【日本組織内司法書士協会】企業に勤める“司法書士(有資格者)”の働き方
「会員アンケート調査結果 第2弾」組織内司法書士活躍できる職種
企業や官庁ではコーポレートガバナンスへの注目度の高まりやコンプライアンスの重視などを背景に、法務人材の需要は増えており、この分野で確かな知識のある人材は不足している状況です。
このような状況下、司法書士資格を持つ方々が企業や官庁の法務分野で活躍するようになるのは自然な流れであるようにも思えますが、まだ数としてそう多くはなく、登録者は更に少ない状況です。
原因としては、まず司法書士の能力がまだあまり知られておらず、企業等が司法書士を会社で活躍する法務人材であると認識する機会がないこと、さらに司法書士側も、前例が少ない中、企業等で司法書士資格を生かして働くイメージが湧いていないことが考えられます。
私たち組織内司法書士協会に所属するメンバーは、現に組織内で働く司法書士資格者(及び登録者)であり、我々がどのように企業等においてどのように働き、また企業等からどう評価されているのかを知っていただくことで、司法書士資格者の方々の選択肢が広がるものと考え、アンケートを実施しました。
このような状況下、司法書士資格を持つ方々が企業や官庁の法務分野で活躍するようになるのは自然な流れであるようにも思えますが、まだ数としてそう多くはなく、登録者は更に少ない状況です。
原因としては、まず司法書士の能力がまだあまり知られておらず、企業等が司法書士を会社で活躍する法務人材であると認識する機会がないこと、さらに司法書士側も、前例が少ない中、企業等で司法書士資格を生かして働くイメージが湧いていないことが考えられます。
私たち組織内司法書士協会に所属するメンバーは、現に組織内で働く司法書士資格者(及び登録者)であり、我々がどのように企業等においてどのように働き、また企業等からどう評価されているのかを知っていただくことで、司法書士資格者の方々の選択肢が広がるものと考え、アンケートを実施しました。
■調査方法
当協会では、企業や官庁等の組織において活躍する司法書士の活動実態をより深く理解して頂くために、司法書士の資格を有し、実際に様々な業種や職種に関わる当協会の会員を対象に、2019年にアンケート調査を行い、正会員80名のうち、60名から回答を得ました。
アンケート調査結果の第2弾として、組織内司法書士が活躍している職種についてご紹介します。司法書士の資格や知識を活かせることは、仕事のやりがいにつながります。実際に企業で働いている司法書士は組織内でどういった担当業務に就いているのか、また当該企業を選んだ理由、持っている司法書士の資格をどの程度業務に活かせているか、といった点についてまとめました。
■所属組織内の担当業務
・グラフ(所属組織内の担当業務)
これは、企業・組織の面談を受ける際、司法書士としての専門性を活かせることを前提条件とする人が多いためと推察されます。また、企業の側も、司法書士資格をもつ人材には法務に関係する仕事についてほしいと希望するからでしょう。
当該組織が行っているビジネスや活動に興味・関心があれば、組織内司法書士として働くという選択肢は、収入や安定性の面だけではなく、専門性を活かせる場としても魅力的であるといえます。
他方、残り3割強の会員が、法務とは直接関係のない業務に就いています。法務部門以外の職種と回答した会員のうち、具体的な業務内容としては、「総務・経理」が2件のほか、「コンプライアンス」が挙げられていました。コンプライアンスに関しては、大きな意味では法務の知識を活かせる現場といってよいでしょう。
※なお、このアンケートは回答数60名という限られた人数であるため、社会全体における組織内で働く司法書士の傾向とは異なる結果となる可能性があります。どうぞご了承ください。
■現在の所属組織で勤務している理由
・グラフ(現在の所属組織で勤務している理由)
勤務の理由として最も多かったのが「業務のやりがい(48.3%)」で、5割近い会員がやりがいを理由に勤務を続けています。また、「法務専門部門」「法務を含む管理部門」で働いている人の多くが、業務にやりがいを感じていることもわかりました。やはり、法律職の専門家としての知識や資格を活用できる環境であることが、仕事のやりがいにもつながっているようです。
他方、前出の質問で法務以外の部門と答えた人は、やりがいを理由とする人も多かった一方で、「給与等の待遇の良さ」「勤務時間の短さ」といった勤務条件面でのファクターを理由に挙げる傾向がありました。直接専門性と関係がなくとも、勤務条件によっては組織内で働くことを選ぶ会員が一定数いることもわかります。
