自宅で事前問診可能な「AI受診相談ユビー新型コロナウイルス版」を無償提供開始

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大による医療崩壊の危機への対抗策

設立準備中の「一般社団法人日本医療受診支援研究機構」有志は、医療崩壊の危機に対抗するため、Ubie株式会社が開発した患者向け事前問診サービス「AI受診相談ユビー新型コロナウイルス版」( https://ubie.app/ )を2020年4月28日より緊急提供開始します。


■提供開始の背景

  • 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大による「医療崩壊」の危機

 2019年末から発生した新型コロナウイルス(COVID-19)は世界中に感染が拡大し、甚大な被害をもたらしています。日本においても、4月27日時点で感染者は13,441例、死亡者は372人と現在も日々その数は増加し続けており、医療機関の受入可能範囲を超えて患者を受け入れられなくなる「医療崩壊」も現実のものとして迫っています。この危機的状況を回避するため、医療従事者をはじめとした最前線の現場で働く方々の献身によって支えられている医療体制のサポートが喫緊の課題です。
 

  • 適切な来院前の確認による院内感染防止の必要

 特に「医療崩壊」を引き起こす恐れがあるのが、院内感染による医療機能の低下です。自覚症状の有無にかかわらず、感染者が電話等による事前確認を経ずに来院した結果、医療機関での感染が拡大する事例が国内外問わず見られます。感染疑いの事前確認により、医療従事者が可能な限り感染を予防して患者を診察できる体制づくりが大切です。
 

  • 事前相談による生活者の適切な受診行動支援の必要

 不安に苛まれる生活者の受診行動にこそ積極的な支援が必要です。体調が悪いとき、そして不安なときに生活者は受診を考えます。現在のコロナ禍においては、平時以上に多くの生活者が、適切な医療へのアクセス方法やそのタイミングが分からずにいます。そのため、症状の軽重にかかわらず大病院にかかったり、緊急性を加味せずに救急車を呼んだり、もしくは本来であればすぐに医療機関を受診すべき方がタイミングを逸して重症化や感染拡大する例が多発しています。これは、新型コロナウイルス感染症以外でも共通する課題となっていました。

 そこで、自宅等での事前問診による生活者への適切な受診行動の支援によって、緊急度が比較的高くない患者は日中にかかりつけ医等に事前電話相談をして受診するなど、現在も逼迫している救急・大病院のリソースの適切な配分が不可欠です。

■「AI受診相談ユビー新型コロナウイルス版」について

  • 生活者の適切な受診行動を支援

 上述の背景を踏まえ、設立に向けて準備中であった「一般社団法人日本医療受診支援研究機構」有志で「医療崩壊」を阻止してコロナ禍を乗り越えるべく対抗策を検討しました。メンバーは、独立行政法人労働者健康安全機構理事長の有賀徹を代表とし、医療法人社団つくし会新田クリニック理事長の新田國夫、知ろう小児医療守ろう子ども達の会代表理事の阿真京子、戸田中央医科グループ災害対策特別顧問の野口英一、Ubie株式会社共同代表・医師の阿部吉倫の5名です。

 この有志団体によって、コロナ禍における生活者の適切な受診行動を支援する対抗策を考案しました。そこで、有志の一人である阿部が代表を務めるUbie株式会社が研究・開発していたAI問診システムによる「AI受診相談ユビー新型コロナウイルス版」を無償にて緊急提供します。
 

  • 適切な受診先につなぎ生活者の不安を和らげる新たな“相談窓口”

 「AI受診相談ユビー新型コロナウイルス版」は、スマートフォンやパソコンで質問に回答することで適切な受診行動を支援するサービスです。従来は気になる症状があった際、インターネット検索などを通じて生活者自ら受診行動を決定していました。しかし、情報元の信頼性が担保できていなかったり自覚症状を見誤ったりしてしまうことで、適切な受診行動がとりづらい課題があります。

 そこで、41都道府県約200医療機関で導入・活用されている「AI問診Ubie」を応用して本サービスを開発しました。元となっているシステムは、約5万件の医学論文から抽出したデータに基づき構築されており、回答に合わせて約3500種類の質問データからAIが適した項目を選び出します。この医療機関での運用実績も豊富なシステムにより、かかりつけ医や公的機関等への連絡など適切な受診行動に案内して生活者の不安を和らげる、新たな“相談窓口”として機能することが期待できます。
 

■「AI受診相談ユビー新型コロナウイルス版」使用方法

 

  • スマートフォンやパソコンで20問前後の質問に回答

 年齢・生物学的性別などの基本情報に加えて、主訴(伝えたい症状のうち最も主要なもの)を回答すると、AIが個別化した質問が出てきます。自身の症状に合わせて20問前後に回答すると聴取が完了します。
 

  • 病名辞書より複数表示される参考病名の代表例の確認

 生活者が入力した回答内容に応じて、病名辞書の中から該当する参考病名の代表例が複数表示されます。これは詳細な情報を予め参考にした早期の対処により、受診の遅れを防ぐことを目的としています。
 

  • 提示される相談先情報に応じた受診行動の検討

 最後に、回答内容に応じた相談先を提示します。かかりつけ医等地域の医療機関への受診前電話相談、厚生労働省や#7119等の公的機関の電話相談窓口、対応する診療科等回答内容によって情報が切り替わります。生活者はその情報を参照の上で受診行動を検討できます。なお、新型コロナウイルス感染症の症状に該当する回答がされた場合はアラートを表示。院内感染の拡大を防止するため、地域のかかりつけ医に通院前の電話等での相談を促すほか、厚生労働省等の公的な電話相談窓口へ案内します。

