現地の写真館 店主佐藤信一氏が、故郷と大切な人々を撮り続けた写真集 『南三陸から 2011.3.11~2011.9.11』 「講談社出版文化賞」写真賞を受賞
株式会社アサツー ディ・ケイ (本社:東京都中央区 代表取締役社長:清水與二 以下ADK)は、グループ内出版社の株式会社日本文芸社との協同で企画・発行した『南三陸から 2011.3.11~2011.9.11』で、著者である佐藤信一氏が第43回講談社出版文化賞【写真賞】を受賞したことをご報告いたします。
「南三陸から 2011.3.11~2011.9.11」は、大きな被害を受けた宮城県南三陸町で、自ら被災しながらも、震災後から現地の様子を撮影し続けている佐藤信一さんが撮影した写真集です。この写真集一冊につき300円を南三陸町への義援金として寄付しています。
今回の写真賞選考は、震災関連のほかにファッション、風景、タレント、動物などさまざまな分野より百数十点の候補作があげられ、2度の社内選考委員会により十数点に絞られ、3月19日の最終選考会を経て、選ばれました。
本写真集は、10年スパンの復興に際し、「大切なのはつづけていくこと」という考えのもと、被災地の本当の姿を伝える取り組みとして、継続的に、佐藤信一さんと現地の方々のご協力を賜りながら発刊していく計画で、2012年6月(予定)に第2弾『南三陸から 2011.9.11~2012.3.11』の発売が決定しています。
<講談社出版文化賞 写真賞の受賞経緯>
震災関連の作品が多い中、篠山紀信氏や田沼武能氏が「この人じゃなきゃ撮れない写真だね」と評した『南三陸から』が受賞となりました。
新聞社や出版社など「集団」で震災に向き合った候補作や、他の復興チャリティーの写真集もありましたが、佐藤さんのように「個」で撮られたものに話題が上がりました。
「白く質素な感じもする表紙、抑え目な写真に逆に悲しみを感じる」
「悲しさや悲惨さを全面に押し出していないところがいいね」
と各先生方が評価した『南三陸から』が満場一致で受賞となりました。
<佐藤信一さんからのコメント>
最初ADKさんが写真集を作りたいと来られた時は、津波で家もなく正直それどころではなかったんです。
でも、昔と今の南三陸の姿をみなさんに伝えたいという思いで撮りつづけて、今となっては頑張って良かったです。
この写真集を通して、一人でも多くの方に私の想いを届けることができたら幸いです。
また撮影する勇気が湧いて来ました。ふるさとが私に勇気をくれました。本当にありがとうございました。
<椎名誠氏からのコメント (講談社出版文化賞 「平成二十四年度要項」より)>
写真のちから
A5判横見開き。白い表紙にタイトルがあり、著者手書きのメッセージが書いてある。いたって質素なつくりだ。このいたって言葉少なな写真記録集は、3月11日に壊滅的な地震と津波の被害をうけた南三陸町の、かつてののどかで平和な風景からはじまり、津波襲来の凄絶なドキュメンタリーへ。そして被災直後の悲惨としか表現のしようのない風景。生き残った人々の耐える顔、姿。そして少しずつ、ひっそりとした笑顔が見えてくる復活へのささやかな序章であり終章。
ところどころに筆者の、やはり手書きの控えめな説明や感想などがはいる。
激しく獰猛で容赦のない津波の攻撃。なすすべもない人々の悲しみと怒りと慟哭が、この質素な一冊にそのまんま凝縮されている。
今回は最終候補15作品中5作が東日本大地震に関するものであった。最終選考作にいたるまでの沢山の候補作も震災関係のものが圧倒的に多かったという。それは予想されたことでもあった。
本書がそれらのなかで堅実な支持を得たのは、被災の当事者である著者の、文章や言葉では表現しきれない、暗黒の深い悲しみと無限の怒りを、写真として残す、という淡々とした表現に「有無をいわさぬ」ちからがあったからだろうと思う。こういう写真集を目の前にして、わたしは、いかに語るべき言葉を持ちえていないか、という厳しい現実にうろたえた。そういう「写真のちから」にあらためて畏怖した。
<写真集概要>
『南三陸から 2011.3.11~2011.9.11』
著者:佐藤信一
オフィシャルサイトURL: http://www.minamisanriku-kara.com/
定価:1,500円(税別) *1冊に付き300円を南三陸町に寄付。
発行:ADK南三陸町復興支援プロジェクト
発売:日本文芸社
『南三陸から 2011.3.11~2011.9.11』は、現地で被災をし、今もなおそこで暮らし続ける当事者佐藤信一さんが撮ったからこそ伝えられる、“ぬくもり感”に満ちています。被写体である町の方々も、よそ行きの顔ではない“ありのままの姿”で写っています。そしてなによりも、復興に向けたエネルギーに満ちた写真集です。
佐藤信一さんは、写真集の刊行に当たって次のように述べています。
「私の店も家もすべて流されたけど、この町に生かされた写真屋ができる事。それはやはり写真で恩返しする事。そう強く感じています。かけがえのないふるさとと人々の心の強さ、あたたかさを伝える為に。今を写せば未来へ繋がる。写真の力を信じて。」
<著者プロフィール>
佐藤信一
