第7回 ほんま大賞受賞!滝沢志郎『月花美人』 江戸時代、生理用品開発に立ち上がった武士の物語

株式会社KADOKAWA

2025年1月18日(土)に「第7回 ほんま大賞」の受賞作品が、佐賀之書店店長・本間 悠(ほんま はるか)さんの公式Xにて発表され、株式会社KADOKAWA(本社:東京都千代田区)より24年7月26日に刊行しました、滝沢志郎著『月花美人』が選ばれました。

※長谷川まりる著『呼人は旅をする』(偕成社)とW受賞

【受賞作発表動画はこちら】
https://x.com/honyanohomma/status/1880575369851629819

【受賞作品について】
★試し読みほか作品情報サイト:https://note.com/kadobun_note/n/nccb195239e0a

佐賀県の佐賀之書店の店長である〈カリスマ書店員〉本間 悠さんが、一年間に読んだ本の中から一番面白かった本を独自に選出する「ほんま大賞」。毎年の発表を心待ちにするファンも多く、全国的にも影響のある賞です。

【本間 悠さんより、本作に対する熱いコメントを寄せていただきました】

剣鬼として恐れられる武士・鞘音が、ひょんなことから生理用品づくりへの情熱を燃やすこととなる時代小説。

作家さん自ら生理用品を実際に着けて試してみたというSNSのポストがバズっていて、読まねば…!と興味がわいた。

メッセージ性のみならず、ところどころコミカルな描写も挟み、無茶苦茶テンポよく読める傑作。

鞘音と姪の互いを思いやる親子の形も、鞘音と紙問屋の跡取り息子・壮介、そして町の女医師・佐倉虎峰、この三人の幼馴染トリオの関係性も、そして不浄小屋で助け合う市井の女性たちの姿も、生理用品の生産に乗り出す道場の男たちの姿も、どこをとっても最高!

作中で壮介が言い放つ台詞は、思い出すたびに目頭が熱くなり、家で、街中で生理用品を見かけるたびに胸がいっぱいになってしまうように。

いい作品を読むといつも思いますが、これぞまさに「教科書に載せていただきたい」!この作品を書いて下さって、本当にありがとうございます。

【受賞の報を受けて、滝沢志郎さんより喜びのコメントが届きました】

このたびは「ほんま大賞」という素晴らしい賞をいただき、心より感謝申し上げます。

1961年に発売されたアンネナプキン(使い捨て紙ナプキン)は、それまでタブー視されてきた月経のイメージを変えた革命的な商品でした。この「革命」を、もっと月経禁忌が強かった時代に試みた人々がいたら? そんな想像から『月花美人』は生まれました。

男性である私が、このデリケートなテーマを扱うことへの迷いはありました。それでも書いたのは、武士の面子や女性への偏見など、時代の価値観と戦う人々を描きたかったからです。

本作の取材で実際に生理用品を着けた体験をSNSで報告したところ、思いがけず大きな反響をいただきました。本間様にもその投稿がきっかけで手に取っていただけたと伺い、現代にも通じるテーマだからこそ、多くの方の心に響いたのだと実感しています。

本間様が始められた「ほんま大賞」は、今や出版界の注目を集める価値ある賞です。その受賞者の一人に選んでいただけたことを光栄に思います。本間様の独創的なPOPや展開で、どのように『月花美人』を読者の皆様に届けていただけるのか、今からとても楽しみです。

この受賞を励みに、これからも面白い物語を書いていきたいと思います。本当にありがとうございました!

24年7月の刊行以降、新聞、雑誌、ウェブなど、様々なメディアでも続々紹介され、話題を呼んでいる本作。KADOKAWA文芸WEBマガジン「カドブン」note出張所では、第一章までの試し読みを実施中ですので、ぜひこの機会にチェックしてみてください。

★試し読み

https://note.com/kadobun_note/n/n6e48b8becf68

受賞作『月花美人』について

江戸時代、侍が生理用品開発に立ち上がる――!?

己に恥じない生き方を問う、感動の医療時代小説!

◆あらすじ

菜澄藩の郷士・望月鞘音は、姪の若葉との生活を少しでも楽にしようと、傷の治療に使う〈サヤネ紙〉を作っていたが、幼馴染の紙問屋・我孫子屋壮介から改良を頼まれる。町の女医者・佐倉虎峰の依頼だというが、目的を明かさないので訝しく思うと、それは「月役(月経)」の処置に使うためであった。自分の仕事を穢らわしい用途に使われた、武士の名を貶められた、と激怒する鞘音だったが、時を同じくして初潮を迎えた若葉が「穢れ」だと村の子供にいじめられたことを知る。女性の苦境を目の当たりにした鞘音は迷いつつ、壮介や虎峰と協力し、「シモで口に糊する」と誹られながらも改良した完成品〈月花美人〉を売り出そうとするが――。

◆書誌情報

作品名:月花美人

著者名:滝沢志郎

発売日:2024年7月26日(金)★電子書籍同日配信

定価:2,145円(本体1,950円+税)

頁数:320頁

装丁:原田郁麻

装画:水口理恵子

体裁:四六変形判並製 単行本

ISBN:9784041148648

発行:株式会社KADOKAWA

初出:書き下ろし

書誌ページ:https://www.kadokawa.co.jp/product/322312000919/

著者プロフィール

滝沢 志郎(たきざわ しろう)

1977年生まれ。2017年、『明治乙女物語』で松本清張賞を受賞し小説家デビュー。他の著書に『明治銀座異変』『エクアドール』『雪血風花』がある。

「ほんま大賞」過去の受賞作

第1回 瀬尾まいこ著『そして、バトンは渡された』(文藝春秋)
第2回 川越宗一著『熱源』(文藝春秋)
第3回 凪良ゆう『滅びの前のシャングリラ』(中央公論新社)

第4回 中島京子著『やさしい猫』(中央公論新社)

第5回 アフガニスタンの女性作家たち著  古屋美登里訳『わたしのペンは鳥の翼』(小学館)

第6回 井上荒野著『照子と瑠衣』(祥伝社)

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業種
情報通信
本社所在地
東京都千代田区富士見二丁目13番3号
電話番号
-
代表者名
夏野剛
上場
東証プライム
資本金
406億円
設立
2014年10月