「海外での乳幼児の子育て」に関する調査を実施
配偶者以外からのサポートも必要である実態が明らかに
配偶者の転勤により海外に住む「駐在妻」のための情報・交流サイト『駐妻café』を運営する、グローバルライフデザイン(東京都大田区、代表:飯沼ミチエ)は、「海外で小さい子ども(0〜3歳)を育てている方、または現在のお住まいが日本でも海外でも、3年以内にその経験のある方」を対象に、「海外での乳幼児の子育て」に関するアンケート調査を実施しました。調査の結果(回答者:世界各地の対象者394人)を『駐妻café』(https://cz-cafe.com/)にて発表しましたので、お知らせいたします。
グローバルライフデザインが運営する事業『駐妻café』の活動目的の一つに、「孤独な駐在妻(夫)をつくらない」があります。昨今、配偶者の海外赴任に帯同し、海外で出産される方や乳幼児を育てる方が増えてきています。海外で幼い子供を育てていくことは、海外だからこその利点もある一方、言葉の問題、文化や生活スタイルの違いなどのさまざまな理由から、”孤独な育児”を強いられてしまうケースが多いのも事実です。孤独な子育てをしていく中で、メンタル不調に陥る可能性もあります。
グローバルライフデザインでは、今回の調査で明らかになった「海外育児の実態・育児を主に担っている駐在妻の声」を広く社会に、そして駐在員を派遣する企業に届けていきながら、今後もより一層、「情報と交流の場」の提供とサービスの向上に努めてまいります。
※本リリースの調査結果・グラフをご利用いただく際は、必ず【駐妻café調べ】とご明記ください。
<「海外での乳幼児の子育て」に関する調査実施概要>
●対象者:海外で小さい子ども(0〜3歳)を育てている方、または現在のお住まいが日本でも海外でも、3年以内にその経験のある方
※ スマホでの情報収集やオンラインでのコミュニケーションなど、子育てを取り巻く環境は変化しています。そのため、「3年以内に乳幼児育児の経験がある方」に限らせていただきました。
●調査方法:WEBアンケート
●調査期間:2018年9月20日~28日(日本時間)
●アクセス数:1,389人
●有効回答数:394人(女性393人、男性1人)
<調査結果の主なTOPICS>
駐在妻のこころの健康を保つには「夫の子育てへの協力」と「配偶者以外からのサポート」も必要
●「海外での子育てだからこそ大変」と感じる理由に、8割近くの方が「すぐに頼れる人(親や親戚)がいない」と回答
●夫婦間での子育ての悩みの共有は、「何でも共有できている」「ほぼ共有できている」が6割以上
しかしながら、共有できていないと感じている方は、夫が「多忙」「(帰宅が)遅い」、また「出張」などが影響し、ゆっくり会話する時間がもてないという声が多くみられる
●「子育て中のメンタル不調の回避に何がどの程度必要か」については、ほぼ100%の方が「配偶者の子育てへ の協力」を「とても必要」もしくは「必要」と回答
●「気軽な子供の預け先」や「相談先の情報」を求める声が高いことから、「配偶者以外からのサポート」も必要だと感じている方が多い
駐在員家族が安心して安定した気持ちで生活できてこそ、駐在員が本来持っている能力を発揮し、企業や社会に貢献することができます。特に乳幼児のいる家庭では駐在員は「父親」であり、適正な労働環境の中で家庭とのワークライフバランスも大切です。グローバル展開している企業にとって、昨今の人手不足感、海外志向の若者の減少は、避けては通れない課題になっています。優秀な駐在員に活躍してもらうためにも、今後は、駐在員本人だけでなく、海外に帯同する家族への充実したサポートがより一層求められます。
また、駐在員家族に対するサポートには、海外生活・子育て・教育に関する情報提供や、メンタルケア、キャリア支援などが含まれます。駐在員を派遣する企業と、上記のような情報や支援体制を持つ企業や団体などが連携し、駐在員家族を包括的に支援していく土台作りが必要であると考えます。
