人々がハイレゾを求める理由は、脳にあった?耳だけではなく、脳が聴き取る“ハイレゾ”の魅力が発見された!脳はハイレゾ音源で「快感」に包まれることが判明
株式会社電通サイエンスジャム(東京都港区)は、鼓膜では聞き取れないとされる高周波を含む“ハイレゾ音源”をヘッドホンで聴いた場合、「(圧縮音源に比べて)脳が快感を感じる」という実験結果を、国立大学法人長岡技術科学大学(新潟県長岡市)と共同でまとめました。
【ハイレゾで脳は「快感」を約1.2倍、「安心感」を約3倍強く感じ、さらに「不快感」を約4割、「不安感」を約3割減少させる!】
今回実施したのは、長岡技術科学大学の中川匡弘教授と電通サイエンスジャムによる「ハイレゾ音源と従来の圧縮音源それぞれを聴いたときの“脳活動の変化”を明らかにし、誘発される感性を計測する」共同研究です。ソニーマーケティング株式会社から実験機材をご提供いただき、厳格な条件のもと音源の聴き比べを行ったところ、「ハイレゾ音源は従来の圧縮音源と比較して、脳に強い快感及び安心感を与え、不快及び不安を減少させる」という、大変興味深い結論が導きだされました。この共同研究では、10名の性年代様々な音楽好きの被験者を集め、どちらの音を聴いているのか伝えない状態で「ハイレゾ音源」「CDレベルの圧縮音源」それぞれをヘッドホンで聴いてもらい、脳で感じる「快感」「不快感」「安心感」「不安感」などの感性変化の度合いを測定しました。その結果、CDレベルの圧縮音源を聴いたときと比較して、ハイレゾ音源を聴いたときの方が、脳は「快感」を約1.2倍、「安心感」を約3倍強く感じ、さらに「不快感」を約4割、「不安感」を約3割減少させる、ということが明らかとなりました。つまり、ハイレゾ音源は耳だけでなく、脳でしっかりと感じ取っている、心に届いていることが判明し、かつ同じ音楽を聴く場合であっても、「気持ちいい、心地よい」などのポジティブな感情をハイレゾ音源の方が“本能的に強く感じてしまう”ということが判明しました。
<調査背景>
最近、音楽の世界でよく耳にする“ハイレゾ音源”ですが、これはCDスペック(44.1kHz/16bit)を上回る高音質オーディオのことを指し、その臨場感あふれる音は、既に数年前から音楽コアファンの心を掴んできました。それがこの半年でハイレゾ音源対応の楽曲数は前年の2倍に、また昨年ソニーから発売されたハイレゾ音源に対応したウォークマン®「ZX1」は7万円を超える価格にも関わらず予約が殺到し品切れになる等、一般の人々からの需要も高まり、音楽市場を活性化させる技術として期待が高まっています。
このような盛り上がりをみせるハイレゾ音源ですが、実は人間の耳の可聴帯域を越える周波数も含む音源でもあります。そのため、「人はハイレゾ音源と従来の音源を聴き比べても、その良さや違いを明確に認識できないのではないか」という声もありました。しかし聴取の感想として「確かに音が良い」と感じる人も多く存在していることも事実であり、このハイレゾ音源が求められる要因は、単なるブームなのか、「それ以上の何か」が秘められているのかが、ハイレゾ音源の人気を語る上で注目の論点となっていました。今回の共同研究の結果は、その「何か」に対するひとつの解答になったのではないでしょうか。
今後も注目を集めるであろう、このハイレゾ音源は、人の抗えない本能を刺激するものであることから、さらに人気を集め、求められ、音楽の新たな豊かさ、その価値を提供してくれるのかもしれません。
▼研究結果詳細
今回の研究では、普段から音楽に親しみのある20~40代男女10名を被験者として設定し、ソニーマーケティング株式会社よりご提供いただいたハイレゾ音源対応ウォークマン®、ハイレゾ音源には未対応のウォークマン®、ハイレゾ音源対応ヘッドホンを使用。それぞれの再生機(ウォークマン®)に同じ楽曲のハイレゾ音源とCDレベルの圧縮音源を入れて、どちらの音源を聴いているかわからない状態で音源を聴いた際の脳活動の変化を測定し、誘発される感性(快・不快・安心・不安)を測定しました。
その結果、圧縮音源と比べてハイレゾ音源の方が、平均して「快」の感性を23.0%増加(1.23倍)させ、「安心」の感性を194.6%増加(=2.946倍)させることがわかりました。一方、「快」と相反する感性「不快」を42.2%減少(約4割減少)させ、「安心」と相反する感性「不安」を29.2%減少(約3割減少)させることも明らかとなり、総じて、「ハイレゾ音源は従来の圧縮音源と比較して、ヘッドホンで聴いた場合であっても脳に強い快感及び安心感を与え、不快及び不安を減少させる」ということが研究結果として結論づけられました。
▼ハイレゾ音源とは?
