ホエイタンパク質(乳清タンパク質)の骨格筋発達における効果を再確認
~最新の研究発表より~
徐脂肪体重 (LBM) 増加効果がより高いことが最新の研究により改めて確認されました。
このたび、ホエイタンパク質の骨格筋の発達における重要な役割、並びに大豆タンパク質との比較におけるホエイタンパク質の効果の高さに関する研究結果が発表され、学会に新しくかつ重要な見地が示されました。 これは、コネチカット大学 (米国コネチカット州) が、ボストン小児病院 (米国マサチューセッツ州) の協力を得て行った研究です。この研究が一流の運動選手ではなく一般成人を対象としていることも、完全で高品質な乳タンパクであるホエイタンパク質で健康増進を願う健康志向の消費者にとって明るいニュースとなりました。そして、この研究結果は、食品・飲料メーカーが消費者のニーズにこたえる新商品の開発に すぐに活かすことができるものです。
Dairy Research Institute (米国イリノイ州) の栄養研究ディレクター、ブライアン G. ヘルウィグ博 (Bryan G. Helwig, Ph.D.) は次の様に述べています。「2011年に発表された研究では、炭水化物を補給した場合との比較において、大豆タンパク質と炭水化物の間には顕著な差は見られなかった一方で、ホエイタンパク質がいかに体重、体脂肪率、胴囲を減らすかが実証されました。 最新の研究結果は、体重管理にとどまらず、 筋力トレーニングプログラムによって除脂肪体重の増加を達成するには、大豆タンパク質よりもホエイタンパク質が若者には より有効であることを示しています。」
ホエイタンパク質は除脂肪体重増加効果をより高めます
今回の研究は、Dairy Research Instituteが資金提供を行い、2013年6月20日にJournal of the American College of Nutritionの電子版で発表されました。体重73キロ以下の18〜35歳までの健全な 若い男女63人を対象とし、週3回の筋力トレーニングを課して、9ヶ月にわたる追跡調査が行われました。被験者たちは、ホエイタンパク質補給の19人 (男性13人、女性6人)、大豆タンパク質補給の22人 (男性11人、女性11人)、炭水化物補給の22人 (男性13人、女性9人) の3つのグループに分けられ、タンパク質を摂取したグループは、同カロリー、同タンパク質量に設定された濃縮ホエイタンパク質 (WPC) 22gもしくは大豆分離タンパク質 (SPI) 22gをトレーニングをしない日は朝食時、トレーニングを行う日は筋力トレーニングの直後に摂取しました。そして、観察開始時、3ヶ月目、6ヶ月目、9ヶ月目に被験者の体重と身体組成を測定しました。
今回の研究の責任者である、ジェフ・ボレクコネチカット大学准教授 (Jeff Volek, Ph.D., R.D.) は、「9ヶ月間にわたり筋力トレーニングを行った結果、3つのグループすべてで被験者の除脂肪体重の増加が認められました。しかし、ホエイタンパク質を摂取した被験者の除脂肪体重の増加量(3.3kg) は大豆タンパク質を摂取したグループの増加量 (1.8kg) と比べて統計的優位性が見られ、これは ホエイタンパク質を摂取したグループの血漿中の分岐鎖アミノ酸 (BCAA)、特にロイシンが多かったことと 関係すると思われます。」と述べています。
ホエイの中のロイシンが鍵
この研究結果は、ホエイタンパク質の摂取を組み合わせた筋力トレーニングが骨格筋の増強に効果的であることを立証する最近の多くの研究結果をさらに強固に裏付けるものです。ホエイタンパク質は消化が 速く、また筋肉の合成を促進し筋破壊を防ぐ分枝鎖アミノ酸 (BCAA) が大豆タンパク質と比べて50%も多く含まれています。そして、ホエイタンパク質の天然含有物であるロイシンもまた筋肉の維持と修復に大きな役割を担っています。ロイシンは体内では作られないため、食品から摂取しなければなりません。