<「海外での乳幼児の子育て」に関する調査 分析結果>
▼下記URLからも詳細をご覧いただけます。
https://cz-cafe.com/2018/10/22/surveychildraising/
- 海外での子育て、心配ごとは「頼れる人がいない」
「安心して健康的な子育てをしたい」というごく当たり前の願いですら、海外ではハードルが高いようです。また「自宅以外で子どもを遊ばせること」にも困難を感じている方が40%を超えていることから、家庭内だけで子育てを抱え込みがちであり、日本での育児に比べて負担が増していると考えられます。
Q1:子育てをしていて、海外だからこそ大変だと感じることは、どんなことですか?(複数回答可
【年代別】※45歳以上は回答データが少ないため省略
20代後半は第一子が多いこともあるためか、「日本での健診が受けられず、子どもの発育・発達が心配」「日本とは子育ての常識が異なる」という不安が多くあげられました。30代では、食材・食事や医療への不安の声が多くなっています。また、「狭い日本人コミュニティの中で、助けを求めにくい」という項目が、全体としては下位にありながら、20代後半の半数近くが「あてはまる」と回答しています。スマホでの情報収集が当たり前の世代にとっては、「狭い日本人社会の中で情報が筒抜けになることへの警戒心」や、立場や上下関係などが絡む、ある意味「面倒と感じる、遠慮のいる関係」を避けたい気持ちが影響しているのかもしれません。
【エリア別】※アフリカ州、オセアニア州は回答データが少ないため省略
ヨーロッパ州は日本から距離が遠く、日本人が比較的少ないという影響もあるようで「すぐに頼れる人がいない」「悩みを話せる相手が近くにいない」という意見が他の地域より顕著です。
アジア州では、環境・治安の問題、医療機関や、食材・食事の不安も強い傾向にありました。
- ほとんどの夫婦が「悩みを共有できている」!? みんな、どうしてる?
多くの方が海外で育児をしている中での困難や不安、心配ごとを夫婦で共に解決しようとしていると推測されます。
Q2:子育ての悩みについて、ご夫婦でどれくらい共有できていますか?
【年代別】※45歳以上は回答データが少ないため省略
若い世代ほど「なんでも共有できている」「ほぼ共有できている」との回答が多くなっています。【エリア別】※アフリカ州、オセアニア州は回答データが少ないため省略
ヨーロッパ州は、Q1の回答「すぐに頼れる人がいない」という理由があるためか、夫婦間での情報共有率が高くなっています。
- 普段から夫婦で、お互いの状況を「話す」ことを意識
共有できていないと感じている方は、夫が「多忙」「(帰宅が)遅い」、また「出張」などが影響し、ゆっくり会話する時間がもてないという声が多くみられました。
Q3:ご夫婦で悩みを共有できている方は、こうすれば共有しやすくなるという工夫やアドバイスについて、共有できていない方は、その理由について教えてください(自由回答)
※ワードクラウド分析:文章中に出現する単語の中から特徴的な単語を選び出し、図示しています。単語の大きさはどれだけ特徴的であるかを表しており、色は品詞を表しています。
▼工夫やアドバイス
【方法】
●情報や問題共有のために、短い時間でも、些細なことでも、とにかく伝える。
●昼寝してでも夫の帰りを待って、話す時間を作る。
●子どもの様子をSNSでリアルタイムに報告する。
●カレンダーアプリを活用してお互いの予定を見える化する。
●交換ノートをつけている。
●夫婦飲み会を開く。
●子どもを夫に一人で見てもらい、育児の当事者、父親であることを理解してもらう。
【伝え方】
●感情にまかせて話さない。事実と感情を分けて話す。
●夫にしてほしいことを具体的に伝える。相手に察してほしいと期待しない。