CDスペック(44.1kHz/16bit)を上回る高音質オーディオのことを指し、空気感や臨場感、ニュアンス、音の厚みといった感覚的な部分の再現性に優れており、CD では聴くことのできない音楽の楽しみを感じることが可能です。
■ ハイレゾ音源の音域について
ハイレゾ音源の音域は4Hz〜80,000Hzとされ、人の可聴帯域(耳で聴こえる音の範囲)である20Hz〜20,000Hzを大きく上回ります。そのため、これまでハイレゾ音源は人の耳では聴き取りきれず、スピーカーを使って身体全体で聴くことで、音の良さ、快さを感じられるとされてきました。
▼長岡技術科学大学 中川匡弘教授より実験結果についてのコメント
スピーカー聴取で効果が表れるとされてきたハイレゾ音源がヘッドホン聴取でも脳反応がみられる、という驚きの結果
近年の研究では、ハイレゾ音源の“耳では聞こえていないはず”の超高周波音は、スピーカーによる「全身(聴覚と身体)での聴取」で、脳に快さを与えるとされてきました。つまり、ヘッドホンによる「聴覚だけでの聴取」では効果がうすい、とされてきたのです。しかし今回の研究では、ハイレゾ対応のヘッドホンを使って脳活動を調べる、という手法を取りました。そしてその結果、通常の圧縮音源と比較してほとんどの被験者で「脳が快さを示す」という反応がみられ、また同時に、ハイレゾ音源の方が「不快と不安を減少させる」という傾向も見て取れました。これはつまり、「“耳では聞こえていないはず”のハイレゾ音源を耳だけで聴取しても、脳はポジティブな反応を示す」という従来の定説を覆すほどの結論であり、脳機能・感性の研究者として、久々に身震いするほどの驚きの研究結果となりました。
■ 中川匡弘 教授 | 長岡技術科学大学工学部 カオス・フラクタル情報数理工学研究室(http://pelican.nagaokaut.ac.jp/)
脳波計や光トポグラフィ【NIRS】を活用し、独自手法の「感性フラクタル次元解析手法」により感性を数値化する脳ダイナミズム・脳科学研究の第一人者。噛み続けたくなる「快感ガム」、香りつき生理用品や、快適な打球感を訴求した「感性志向型テニスラケット」等の開発・商品化を実現。著書に『カオス・フラクタル感性情報工学』(日刊工業新聞社、2010)、論文に『脳波のフラクタル解析による視覚・感性情報計測』(2007)等。文部科学大臣賞(2004)、新潟日報文化賞(2010)、日刊工業新聞社第5回モノづくり連携大賞特別賞(2010)等
▼株式会社 電通サイエンスジャム 会社概要
電通サイエンスジャムは、株式会社電通と株式会社デジタルガレージの共同出資により設立され、主に先端科学や先端研究などサイエンス領域における研究成果のビジネス化を進めています。
■ 会社概要(http://www.dentsusciencejam.com/)
社 名 : 株式会社電通サイエンスジャム(Dentsu Science Jam Inc.)
