太田愛『未明の砦』 第26回大藪春彦賞受賞! 受賞の報を受けて喜びのコメント到着
※松下隆一著『俠』(講談社)とW受賞
◆太田愛氏より受賞の報を受けて喜びのコメントが届きました
文壇というのは、確かに存在する。どこか遠いところに。
なんとなく冥王星のような認識でいましたので、びっくりしすぎて今一つピンと来ていない感じでしょうか。
もうすぐ光のように実感が訪れると思います。
どうもありがとうございました。
――太田愛
「大藪春彦賞」(主催:大藪春彦賞選考委員会/後援:株式会社徳間書店)は、作家・大藪春彦氏の業績を記念し、その物語世界を引き継ぐ新進気鋭の作家および作品に贈られます。
選考委員は、大沢在昌氏、黒川博行氏、東山彰良氏の3名。
贈賞式は3月上旬に執り行われ、受賞者には、大藪春彦賞選考委員会と後援の徳間書店から正賞(顕彰牌・賞状)および副賞各150万円が贈られます。
共謀罪を適用されそうになる四人の若者が、公安や大企業を相手に立ち上がる骨太な社会派サスペンスであり、青春群像小説でもある本作品には、読者から熱い感想が多数寄せられています。
この機会にぜひともご注目ください。
※大藪春彦賞に関する情報は公式サイトより
https://www.tokuma.jp/news/n55380.html
https://www.tokuma.jp/company/cc1950.html
受賞作『未明の砦』について
◆あらすじ
共謀罪、始動。標的とされた若者達は公安と大企業を相手に闘うことを選ぶ。
その日、共謀罪による初めての容疑者が逮捕されようとしていた。動いたのは警視庁組織犯罪対策部。標的は、大手自動車メーカー〈ユシマ〉の若い非正規工員・矢上達也、脇隼人、秋山宏典、泉原順平。四人は完璧な監視下にあり、身柄確保は確実と思われた。ところが突如発生した火災の混乱に乗じて四人は逃亡する。誰かが彼らに警察の動きを伝えたのだ。所轄の刑事・薮下は、この逮捕劇には裏があると読んで独自に捜査を開始。一方、散り散りに逃亡した四人は、ひとつの場所を目指していた。千葉県の笛ヶ浜にある〈夏の家〉だ。そこで過ごした夏期休暇こそが、すべての発端だった――。
自分の生きる社会はもちろん、自分の人生も自分で思うようにはできない。見知らぬ多くの人々の行為や思惑が作用し合って現実が動いていく。だからこそ、それぞれが最善を尽くすほかないのだ。共謀罪始動の真相を追う薮下。この国をもはや沈みゆく船と考え、超法規的な手段で一変させようと試みるキャリア官僚。心を病んだ小学生時代の友人を見舞っては、噛み合わない会話を続ける日夏康章。怒りと欲望、信頼と打算、野心と矜持。それぞれの思いが交錯する。逃亡のさなか、四人が決意した最後の実力行使の手段とは――。
最注目作家・太田愛が描く、瑞々しくも切実な希望と成長の社会派青春群像劇。
◆書誌情報
作品名:未明の砦
著者名:太田愛
発売日:2023年7月31日(月)★電子書籍同日配信
定 価:2,860円(本体2,600円+税)
頁 数:616頁
カバー写真:山内悠
装 丁:國枝達也
体 裁:四六判並製 単行本
ISBN:9784041139806
発 行:株式会社KADOKAWA
初 出:学芸通信社の配信により、陸奥新報、千葉日報、苫小牧民報、三陸新報、上越タイムス、東海愛知新聞、留萌新聞、桐生タイムス、宇部日報、いわき民報、山陰中央新報に2021年4月〜2023年6月の期間順次掲載
★作品情報ページ:
https://www.kadokawa.co.jp/product/322304000209/
著者紹介
太田 愛(おおた あい)
香川県生まれ。「相棒」「TRICK2」などの刑事ドラマやサスペンスドラマの脚本を手がけ、2012年、『犯罪者 クリミナル』で小説家デビュー。13年には第2作『幻夏』を発表。日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)候補になる。17年『天上の葦』では、高いエンターテインメント性に加え、国家によるメディア統制と権力への忖度の危険性を予見的に描き、大きな話題となる。20年刊行の『彼らは世界にはなればなれに立っている』で第4回山中賞受賞。
TOPICK:KADOKAWA文芸WEBマガジン(https://kadobun.jp/)で読めます
・人間の力を信じ抜く小説――【評者:武田砂鉄氏】
https://kadobun.jp/reviews/review/entry-67907.html
・共謀罪、始動。標的とされた若者達は公安と大企業を相手に闘うことを選ぶ。【評者:藤田香織氏】
https://kadobun.jp/reviews/review/entry-79224.html
・読者レビューがとにかく熱い!間違いなく読みたくなる、太田愛『未明の砦』。
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