更にこの研究は、タンパク質の摂取後に被験者の血中のロイシン濃度を詳しく調べた点においても意義深いものです。ロイシンは骨格筋の基となる分枝鎖アミノ酸 (BCAA) で、ホエイタンパク質には大豆やタンパク質やその他のタンパク質よりも多くのロイシンが含まれています。この研究では、ホエイタンパク質を 摂取した被験者グループの血中ロイシンの濃度はその他のタンパク質を摂取したグループより高く、ホエイタンパク質のロイシンが骨格筋の合成に特に有意義であるという事実を裏付ける結果となりました。
タンパク質は筋肉の合成や再生に役立つだけではなく、満腹感を強め、加齢による筋肉量の減少の 防止に貢献する必須栄養素です。これらのホエイタンパク質に関する最新の研究結果は、現在のホエイ タンパク質の主な消費者であるボディビルダーや運動選手のみならず一般の健康に関心のある日本の 消費者にとっても、ホエイタンパク質を日常の食生活に取り入れ、その摂取量を増やすことは健康的な生活に大きく寄与することを示しています。
アメリカ乳製品輸出協会 (USDEC) 駐日代表 ジェフ・マクニールは、「消費者は食品や飲料に美味しさだけではなく、健康的な生活のサポートも期待しています。米国産ホエイタンパク質は、栄養と機能両面で理想的な乳製品原料であり、健康志向の消費者のニーズを満たすことができます。同時に、新鮮でくせの無い味は、あらゆる製品の風味とも良く合います。ホエイの生産と輸出の世界的なリーダーであるアメリカは、日本のメーカーのあらゆる応用ニーズにも対応できる幅広い種類の濃縮ホエイタンパク質 (WPC) 並びに分離ホエイタンパク質 (WPI) 製品を用意しています。」と述べています。
www.usdec.orgでは、ホエイタンパク質やその他米国産乳製品原料の様々な利用法など、現代の消費者トレンドをターゲットにした食品・飲料メーカーに役立つ情報を紹介しています。
参考文献:
1. Volek JS、Volk BM、Gomez AL、Kunces LJ、Kupchak BR、Freidenreich DJ、Aristizabal JC、Saenz C、Dunn-Lewis C、Ballard KD、Quann EE、Kawiecki DL、Flanagan SD、Comstock BA、 Fragala MS、Earp JE、Fernandez ML、Bruno RS、Ptolemy AS、Kellogg MD、 Maresh CM、Kraemer WJによる「Whey protein supplementation during resistance training augments lean body mass (筋力トレーニング中のホエイタンパク質補給による徐脂肪体重の増加)」、Journal of the American College of Nutrition.2013; 1-14.
2. Baer DJ、Stote KS、Paul DR、Harris GK、Rumpler WV、Clevidence BAによる「Whey protein but not soy protein supplementation alters body weight and composition in free-living overweight and obese adults (大豆タンパク質ではなく、ホエイタンパク質の補給が食事制限のない肥満成人の体重と身体組成を変える)」J Nutr. 2011;141(8):1489-1494.
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アメリカ乳製品輸出協会 (USDEC)は、全米の酪農家、乳製品加工業者とその組合、乳原料サプライヤー、輸出業者などを代表する会員制の独立非営利団体で、世界市場における乳製品の流通をサポートしています。USDECは、アメリカ乳製品に対する世界的な需要を喚起し、市場障壁を解消し、業界の貿易政策目標実現を促進する市場開拓プログラムを通してアメリカの世界的競争力を向上することを目指しています。
世界最大の牛乳生産量を誇る米国乳業界は、世界的な水準かつ非常に幅広い種類のチーズや、脱脂粉乳、ラクトース、ホエイタンパク質などの栄養・機能性乳製品原料を供給し、世界の食品・飲料メーカーの多岐にわたる製品開発ニーズに対応しています。
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