復興庁による外国人旅行者の誘客促進プロジェクト「新しい東北」交流拡大モデル事業スポーツコンテンツを打ち出したモニターツアーを催行

2020年までに東北6県の外国人延べ宿泊者数“150万人”を目指す

 復興庁が取組を進める「新しい東北」交流拡大モデル事業では、東北への外国人旅行者の誘客を促進するため、観光先進地を目指す民間の新たな試みを支援しています。その取組のひとつとして、スポーツコンテンツをテーマにした事業を進めており、2020年1月6日~1月9日に「ソウル市教員団体総連合会日本復興庁モニターツアー」を催行いたしました。


■「新しい東北」とは
震災復興の最終目標は「まちのにぎわい」を取り戻すことです。インフラや住宅等(ハード)の復旧が進みつつある中、「まちのにぎわい」を取り戻すためは、「人々の活動(ソフト)」の復興が必要です。

被災地では、人口減少や高齢化、産業の空洞化といった、日本全国の「地域」が抱える課題が特に顕著です。併せて、震災復興に取り組む地域に特有の課題もあります。

復興庁では、各地域において、各々の課題を解決し、自律的で持続的な地域社会を目指す取組を「新しい東北」と呼んでいます。被災地自治体、民間企業、大学、NPOなどの多様な主体が、まちのにぎわいを取り戻すために、これまでの手法や発想にとらわれない新しい挑戦に取り組んでおり、復興庁としても、多様な主体間での情報共有の場を提供するなど、様々な支援等を実施しています。

■復興庁 「新しい東北」交流拡大モデル事業とは・・・
復興・創生期間に入り、復興の新たなステージを迎えつつある東北では、インフラや住宅等の復旧は一定程度進 みつつあり、今後は産業・生業の再生を重点的に進めていくごとが必要です。

観光業は地域全体に影響を与える裾野の広い産業であり、観光復興が東北の産業・生業再生の柱になることが期待されています。

しかしながら、東北地方の観光産業は全国的なインバウンド急増の流れからいまだ遅れをとっており、観光復興は道半ばとなっています。

東北の観光復興のためには、正確な情報発信だけではなく、個々の外国人が実際に東北を訪れ、体験してもらい、東北の魅力を拡散させることで、東北6県への外国人(国内在住者を含む)旅行者を増やし、交流人口を拡大させる必要があります。

「新しい東北」交流拡大モデル事業は、今年度で4年目を迎え、過去の成果や課題を踏まえ、モデルの普及、展開を図ることで東北6県の事業者自らが、モデルやノウハウを発展・改良しながら、旅行商品等をさらに磨き上げ、海外マーケットで販売することで市場の評価を通した実証を行い、東北における持続的な外国人交流人口の拡大を図ることを目指しています。

■東北観光復興の成果や課題
政府は、2020年までに東北6県の外国人延べ宿泊者数を「150万人泊」とする目標に向けて、2016年を「東北観光復興元年」と位置付け、海外主要市場向けのプロモーションや地方公共団体のインバウンドを呼び込む取組支援等の観光復興を推進しています。

2016年の「東北観光復興元年」以降、東北6県の外国人延べ宿泊者数は全国を上回る伸び率で堅調に推移しており、震災前の水準を大幅に上回っています。今後の課題としては、東北において、FIT*1向けの外国人旅行者に、着地型商品*2を造成・販売する事業者がまだ少ないことが挙げられます。
*1 ツアーなどを活用しない個人の海外旅行者
*2 現地発の旅行商品開発

■ 交流拡大モデル事業でスポーツコンテンツを打ち出した背景
福島県・宮城県・山形県には豊富な自然を生かしたスポーツコンテンツ、アクティビティ施設が多数存在しています。しかし、二次交通や風評等の課題があり、近年の外国人観光客のスポーツツーリズムへの関心の高まりにも関わらず、チャンスを活かしきれていない状態でした。

そこで、本事業においては、スポーツコンテンツを3つに分類し、東北の豊かな食・温泉などの地域資源と組み合わせたパッケージツアー造成を図っています。

①新規開拓領域・・・エビスサーキットドリフトタクシー(福島)、東北クエストジャンプ体験(宮城)、
猪苗代SUP(福島)など、まだあまり知られていない魅力的なコンテンツ
②リバイバル領域・・かつて韓国人を中心に多くの訪日外国人を受け入れていたゴルフ
③伸張領域・・・・・サイクリング、トレッキング、スキーなど、現在進行形で外国人に人気のあるコンテンツ

■ 2020年1月6日~1月9日に催行されたモニターツアーの様子(一部抜粋)
スポット①・・・スカイピア安達太良アクティブパーク(SAAP)(http://skypia-adatara-activepark.jp/
SAAPは、二本松市が地方創生拠点整備交付金事業を活用し、体育館を改修して完成。スケートボード2部門(ストリート、バーチカル)や屋内施設では日本で唯一スポーツクライミング3部門(ボルダリング、リード、スピード)が体験できる設備が整っているほか、スラックラインも体験できます。韓国のスケートボードのナショナルチームが日本合宿の練習場として使用するなど、天候に左右されず、屋内でも技を練習できる施設として注目が集まっています。利用者層は子供から大人までと幅広く、地元民はもちろん、外国人観光客にも利用されています。

