過去の優秀作品が一堂に集結 『東京藝術大学 お仏壇のはせがわ賞記念展』 開催 ~東京藝術大学大学院生が制作した日本画、彫刻、油絵の歴代優秀作品を展示~
日本の文化財は、その力強さ、繊細さ、完成度の高さにおいて、世界でもまれなるものです。これらを生み出す高い技術を伝え残すには、それを継承する技術者の育成なくしてはあり得ません。
当社では、2006年より日本の文化財を継承する技術者の養成に力を入れており、我々の想いに共感くださった東京藝術大学からのお申し出を受け、日本画、彫刻、油絵から選ばれる同大学大学院 美術研究科文化財保存学専攻修士課程の研究優秀作品に、「お仏壇のはせがわ賞」を授与させていただいています。
この「お仏壇のはせがわ賞」が今年で5年の区切りを迎えるにあたり、特別賞を含む歴代優秀作品計8点並びに受賞者の受賞後の作品をご覧いただくべく、記念展を実施する運びとなりました。
開催日となった11月3日(木・祝)にはたくさんの方が記念展に来場し、出展者との会話や展示されている作品を楽しんでいました。
【記念展概要】
■会期: 2011年11月3日(祝・木)~11月13日(日) 無休
■開館時間: 10:30から18:00まで
■会場: はせがわ銀座本店/ギャラリー(東京・銀座)
〒104-0061
東京都中央区銀座1-7-6 銀座河合ビル
■最寄り駅: 地下鉄有楽町線 銀座一丁目駅
地下鉄銀座線 京橋駅・銀座駅
地下鉄丸の内線・日比谷線 銀座駅
JR山手線・京浜東北線 有楽町駅
■観覧料: 無料
【展示作品】※一部抜粋
藤曲 隆哉 2006年度受賞
(作品名)円成寺 大日如来坐像模刻
本作は奈良県忍辱山円成寺に安置される大日如来坐像の模刻です。原作は安元2(1176)年に鎌倉時代に活躍した仏師運慶の確認される
最初の作例として有名です。模刻研究では、条帛を別材で矧ぎつける特殊な構造や当時新たに取り入れられた玉眼技法などをできる限り忠実に再現しました。現在は博士課程において復元模刻として漆箔工程を行っています。
吉水 快聞 2007年度受賞
(作品名)東大寺俊乗堂蔵 快慶作阿弥陀如来立像 想定復元模刻
本作は、鎌倉時代を代表する仏師「快慶」の残した、東大寺俊乗堂内の阿弥陀如来(重文)の想定復元模刻です。事前調査結果を踏まえ、建
仁3(1203)年頃の造立当初に使われていたであろう材料と技法を用いて制作しました。檜の一木割矧造りで玉眼を用い、表面仕上げは、快
慶が好んで用いた表現である金泥塗に截金を施しています。本像は、来迎思想に基づいて、来迎のまさにその瞬間が表現されています。
飯沼 春子 2008年度特別賞受賞
(作品名)禅林寺蔵 「二十五菩薩来迎図絵扉」 想定復元模写
禅林寺は、浄土宗の西山禅林寺派の総本山で、秋の紅葉と本尊の見返り阿弥陀(重文)で有名な京都の名刹です。本作は、この禅林寺に残る
絵扉を、目視調査、光学的調査、X線分析などを行って当時の彩色技法や顔料などを想定し、復元を行いました。截金、盛り上げ彩色の各技
法は、扉を開いた状態で光が当たったときに、拝観者に対して最も表現効果を発揮する意図で用いられたものであると想定されます。
黒栁 奈未子 2008年度受賞
(作品名)高野山霊宝館蔵 八大童子立像のうち矜羯羅童子像 復元模刻
私が修士課程で行った研究は、高野山金剛峯寺蔵 矜羯羅童子立像の模刻制作です。生き生きとした表情をはじめ、天衣や肉身部に見られる写実的な造形表現によって、運慶制作を充分に感じさせる魅力ある像です。当時の技法を追体験することにより、割首が行われている可能性がきわめて高いとわかったことは、大きな成果でした。博士課程の現在は、彫刻彩色の研究を続け、本像の想定復元彩色を試みています。
須藤 和之 2009年度特別賞受賞
(作品名)東京藝術大学大学美術館所蔵 浄瑠璃寺吉祥天厨子絵の想定復元模写
『浄瑠璃寺吉祥天厨子絵』は京都府・浄瑠璃寺の木造吉祥天立像を納める厨子の扉絵として、建暦2(1212)年に制作されたものです。本厨子は、外面の正面扉のみに内面とは画題が大きく異なっている図様が描かれています。一体なぜ両面で異なる図像が描かれることとなったのか。本研究ではこの疑問に焦点を当て考察することとしました。
小沼 祥子 2009年度受賞
(作品名)興福寺蔵 乾闥婆立像 模刻
本像は、興福寺八部衆像(国宝)のうちの一驅で、天平6(734)年、脱活乾漆という天平時代に流行した技法で制作されています。麻布と漆を用いた張り子状の構造で、非常に軽量です。また、木粉と漆を混ぜた木粉漆での成形による、独特の柔らかい表現が特徴です。急速に衰退した為、詳細が未解明となってしまったこの技法を習得し、乾漆像特有の表現への理解を深めることを目的とし、模刻制作を行いました。
鈴木 篤 2010年度特別賞受賞
(作品名)六波羅蜜寺蔵 木造広目天立像 模刻
禅林寺は、浄土宗の西山禅林寺派の総本山で、秋の紅葉と本尊の見返り阿弥陀(重文)で有名な京都の名刹です。本作は、この禅林寺に残る絵扉を、目視調査、光学的調査、X線分析などを行って当時の彩色技法や顔料などを想定し、復元を行いました。截金、盛り上げ彩色の各技法は、扉を開いた状態で光が当たったときに、拝観者に対して最も表現効果を発揮する意図で用いられたものであると想定されます。
白澤 陽治 2010年度受賞
(作品名)願興寺蔵 聖観音菩薩坐像 模刻
本像は現在、国指定文化財としては、四国で唯一の脱活乾漆像です。奈良時代に制作された本像を模刻することにより、当時の制作技法を追体験することで、当初の造形感覚や古典技法に関する理解を深めることを目的としました。
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