実用的な気象予報の精度向上と画像認識の速度向上を競った2018 APAC HPC-AIコンペティションの受賞チームを発表!

HPCAIAC

シンガポール国立スーパーコンピューティングセンター(NSCC)とHPC-AI Advisory Councilの共催によるコンペティションでアジア太平洋の7つの国と地域から参加した18の学生チームが5か月間にわたる熱戦を展開

コンペティションを通じて実用的な気象予報の精度向上や画像認識の速度向上に役立つソリューションを開発

参加者はNSCCのASPIRE 1(シンガポール唯一のペタスケールスーパーコンピューター)を使用してCONUS 2.5kmデータの10分未満での処理や、ImageNetデータセットの処理などの複雑な計算とシミュレーションを実行
シンガポール - 2018年9月3日 - ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)および人工知能(AI)の研究、教育、アウトリーチ活動を行う世界有数の地域社会貢献組織であるHPC-AI Advisory Councilはこの度、シンガポール国立スーパーコンピューティングセンター(NSCC)との共催による第一回アジア太平洋地域HPC-AIコンペティションの表彰式を行い、各賞の受賞チームを発表したことをお知らせします。8月27日(月)にシンガポールで行われた表彰式では、アジア太平洋地域の有名大学を代表する18のチームから、3つの入賞チームと、特別賞を獲得したチームが表彰されました。

同コンペティションは、NSCCの主要な年次HPCカンファレンスである「Supercomputing Asia 2018」の一環として開催され、2018年3月27日に当時の通信・教育担当上級大臣Dr. Janil Puthuchearyによる開会宣言に始まり、2018年8月13日に終了しました。同コンペティションでは、7つの国と地域から参加した18の大学チームが熱戦を展開しながら、実用的な気象予報の精度向上や画像認識の速度向上に役立つ優れたソリューションを生み出しました。各種の複雑なHPCおよびAIアプリケーションで最高のパフォーマンスを実現した中国の清華大学のチームが1位に輝き、2位と3位は台湾の国立成功大学の2チームに与えられました。

同コンペティションで主な焦点となったのは、HPCとAIアプリケーションの2つでした。HPCアプリケーションでは、世界中の気象研究機関で広く一般に使用されている気象予報ツールであるWRF(Weather Research and Forecasting)モデルを使用して、CONUS 2.5kmベンチマークのシミュレーション速度を競いました。精度を維持しつつ予測時間を短縮することが重要な課題でした。AIアプリケーションでは、ImageNetデータセットのマルチノード分散トレーニングに焦点が置かれ、参加チームはAIフレームワークとニューラルネットワークアーキテクチャを最適化する課題に挑戦しました。現在、世界ではスマートシティやセキュリティ関連の取り組みなど、AIを活用してテクノロジーを実生活に応用する取り組みが進められていますが、今回の内容はそれに沿ったものとなっています。

1位を獲得した中国の清華大学のチームは、激しい競争が繰り広げられた5か月の開催期間中に、複数のGPUを搭載した複数のノードのパフォーマンスの分析、評価、最適化を行いました。この優勝チームには、2019年6月にドイツで開催される国際大会「2019 HPC-ISC Student Cluster Competition」への出場権が与えられました。

2位と3位はいずれも台湾の国立成功大学からの参加チームでした。入賞チームはそれぞれ高いレベルのパフォーマンスを実現し、優勝をめぐる戦いは最後まで激しいものとなりました。また、参加チームの創意工夫を促すために、コンペティション期間中の各チームの創造性を評価する特別賞が設けられていましたが、各チームから提出された5か月間の開発記録をまとめたビデオを評価した結果、特別賞はタイのタマサート大学(Thammasat University)に授与されました。

主任審査員でありHPC-AI Advisory Councilの委員長を務めるGilad Shainer氏は次のように述べています。「私ども審査員は、このコンペティションで参加者の皆さんが見せた高い技術力と優れた戦略に感銘を受けました。どのチームも拮抗しており審査委員会の判断は難しいものとなりましたが、この学生によるコンペティションで世界中の市民生活の向上につながる成果をげることができ、とても嬉しく思っています。安全な自動車や飛行機、より正確な気象や暴風の予測、新たな治療法の発見など、大学、研究機関、民間のベンダーが未来の製品やサービスを開発するにあたってHPCリソースが役立つことが、このコンペティションにより再確認されたと思います。HPCおよびAIアプリケーションは基盤とするテクノロジーやインフラストラクチャが共通しているため、HPCAIの分野の新たな発展が相互に導入されています。また、セキュリティやスマートネーションの取り組みといった民間の領域にも展開することができます」

「数か月にわたるこのコンペティションですべてのチームが大変な努力をし、大きな成果を上げたことを高く評価しています。また、地域全体にわたるこの重要なコンペティションの実施にご協力いただきましたNSCCコンペティション全体を通してご支援いただいたコンペティション委員会にも心より感謝申し上げます。このコンペティションを通して、この地域のHPCおよびAI分野の新世代の研究者、科学者、専門家にとって中核となる知識と重要なスキルの進歩に貢献することができました。またHPC-AI Advisory Councilがミッションとして掲げる継続的なアウトリーチ活動と教育を推し進める貴重な機会となりました