それでは、組織内で働く理由としては、ほかにどのような意見があったのでしょうか。
・少数回答一覧(現在の所属組織で勤務している理由)
また、福利厚生や安定性といった、個人事務所ではなく企業に勤めるがゆえのメリットも挙げられていました。個人事務所は勤務条件面で融通が利く分、報酬や福利厚生の面で不安定になりがちです。こうした短所を補いつつも、知識を活かした働き方ができることが、企業に勤めることの良さといえます。
■司法書士の知識を活かせているか、評価されていると思うか
・グラフ(司法書士の知識を活かせているか)
「活かせている」が61.7%と最も多く、「多少は活かせている」と答えた18.3%をあわせると、全体の8割が、司法書士の知識を活かしながら現場で働いていることが分かりました。
・グラフ(所属組織から司法書士の保有を評価されていると思うか)
その一方で、「どちらとも言えない(8.3%)」「あまり評価されていない(18.3%)」「全く評価されていない(8.3%)」を合わせると、35%の会員が、企業から資格を評価されている実感がないと答えています。
80%の会員が知識を活かしながら働いている一方で、資格を評価されていると感じる人が65%にとどまり、15%の溝が生じる結果となりました。特に、「あまり評価されていない(18.3%)」「全く評価されていない(8.3%)」が合わせて26.6%となり、アンケート回答者の約4分の1が「評価されていない」と感じていることは注目に値します。
企業・組織側には、司法書士資格を活かした活躍の場を提供し、かつ、資格があることを正当に評価する姿勢が求められていることがわかりました。今後、組織内司法書士が増えるうえでの課題となりそうです。
■現在の業務内容に対する満足度
・グラフ(現在の業務内容に対する満足度)
その一方で「やや不満」と答えた人は25%にのぼりました。「不満(5.0%)」を合わせると、3割の会員が現在の業務内容に満足していないことがわかります。
「大変満足」と特に高い評価をした人と、「不満」と特に低い評価をした人については、職場からの資格の評価と業務内容の満足度に関連性があることが分かっています。「大変満足」と回答した人のなかに、司法書士資格を「評価されていない」と答えた人はいませんでした。一方で、「不満」と答えた人は、全員が資格を「評価されていない」と答えています。やはり、努力の末勝ち取った資格が評価されない現場にいることが、不満の原因となっているようです。
組織内司法書士という働き方を選ぶことは、有資格者にとっては仕事のやりがいだけではなく、安定性の意味でも多くのメリットがあります。その一方で、司法書士資格を活かせ、資格を正しく評価してくれる組織を選ぶことが、良い仕事を得るうえで大切だという結果となりました。
■ 日本組織内司法書士協会 概要
設立:2013年8月24日
会長:早川将和
出版物:「司法書士目線で答える会社の法務実務」(出版社:日本加除出版)
当協会URL:https://www.inhouseshihoshoshi.com/
当協会では、企業や官庁等の組織において活躍する司法書士の活動実態をより深く理解して頂くために、司法書士の資格を有し、実際に様々な業種や職種に関わる当協会の会員を対象に、2019年にアンケート調査を行い、正会員80名のうち、60名から回答を得ました。
アンケート調査結果の第2弾として、組織内司法書士が活躍している職種についてご紹介します。司法書士の資格や知識を活かせることは、仕事のやりがいにつながります。実際に企業で働いている司法書士は組織内でどういった担当業務に就いているのか、また当該企業を選んだ理由、持っている司法書士の資格をどの程度業務に活かせているか、といった点についてまとめました。
■所属組織内の担当業務
・グラフ(所属組織内の担当業務)
これは、企業・組織の面談を受ける際、司法書士としての専門性を活かせることを前提条件とする人が多いためと推察されます。また、企業の側も、司法書士資格をもつ人材には法務に関係する仕事についてほしいと希望するからでしょう。
当該組織が行っているビジネスや活動に興味・関心があれば、組織内司法書士として働くという選択肢は、収入や安定性の面だけではなく、専門性を活かせる場としても魅力的であるといえます。
