墓石専門店グループの全優石、お墓参りシーズンを前にお墓参りに関する意識調査の結果を発表。幼少期のお墓参り頻度で「生命尊重」「チャレンジ精神」「既婚率」などに有意差

「『お墓参り』が子どもの情操教育に与える影響について」15~29歳の男女1000名を調査

全国の石材店約300社で組織される墓石業の専門店グループ「一般社団法人 全国優良石材店の会」(事務局:東京都品川区、会長:吉田剛、以下 全優石)は、15歳から29歳までの全国の男女1000名を対象に、「お墓」および「お墓参り」が子どもの情操教育に与える影響を確認する目的で、アンケート調査を実施いたしました。このほど調査結果がまとまり、下記の4つのポイントが確認されましたのでご報告いたします。
  • 調査結果 4つのポイント

(1)3歳以下からお墓参りをすることで「生命尊重・美的感情(美しいと感じる心)」に有意差
• 最初にお墓参りに行った時期は「3歳以下」が50.1%。3歳以下と回答した人は、そうでない人に比べて「生命尊重・美的感情」を測る項目において有意に高い肯定率を確認。

(2)お墓参りの頻度と自尊心との関連を確認
• 現在のお墓参りの頻度は年1回が38.7%、年2~3回が29.7%、1年以上行っていないが15.5%。お墓参りの頻度が少ない人ほど、「将来の夢や目標に向かって努力することは惜しまない」などの質問項目の否定率が有意に高く、自尊感情(自尊心)が低いと推察される結果となった。

(3)お墓を購入する際の関わり方と、成長後のチャレンジ精神に有意差
• お墓購入時に意見を言うなど、何らかの関わりを持った人(8.7%)について、「難しいことも失敗を恐れないで挑戦する」といったチャレンジ精神を図る質問項目の肯定率が有意に高かった。

(4)小学校低学年頃までのお墓参りの頻度と、既婚率との関係を確認
• 回答者を小学校低学年頃までのお墓参りの頻度別に分けて、既婚率を確認したところ、月1回以上の層は34.6%、年2~3回は22.7%であるのに対し、数年に1回程度、もしくは行ったことがなかったと回答した層の既婚率は14.3%と、既婚率に有意な差が認められた。


有識者コメント : 伊田勝憲(いだかつのり) 静岡大学准教授(教育心理学)
「お墓参りが、家庭と地域の教育力を高める大切なヒントとなることに期待」
小学校では2018年度(中学校では2019年度)から、従来の道徳の時間が「特別の教科 道徳」に改正され、学校教育全体を通して情操教育が再評価されつつあるといえます。情操教育は、学校のみならず、家庭や地域が果たす役割も大きいと考えられ、本調査を通し、多くの人がイメージしやすいお墓参りという伝統的な営みに着目することで、家庭と地域の教育力を高める大切なヒントが導かれるのではないでしょうか。
*冒頭部分を要約。
*本リリース後半「4つのポイント」解説部分に、各ポイントごとに伊田准教授のコメント要約を記載。

伊田勝憲氏プロフィール : 1976年北海道札幌市生まれ。名古屋大学大学院教育発達科学研究科博士課程を経て、三重中京大学(旧・松阪大学)専任講師、北海道教育大学釧路校准教授、静岡大学教職大学院准教授を歴任、現在に至る。専門は、教育心理学・発達心理学(特に児童期・青年期)。

 
  • 調査の実施背景と目的
「お墓参りと成長後の情操との連関性を開示し、葬送形態の選択の一助に」
近年では、葬送形態の多様化にともない、遺骨をお墓に納めないスタイルを選択するケースも増えています。伝統に縛られることのない自由な選択をよしとする風潮の一方、「お墓参り」などの慣習が受け継がれなくなることにより、日本ならではの精神文化が希薄化し、道徳感・倫理観が損なわれるのではないかと懸念されています。
今回の調査は、このような背景を受け、「お墓・お墓参りが子どもの情操教育に与える影響」として、主に幼少時の「お墓参り」の頻度と、成長後の情操や人との関わり方との連関性を探り、生活者に開示することで、葬送形態の選択の一助としていただくことを目指すものです。
 
  • 調査実施概要
調査期間: 2017年5月2日(火)~ 5月9日(火)
調査方法:  インターネット調査
調査対象:  全国の15~29歳の男女 1000人
サンプル:  
総数1,858名から幼少期にお参りするお墓があった人をスクリーニングし、全国を10エリアに分けた各エリアより男女比1:1、成年未成年比1:1となるように100サンプルずつ総数1,000サンプルを抽出。
 
  • 「お墓」「お墓参り」が子どもの情操教育に与える影響  <4つのポイント>について

(1)3歳以下からお墓参りをすることで「生命尊重・美的感情(美しいと感じる心)」に有意差

最初にお墓参りに行った時期を確認したところ、全体の約半数である50.1%が3歳以下を回答した。続いて、幼稚園就園後を回答した人が29.4%、小学校低学年時を回答した人が18.4%と続き、小学校高学年以降を回答した人は全体の1.8%に留まった。多くの青少年の成長過程で、10歳までには1回以上のお墓参りの機会があったことがうかがえる結果となった。また、最初にお墓参りに行った時期と回答者の現在の状態を併せて確認すると、初めてお墓参りに行った時期に3歳以下を挙げた人は、そうでない人と比べて「他の人の命も大切だと思う」「動物や植物の命もかけがえのないものだと思う」「自然の美しさに感動することがある」といった「生命尊重・美的感情」を測る項目において有意に高い肯定率を確認することができた。

