【本日同時発売】戦争を知らない世代が、それでも語りつづけるために。注目の哲学者・文学者が「戦争」について考える。
『せんそうって』(著:永井玲衣・写真:八木咲)、『父たちのこと 一九四四年のクラスメイト』(著:阿部公彦)
この社会を生きるひとびとの多くが「戦争を知らない」世代になった今、わたしたちは、どうやって/どのように戦争を知り、語るのか――。今夏読みたい注目新刊『せんそうって』(著:永井玲衣・写真:八木咲)、『父たちのこと 一九四四年のクラスメイト』(著:阿部公彦)が本日7月23日、2冊同時に発売となりました。


『せんそうって』は、日本各地で哲学対話をおこなっている永井玲衣さんが、「せんそう」について表現したり、きいたり、考えたりする場をつくりたいと、写真家の八木咲さんと共に企画した「せんそうってプロジェクト」を通して、「せんそう」を語る言葉と出会い、探す模様を綴ったドキュメンタリーです。
広島や沖縄をはじめ、全国で対話やフィールドワークをおこなった二人を待ち受けていたのは、教科書で「歴史」として戦争を学ぶだけでは出会うことのできなかった声、まなざしの数々でした。紋切型ではない、誰かの代弁者になるでもない、「せんそう」を語るための「自分の言葉」を探す活動の記録が文章と写真で表現されています。
『父たちのこと 一九四四年のクラスメイト』は、英文学を専門とする阿部公彦さんが、 海軍経理学校を卒業し、太平洋戦争末期に主計官として戦地に赴いた父・克巳さんの記録をもとに書き起こした戦争ノンフィクションです。
戦場での物資欠乏や装備の貧弱さ、オルモック輸送作戦や民間人捕虜虐殺事件の真相。度重なる作戦で上官や同級生たちを失い、自分だけが生き残ってしまったという自責の念……。残された手記から浮かび上がってきたのは、「私」の知らない父の姿でした。大きな歴史に、極私的なミクロな視点が交差することによって、教科書的な記述からはたどりつけない、個別的な記憶が読者の心に迫ります。
◾️全国から感想の声が届いています!
『せんそうって』(著:永井玲衣・写真:八木咲)
戦争を語る人は、戦争を知らないわたしたちに何を願い、言葉を紡ぎ、何を託すのかー。戦争は遠い、知らないと思っているわたしたちはもう戦争に関係している。わたしたちにできることは考え、言葉にし、次の世代へー。(田原市図書館・永井紗莉さん)
長崎で生まれ育った。8月9日にはサイレンが鳴り、黙祷した。上京して当たり前ではないことを知った。「戦争」に相対すると心が怯む。誰かと話してみたいけれど、憚られる。なぜだろう。『せんそうって』を通じて、少し向き合いやすくなった気がする。
(県立長野図書館・森いづみさん)
ほかでもない人間がうみ出すせんそうという実在を、著者たちは、まだ誰も語ったことのない「言葉」として、紡ごうと地道な努力を重ねる。これまで誰も発したことのない、「意味の流れ」によって、だれもが捉えたことのないせんそうの実像に迫ろうと、歴史の言葉となった人たちの「小さなことば」と「大きなことば」の健気なつぶやきに真実を見い出そうと探索する。私たちが著者の実直な仕事から学ぶべきは、語られた言葉の陰に、語ることのできなかった生があること、語られない時間の真空に、確かな生の瞬間があったことを、今、言葉の意味を辿ることのできる、まぎれもない私の実在が感じ取ることができるという実感である。
(京都橘大学・嶋田学さん)
「大きなことば」の濁流に流された人たちが「私にしか持てぬ世界」を守るため、ひとりぼっちの言葉を静かに紡ぐ。沈黙に飲み込まれた言葉たちは「ないもの」と同じだろうか。私もまた、その言葉を「きけなかった」ひとりだ。(田原市図書館・若見愛さん)
たくさんの書物のなかには、多くの人々の言葉が残されている。けれど、「せんそう」のなかで消えていった言葉や色、表現されることのなかった「息」を、今を生きるわたしたちはすくい上げ、護り、伝えていけているのだろうか。ずっと「戦後」を生きていると思っていた。けれど、わたしたちが生きてきたのは、「せんそう」の影が消えることのない世界だ。
(都城市立図書館・藤山由香利さん)

『父たちのこと 一九四四年のクラスメイト』(著:阿部公彦)
戦争末期に著者の父が残した記録から、そこに描かれたクラスメイト、血縁、そして隣人たちの境遇が身に迫るように浮かび上がってくる。軍艦の中で、あるいは地上ではじけ散った命。市井(しせい)の人々、一人ひとりの人生の重なり合いに、歳月を越えて強く引き込まれた。
(都城市立図書館司書・藤山由香利さん)
父の手記をもとに丁寧に紡がれた本書は、圧倒的な記録に裏打ちされた臨場感が際立つ一冊。戦地の描写は鮮明で読みやすく、当時の空気がありありと伝わってくる。また、戦争という極限の中で交錯する登場人物の人間模様が深く心に残り、現在の日本ではリアルに実感することが難しい【戦争】について考えさせられる。(*NetGalleyに寄せられたコメントより)
「運が良かったの一語に尽きる」。本書が取り上げるのは、生々しいまでの「具体的な『戦争』」。教科書で戦争のことを学んだからと言って、戦争を知ったような気になってはいけないと強く実感させられた。(田原市図書館・岡田梨花さん)
著者の父、阿部克巳は海軍経理学校卒業後主に事務方を職務とし、艦船での人や物資の配置輸送計画、日々の戦況記録等を任務としていた。また個人として日々目にものの詳細なメモを残している。これがこの本の元になっている。(…)持ち帰った膨大な記録を子息である著者が世に出すことは大きな意味があると思う。戦後80年以上経った今歴史を顧みないような政治の風潮に、読者は自分の頭で考えなければならないと思う。(*NetGalleyに寄せられたコメントより)
1944年。主計士官として軍艦に乗った21歳の父・克巳は、過剰なほどに具体的な「戦争」を生きた。祖父や同期生との戦地での邂逅。美談の真相。幾度も遭遇した「生死の分かれ道」。手記を基に、現代の視点から浮き彫りされる「戦争」が、ここにある。
(県立長野図書館・森いづみさん)
太平洋戦争末期に軍艦に乗り込んだ庶務担当の男が体験した、米軍の圧倒的火力により一方的に決められる生死と、日本軍の敵味方双方に対する命の扱いの粗雑さと、それを書き残そうという思いの強さに圧倒されました。(田原市図書館・木村洋介さん)

◾️書籍情報
『せんそうって』(著:永井玲衣・写真:八木咲)
【発売日】2026年7月23日
【仕様】四六判変型・並製・208ページ
【出版社】講談社
【定価】2,200円
【装幀】川名潤
『父たちのこと 一九四四年のクラスメイト』(著:阿部公彦)
【発売日】2026年7月23日
【仕様】四六判・上製・320ページ
【出版社】講談社
【定価】2,750円
【装幀】川名潤
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