“スポーツの秋”は“花粉症の秋” !? 全国400人花粉症ランナーに聞いた「秋の花粉症」に関する実態調査
マスクの利用や不適切な対応がパフォーマンス低下の原因に
エスエス製薬株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:石橋利哉)では、秋の花粉症に関する意識と実態を探ることを目的に、全国の20代から50代の男女400名の秋の花粉症ランナー(※)を対象に、調査を行いました。
(※)全国の20代から50代の男女400名で、秋の花粉症(または花粉症のような症状)を発症し、週に1回以上ランニングをしている人
今回の調査によって、スポーツの秋にランニングを楽しむ人が多いこの季節に、秋の花粉症がランニングに悪影響を与えている事実や、鼻水を気にしながら走る人が多い実態も明らかとなりました。ランナーに関しては、マスクを着用したまま走ったり、鼻炎薬を飲んで対処していても、眠気を感じるなど、適切な秋の花粉症対策ができていない人も多く、適切な対処をすることで、より快適な日常生活、ランニング生活を送ることができると考えられます。
【調査結果サマリー】
・ 医療機関も市販薬も利用しない人は3人に1人
・ ランニングをする際の花粉症についての悩みは「鼻水が止まらない(31.8%)」、「長時間走るのがつらい(28.8%)」
・ 秋の花粉症時期のランニング時の花粉症対策、TOP3は「市販の鼻炎薬を服用」「マスクをする」「市販の点眼薬を使用」。鼻炎薬で、眠気の副作用を感じる人半数以上。
・ 3人に1人はランニングの際に「ティッシュ」を携帯
・ 症状がつらくなるタイミング、「ランニング中」65.2%。「ランニング終了後」も31.5%
・ 秋の花粉症が「日常生活に影響している」人は2人に1人
●ブタクサやイネを秋の花粉症の原因と思っている人は約半数
秋の花粉症の主な原因となるのは、春の花粉症の原因となるスギ花粉やヒノキ花粉ではなく、キク科のブタクサやヨモギの花粉、イネ科の植物の花粉です。アンケート回答者のうち、秋にも花粉症があることを認知していたのは全体の60%(n=240)。これらの人たちに対して、秋の花粉症の主な原因について質問をしたところ、ブタクサ花粉をあげた人たちは61.3%、イネ花粉をあげた人は50.4%となり、半数を上回りました。
一方で、春の花粉症の原因であるスギ花粉やヒノキ花粉が秋の花粉症の原因だと思っている人も認められ、秋の花粉症は知っていていても、その原因について正しい理解をしていないひとたちが一定数いることがわかりました。
この結果に対して、日本医科大学付属病院耳鼻咽喉科教授の大久保公裕先生は、「スギ花粉とヒノキ花粉だけを秋の花粉症の原因だと答えている人は、秋の花粉症ではなく別の原因による症状の可能性があります。」と述べています。
●症状TOP3は、鼻水、くしゃみ、目のかゆみ
秋の花粉症の症状について質問をしたところ、「鼻水(76.8%)」、「くしゃみ(58.3%)」、「目のかゆみ(46.3%)」が上位となりました。
●秋の花粉症の対処法、医療機関も市販薬も利用しないひとは3人に1人
秋の花粉症の対処法について質問をしたところ、「医療機関を受診したことも市販薬等の薬を利用したこともない」と回答した人は3人に1人(36.3%)となり、秋の花粉症の症状に対して、何らかの対処をしていない人が一定数存在することが明らかになりました。また、「市販薬のみを利用する」と回答した人は27.8%、「医療機関のみ」の人は23.8%、「両方利用する」人は11.8%となりました。
●秋の花粉症時期のランニング時の悩みTOP3は「鼻水が止まらない」「長時間走るのがつらい」「目が痒い」
秋の花粉症時期のランニング時の悩みを質問したところ、「鼻水が止まらない(31.8%)」、「長時間走るのがつらい(28.8%)」、「目が痒い(28.0%)」という回答が上位となりました。
秋の花粉症時期のランニングの際の悩みについて、国際陸上競技連盟 医事・アンチドーピングコミッション委員/医学博士の山澤文裕先生は、「秋は格好のランニングシーズンです。澄みきった高い青空のもとでのランニングは大変に気持ちよいものです。しかし、ブタクサやイネ花粉症のシーズンでもあり、春のスギ花粉症と同様、鼻と目の症状が出ます。鼻の症状があると、上気道抵抗が高くなり(※)、ランニング時に増大する換気量を楽に吸うことが困難になります。その結果、ランニング中に呼吸が苦しくなったり、もしくは長時間のランニングがつらくなったりします。また、目が痒くなって涙目も加わると集中力が落ち、走路や通行人などへの注意を怠るようになります。ケガをしやすい状態と言え、花粉症があるとランニングを楽しめなくなります。適切な薬剤を用いて花粉症症状を軽減して、秋のランニングを楽しむのが良いでしょう」と述べています。
(※)鼻から喉頭の空気の通り道(上気道)が、何らかの原因により空気の通りが悪くなった状態。