他方、残り3割強の会員が、法務とは直接関係のない業務に就いています。法務部門以外の職種と回答した会員のうち、具体的な業務内容としては、「総務・経理」が2件のほか、「コンプライアンス」が挙げられていました。コンプライアンスに関しては、大きな意味では法務の知識を活かせる現場といってよいでしょう。
※なお、このアンケートは回答数60名という限られた人数であるため、社会全体における組織内で働く司法書士の傾向とは異なる結果となる可能性があります。どうぞご了承ください。
■現在の所属組織で勤務している理由
・グラフ(現在の所属組織で勤務している理由)
勤務の理由として最も多かったのが「業務のやりがい(48.3%)」で、5割近い会員がやりがいを理由に勤務を続けています。また、「法務専門部門」「法務を含む管理部門」で働いている人の多くが、業務にやりがいを感じていることもわかりました。やはり、法律職の専門家としての知識や資格を活用できる環境であることが、仕事のやりがいにもつながっているようです。
他方、前出の質問で法務以外の部門と答えた人は、やりがいを理由とする人も多かった一方で、「給与等の待遇の良さ」「勤務時間の短さ」といった勤務条件面でのファクターを理由に挙げる傾向がありました。直接専門性と関係がなくとも、勤務条件によっては組織内で働くことを選ぶ会員が一定数いることもわかります。
それでは、組織内で働く理由としては、ほかにどのような意見があったのでしょうか。
・少数回答一覧(現在の所属組織で勤務している理由)
また、福利厚生や安定性といった、個人事務所ではなく企業に勤めるがゆえのメリットも挙げられていました。個人事務所は勤務条件面で融通が利く分、報酬や福利厚生の面で不安定になりがちです。こうした短所を補いつつも、知識を活かした働き方ができることが、企業に勤めることの良さといえます。
■司法書士の知識を活かせているか、評価されていると思うか
・グラフ(司法書士の知識を活かせているか)
「活かせている」が61.7%と最も多く、「多少は活かせている」と答えた18.3%をあわせると、全体の8割が、司法書士の知識を活かしながら現場で働いていることが分かりました。
・グラフ(所属組織から司法書士の保有を評価されていると思うか)
その一方で、「どちらとも言えない(8.3%)」「あまり評価されていない(18.3%)」「全く評価されていない(8.3%)」を合わせると、35%の会員が、企業から資格を評価されている実感がないと答えています。
80%の会員が知識を活かしながら働いている一方で、資格を評価されていると感じる人が65%にとどまり、15%の溝が生じる結果となりました。特に、「あまり評価されていない(18.3%)」「全く評価されていない(8.3%)」が合わせて26.6%となり、アンケート回答者の約4分の1が「評価されていない」と感じていることは注目に値します。
企業・組織側には、司法書士資格を活かした活躍の場を提供し、かつ、資格があることを正当に評価する姿勢が求められていることがわかりました。今後、組織内司法書士が増えるうえでの課題となりそうです。
■現在の業務内容に対する満足度
・グラフ(現在の業務内容に対する満足度)
その一方で「やや不満」と答えた人は25%にのぼりました。「不満(5.0%)」を合わせると、3割の会員が現在の業務内容に満足していないことがわかります。
「大変満足」と特に高い評価をした人と、「不満」と特に低い評価をした人については、職場からの資格の評価と業務内容の満足度に関連性があることが分かっています。「大変満足」と回答した人のなかに、司法書士資格を「評価されていない」と答えた人はいませんでした。一方で、「不満」と答えた人は、全員が資格を「評価されていない」と答えています。やはり、努力の末勝ち取った資格が評価されない現場にいることが、不満の原因となっているようです。
組織内司法書士という働き方を選ぶことは、有資格者にとっては仕事のやりがいだけではなく、安定性の意味でも多くのメリットがあります。その一方で、司法書士資格を活かせ、資格を正しく評価してくれる組織を選ぶことが、良い仕事を得るうえで大切だという結果となりました。
■ 日本組織内司法書士協会 概要
設立:2013年8月24日
会長:早川将和
出版物:「司法書士目線で答える会社の法務実務」(出版社:日本加除出版)
当協会URL:https://www.inhouseshihoshoshi.com/
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