伊田准教授コメント(要約):今回の調査結果でまず注目したいのは「3歳以下からお墓参りをすること」と「生命尊重・美的感情」の高さが関係している点です。乳幼児期にお墓参りを経験していることが、子どもにとって自分自身が大事にされることと、お墓参りを通して先祖が大事にされていることが実体験として重なり、時間的に限りのある「命」を持つものすべて(自分、他者、動植物)に関心が高まるからではないかと思われます。


(2)お墓参りの頻度と自尊心との関連を確認

現在のお墓参りの頻度を確認したところ、年に1回程度行くとした人が最も多く38.7%、続いて、年に2~3回行くとした人が29.7%、1年以上行っていないと回答した人が15.5%、行かないとした人が8.2%、葬式や納骨の時だけ行くとした人が4.4%、月に1度程度行くとした人が2.7%、月に複数回行くとした人が0.8%だった。本調査結果では、お墓参りの頻度が少ない人は「自分の命を大切にしている」といった質問項目や、「将来の夢や目標に向かって努力することは惜しまない」という質問項目の否定率が有意に高く、自尊感情(自尊心)が低くなる傾向にあると推察される結果となった。自尊心は、神経症傾向および否定的感情(抑うつ傾向、不安感)と高い負の相関があることが、複数の心理学者の研究により認められており、自尊心が低いと他者との関わり方や日々の生活に負の影響が出るといわれていることから、お墓参りの習慣が日々の生活に影響を与える可能性がうかがえる。

伊田准教授コメント(要約):心理学者のバーバラ・フレドリクソンは、ポジティブな感情が思考や行動のレパートリーを一時的に「拡張」する効果を持つこと、そして、それが繰り返されることで広がりが定着し、その人らしい資質や能力が「形成」されるという「拡張–形成理論」を提唱しています。このことから、最初は「非日常」に感じられるお墓参りが習慣化されることで、徐々に「日常」として定着し、お墓参りの瞬間に一時的に抱いていた「感謝」や「努力」などのポジティブな感情が、やがて自分らしい感情や思いとして日々の生活を方向づけるようになると考えることができます。


(3)お墓を購入する際の関わり方と、成長後のチャレンジ精神に有意差

お墓購入時のかかわり方について確認をしたところ、意見を言うなど購入時に関わりを持ったと回答した人8.7%、特に持たなかったとした人が31.2%、物心つく前に購入済みであったとした人が60.1%であり、江戸時代以降に普及をした代々墓が、現在でも一般的であることがよくわかる結果となった。また、本調査の対象である若年層(15歳~29歳)が、物心ついた後にお墓の購入機会があった場合にも、関わりを持った人は5人に1人に留まることから、自身が所属する「家族」のお墓の購入について関わる経験を持つことは非常に稀であること、つまり、お墓を購入する際に、「家族全員で話し合っている」とはいいがたい状況が一般的であることがうかがえる結果となっている。

一方で、お墓の購入に関わった人は、「難しいことも失敗を恐れないで挑戦する」「将来の夢や目標に向かって努力することは惜しまない」「今の自分に満足している」「自分の判断や行動を信じることができる」といった項目に高い肯定率が確認された。特に、決定権を持った、積極的に意見を言ったなど、かかわり方が深かった人は、「難しいことも失敗を恐れないで挑戦する」の肯定率が有意に高かった。お墓を購入する際に、家族で活発な意見交換を行うような家庭環境で育った人は、チャレンジ精神が高い人に育ち、ひいては成功体験を育む可能性を示唆している。

伊田准教授コメント(要約):(お墓の購入は)必ずしも頻繁に経験することではなく、実際の経験者も少ないという結果ですが、こうした比較的大きな出来事を経験する機会に恵まれ、自分の意見が何らかのかたちで家族全体の判断に影響・貢献したこと自体が成功体験として記憶に刻み込まれ、結果として「挑戦」「努力」「満足」など自信に満ちた姿勢が育まれたのではないかと思われます。


(4)小学校低学年頃までのお墓参りの頻度と、既婚率との関係を確認

現在の配偶者の有無を確認したところ、回答者全体の21.5%が既婚、78.5%が未婚という結果であった。しかし、回答者を小学校低学年頃までのお墓参りの頻度別に分けて、既婚率を確認したところ、月に1度以上のお墓参りをしていた人の既婚率は34.6%、年に2~3回程度のお墓参りをしていた人の既婚率は22.7%、年に1回程度のお墓参りをしていた人の既婚率は20.4%、数年に1回程度、もしくは行ったことがなかったと回答した人の既婚率は14.3%と、既婚率に有意な差があることがわかった。
情操の土台を作るべき時期に頻繁にお墓参りをすることで、「家族」を持つことが大切であるという価値観が自然と醸成されることがうかがえる結果となった。

伊田准教授コメント(要約):小学校低学年頃までのお墓参りの頻度とその後の「既婚率」との関連を示す結果については、複数の要因が背景で関連していると思われますが、お墓参りにより先祖と自分のつながり(過去から現在へ)を実感するとともに、その延長線上にある自分と子孫のつながり(現在から未来へ)を意識し、次の世代を育てることへの関心が高まることで、新しい家族を形成することへのモチベーションが明確になるのかも知れません。

※ニュースリリース本文は、下記よりご覧いただくことができます。
https://prtimes.jp/a/?f=d27649-20170804-4210.pdf
 
 
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