■今後の展開

  • 利用実態に鑑みたサービス改善

 多くの生活者に利用されて集まった声やデータの分析や医療機関等からのフィードバックをもとに、実態に即したサービス改善をつづけてまいります。
 

  • 医療機関のニーズに応じた機能拡張

 医療機関との連携を深め、現場のニーズに応じて機能拡張を検討します。具体的には「AI受診相談ユビー」での事前問診内容を医療機関に共有できるシステム構築などを、速やかに進めてまいります。


 すでに目黒みらい内科クリニック(東京都)では、ホームページ上からの事前問診内容を共有できるシステムを試験的に導入しています。当クリニックからは、来院前に問診が終わるため患者の負担や滞在時間が減って院内感染のリスクを抑えられているほか、現場での業務負担軽減により診察など対面のコミュニケーションに集中できるようになったというご報告をいただいております。

【AI受診相談ユビー概要】
 「AI受診相談ユビ―」は症状から適切な医療への案内をサポートするサービスです。生活者は自宅等で症状等を入力することで、適切な受診先・タイミングを調べることができます。かかりつけ医等地域の医療機関や、#7119等の救急車対応、厚生労働省等の公的な電話相談窓口への適切な受診行動を支援します。

URL:https://ubie.app/

【本サービス提供における有志よりコメント】
独立行政法人 労働者健康安全機構 理事長
有賀 徹

一般の方々が医療に掛かりたい時に、または病院で待っている間に電子媒体の上(スマホやタブレットなど)で相談できる方法があります。そのようなツールに係る企業などで構成する「日本医療受診支援研究機構」設立準備の丁度その折に、新型コロナウィルス感染症による国難が生じました。そこで、準備中の仲間が結集した「コロナ禍有志連合」は感染の不安を抱く皆々様に「AI受診相談ユビー新型コロナウイルス版」を無償で提供すると決定しました。

医療法人社団つくし会新田クリニック理事長
新田 國夫

自宅、グループホーム、有料老人ホーム、サ高住等において要介護者の在宅療養者は病院の入院患者よりも多数の方が生活しています。新型コロナ感染症は生活されている多くの高齢者の中にも存在します。多くの高齢者は認知症であり、重度要介護者も含まれます。新型コロナ感染症の発症時どこで見るのでしょう。在宅隔離、施設内隔離も真剣に検討しています。

知ろう小児医療守ろう子ども達の会 代表理事
阿真 京子

軽症だから重症だからではなく、体調が悪いとき、そして不安なときに受診を考えるのが市民です。
けれども、また同時に今回の新型コロナウイルスにおける医療機関の疲弊、過酷さを思うときに、その両者を支えるひとつの大きな助けとなるものが必要だと思い、この取り組みを進めてまいります。

戸田中央医科グループ 災害対策特別顧問
野口 英一

まさに国難の状況です。多様な社会資源結集で、国民の適切な受診行動を促し医療労働環境の改善で良質な医療提供実現を目的とする設立準備中の「(一社) 日本医療受診支援研究機構」の緊急措置とて有志連合を結成、「AI受診相談ユビ―」活用によるコロナ禍医療崩壊阻止を目指します。

Ubie株式会社 共同代表 医師
阿部 吉倫

このコロナ禍において、最前線で戦っていらっしゃる医療従事者の皆さまに心より感謝いたします。志を同じくする一人の医師として、私自身も多くの尊い命を守り、そして医療を守るために何か力になれないかと考え続けてきました。それが、この「AI受診相談ユビー」提供の動機です。
医療現場の皆さまと共に育ててきたAI問診の技術を活かし、現在もなお不安に苛まれる生活者の皆さまを最適な医療に案内するべく支援したい。それにより、感染防御が困難な地域の開業医の皆さまや、多数の患者が押し寄せる病院での感染のリスクを減じ、医療崩壊を防ぐ一助となるべく邁進してまいります。

【一般社団法人 日本医療受診支援研究機構(設立準備中)について】
 本法人は、一般社団法人日本医療受診支援研究機構と称し、英文ではJapan Patient Support Research Organizationと表記し、JPSOと略します。多様な社会資源を結集し、人々が、いつでも必要な医療に到達し健康を一層推進できるとともに、医療者の労働環境を改善し、良質な医療提供を実現できる体制等を研究・開発することで、人々の積極的な社会的活躍を実現し社会公共の福祉に寄与してまいります。

URL:https://jpso-org.studio.design/

【Ubie株式会社について】
 「テクノロジーで人々を適切な医療に案内する」ことを目指し、医師とエンジニアが2017年5月に創業したヘルステックスタートアップです。AIをコア技術とし、医療現場の業務効率化を図るAI問診プロダクト「AI問診Ubie」を開発・提供。医療情報格差をなくし、誰もが自分にあった医療にアクセスできる社会づくりを進めてまいります。

所在地  :〒103-0022  東京都中央区日本橋室町1-5-3 福島ビル6階
設立   :2017年5月
資本金  :10.3億円(資本準備金含む)
代表者  :共同代表取締役 阿部 吉倫・久保 恒太
URL     :https://ubie.life

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会社概要

URL
https://jpso-org.studio.design/
業種
医療・福祉
本社所在地
東京都世田谷区祖師谷6-32-16
電話番号
03-6365-1583
代表者名
有賀 徹
上場
未上場
資本金
-
設立
2020年04月