●すぐ伝える、言葉にする。
●事前に話す時間をとってほしいと告げておく。
●アドバイスはいらないからただ聞いてほしいことと、回答が欲しいことを分けて伝える。
●些細なことでも感謝を伝えておくと、悩みを相談したときに受け入れてもらいやすい。
●子どもから今日の出来事を話させると、夫に興味を持ってもらいやすい。
▼共有できない(しにくい)理由
●持ち帰り仕事もあり、家では不機嫌、イライラしていることが多い。話を聞いてもらう時間も心の余裕もない。
●夫は通勤時間が長いのと多忙なこともあり、朝6時に出勤し、残業で帰りが深夜になる。
●他国との時差があるため、夫の仕事が24時間体制に近い状態。
●夫の出張が多く、物理的に話す時間がない。休日が日本より少なく、その少ない休日もゴルフや海外出張者のアテンドで出勤になることが多い。
●私が専業主婦になったため、日本で共働きをしていた頃より子育ての状況が改善していると夫が思い込んでいる。
●専業主婦になったから、多忙な夫に負担をかけずに(話を聞いてもらわず)自分が頑張らなくては、と思ってしまっている。
- 「ありがとう」という言葉だけでも嬉しい!海外育児の大変さは夫に一番わかってほしい
一方で、家に仕事を持ち込むことや、「テレビ」「スマホ」「寝る」などから読み取れる子育てへの非協力的な態度、海外子育ての大変さを理解していないことが、やや妻たちの不満を募らせているようです。
Q4:子育てをしている中で、配偶者・パートナーからの行動・言葉で「嬉しかったこと」、逆に「もっとこうしてほしいと思うこと」があれば、教えてください。(自由記述)
※ワードクラウド分析:文章中に出現する単語の中から特徴的な単語を選び出し、図示しています。単語の大きさはどれだけ特徴的であるかを表しており、色は品詞を表しています。
▼嬉しかったこと
●「仕事を辞めて、ついてきてくれてありがとう」と言われたこと。
●海外での子育ての大変さをわかってくれており、ベビーシッターを雇ったり、保育園に子供を預けたりする費用を海外生活での必要経費だと言ってくれたこと。
●就学前の保育費が日本の3倍以上かかり、会社から補助は出なかったが、期間限定の駐在期間だから割り切ろうと理解してくれた。
●心身の具合が悪かった時、子育てに行き詰まっていた時に、「しばらく帰ったら」と一時帰国を勧めてくれた。
●海外のほうが、積極的に手伝ってくれる。
▼こうしてほしいと思うこと
●言葉が通じないことによるストレスをもう少し理解してほしい。
●日本での子育てと同じことが、海外で簡単にできるとは思わないでほしい。
●仕事を辞めて赴任についてきたことを理解してほしい。「日本人が多いエリアで、便利だから楽勝でしょ」と軽く言われた。便利だろうが不便だろうが、妻は一大決心して夫の転勤に付き合う人生を送っていることを忘れないでいてほしい。
●週に1日くらいは子どもが起きている時間に帰宅してほしい。
●育児にもう少し協力してほしい。一緒に見てもらうだけで、色々なことが共有でき、幸せな気持ちが増えると思う。子育ての楽しいこと、大変なことなど、もっと話したりして共有したい。
●貴重な休日に家でダラダラしたり、昼寝ばかりしないでほしい。
●スマホやゲームばかりしないでほしい。
- こころの健康を保つには「夫の子育てへの協力」があってこそ
また、「家族が安全・快適に生活できる環境の整備」や「勤務時間の適正さ」を求める声が多いことから、現在の生活が安全・快適であるとは言い切れず、配偶者の勤務時間が長いという実情を読み取ることができます。
さらに、「気軽な子供の預け先」や「相談先の情報」を求める声が高いことから、配偶者以外からのサポートも必要だと感じている方が多いと思われます。
Q5:子育て中の誰もが、メンタル不調に陥る可能性があります。それを回避するために、何が、どの程度必要だと思いますか?
