医療・介護の現場に、多職種連携の危険予知教育プログラム 「思考スキームに基づいた危険予知研修」を
日本社会事業大学と知識環境研究会が産学連携で開発
一般社団法人知識環境研究会(東京都千代田区)は、日本社会事業大学(東京都清瀬市)佐々木由惠研究室と共同して、医療・介護など多職種連携の現場における危険予知のスキルを育成する教育プログラム「思考スキームに基づいた危険予知研修」を開発しました。
「思考スキームに基づいた危険予知研修」は、職種や経験の違いによって生じる「思考スキーム」の差に着目した教育プログラムです。メタ認知をはじめとした知識科学の研究成果と、日本社会事業大学の介護教育における蓄積に基づいています。
今後、医療・介護など多職種が協働するヒューマンサービスの現場で「思考スキームに基づいた危険予知研修」の普及を進めます。対面の研修に加え、eラーニングでも研修サービスを提供します。
「思考スキームに基づいた危険予知研修」は、職種や経験の違いによって生じる「思考スキーム」の差に着目した教育プログラムです。メタ認知をはじめとした知識科学の研究成果と、日本社会事業大学の介護教育における蓄積に基づいています。
今後、医療・介護など多職種が協働するヒューマンサービスの現場で「思考スキームに基づいた危険予知研修」の普及を進めます。対面の研修に加え、eラーニングでも研修サービスを提供します。
■医療と介護の連携で高まる「多職種連携」「危険予知」へのニーズ
要介護高齢者人口の急激な増加に伴い、医療と介護の連携はますます密接になっています。医療と介護はもはや一体化した現場となりつつあり、そこでは多種多様な専門職が協働しています。
佐々木研究室と知識環境研究会が実施した調査(2010年、2011年)によると、医療的ケアを行う介護職の多くが不安を抱えており、経験年数が増えるほど不安も大きくなっています。
■「思考スキームに基づいた危険予知研修」の特徴
「思考スキームに基づいた危険予知研修」で用いる教材(ビデオおよびテキスト)は、医療・介護の現場で実際に起こる出来事を題材にしています。その出来事への対処を「事実」「根拠」「行動」に整理して記入し、他者と共有することによって、自己の行動の背景にある思考スキームに気付くことができます。自己と他者の思考スキームを比べることによって、共通点や違いが明確になり、他者との連携がスムーズになります。この教育方法は、知識科学やメタ認知研究の成果を応用しています。
「思考スキームに基づいた危険予知研修」は、対面での研修の他、eラーニング(インターネットによる遠隔学習)でも提供可能です。各職場で危険予知のスペシャリストを育成することを支援するサービスを提供します。
■育成できるスキル
「思考スキームに基づいた危険予知研修」は、以下の4つのスキルを育成する教育方法です。
[1] 自己の思考スキームの意図的な把握と表出
[2] 互いの専門職の思考スキームの比較対照と理解
[3] 自他の思考スキームの違いの理解と原因推測
[4] 思考スキームの違いを踏まえた現場の改善活動への動機づけ
■教材の一部(学習シート)
■受講生の声
「研修の受講生の声を一部紹介します。
● 普段の業務上の振り返りではじっくり考える時間がないが、事例について皆で検討できて良かった(30代女性、看護師)
● 自分の思考の癖に気付き、相手の思考との違いを意識するようになった。介護の記録がわかりやすいと言われるようになった(20代男性、介護福祉士)
● チーム医療には情報共有だけではなく考え方の共有が重要。昔は「飲みニケーション」で行っていたようなことを疑似的かつ効果的に再現できる(50代男性、医師)
■今後の展開
「思考スキームに基づいた危険予知研修」は、医療・介護の現場における協働の促進と危険予知スキルの向上を目指しています。今後は、教育プログラムの普及と修了生の継続トレーニングを進め、多職種が連携するヒューマンサービスの現場に「連携危険予知スペシャリスト(仮)」を育成することを目指します。
■組織の概要
●一般社団法人知識環境研究会
一般社団法人知識環境研究会(代表理事 神山資将)は、2000年に慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスの学生が中心となって設立したシンクタンクです。知識科学、科学技術政策などをテーマに研究調査活動を行っています。国立大学法人北陸先端科学技術大学院大学知識科学研究科をはじめ、大学等との連携も活発に行っています。
●日本社会事業大学
日本社会事業大学は、1946年の創設以来、厚生労働省の委託を受けた唯一の大学として「指導的社会福祉従事者の養成」と「社会福祉教育に関する研究」を担い、将来の社会福祉リーダーとなる人材の養成を目標にした教育を実践しています。佐々木由惠教授を代表とする佐々木研究室では、指導的な介護職の教育とともに介護職のキャリア形成に関する調査研究を行っています。