【本ツアーに組み込んだ理由】
旅行者も利用可能な、韓国にはない新しいスタイルの体験型スポーツ施設であり、季節や天候を問わずスポーツを楽しめる場所であることから、教育旅行先としても検討できると考えました。

自らスポーツクライミングの体験をしたり、教育旅行の検討を前提とした質問を施設の人に投げかけたり、施設を利用している地元の子どもたちにも積極的に質問をしていました。
スラックライン ジュニア全日本二位の実力をもつ子供の練習風景も見学。参加者の中にはスラックラインを始めて見るという方もおり、「韓国ではあまり普及していない為、大変良い視察になった」と話していました。

スポット②・・・五色沼トレッキング(https://www.urabandai-inf.com/?page_id=141
五色沼は、五色沼湖沼群と呼ばれる毘沙門沼・赤沼・みどろ沼・竜沼・弁天沼・るり沼・青沼・柳沼などから成る湖沼の総称で、周囲を巡るトレッキングが楽しめます。

【本ツアーに組み込んだ理由】
韓国人にとってトレッキングは人気が高く、とても身近なスポーツです。五色沼は、訪れる季節や天候により湖面のブルーが異なるなど、美しい自然を感じながら手軽にトレッキングを楽しむことができ、「何度も訪れたくなる場所」になりうると考えました。

【モニターツアー参加者の様子】
トレッキングを楽しむ傍ら、五色沼の写真を幾度となく撮影され、「美しい場所でトレッキングを楽しめるのは魅力」との声が聞かれました。

 

スポット③・・・みやぎ蔵王樹氷めぐり(http://www.zao-sumikawa.jp/winter/juhyo.html

樹氷めぐりツアーでは、雪上車で標高1600メートル以上の樹氷原まで登り、樹氷を見学。スノーモンスターとも呼ばれる雲のようにモコモコと大きく育った樹氷のそばまで近寄ることができます。

【本ツアーに組み込んだ理由】
韓国では樹氷を見ることができません。東北地方の限られた場所でしか見ることのできない樹氷は、東北ならではの自然による造形物であり、韓国の方々への強いアピールになります。また、今回のツアーで訪れたすみかわスノーパークは、樹氷めぐりの他にスキーやスノーボードも楽しめるなど、教育旅行への活用もしやすくなっています。

【モニターツアー参加者の様子】
今回のツアーでは、樹氷が形成される初期段階であり、スノーモンスターを見ることは叶いませんでしたが、雪と戯れ、標高の高い山からの雪化粧をした山々の美しい景観を楽しんでいました。

温泉や冬の味覚 東北の魅力満載のツアー

スポーツで疲れた体を癒す温泉(岳温泉、遠刈田温泉)。SAAP、すみかわスノーパークにアクセスしやすい環境にあり、日中スポーツアクティビティで流した汗を洗い、疲れを癒してくれる隠れた名湯です。
また、東北ならではの海の幸、山の幸に舌鼓を打つのも旅の魅力の一つ。

モニターツアー行程表
2020年1月6日(月):仙台空港~村田町歴史みらい館、町蔵見学~スカイピア安達太良アクティブパーク視察~
岳温泉郷(陽日の郷あづま館温泉宿泊)
1月7日(火):五色沼トレッキング~飯坂温泉観光(中野不動尊)~宮城遠刈田温泉~蔵王酪農センター
1月8日(水):みやぎ蔵王樹氷めぐり~仙台市内、青葉城址見学~(ホテルモントレ仙台宿泊)
1月9日(木):日本三景絶景の松島観光~仙台空港

モニターツアー参加者: ソウル市教員団体総連合会 10名 

■ モニターツアー参加者の声
【今回のモニターツアーに参加した理由】
今回は教育旅行先の選定にあたり、参考のために視察でモニターツアーに参加しました。
政府間の関係は複雑ですが、私たち一般人はそんなことはありません。一番近い国だからこそ仲良くすべきだと考えていますし、親切なところが日本の良さだと思っています。


【モニターツアーに参加した感想】
日本に来るといつも感じることですが、みんな親切で、街がきれい。気持ちよく過ごせる場所です。私は体育教師ですので、とくにスポーツ施設には高い関心を持っています。実際、スポーツ施設は韓国よりも日本の方が充実しているように思います。視察で訪れたSAAPについては宿泊施設が近いのもスポーツ合宿には利点だと感じました。スケートボードやスポーツクライミングは韓国にもありますが、SAAPのような子どもたちが楽しく遊べる施設があると良いなと関心しました。

LEE,JAW WANさん(韓国教員団体総連合会 理事)
ハンドボールの国家選手でもあった現役の体育教師。日本には100回以上は訪れている。

■本ツアーのポイント/モニターツアー参加者に韓国の方を選んだ理由
韓国から多くの人が訪れる旅行先は東京・名古屋・九州で、東北の魅力はまだあまり知られていません。

だからこそ、東北の大きな価値である「自然の美しさ」「スポーツ環境の充実」「温泉」「食べ物」を打ち出すことで、東北にしかない魅力を伝えられるようなツアーを企画いたしました。

また、今回のツアー参加者はソウル市教員団体総連合会の方々です。スポーツを通した親密な文化交流の機会を提供することで、修学旅行やスポーツ合宿等の教育旅行に選択いただくことも目指しています。

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