NSCCの最高責任者であるTan Tin Wee教授はこう述べています。「スーパーコンピューティングのコンペティションが、現実の社会から隔離された単なる訓練で、人々に実用的な恩恵をもたらさないと考える方もいるかもしれませんが、そうではありませ。このコンペティションは、HPCを活用してイノベーションを推進し、アジアこの地域におけるスーパーコンピューティングの中心地とするべく活動するNSCCのミッションに沿ったものです。入賞したソリューションがはっきりと示しているとおり、スーパーコンピューティングを活用することで、研究や大学での活動の成果を民間で抱える問題に適用し、人々に恩恵をもたらすイノベーションを推進できるのです。このイベントを共催できたことを光栄に思います

2018 APAC HPC-AIコンペティションについて
3月に開会したHPC-AI Advisory CouncilとNSCCの共催による2018 APAC HPC-AIコンペティションは、アジア太平洋地域の学生を対象に、和やかながらも熱気あふれる競争を通じて、HPCとAIの2分野における研究成果を披露し研鑽を積むための場として開催されているものです。HPC分野ではWRF(Weather Research and Forecasting)モデルのベンチマークという課題に取り組み、そのパフォーマンスとスケーラビリティに基づいて評価が行われました。AI分野ではImageNetデータセットに基づくベンチマークの実行という課題に取り組み、パフォーマンスの向上度に基づいて評価が行われました。

AIは、大量のデータに基づくより正確で優れた意思決定、ディープインテリジェンスとイノベーションの実現に加え、科学、製造業、セキュリティ、ファイナンスから自動運転車やスマートシティまで幅広い応用が可能であり、単なる新しいアイデアの段階から、業界、関心、体系、テクノロジーの垣根を越えた重要な分野にまで急速に発展してきています。

同様に、HPCの領域やテクノロジーの継続的な進歩により、安全性の高い輸送や正確な気象や暴風の予測から、命を救う新しい治療法の発見まで、新たな製品やサービスにつながる産学官における画期的な発見が促進されています。HPCとAIは、基盤とする方法論、テクノロジー、インフラストラクチャが共通しているため、これらの分野での新たな発展は両方の分野で速やかに導入されています。

参考資料:
·      APAC HPC-AIコンペティションの詳細
       http://hpcadvisorycouncil.com/events/2018/APAC-AI-HPC/
·      次世代のHPCリーダーをサポートするためのスポンサーシップ
​       http://hpcadvisorycouncil.com/pdf/SCC_Sponsorship_Agreement.pdf
·      HPC-AI Advisory Councilへの加盟
​       http://hpcadvisorycouncil.com/pdf/HPC_Advisory_Council_MemberApp_w.pdf
·      HPC-AI Advisory Councilをフォロー:
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詳しい情報や一般的なご質問は、info@hpcadvisorycouncil.com までお問い合わせください。

HPC-AI Advisory Councilについて
HPC-AI Advisory Councilは2008年に設立された非営利国際組織であり、400を超える会員が教育およびアウトリーチ活動に携わっています。会員は、専門的な知識を共有し、研究会を開催し、テクノロジーセンターを利用することで、HPCおよびAIの活用や将来の発展の機会を模索し、これらのテクノロジーのメリットについて広く一般に周知する活動を行っています。HPC-AI Advisory Councilは年次会議を数回開催しているほか、中国でのRDMA Student Competition、ドイツでのStudent Cluster Competitionなど、世界中でSTEMコンペティションを実施しています。加盟は無料で、会員としての義務もありません。詳しくは、www.hpcadvisorycouncil.com をご覧ください。

シンガポール国立スーパーコンピューティングセンター(NSCC)について
2015年に設立されたシンガポール国立スーパーコンピューティングセンター(NSCC)はシンガポール初のペタスケールの国立施設を運営しており、学術、研究、産業界の科学およびエンジニアリング用途のコンピューティングニーズをサポートするためのハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)リソースを提供しています。 NSCCはシンガポール科学技術研究庁(A*STAR)、南洋理工大学(NTU)、シンガポール国立大学(NUS)、シンガポール工科大学(SUTD)などの機関に加え、シンガポール貿易産業省(MTI)から多額の出資を受けて、スーパーコンピューティングのリソースを一般に広く開放することを目的としています。 NSCCは、現地組織や国際組織と連携してHPCに関する共同プロジェクトやプログラムを推進することで、国レベルの研究開発活動を支援し、産業部門における共同研究を誘致するとともに、シンガポールの研究能力を向上させる取り組みを行っています。詳しくは、https://nscc.sgをご覧ください。
 

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会社概要

HPC-AI Advisory Council

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URL
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業種
財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
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電話番号
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代表者名
Gilad Shainer
上場
未上場
資本金
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設立
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