ロク漫祭 ~SPITZ 草野マサムネのロック大陸漫遊祭り~ ライヴ・レポート

株式会社WOWOW

撮影:田中聖太郎

聴いてきた音楽への思いとリスペクトにあふれた一夜だった。スピッツによる一夜限りのイベント「ロク漫祭 ~SPITZ 草野マサムネのロック大陸漫遊祭り~」が2026年9月22日(火・祝)に東京・有明アリーナで開催された。このイベントは2018年1月にTOKYO FM/JFNで放送を開始したラジオレギュラー番組『SPITZ 草野マサムネのロック大陸漫遊記』から生まれた、スピッツにとって初となる海外アーティストを迎えてのライヴ・イベントとなっている。出演したのはスピッツ、ティーンエイジ・ファンクラブ、羊文学、ライドの4組で、国や海を超えて、その音楽的背景が重なる素晴らしいラインナップとなった。

  • スピッツ

撮影:田中聖太郎

発表されていた通り、最初に出演するのはスピッツで、なんでもメンバーは自身のパフォーマンス後に客席へと移動して、あとの3バンドの演奏を会場内で最後まで観客と一緒に楽しむという。諸国漫遊なんて言葉があるけれど、気ままに様々な国々や果ては辺境のロックを楽しみながら体感するというのがこのラジオ番組の醍醐味で、それがそのまま反映されたのが今回のイベントとなっている。

撮影:田中聖太郎

ラジオ番組のオープニングに見立てた草野マサムネのナレーションによるイベントの趣旨説明があり、この一夜について「夢のようなイベント」と評した上で、メンバーがステージに登場すると、“美しい鰭”からライヴは始まった。

撮影:田中聖太郎

2曲目は“さらばユニヴァース”で、こうしたハイトーンのギターのサウンドが前面に出ている曲を聴いていると、この時点ですでに今回の出演バンドとの共通点がそこはかとなく浮かび上がってくる。そして、ベースの激しいフィードバック音から始まった3曲目は“けもの道”で、こちらもスピッツのギター・バンドとしての側面を強く感じさせてくれる。

 

田村明浩はこの曲の終盤でベースを掲げ、三輪テツヤは腕を高々と挙げてみせる。スピッツの主催ライヴ・イベントでは恒例となっているカヴァー曲は、この日はチープ・トリックの“I Want You to Want Me”という選曲で、耳馴染みのある人も、初めての人も乗りやすい、こうした曲を選んでくれるところに、このイベントの大きな意義を感じる。

撮影:田中聖太郎

“I Want You to Want Me”を終えたところで、この日最初のMCとなり、草野マサムネはチープ・トリックのカヴァーについて、「英語の曲をカヴァーすることはほとんどなくて、カタカナで歌詞を書き出した」なんて話も披露してくれたが、海外のアーティストを迎える今回のイベントについて「一緒に作り上げていけたらなと思いますので、よろしくお願いします」とその思いを伝えていく。そこから、最新シングルとして大きな話題となっている“見知らぬ糸”が披露され、草野マサムネによるギターのストロークから“みなと”が続いていく。次に披露されたのは、アルバム『名前をつけてやる』より“プール”で、こうして見ると、バンドとしての軸が初期からまったくブレていないことを改めて痛感する。

撮影:田中聖太郎

ネオアコをも彷彿とさせる“旅の途中”が終わったところで、再びMCで、“プール”がライドに強く影響を受けた曲であること、そして“旅の途中”がティーンエイジ・ファンクラブから強く影響を受けた曲であることが紹介される。「久々のトップバッター」であることにも言及されつつ、スピッツのステージは“涙がキラリ☆”から終盤へと向かっていき、“メモリーズ・カスタム”では再びロック・バンドとしてのスキルを見せつけてくれた後、“ありがとさん”で締めくくられることになったのだけれど、共演バンドへの思いと長いキャリアを歩んできたバンドの現在地、どちらもが反映されたトップバッターだった。

  • ティーンエイジ・ファンクラブ

撮影:田中聖太郎

二番手はティーンエイジ・ファンクラブで、2005年発表のアルバム『マン・メイド』に収録されている“It’s All In My Mind”からライヴは始まった。ハーモニーをきかせた滋味あふれるギター・ミュージックをやる彼らにとっては絶好のイントロダクションとも言える楽曲で、1曲目が終わったところで観客からも大きな拍手で迎えられる。

