カバーへ。奥田のハイトーンが響きわたった「Dancing Queen」(ABBA)ではコーラスのChloeとmimikoの歌声がフィーチャーされ、華やかな彩りが加えられる。「Let’s Dance」(David Bowie)では、吉川のスモーキーな低音が誰もの胸に沁み込んでいく。

撮影:岸田哲平
撮影:三浦憲治

 作曲:吉川晃司/作詞:奥田民生によるソングライティングの妙を満喫出来たのが「マンデー」だ。ダンサブルな曲調と、少ない譜割りの中に多層的意味合いが込められた言の葉たち。その絶妙なブレンドに感じ入った。そして、今回の見せ場のひとつとなったのが、お互いの代表曲の交感(交換)だ。吉川の3枚目のシングル「LA VIE EN ROSE」を奥田が歌い、初期ユニコーンの代表曲「Maybe Blue」を吉川が歌う。互いの足跡を確かめるように感慨深く、楽曲に新たな息吹を吹き込むように力強く。共通していたのは、シンガーとしての高い感性と表現力だ。恍惚とした表情を浮かべるオーディエンスの姿がそれを証していた。

撮影:三浦憲治

 「リトルボーイズ」も素晴らしかった。HIROSHIMAにルーツを持つ者であれば避けて通れない重いテーマを、郷愁的なメロディラインに想いをにじませて歌う。それは還暦を迎えた二人だからこそ辿り着いたメッセージの伝え方だったのかもしれない。平和への祈りと願いが木魂するエンディングは圧巻だった。近年の吉川ソロの新境地とも言える「ギムレットには早すぎる」では、奥田がヴォーカリストとしてのレンジの広さを魅せつけ、奥田ソロを代表するロックチューン「御免ライダー」では吉川が艶やかで伸びやかなシャウトを響かせる。そして、いよいよコンサートはラストスパートへ。全編広島弁による歌詞の爆走曲「ショーラー」、Rick Derringerの名曲をKODOMO BANDがカバーした日本語詞バージョンの「Rock and Roll, Hoochie Koo」、古今東西のギターヒーローへのオマージュにあふれた「GIBSON MAN」、The Power Stationのエッセンスも感じさせる広島東洋カープ公認応援歌「OK」とたたみかける。会場中がリミッターを振り切り、最後は全員でシンガロングして本編は終了した。

撮影:岸田哲平
撮影:三浦憲治

 アンコールでは再びお互いへのリスペクトが示される。奥田の8枚目のシングルにして彼のメタファーとも言える「さすらい」を吉川が歌い、吉川のステージでは欠かせない定番曲「Juicy Jungle」を、奥田が歌い上げる。それぞれのコアな作品が、新たな魅力が加えられ高らかに放たれていった。客席もどちらのファンという区別なく、二人の音楽を真っ直ぐ受け止める姿が印象的だった。“水と油”と思われた両雄が並び立った日本武道館。反発と融合、遊び心とダンディズム、スケールの大きさと深遠な奥深さなど、相反するさまざまな要素がハイブリッドされた“やんちゃな大人”のロックンロールを堪能した。

撮影:三浦憲治

 ユニット名“Ooochie Koochie”の由来は「遠いところと近いところ」「昔と今」「現在と将来」を意味する「おちこち」だという。ルーツミュージックへの敬意と互いへの共感を示しながら、その先に新たな音楽表現を創り上げた奥田民生と吉川晃司。今回のユニット活動は年内を以ってピリオドを迎えるが、「大人しくない、大人じゃけぇ」を体現する二人が今後どのような活動の軌跡を描いていくのか楽しみでならない。

撮影:平野タカシ

<番組情報>

2カ月連続!奥田民生×吉川晃司 Ooochie Koochie WOWOW Special

●Ooochie Koochie TOUR at 日本武道館

11月22日(土)午後9:00~

WOWOWプライムで放送/WOWOWオンデマンドで配信

収録日:2025年9月11日、12日 

収録場所:東京 日本武道館

●INVITATION/吉川晃司

11月22日(土)午後6:30~

WOWOWライブで放送/WOWOWオンデマンドで配信

●Ooochie Koochie ドキュメンタリー 奥田民生 × 吉川晃司 ~奇跡のユニット舞台裏~

11月22日(土)午後8:00~

WOWOWライブで放送/WOWOWオンデマンドで配信

収録日:2025年7月12日

収録場所:広島 グリーンアリーナ広島 ほか

※各放送・配信終了後~1カ月間アーカイブ配信あり

▽番組サイト

https://www.wowow.co.jp/music/ooochie-koochie/

▽ドキュメンタリーの見どころはこちらから

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000008471.000001355.html

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会社概要

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本社所在地
東京都港区赤坂5-2-20 赤坂パークビル21F
電話番号
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代表者名
山本 均
上場
東証プライム
資本金
50億円
設立
1984年12月