株式会社ALE、宇宙デブリの拡散防止に貢献する装置の開発に着手

―JAXAと新規事業創出に向けたパートナーシップを締結―

 世界初の人工衛星による人工流れ星の実現をめざす民間宇宙ベンチャー、株式会社ALE(東京都港区、代表取締役:岡島礼奈、以下、ALE)は、国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)の共創型研究開発プログラム「宇宙イノベーションパートナーシップ※1(以下、J-SPARC)」の枠組みのもと、宇宙デブリの拡散防止を通じて持続可能な宇宙開発に貢献する装置を開発し、その装置を活用する事業に向けた、コンセプト共創活動を開始したことをお知らせします。

導電性テザー(EDT)導電性テザー(EDT)



■活動概要

昨今の活発な宇宙開発により宇宙空間での飛行物体が増えると、近い将来これらの物体同士が衝突することで宇宙デブリが自己増殖する事象が起こり得ると言われています。この度、ALEとJAXAがパートナーシップを結び、小型衛星PMD(運用終了後の軌道離脱)を目的とした導電性テザー(Electro Dynamic Tether、以下、EDT)を用いた装置の開発に着手しました。併せて、当該装置による新規事業の創出に向けた活動を行います。

ALEは本装置の開発にあたり、EDTに関して豊富な研究開発実績を有するJAXAとパートナーシップを結ぶことで、開発のスピードを上げると共に、事業の早期実現が可能になると期待しております。

またALEは、EDTの知見を有する神奈川工科大学との産学連携によって、軌道上におけるEDT展開時および軌道降下中における長尺物体の力学的挙動解析を共同研究します。

各組織の役割は、主に以下のようになっております。
 

各組織の役割各組織の役割

 

 

■活動開始の背景

現在、宇宙空間に飛行物体が増えた結果、近い将来これらの物体同士が衝突することによって宇宙デブリが自己増殖する事象(ケスラーシンドローム)が起こり得ると言われています。

その背景として、近年、人工衛星の小型化・低価格化に加え、高度2,000km以下の軌道への打ち上げコストの低下により、低軌道の宇宙開発がますます注目されていることが挙げられます。低軌道における人工衛星はコストを削減するため静止軌道にあるような大型衛星と比較すると短寿命の設計となっており、今後打ち上げの頻度も高くなっていくことが予想されます。また軌道を変更する能力が無い人工衛星が多く、それらはミッション終了後に、自然に地球大気に突入するまで宇宙空間に残存する事になります。さらに、人工衛星を軌道に投入した後のロケットの上段等も、同様に宇宙空間に残存しています。これらの物体が地球大気に突入するまでの期間は、短いもので数年、長いものでは数百年となってしまうため、物体同士が衝突する確率が年々増加しています。

 

■導電性テザーについて

今回、ALEとJAXAがパートナーシップを結び、この宇宙デブリ問題を解決する小型軽量な導電性テザー(Electrodynamic Tether、以下、EDT)方式の装置による、新規事業の創出に向けた活動を開始いたしました。本装置はEDTと呼ばれる長い紐を宇宙空間で展開し、地球の磁場を使って人工衛星の軌道を変更する軽量な装置であり、JAXAが豊富な研究開発実績を有しています。

本装置を人工衛星に搭載することで、ミッション終了後に軌道を降下させ、人工衛星を地球大気に突入させることが可能です。その際、軌道降下に地球磁場を利用するため、例え衛星本体の電源系統が故障していても受動的な軌道降下が可能であり、衛星本体のデブリ化を防止できます。これから打ち上げられる小型人工衛星に予め本装置を搭載することで、宇宙空間に残存する運用終了後の衛星ないし故障した衛星の数を減らすことが出来ます。また、小型ロケットにも本EDT方式の装置を搭載することで打ち上げ後の軌道上残存物を減らすことが出来ます。

これらの事業開発の結果として、宇宙空間がより安全な経済活動の場となり、宇宙開発がよりサステイナブルになると期待されます。

 

■サステイナブルな宇宙開発へ向けたALEの取り組み

今回の共同の事業創出活動により、小型軽量EDTによる装置を実現する事が出来れば、小型衛星が頻繁に投入される高度500km~900kmから衛星高度を下げることが可能となります。そのため、この新しい装置によって、小型衛星の活用可能性がさらに広がると同時に、宇宙デブリの拡散防止にも繋がります。その結果として宇宙産業の発展が加速されると期待しております。

さらに、カーボンナノチューブ電子源※2等の電子放出源を本EDTに組み込むことで、高度低下に要する期間を大きく短縮することができ、極低軌道(高度400km以下)で衛星高度維持を長期化できる可能性もあり、その結果としてk低軌道衛星の活用用途がさらに期待されると考えられます。

ALEではEDTの他にも、大気抵抗によって軌道降下を行う膜展開機構(De-Orbit Mechanism 以下、DOM®※3)を東北大学および中島田鉄工所と共同開発しており、自社の人工衛星の軌道高度を大きく下げることに活用しています。このDOMにおいても、EDTと同様に人工衛星を大気圏に突入させ、安全に処理することが可能です。

ALEは、宇宙デブリ拡散防止と衛星寿命長期化の両面でサステイナブルな宇宙開発へ向けた取り組みを行っていきます。


※1:J-SPARC(JAXA Space Innovation through Partnership and Co-creation)は、宇宙ビジネスを目指す民間事業者等とJAXAとの対話から始まり、事業化に向けた双方のコミットメントを得て、共同で事業コンセプト検討や出口志向の技術開発・実証等を行い、新たな発想の宇宙関連事業の創出を目指す新しい共創型研究開発プログラムです。

※2:カーボンナノチューブを電解放出エミッタとして用いた電子放出デバイス。本EDTへの搭載を検討している。

※3:DOM®は中島田鉄工所の登録商標です。

 
【株式会社ALEについて】
ALEのミッションは、「科学を社会につなぎ 宇宙を文化圏にする」というものです。ALEは私たち人類の持つ無限の好奇心を、技術によって実現していくことを通じて科学および宇宙事業を発展させ、人類の生活をより豊かにすることをビジョンとしています。

社名:株式会社ALE(エール)
本社住所:東京都港区赤坂2-21-1 川本ビル2階
代表者:代表取締役/CEO 岡島礼奈
設立:2011年9月1日
事業内容:人工流れ星による宇宙エンターテインメント事業「Sky Canvas」および、人工衛星技術の研究開発
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