撮影:田中聖太郎

「コンバンハ、ミナサン」というノーマン・ブレイクの短い挨拶から、次に披露されたのは“Tired Of Being Alone”で、2023年発表のアルバム『ナッシング・ラスツ・フォーエヴァー』に収録されている曲だけれど、世間の風潮などどこ吹く風、自分たち独自の音楽を近年もやり続けているバンドの姿勢を表している楽曲だ。ノーマン・ブレイクが「アリガトウゴザイマス」と一言挟んだ後、『グランプリ』とアルバム名だけを言って始まったのは名曲“About You”で、あのハーモニーが眼前で披露されていく。

撮影:田中聖太郎
撮影:田中聖太郎

“Falling Into The Sun”を挟んで「ニュー・アルバム」という紹介で披露されたのは10月9日にリリースされる新作『ドゥ・ノット・デア・トゥ・ドリーム』からのシングル“Day in The Sun”で、スコットランドの牧歌的な風景が浮かんでくるような、人肌を感じる音楽を聴かせてくれる。そこからは『ソングス・フロム・ノーザン・ブリテン』に収録の“I Don’t Want Control Of You”、レイモンド・マッギンレーがリード・ヴォーカルを務めた“Everything Is Falling Apart”といった楽曲が続き、名作『バンドワゴネスク』より“What You Do To Me”が披露されたところからライヴは佳境へと入っていく。

撮影:田中聖太郎
撮影:田中聖太郎

再びレイモンド・マッギンレーがリード・ヴォーカルを務めた“It’s A Bad World”、そして“The Concept”。ノーマン・ブレイクはこのイベントに出られて光栄だと語っていたけれど、最後に演奏された“Everything Flows”も含めて、UKのギター・ミュージックにおいて歴史の一翼を担ってきた楽曲の数々が今なおエヴァーグリーンであることを示してくれるステージだった。

撮影:田中聖太郎写真事務所

  • 羊文学

撮影:田中聖太郎

三番手として出演したのは日本からの羊文学で、ライヴは「羊文学です。よろしくお願いします」という一言と共に“OOPARTS”で幕を開けた。

ギター・サウンドの裏にある透明感は今日の共演者たちともリンクするもので、アウトロではそこに爆音とも言えるようなディストーションが叩きつけられていく。続く“1999”ではコーラスのリフレインと共に熱量が上がっていくような展開を見せつつ、アグレッシヴなベース・ラインから始まったのは“doll”で、このバンドのオルタナティヴな部分がいかんなく発揮されていく。

撮影:田中聖太郎

「羊文学です。今日は素晴らしいイベントにお招きいただき、ありがとうございます。みなさんも来てくださって、ありがとうございます。短い時間ですが、精一杯やりますので」という塩塚モエカによるMCを挟んで披露されたのは最新シングルとなる“Keep Walking”で、羊文学のサウンドに新たなスペースと余白が与えられたような、そんな印象を受ける。

撮影:田中聖太郎

ギターの軽快なカッティングから始まった“GO!!!”、ベースのダブルトーンとギターのアルペジオによるイントロが印象的だった“砂漠のきみへ”を挟んで、ウォール・オブ・サウンドとも言うべきギター・サウンドを聴かせてくれたのが“mother”で、そのままこだまするディレイの音から“more than words”へと突入していく。

撮影:田中聖太郎

塩塚モエカは左右に身体を揺らすような仕草も見せながら、ストロボ・ライトと共にこの曲を颯爽と駆け抜けていく。最後に演奏されたのは“Dogs”で、ノイズとも言える爆音を炸裂させながら、塩塚モエカは「ありがとうございました。最後まで楽しんでいってください」と観客に声をかけ、轟音の余韻を残してステージを降りていった。

  • Ride

撮影:田中聖太郎写真事務所

この素敵なイベントを締めくくることになったのはライドで、『ゴーイング・ブランク・アゲイン』に収録されている“Leave Them All Behind”で、いきなりギターのフィードバックによるサウンドを炸裂させる。マーク・ガードナーは宙を指さしながら、歌に入っていく。しかし、その音圧たるやすさまじい。

