EY/ULIレポート、世界の主要ビジネス地区は新型コロナウイルス終息後も長期的に魅力を保つことを示唆

ULI
ー 21の世界の主要なビジネス地区(Global Business District - GBD)を評価および比較する唯一の国際的調査によると、人材の集中や比類ない業務効率、企業や社会との瞬時の接続性が引き続き基本的な強みとなることが明らかに
ー 今回の「GDB魅力度レポート 2020年版」(2020 Attractiveness of Global Business Districts Report)は、依然として欧米の都市が最上位にランクされているが、アジアのGBDもその魅力を高めてきていると報告
ー さらにこのレポートでは、都市やGBDに対して、特に新型コロナウイルスのような世界的なリスクに直面した場合には集団的な復旧戦略と関係者間の協力が重要になると助言
「GDB魅力度レポート 2020年版」は、GBDイノベーション・クラブからの委託により、EYとULI(Urban Land Institute、アーバンランド・インスティテュート)が作成し発表するものです。今回のレポートでは、ロンドンのシティがGBDランキングにおいてトップを獲得し、ニューヨークのミッドタウン、東京の丸の内、およびパリのラ・デファンスがそれに肉薄して続きました。

このレポートではまた、前回調査で開始されたランキングの構成要素であるEY-ULIインデックスのさまざまな評価項目においてGBD間の競争が激化しており、21のGBDの間の差が2017年に比べて縮小していることが示されました。2017年から2020年の間にEY-ULIインデックスのスコアが最も上昇したのはアジアのGBDであり、そのトップは北京の商務中心区でした。

ULI EuropeのCEOであるリセット・ファン・ドーン(Lisette van Doorn)は次のように述べています。「このレポートでは、2017年と比較してGBDの魅力を評価する上で人材を惹き付けられることがさらに重要になってきていることが明らかになりました。人材を惹き付ける主な要素には、生活の質、健康と福利厚生、および生活・仕事・娯楽のための適切な環境を整えることがあります。新型コロナウイルスによる危機が過ぎ去った後には、このような人と暮らしに関連した要素が従来よりもさらに重要になることが予想できます。GBDには、いわゆる“ニューノーマル”への対応が求められており、これを最も成功させた地区が将来的にランクを上げると考えられます。」

Ernst & Young Advisory Franceのパートナーであるマルク・レアミット(Marc Lhermitte)は次のように述べています。「GBDは、その地区が依然として特別な場所でありビジネスを展開する上で他にはない場所であることを、すべての利害関係者に確信させなければなりません。新型コロナウイルスのパンデミックが発生する以前には、GBDは人材、新しい企業、および資本の誘致をかけて熾烈な競争を繰り広げていました。この競争は今後も継続しますが、ただしそれは新しいルールの下で進み、パンデミック後の世界に適合できた地区が最大の成功を得ることになるでしょう。GBDの企業やそこで働く人々から、最適化された、より安全でより魅力的な職場が求められるようになります。」

GBDイノベーション・クラブ会長であり、パリのラ・デファンスのCEOを務めるマリー=セリー・ギヨーム(Marie-Célie Guillaume)は次のように述べています。「GBDが“ニューノーマル”への対応を求められていることに疑問の余地はありませんが、今回のパンデミックによって人々は社会的な関わりを必要とし、そこから活力を得ていることが明らかになりました。GBDの魅力を生み出す核となる部分が変わることはないと確信しています。GBDの大部分を占める国際企業は、会議の再開、戦略的プロジェクトの実施、顧客や事業パートナーの訪問受け入れを必要としています。」

今回の調査結果の要点は以下の通りです。
  • 人材、比類ない業務効率、および企業や社会との瞬時の接続性がGBDの基本的な強みである
  • 人材や企業を惹き付ける上で、環境を優先することが不可欠である
  • 働き方のパターンを変えることと福利厚生に注力することは、GBDにとっては経済的な圧力となる可能性がある
  • 都市とGBDが直面する世界的なリスクに対しては、総体としての復旧戦略と関係者間の協力が求められる
  • GBDは、長期的には単なるオフィスの集合体ではなく、都市の中のインクルーシブな場所となることが期待されている

「GDB魅力度レポート 2020年版」では、966のデータポイントに対応した46の客観的指標を含む定量的な項目と定性的な項目を組み合わせた調査方法を採用しました。世界中の349名の不動産専門家、官僚、研究者、および使用者を対象とした調査に加え、事業地区に関する世界的な専門家を対象とした22の詳細な取材が実施されました。

また、人材を惹き付け維持することのできる能力、市場・顧客・パートナーへの近さ、都市環境の質、地域と世界全体に対する影響力、既存の応用や新規の不動産物件供給状況といった、5つの主な基準に沿ってそれぞれのGBDをランク付けしました。

21のGBD のランキングとEY-ULIインデックスは、以下の通りです。

上位5つのGBDは2017年のレポートから変化していません。しかし、ロンドンのシティのEY-ULIインデックススコアは58.9で、これは2017年の調査時の61.5よりも低く、特にブレグジットがもたらした不確実性の中で競合する他のGBDがスコアを高めてきている結果といえます。しかし、上位にランクインしたGBDへの新型コロナウイルスのパンデミックによる影響を判断するには、時期尚早だと考えられます。