所在地 : 東京都区港区赤坂4丁目2番28設 立 : 平成25年8月1日
▼国立大学法人長岡技術科学大学 概要
長岡技術科学大学(学長 新原晧一)は、「技術科学」すなわち“技学”の創出とそれを担う実践的・創造的能力と奉仕の志を備えた指導的技術者を養成する、大学院に重点を置いたグローバル社会に不可欠な大学を目指しております。
■ 大学概要(http://www.nagaokaut.ac.jp/)
大学名 : 国立大学法人長岡技術科学大学
所在地 : 新潟県長岡市上富岡町1603-1
創 立 :昭和51年10月1日
今回実施したのは、長岡技術科学大学の中川匡弘教授と電通サイエンスジャムによる「ハイレゾ音源と従来の圧縮音源それぞれを聴いたときの“脳活動の変化”を明らかにし、誘発される感性を計測する」共同研究です。ソニーマーケティング株式会社から実験機材をご提供いただき、厳格な条件のもと音源の聴き比べを行ったところ、「ハイレゾ音源は従来の圧縮音源と比較して、脳に強い快感及び安心感を与え、不快及び不安を減少させる」という、大変興味深い結論が導きだされました。この共同研究では、10名の性年代様々な音楽好きの被験者を集め、どちらの音を聴いているのか伝えない状態で「ハイレゾ音源」「CDレベルの圧縮音源」それぞれをヘッドホンで聴いてもらい、脳で感じる「快感」「不快感」「安心感」「不安感」などの感性変化の度合いを測定しました。その結果、CDレベルの圧縮音源を聴いたときと比較して、ハイレゾ音源を聴いたときの方が、脳は「快感」を約1.2倍、「安心感」を約3倍強く感じ、さらに「不快感」を約4割、「不安感」を約3割減少させる、ということが明らかとなりました。つまり、ハイレゾ音源は耳だけでなく、脳でしっかりと感じ取っている、心に届いていることが判明し、かつ同じ音楽を聴く場合であっても、「気持ちいい、心地よい」などのポジティブな感情をハイレゾ音源の方が“本能的に強く感じてしまう”ということが判明しました。
<調査背景>
最近、音楽の世界でよく耳にする“ハイレゾ音源”ですが、これはCDスペック(44.1kHz/16bit)を上回る高音質オーディオのことを指し、その臨場感あふれる音は、既に数年前から音楽コアファンの心を掴んできました。それがこの半年でハイレゾ音源対応の楽曲数は前年の2倍に、また昨年ソニーから発売されたハイレゾ音源に対応したウォークマン®「ZX1」は7万円を超える価格にも関わらず予約が殺到し品切れになる等、一般の人々からの需要も高まり、音楽市場を活性化させる技術として期待が高まっています。
このような盛り上がりをみせるハイレゾ音源ですが、実は人間の耳の可聴帯域を越える周波数も含む音源でもあります。そのため、「人はハイレゾ音源と従来の音源を聴き比べても、その良さや違いを明確に認識できないのではないか」という声もありました。しかし聴取の感想として「確かに音が良い」と感じる人も多く存在していることも事実であり、このハイレゾ音源が求められる要因は、単なるブームなのか、「それ以上の何か」が秘められているのかが、ハイレゾ音源の人気を語る上で注目の論点となっていました。今回の共同研究の結果は、その「何か」に対するひとつの解答になったのではないでしょうか。
今後も注目を集めるであろう、このハイレゾ音源は、人の抗えない本能を刺激するものであることから、さらに人気を集め、求められ、音楽の新たな豊かさ、その価値を提供してくれるのかもしれません。
▼研究結果詳細
今回の研究では、普段から音楽に親しみのある20~40代男女10名を被験者として設定し、ソニーマーケティング株式会社よりご提供いただいたハイレゾ音源対応ウォークマン®、ハイレゾ音源には未対応のウォークマン®、ハイレゾ音源対応ヘッドホンを使用。それぞれの再生機(ウォークマン®)に同じ楽曲のハイレゾ音源とCDレベルの圧縮音源を入れて、どちらの音源を聴いているかわからない状態で音源を聴いた際の脳活動の変化を測定し、誘発される感性(快・不快・安心・不安)を測定しました。
その結果、圧縮音源と比べてハイレゾ音源の方が、平均して「快」の感性を23.0%増加(1.23倍)させ、「安心」の感性を194.6%増加(=2.946倍)させることがわかりました。一方、「快」と相反する感性「不快」を42.2%減少(約4割減少)させ、「安心」と相反する感性「不安」を29.2%減少(約3割減少)させることも明らかとなり、総じて、「ハイレゾ音源は従来の圧縮音源と比較して、ヘッドホンで聴いた場合であっても脳に強い快感及び安心感を与え、不快及び不安を減少させる」ということが研究結果として結論づけられました。
▼ハイレゾ音源とは?