1966年、宮城県本吉郡南三陸町生まれ。親子二代、南三陸町で写真館「佐良スタジオ」を営んでいたが、2011年3月11日、東日本大震災の津波により自宅及び写真館を失う。「一番苦しいときの写真を残す。この先、何が起きても、みんなが乗り越えられるように」と、唯一持って逃げたカメラで地震直後から失われた街が元通りになるまでの道のりを今も撮りつづけている 。
「南三陸から 2011.3.11~2011.9.11」は、大きな被害を受けた宮城県南三陸町で、自ら被災しながらも、震災後から現地の様子を撮影し続けている佐藤信一さんが撮影した写真集です。この写真集一冊につき300円を南三陸町への義援金として寄付しています。
今回の写真賞選考は、震災関連のほかにファッション、風景、タレント、動物などさまざまな分野より百数十点の候補作があげられ、2度の社内選考委員会により十数点に絞られ、3月19日の最終選考会を経て、選ばれました。
本写真集は、10年スパンの復興に際し、「大切なのはつづけていくこと」という考えのもと、被災地の本当の姿を伝える取り組みとして、継続的に、佐藤信一さんと現地の方々のご協力を賜りながら発刊していく計画で、2012年6月(予定)に第2弾『南三陸から 2011.9.11~2012.3.11』の発売が決定しています。
<講談社出版文化賞 写真賞の受賞経緯>
震災関連の作品が多い中、篠山紀信氏や田沼武能氏が「この人じゃなきゃ撮れない写真だね」と評した『南三陸から』が受賞となりました。
新聞社や出版社など「集団」で震災に向き合った候補作や、他の復興チャリティーの写真集もありましたが、佐藤さんのように「個」で撮られたものに話題が上がりました。
「白く質素な感じもする表紙、抑え目な写真に逆に悲しみを感じる」
「悲しさや悲惨さを全面に押し出していないところがいいね」
と各先生方が評価した『南三陸から』が満場一致で受賞となりました。
<佐藤信一さんからのコメント>
最初ADKさんが写真集を作りたいと来られた時は、津波で家もなく正直それどころではなかったんです。
でも、昔と今の南三陸の姿をみなさんに伝えたいという思いで撮りつづけて、今となっては頑張って良かったです。
この写真集を通して、一人でも多くの方に私の想いを届けることができたら幸いです。
また撮影する勇気が湧いて来ました。ふるさとが私に勇気をくれました。本当にありがとうございました。
<椎名誠氏からのコメント (講談社出版文化賞 「平成二十四年度要項」より)>
写真のちから
A5判横見開き。白い表紙にタイトルがあり、著者手書きのメッセージが書いてある。いたって質素なつくりだ。このいたって言葉少なな写真記録集は、3月11日に壊滅的な地震と津波の被害をうけた南三陸町の、かつてののどかで平和な風景からはじまり、津波襲来の凄絶なドキュメンタリーへ。そして被災直後の悲惨としか表現のしようのない風景。生き残った人々の耐える顔、姿。そして少しずつ、ひっそりとした笑顔が見えてくる復活へのささやかな序章であり終章。
ところどころに筆者の、やはり手書きの控えめな説明や感想などがはいる。
激しく獰猛で容赦のない津波の攻撃。なすすべもない人々の悲しみと怒りと慟哭が、この質素な一冊にそのまんま凝縮されている。
今回は最終候補15作品中5作が東日本大地震に関するものであった。最終選考作にいたるまでの沢山の候補作も震災関係のものが圧倒的に多かったという。それは予想されたことでもあった。
本書がそれらのなかで堅実な支持を得たのは、被災の当事者である著者の、文章や言葉では表現しきれない、暗黒の深い悲しみと無限の怒りを、写真として残す、という淡々とした表現に「有無をいわさぬ」ちからがあったからだろうと思う。こういう写真集を目の前にして、わたしは、いかに語るべき言葉を持ちえていないか、という厳しい現実にうろたえた。そういう「写真のちから」にあらためて畏怖した。
<写真集概要>
『南三陸から 2011.3.11~2011.9.11』
著者:佐藤信一
オフィシャルサイトURL: http://www.minamisanriku-kara.com/
定価:1,500円(税別) *1冊に付き300円を南三陸町に寄付。
発行:ADK南三陸町復興支援プロジェクト
発売:日本文芸社
『南三陸から 2011.3.11~2011.9.11』は、現地で被災をし、今もなおそこで暮らし続ける当事者佐藤信一さんが撮ったからこそ伝えられる、“ぬくもり感”に満ちています。被写体である町の方々も、よそ行きの顔ではない“ありのままの姿”で写っています。そしてなによりも、復興に向けたエネルギーに満ちた写真集です。
佐藤信一さんは、写真集の刊行に当たって次のように述べています。
「私の店も家もすべて流されたけど、この町に生かされた写真屋ができる事。それはやはり写真で恩返しする事。そう強く感じています。かけがえのないふるさとと人々の心の強さ、あたたかさを伝える為に。今を写せば未来へ繋がる。写真の力を信じて。」
<著者プロフィール>
佐藤信一
1966年、宮城県本吉郡南三陸町生まれ。親子二代、南三陸町で写真館「佐良スタジオ」を営んでいたが、2011年3月11日、東日本大震災の津波により自宅及び写真館を失う。「一番苦しいときの写真を残す。この先、何が起きても、みんなが乗り越えられるように」と、唯一持って逃げたカメラで地震直後から失われた街が元通りになるまでの道のりを今も撮りつづけている 。
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