▶本件に関するお問合せ先
一般社団法人知識環境研究会
〒101-0044東京都千代田区鍛冶町2-11-22第二神田ビル13号
TEL:03(3252)2472
FAX:03(6779)4703
Email:info@ackk.or.jp
URL:http://www.ackk.or.jp
要介護高齢者人口の急激な増加に伴い、医療と介護の連携はますます密接になっています。医療と介護はもはや一体化した現場となりつつあり、そこでは多種多様な専門職が協働しています。
佐々木研究室と知識環境研究会が実施した調査(2010年、2011年)によると、医療的ケアを行う介護職の多くが不安を抱えており、経験年数が増えるほど不安も大きくなっています。
このような不安の背景には、経験や職種による「思考の枠組み(=思考スキーム)」の差が引き起こすコミュニケーションギャップがあると考えられます。多職種が連携する医療・介護の現場で、互いの思考スキームに配慮したコミュニケーションを促すためのトレーニングが急務となっています。
■「思考スキームに基づいた危険予知研修」の特徴
「思考スキームに基づいた危険予知研修」で用いる教材(ビデオおよびテキスト)は、医療・介護の現場で実際に起こる出来事を題材にしています。その出来事への対処を「事実」「根拠」「行動」に整理して記入し、他者と共有することによって、自己の行動の背景にある思考スキームに気付くことができます。自己と他者の思考スキームを比べることによって、共通点や違いが明確になり、他者との連携がスムーズになります。この教育方法は、知識科学やメタ認知研究の成果を応用しています。
「思考スキームに基づいた危険予知研修」は、対面での研修の他、eラーニング(インターネットによる遠隔学習)でも提供可能です。各職場で危険予知のスペシャリストを育成することを支援するサービスを提供します。
■育成できるスキル
「思考スキームに基づいた危険予知研修」は、以下の4つのスキルを育成する教育方法です。
[1] 自己の思考スキームの意図的な把握と表出
[2] 互いの専門職の思考スキームの比較対照と理解
[3] 自他の思考スキームの違いの理解と原因推測
[4] 思考スキームの違いを踏まえた現場の改善活動への動機づけ
■研修の様子
■教材の一部(学習シート)
■受講生の声
「研修の受講生の声を一部紹介します。
● 普段の業務上の振り返りではじっくり考える時間がないが、事例について皆で検討できて良かった(30代女性、看護師)
● 自分の思考の癖に気付き、相手の思考との違いを意識するようになった。介護の記録がわかりやすいと言われるようになった(20代男性、介護福祉士)
● チーム医療には情報共有だけではなく考え方の共有が重要。昔は「飲みニケーション」で行っていたようなことを疑似的かつ効果的に再現できる(50代男性、医師)
■今後の展開
「思考スキームに基づいた危険予知研修」は、医療・介護の現場における協働の促進と危険予知スキルの向上を目指しています。今後は、教育プログラムの普及と修了生の継続トレーニングを進め、多職種が連携するヒューマンサービスの現場に「連携危険予知スペシャリスト(仮)」を育成することを目指します。
■組織の概要
●一般社団法人知識環境研究会
一般社団法人知識環境研究会(代表理事 神山資将)は、2000年に慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスの学生が中心となって設立したシンクタンクです。知識科学、科学技術政策などをテーマに研究調査活動を行っています。国立大学法人北陸先端科学技術大学院大学知識科学研究科をはじめ、大学等との連携も活発に行っています。
●日本社会事業大学
日本社会事業大学は、1946年の創設以来、厚生労働省の委託を受けた唯一の大学として「指導的社会福祉従事者の養成」と「社会福祉教育に関する研究」を担い、将来の社会福祉リーダーとなる人材の養成を目標にした教育を実践しています。佐々木由惠教授を代表とする佐々木研究室では、指導的な介護職の教育とともに介護職のキャリア形成に関する調査研究を行っています。
▶本件に関するお問合せ先
一般社団法人知識環境研究会
〒101-0044東京都千代田区鍛冶町2-11-22第二神田ビル13号
TEL:03(3252)2472
FAX:03(6779)4703
Email:info@ackk.or.jp
URL:http://www.ackk.or.jp
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