アジアのビジネス地区は勢いを増しており、今や世界的競争に参加しています。 2017年から2020年の間のEY / ULIインデックスの変化をみると、最も上昇しているのはアジアのGBDで、特に北京は430万平方メートルにおよぶ潤沢なオフィスビル供給を後ろ盾に、現在8つのフォーチュングローバル500企業が本社を構えるとともに85万平方メートルの商業施設を擁し、その趨勢のトップを走っています。

新型コロナウイルス感染の危機が拡大する前に実施されたこの調査の回答者は、人材とテナントを引き付ける上で環境を優先することは重要な義務となり、また今後もこの傾向が続くだろうと答えています。ビジネス地区を持続可能なものにするための3つの最優先事項は、次の通りです。
  • 持続可能で多様化した輸送
  • より効率的なエネルギーと水の利用と管理
  • より多くの都市緑化と植物栽培
 
本レポートでは、都市やGBDが直面する新たなグローバルリスクに対して即時かつ集合的な復旧戦略が必要となり、GBDはニューノーマルの中で長期的に生き残るためには、オフィススペースの集中にとどまらず包括的な都市の目的地にならなければならない、と結論付けています。

レポートの発表は、5月19日火曜日の午後4時(英国夏時間、日本時間深夜0時)から始まるウェビナーでリアルタイムで見ることができます。(アーバンランド・インスティテュートのWebサイトより、事前登録する必要があります。)同ウェビナーの録画は後日閲覧することができます。

 
注記
EY-ULIインデックスの総合ランキングは、5つの基準に分類された46の指標に基づく各地区の相対的なパフォーマンスに基づいて評価されています。
ー 人材を惹き付け維持することのできる能力
ー 市場・顧客・パートナーへの近さ
ー 都市環境の質
ー 地域と世界全体に対する影響力
ー 既存の応用や新規の不動産物件供給
最終ランキングは、各魅力度基準で各ビジネス地区が獲得したスコアに加重した上で平均スコアを算出しました。加重は、基準を「非常に重要」と考えるオンラインアンケートの回答者の割合をもとに決定した基準ごとの重要性を反映しています。詳細については、レポートの37ページをご参照ください。

【GBD魅力度レポートについて】
EYとULIが発行する「GDB魅力度レポート 2020年版」(2020 Attractiveness of Global Business Districts Report)は、こちら(https://europe.uli.org/ey-uli-report-highlights-long-term-attractiveness-of-global-business-districts-beyond-covid-19/)からご覧いただけます。(英語版のみ) 2017年に発表した前回のレポート(英語版)は、こちら(https://europe.uli.org/attractiveness-world-class-business-districts/)からご覧いただけます。

【EYについて】
EYは、アシュアランス、税務、トランザクションおよびアドバイザリーなどの分野における世界的なリーダーです。私たちの深い洞察と高品質なサービスは、世界中の資本市場や経済活動に信頼をもたらします。私たちはさまざまなステークホルダーの期待に応えるチームを率いるリーダーを生み出していきます。そうすることで、構成員、クライアント、そして地域社会のために、より良い社会の構築に貢献します。
EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバル・ネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。詳しくは、ey.com をご覧ください。
このニュースリリースは、顧客サービスを提供していないアーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドによって発行されるものです。

【ULIについて】
ULI(アーバンランド・インスティテュート)は、会員がサポートする非営利の教育および研究機関です。
責任ある土地利用と世界中で繁栄するコミュニティの創出・維持においてリーダーシップを発揮することを使命として、1936年に設立されました。土地の利用と開発に関わるあらゆる領域の代表的な立場である45,000名を超える会員が世界中から参画しています。
ULIは、欧州域内では14の全国評議会と約4,200名の会員を抱えています。さらなる詳細は、公式サイトやTwitterアカウント、LinkedInページをご覧ください。

【GBD イノベーション・クラブについて】
GBD イノベーション・クラブ(グローバルビジネスディストリクトイノベーションクラブ)は、世界中のビジネス地区やその管理会社、都市計画当局、および関連分野のエキスパート達が結集する専門的なエコシステムです。世界的に高い影響力をもつオフィスハブの間で、協働や知識の共有を促進し、ダイナミズムや魅力、革新の精神をより一層高め、感性を刺激する方法の比較や合体を推進する活動を行っています。世界のビジネス地区が持っている各地域の革新的思考を特定し、それらをグローバルな意味を持つ運用プロジェクトに変革することを使命としています。
パリのラ・デファンス、シカゴのループ・アライアンス、モントリオールのデスティネーション・センター ヴィル、北京のCBD、広州の天河が発起母体となり、設立されました。その活動には、サンフランシスコのイーストカット、東京の丸の内、モスクワのMIBC、カサブランカのカサアンファも積極的に携わっています。さらなる詳細は、公式サイトやTwitterアカウント、LinkedInページをご覧ください。
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