- 頼れるのはやっぱり夫! なかには頼り先がないという人も・・・
「配偶者・パートナー」が頼り先である一方、Q1では8割近くの方が「すぐに頼れる親や親戚がいないことが最も大変」と回答。配偶者・パートナーが多忙や不在の時には、容易に困難が生じることが予想されます。
また、10%ではあるものの「頼れる人がいない/サービスが無い」との回答はゼロではなく、海外で孤独な育児に奮闘している方がいることにも目を向けていく必要がありそうです。
Q6:困った時や自分の時間が必要な時に、誰に頼っていますか?(複数回答可)
〈公共・民間のサービス具体例〉
●チャイルドケア、月2回まで1回3時間以内の託児サービス。語学クラスやジムなどの託児(アメリカ)
●託児所、保育園、現地保育園の一時預かり(中国)
●現地の幼稚園、一時保育施設(シンガポール)
●1時間から預けられる一時保育、4時間から対応してもらえるベビーシッターの派遣サービス(タイ)
●日本人のベビーシッター(オーストラリア)
●ベビーシッター、託児所(イギリス、フランス)
【年代別】※45歳以上は回答データが少ないため省略
若い世代ほどサービスや友人を頼っており、年齢が上がるほど、配偶者を頼る割合は減っていく傾向が伺えます。
【エリア別】※アフリカ州、オセアニア州は回答データが少ないため省略
アジア州はメイドさん・お手伝いさんを頼る割合が高いようです。ヨーロッパ州の中でも、イギリスは頼れる人がいないと回答する割合が高くみられました。
【エリア別:アジア回答数上位4位比較】
中でもアジア州は国によって回答が異なっています。インドネシアは「メイドさん・お手伝いさん」の割合が他国に比べて高く、タイは友人を頼る割合が高い結果となっています。
※本リリースの調査結果・グラフをご利用いただく際は、必ず【駐妻café調べ】とご明記ください。
<グローバルライフデザインについて>
グローバルライフデザインは、駐在員家族の生活基盤を支えるキーパーソンである“駐在妻”をサポートすることで、最終的には駐在員家族全員が充実した海外生活を送り、パワーアップした状態で帰国できることを目指し、活動しています。
・配偶者の海外赴任に帯同するかどうか悩んでいる
・配偶者の海外赴任に帯同している
・配偶者の海外赴任に伴い、帯同休職制度を利用している
・配偶者の海外赴任から帰国した
という各段階の方々に対し、研修事業、『駐妻café』運営事業、個人サポート事業、キャリアマッチング事業の4つの事業を提供しています。
▶グローバルライフデザインについての詳細:https://cz-cafe.com/about-globallifedesign/
<グローバルライフデザイン概要>
名称 :グローバルライフデザイン
代表者 :飯沼 ミチエ
事業内容:海外駐在帯同家族(駐在妻)サポート、駐在妻向け研修、コーチング、キャリアサポート
所在地 :東京都大田区大森北2-3-15 第一下川ビル4F パシオンTOKYO内
<『駐妻café』について>
2018年2月にオープンした、駐在妻のための情報交流サイト。
「自身のキャリアに関心のある30代駐在妻」をメインターゲットに、「駐在妻が気軽に集まり、出会い、思いを共有できる仲間を作る場」を目的として開設しました。
世界各地の生活や、海外出産・海外子育て・教育に関する情報の提供、キャリア(人生経験)を豊かにするための刺激となるような「駐在妻体験談」やインタビューの掲載に加え、様々なテーマで世界各地の駐在妻とおしゃべりができる「オンラインカフェ(交流会)」を開催しています。
サイトの運営には代表の飯沼ミチエはじめ、世界11か国に住む約30人のメンバーが携わっています。
▶『駐妻café』サイトURL:https://cz-cafe.com/
■報道関係者の皆様へ 取材のお願い
グローバルライフデザインの事業の一つである『駐妻café』は 世界各地のプレ駐在妻・現役駐在妻・駐在妻経験者約30人が集まって運営しています。『駐妻café』運営メンバーも海外育児の当事者です。
世界各地からの海外育児のリアルな声を集めることが、駐在員家族の育児の悩みの解決につながると考え、今回のアンケート調査活動を実施しました。ぜひ、本件について取材いただければと思います。
<本件に関する報道関係者のお問い合わせ先>
グローバルライフデザイン 広報担当
E-mail:press@cz-cafe.com
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