東京国立博物館、バンクオブアメリカ・メリルリンチ「2013年文化財保護プロジェクト」の支援を受け、渡辺崋山作の国宝「鷹見泉石像」ほか3件を修復

独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館(以下「東京国立博物館」、「同博物館」)とバンクオブアメリカ・メリルリンチは、本日、バンクオブアメリカ・メリルリンチがすすめる2013年文化財保護プロジェクトの一環として、同博物館が助成金を受け、国宝「鷹見泉石像」を含む渡辺崋山(1793年~1841年)に所縁のある芸術作品3件の保存・修復作業を行うと発表しました。

 

「鷹見泉石像」(国宝、渡辺崋山作)「鷹見泉石像」(国宝、渡辺崋山作)

 

東京国立博物館は、バンクオブアメリカ・メリルリンチからの助成金支援を受け、以下の作品3件の全面的な保存・修復作業を行います。これを受けて、現在は不安定な状態にあるため展示公開をひかえている作品3件とも、2016年には公開される見込みです。

東京国立博物館所蔵の文化財がバンクオブアメリカ・メリルリンチ文化財保護プロジェクトの助成金の対象となったのは、今回が2回目となります。同博物館は、2012年、国宝に指定されている狩野永徳(1543年~1590年)の「檜図屏風」と、重要文化財に指定されている陳容(活躍期1253年~1258年)作とされる中国の伝統的な絵巻「五龍図巻」の保存・修復を目的に助成金提供を受け、現在、2作品の修復作業が進められています。

今回の保存・修復作業は、バンクオブアメリカ・メリルリンチが2013年文化財保護プロジェクトの助成金の対象として世界16ヵ国で選定した24件のプロジェクトの一つです。2013年に同プロジェクトの助成を受ける機関として、東京国立博物館のほかに、ニューヨーク近代美術館、ナショナル・ポートレート・ギャラリー(ロンドン)、オルセー美術館(パリ)など世界の著名な機関が名を連ねています。2013年のプロジェクトで助成金の対象となった全作品の概要はバンクオブアメリカ・メリルリンチのホームページ(http://www.japan.ml.com/)よりご覧いただけます。

 

バンクオブアメリカ・メリルリンチの2013年文化財保護プロジェクトによる助成金を受け保存・修復が行われる作品

鷹見泉石像(国宝)
【作者】 渡辺崋山 (1793年~1841年)
【制作年】 1837年
【詳細】 絵画 絹本 著色 掛幅
【現状】 限定的に展示公開されているが、裏打ち紙が絹布から剥がれかけており、絹布の断裂、絵具の剥落の危険性が高い。

坪内老大人像画稿
【作者】 渡辺崋山 (1793年~1841年)
【制作年】 1818年
【詳細】 絵画 紙本 著色 掛幅 
【現状】 裏打ち紙が本紙から剥がれ、本紙の折れ、虫損が著しいため保管中。

坪内老大人像
【作者】 不詳
【制作年】 1818年
【詳細】 絵画 絹本 著色 掛幅
【現状】 裏打ち紙が絹布から剥がれ、虫損が著しいため保管中。

(「坪内老大人像」の付属賛文) 坪内老人顕彰賛文
【作者】 不詳
【制作年】 1897年
【詳細】 賛文 紙本 墨書 掛幅
【現状】 裏打ち紙が本紙から剥がれ、本紙の折れが著しいため保管中。

 

渡辺崋山は、田原藩(現在の愛知県)領主に仕える家老として、江戸に住居を構えていました。谷文晁などに師事して絵画を学び、陰影を巧みに用いた非常に写実的な肖像画を制作しました。崋山が西洋画家の影響を受けていたことは間違いなく、当時としては他に例のない画風を確立し、高い人気を獲得しました。崋山の名作の一つである「鷹見泉石像」 は国宝に指定されています。