●ランナーの秋の花粉症の悩みエピソード
花粉が飛散する時期のランニング中に、花粉症の影響があったエピソードを聞いたところ、「鼻水が止まらない」が最も多く、「マスクを付けて走ると苦しい」、「呼吸が苦しい」などが続いています。中には、「走りたいが花粉の量が多い日は何もしたくないので運動不足になる」や「鼻水や目のかゆみが止まらず、ランニングをやめた」といった、花粉が深刻な影響をもたらしているエピソードも見られました。
●秋の花粉症時期のランニング時の花粉症対策、TOP3は「市販の鼻炎薬を服用」「マスクをする」「市販の点眼薬を使用」。鼻炎薬で眠気を感じる人半数以上
ランニング時の花粉症対策について質問をしたところ、「市販の鼻炎薬を服用(31.0%)」、「マスクをする(28.5%)」、「市販の点眼薬を使用(25.3%)」という回答が上位となりました。
マスクの着用について山澤文裕先生は、「花粉症の症状を予防するためにマスクを使用して走る方もいますが、十分な換気をしにくくなり息苦しさが増してしまいます。ランニング中は使用を避ける方が良いでしょう」と述べています。実際、秋の花粉症のランニングの悩みを回答者の属性別に見てみると、ランニング時にマスクを着用する人は、着用しない人よりも10ポイント以上「長時間走るのがつらい」と回答しており、ランニング時間に悪影響を与えていることが考えられます。
また、市販の鼻炎薬を利用している人が、市販の鼻炎薬を服用した時に経験した症状や悩みについて質問したところ、「眠気を感じる(50.4%)」、「集中力の低下を感じる(36.6%)」、「倦怠感を感じる(35.1%)」といった実態が明らかとなりました。山澤文裕先生はこの結果に関して、「現在花粉症の治療として一般的なのは抗ヒスタミン薬の内服ですが、第一世代の抗ヒスタミン薬は眠気を催すことが多いため、競技時のパフォーマンスの低下につながるので向いていません。また、眠気がある状態でのランニングは事故につながりやすいので、避ける方がよいでしょう。」
大久保公裕先生は、「眠気の副作用の少ない第2世代の抗ヒスタミン薬を医師や薬剤師に相談をして選ぶ方がよいでしょう。市販の鼻炎薬を対策としている人も多いようですが、ここ数年、スイッチOTCとして第二世代の抗ヒスタミン薬の中でも眠気の少ないタイプが薬局・ドラッグストアで販売されており、入手しやすくなっています。」と述べています。
●3人に1人はランニングの際に「ティッシュ」を携帯!
ランニング時に携帯するアイテムについて質問をしたところ、「水、スポーツドリンク(46.8%)」、「iPodやウォークマンなどの音楽プレイヤー(38.3%)」に次いで、「ティッシュ(32.3%)」が上位となりました。なるべく荷物を持たずに身軽で走りたいというランニング時にも、ティッシュを携帯している事実から、ランニング中の鼻水は大きな悩みであることが考えられます。
●花粉症の症状がつらくなるタイミング、「ランニング中」が257人(65.2%)「ランニング終了後」も124人(31.5%)
ランニング時に、花粉症の症状がつらくなるタイミングについて質問をしたところ、「ランニング中」と回答した人が65.2%となり、ランニング中の秋の花粉症の症状に悩まされていることが明らかとなりました。
また「ランニング終了後」と回答した人も31.5%いたことに関して、山澤文裕先生は「花粉症は即時型アレルギー反応(※1)によっておこるものですが、ランニング中に花粉症の症状が出ると、その影響がランニング終了後まで持続したり、もしくは、気道過敏性に(※2)よって、呼吸が苦しくなることを感じるのかもしれません。また、着替えの際に、衣服に付着した花粉を吸入することで症状が悪化することも考えられます。」と述べています。
(※1)アレルギー原因物質(抗原)に触れてから、IgE抗体とマスト細胞が主に関与して発症する比較的早い時期に発症するアレルギー反応
(※2)種々の刺激に対して気道が収縮しやすい状態
●秋の花粉症が「日常生活に影響している」人は2人に1人!
秋の花粉症の症状について、薬を飲んでいない状況でランニングに限らず仕事や勉学、スポーツなど日常への影響があるかどうか質問したところ、「日常生活に非常に影響がある」及び「日常生活にやや影響がある」)と回答したのは51.3%となり、実に2人に1人は秋の花粉症が日常生活に影響していることがわかりました。秋の花粉症についても適切な対処が必要と言えます。
【調査概要】
調査名: 秋の花粉症に関する意識、実態調査
実施時期: 2013年8月29日から9月3日
調査手法: インターネット調査
調査対象: 全国の20代から50代の男女400名で、秋の花粉症(または花粉症のような症状)を発症し、
週に1回以上ランニングをしている人
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