CDスペック(44.1kHz/16bit)を上回る高音質オーディオのことを指し、空気感や臨場感、ニュアンス、音の厚みといった感覚的な部分の再現性に優れており、CD では聴くことのできない音楽の楽しみを感じることが可能です。
■ ハイレゾ音源の音域について
ハイレゾ音源の音域は4Hz〜80,000Hzとされ、人の可聴帯域(耳で聴こえる音の範囲)である20Hz〜20,000Hzを大きく上回ります。そのため、これまでハイレゾ音源は人の耳では聴き取りきれず、スピーカーを使って身体全体で聴くことで、音の良さ、快さを感じられるとされてきました。
▼長岡技術科学大学 中川匡弘教授より実験結果についてのコメント
スピーカー聴取で効果が表れるとされてきたハイレゾ音源がヘッドホン聴取でも脳反応がみられる、という驚きの結果
近年の研究では、ハイレゾ音源の“耳では聞こえていないはず”の超高周波音は、スピーカーによる「全身(聴覚と身体)での聴取」で、脳に快さを与えるとされてきました。つまり、ヘッドホンによる「聴覚だけでの聴取」では効果がうすい、とされてきたのです。しかし今回の研究では、ハイレゾ対応のヘッドホンを使って脳活動を調べる、という手法を取りました。そしてその結果、通常の圧縮音源と比較してほとんどの被験者で「脳が快さを示す」という反応がみられ、また同時に、ハイレゾ音源の方が「不快と不安を減少させる」という傾向も見て取れました。これはつまり、「“耳では聞こえていないはず”のハイレゾ音源を耳だけで聴取しても、脳はポジティブな反応を示す」という従来の定説を覆すほどの結論であり、脳機能・感性の研究者として、久々に身震いするほどの驚きの研究結果となりました。
■ 中川匡弘 教授 | 長岡技術科学大学工学部 カオス・フラクタル情報数理工学研究室(http://pelican.nagaokaut.ac.jp/)
脳波計や光トポグラフィ【NIRS】を活用し、独自手法の「感性フラクタル次元解析手法」により感性を数値化する脳ダイナミズム・脳科学研究の第一人者。噛み続けたくなる「快感ガム」、香りつき生理用品や、快適な打球感を訴求した「感性志向型テニスラケット」等の開発・商品化を実現。著書に『カオス・フラクタル感性情報工学』(日刊工業新聞社、2010)、論文に『脳波のフラクタル解析による視覚・感性情報計測』(2007)等。文部科学大臣賞(2004)、新潟日報文化賞(2010)、日刊工業新聞社第5回モノづくり連携大賞特別賞(2010)等
▼株式会社 電通サイエンスジャム 会社概要
電通サイエンスジャムは、株式会社電通と株式会社デジタルガレージの共同出資により設立され、主に先端科学や先端研究などサイエンス領域における研究成果のビジネス化を進めています。
■ 会社概要(http://www.dentsusciencejam.com/)
社 名 : 株式会社電通サイエンスジャム(Dentsu Science Jam Inc.)
所在地 : 東京都区港区赤坂4丁目2番28設 立 : 平成25年8月1日
▼国立大学法人長岡技術科学大学 概要
長岡技術科学大学(学長 新原晧一)は、「技術科学」すなわち“技学”の創出とそれを担う実践的・創造的能力と奉仕の志を備えた指導的技術者を養成する、大学院に重点を置いたグローバル社会に不可欠な大学を目指しております。
■ 大学概要(http://www.nagaokaut.ac.jp/)
大学名 : 国立大学法人長岡技術科学大学
所在地 : 新潟県長岡市上富岡町1603-1
創 立 :昭和51年10月1日
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