「鷹見泉石像」は注目度が極めて高い作品であることから、限定的な展示公開は継続していました。しかし、きわめて繊細な作品であり、画面上に生じる僅かな劣化も作品鑑賞に強い影響があり、現在は作品が描かれた絹布に折れが生じ、僅かな力で破断する状態になっているので、今後の展示公開には現状の姿で安定化させるための本格的な修理が必要でした。その他の作品についても、今回助成金の対象となった作品はいずれも画面に明らかな折れがあり、裏打ち紙を接着する糊に劣化が見られます。また、絵具も劣化しているため、顔料の粉状化と剥落が進行しています。そのため、これらの作品は現在では一般に公開されていません。

東京国立博物館では、今回のバンクオブアメリカ・メリルリンチ文化財保護プロジェクトからの助成金を活用し、作品3件すべてについて約2年を費やし、絵具の剥落止め、解体と新規裏打ち紙の交換を含む全面的な保存・修復作業を行います。

 

バンクオブアメリカ・メリルリンチ文化財保護プロジェクトについて
バンクオブアメリカ・メリルリンチ文化財保護プロジェクトでは、国や地域の文化財として重要、あるいは芸術史上重要とされる絵画、彫刻、著作品・原稿、考古学的・建築学的作品を保存し、これからの世代に伝えるための助成金を提供しています。当プロジェクトは2010年に欧州・中東・アフリカで始まり、2012年には南北アメリカ、アジア、オーストラリアに対象範囲を拡大しました。今回の2013年度の助成金を受けた機関を含め、これまでに25ヵ国、57以上の保存・修復プロジェクトに助成金を提供してきました。

東京国立博物館について
東京国立博物館は1872年に開館した日本で最も長い歴史のある博物館です。浮世絵などの日本美術を中心に、エジプトから朝鮮半島までの東洋美術、考古遺物や歴史資料など、所蔵する文化財は国宝87件、重要文化財631件を含む約11万件を数えます。館内は日本美術を中心とした本館(日本ギャラリー)、2013年にリニューアルオープンした東洋館(アジアギャラリー)、日本の考古遺物の展示や特別展を開催している平成館等6つの建物と5つの茶室を擁する庭園で構成されています。毎年多くのお客様にご来館いただいており、平成24年度は約155万人のお客様を迎えております。2001年度からは独立行政法人として国から独立し、文化財の保存と公開という役割を与えられ日本の文化行政の一翼を担って活動しております。

バンクオブアメリカ・メリルリンチについて
「バンクオブアメリカ・メリルリンチ」 は、バンク・オブ・アメリカ・コーポレーションのグローバル・バンキングおよびグローバルマーケッツ事業を行うための営業上のブランドネームです。融資、その他の商業銀行業務については、バンク・オブ・アメリカ・エヌ・エイを含むバンク・オブ・アメリカ・コーポレーションの銀行関連会社によって世界的に提供されます。証券、デリバティブ、戦略的助言、その他の投資銀行業務については、メリルリンチ日本証券株式会社を含むバンク・オブ・アメリカ・コーポレーションの投資銀行関連会社によって世界的に提供されます。

バンク・オブ・アメリカ・グループの日本で積み上げた歴史は長く、バンク・オブ・アメリカの参入は1947年に遡ります。メリルリンチは1964年に東京駐在員事務所を設立し、それから20年余り後には、外国証券会社の先陣を切って東京証券取引所の正会員となりました。日本は、バンク・オブ・アメリカ・グループにとって、これまでも常に戦略上重要な市場であり、今後もその姿勢が変わることはありません。

親会社のバンク・オブ・アメリカは世界最大の金融機関の一つであり、個人、中小企業及び大企業を顧客とし、銀行業務、投資業務、資産運用業務、その他の財務管理及びリスク管理のための商品やサービスを幅広く提供しています。約5,300 店のリテール銀行支店、約16,350 台のATM、また現在3,000 万人のユーザーが利用し、受賞歴もあるオンライン・バンキングを通じ、約5,100 万の個人や小規模企業の顧客と取引を行っています。バンク・オブ・アメリカは40 カ国超にわたる拠点を通じて顧客事業を展開しています。

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