撮影:田中聖太郎

「アリガトウ」というマーク・ガードナーの一言を挟んで、打ち込みのリズムと共に披露されたのは2024年にリリースされたアルバム『インタープレイ』からの“Monaco”で、MCに入るとマーク・ガードナーはわざわざ通訳をステージに呼んで、「このイベントに呼んでくれたスピッツのみなさん、ありがとう。すごく不思議な縁で、僕たちとスピッツは長い間、活動をさせてもらえて、僕たちも1990年ぐらいから東京に来ています。僕たちは東京に来て、ライヴをするのが大好きで、またスピッツのみなさんと一緒になにかやれたらと思います。そして、来てくれたみんな、本当にありがとう……」といった自身の思いを伝えてみせる。

撮影:田中聖太郎
撮影:田中聖太郎

90年代に戻ろうという言葉と共に披露されたのは、まさに1990年に発表された“Like A Daydream”で、そこに名作『ノーウェア』からの“Dreams Burn Down”が続いていく。その後もさらに“Twisterella”が披露され、2017年発表の“Lannoy Point”を挟みつつも、代表曲が立て続けに演奏されていく展開で、“Taste”、“Vapour Trail”、“Seagull”といった楽曲が畳み掛けられていく。最後に演奏されたのは“Chelsea Girl”だったのだが、ライドの演奏が終わってから、マーク・ガードナーは観客の姿を記念撮影していた。

撮影:田中聖太郎写真事務所

そして、その後には後ろで観ていたスピッツのメンバー席から締めの挨拶があって、そこで草野マサムネは「どこかの神様からプレゼントをいただいたような夜になりまして、みなさんと過ごせたことを嬉しく思います」と語っていたのだけれど、観ているこちら側としてもお互いへの思いを感じる素晴らしい夜だった。

撮影:田中聖太郎

このライヴの模様は2026年12月にWOWOWで独占放送・配信されることが決定。

また、12月19日(土)放送のラジオ番組『SPITZ 草野マサムネのロック大陸漫遊記』(22:00~22:55、TOKYO FM / JFN 38局)では、スピッツによる本イベント振り返りの模様が放送予定となっている。

撮影:田中聖太郎写真事務所

ライター:NME Japan 古川琢也


スピッツ New Album『kettle』2026年11月25日 (水)発売!

そして、2027年3月〜 全国ツアー『 SPITZ JAMBOREE TOUR 2027 “kettle”』(全国13都市・全28公演)開催決定!

詳しい情報は、

SPITZ OFFICIAL WEB SITEhttps://spitz-web.com/kettle/album/) へ


本公演の放送について

このイベントは、WOWOWで12月に独占放送・配信!

番組情報はこちら:

https://www.wowow.co.jp/music/rockmansai/

 

また、12月19日(土)放送のラジオ番組『SPITZ 草野マサムネのロック大陸漫遊記』(22:00~22:55、TOKYO FM / JFN 38局)では、スピッツによる本イベント振り返りの模様が放送予定。

本公演の事後物販について

イベントオフィシャルグッズにつきましては、事後EC販売を10月12日まで行います。

詳しくは、イベント公式サイトをご確認ください。

公演概要

■タイトル:ロク漫祭 ~SPITZ 草野マサムネのロック大陸漫遊祭り~

(※タイトル注意事項:祭と~の間、Zと草の間半角アケ)

■出演者:スピッツ / Teenage Fanclub / 羊文学 / Ride ※出演順
■会場名:有明アリーナ(東京都江東区有明1丁目11番1号)

■公演日時:

2026年9月22日(火・祝)開場 15:00/開演16:00   

■主催:WOWOW/TOKYO FM/キョードー東京/ワイズコネクション

■企画・原案 グラスホッパー |■企画・監修 アナザー | ■後援 JFN(ジャパンエフエムネットワーク)

■オフィシャルHP:https://rockmansai.com

 

このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります

メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。

すべての画像


会社概要

株式会社WOWOW

1,863フォロワー

RSS
URL
http://www.wowow.co.jp/
業種
サービス業
本社所在地
東京都港区赤坂5-2-20 赤坂パークビル21F
電話番号
03-4330-8111
代表者名
山本 均
上場
東証プライム
資本金
50億円
設立
1984年12月