コロナ禍における障害のある人たちの仕事を応援したい!障害者団体きょうされんがTikTokの助成をうけ障害福祉事業所のEC販売を支援する「もっと作業所応援キャンペーン」を実施
ECモール「TOMO市場」にて障害のある人が製造する商品の売上全額を還元
この度、きょうされん(本部:東京都中野区、理事長:斎藤なを子)は、障害福祉事業所が製造する商品のEC販売において、ショートムービープラットフォーム「TikTok」の運営会社であるByteDance株式会社様からの助成を受け、販売手数料を無料化します。売上金の全額を製造事業所へ還元し、障害のある人の仕事づくり・給料に寄与するキャンペーンを行ないます。
▼「TikTok「新型コロナウイルス緊急支援助成プログラム」を開始し、7,000万円を全国のNPOに寄付~日本NPOセンター「課題ラボ」と連携した社会課題解決に取り組むプロジェクトもスタート~」
https://newsroom.tiktok.com/ja-jp/new-coronavirus-emergency-assistance-program
- 本キャンペーンを行なう背景
日本には約963万人の障害のある人がいます。生まれながらにして障害のある人や、生活するなかで障害をもつことになった人たちは、企業や行政機関のほか、障害福祉事業所(作業所)と呼ばれるところでも働いています(※1)。
そこでは、食品や雑貨の製造・販売、下請け仕事、さらには描いたり体を動かしたりする表現活動など、障害のある人がよりよい暮らしを送れるよう多種多様な仕事・活動が行われています。
障害のある人にとって、月に一回の給料支給日(厳密には工賃支給日、月額およそ1.6万円 ※2)は、自分のがんばりが他者に認められ、それがお金という形となってあらわれる日でもあります。「このお金が入ったらこれをやろう!」とずっと考えていたことがついに実現できるという喜び、様々なポジティブな感情が交じり合った表情をたたえる姿があり、そこには働くとは何か、初心を喚起させるような光景が広がります。
一方で、企業の管理職として働いていた方がある日突然、障害をもち、職を失い、障害福祉事業所で働くことになって、その以前とはあまりに桁の違う給与額に愕然とする姿もあります。
コロナ禍は、こういった状況にも少なからず影響をもたらしました。
障害福祉事業所は、その事業所がある地域の理解や応援によって成立している側面が少なくありません。バザーやお祭り、出張販売などのイベントや、福祉ショップなどのリアルショップ・対面販売など、顔の見える関係が重要であり、かつ障害のある人たちの給料・工賃に直結する「場」でもありました。
いま、それらが営業自粛、移動制限により、なくなっています。そういった「場」が消え、再開後も元通りにはならない現状においては、必然的に障害のある人たちの仕事もなくなり、給料・工賃も下がっています。
※1.日本の障害のある人は、963.5万人。「複数の障害を併せ持つ者もいるため、単純な合計にはならないものの、国民のおよそ7.6%が何らかの障害を有していることになる。」
内閣府「令和元年版障害者白書」1.障害者の全体的状況
https://www8.cao.go.jp/shougai/whitepaper/r01hakusho/zenbun/siryo_02.html
企業、行政機関における障害のある人の就業者数は87万5032人、障害福祉事業所で働いている障害のある人は38万2687人。
厚生労働省「平成30年度障害者雇用実態調査の結果」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_05390.html
厚生労働省「令和元年 障害者雇用状況の集計結果」の実人員
https://www.mhlw.go.jp/content/11704000/000580481.pdf
厚生労働省「平成30年社会福祉施設等調査」における就労継続支援A型およびB型の利用実人員数
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/fukushi/18/dl/kekka-kihonhyou02.pdf
※2.就労継続支援 B型事業所の2018年度平均工賃は16,118円。
厚生労働省「平成30年度工賃(賃金)の実績について」より
https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/000571834.pdf
- もっと作業所応援キャンペーンの概要
このような状況下、オンラインでの販売をひとつの活路として、全国約50事業所が出店する、きょうされんが運営しているECモールサイト「TOMO市場」内に「コロナ不況に負けるな!作業所応援ショップ」をオープン、合わせてフェイスブック上に「作業所の売上減プロジェクト(きょうされん)」アカウントを開設し、販売と宣伝を一体的に進めることにしました。
▼コロナ不況に負けるな!作業所応援ショップ
https://www.tomoichiba.jp/clp1pc15c163c2365o0of0v0.html
▼売上減の作業所応援プロジェクト(きょうされん)
https://www.facebook.com/korona.uriagegen/
「コロナ不況に負けるな!作業所応援ショップ」では、コロナ禍で販路と仕事が大きく減ってしまった作業所から掲載希望商品を募り、現在、全国11事業所が製造した43品を紹介、販売しています。連日出品希望が続いており、今後も増えていく予定です。
当ショップへの出品により、売上がつながったところからは「仕事が増えて忙しくなり、やりがいを感じています」という障害のある人からのメッセージをいただいています。
▼東京ソテリアエンプロイメント(東京都江戸川区)
<働いている障害のある人から>
コロナの影響などで注文が無かった中、今回の応援プロジェクトでたくさんの注文をいただき嬉しく思います。いきなり注文がたくさん増えて大変ですが、作業のやる気にも繋がり充実して仕事をできています。
<支援職員から>
催事が全て中止になり、困り切っていました。いただいた注文が皆さまからの応援のように感じられ、とても嬉しいです。
▼川越いもの子作業所(埼玉県川越市)
<働いている障害のある人から>
うどんの注文と一緒に「コロナに負けず、がんばりましょう!」というメッセージうれしかったです。仕事がへってこまっていたので元気になりました。
<支援職員から>
うどんのご注文と一緒に「コロナに負けず、がんばりましょう!」とメッセージもいただきました。ありがとうございました。はげみになりました。これからもたくさんの注文お待ちしています!
▼ちょんこめ作業所(東京都八丈島)
このような活動を広げ、コロナ禍のなかでも障害のある人たちの仕事を創り出し、生きがいや居場所を守っていきたいというビジョンを抱いていた時、「TikTok緊急支援プログラム」の対象に選んでいただきました。
そこでこの助成による一事業として、コロナ禍の影響が特に甚大と想定される2020月4月1日から7月31日までの運営手数料を完全無料化し、TOMO市場上での障害福祉事業所商品の売り上げ全額を、販売した障害福祉事業所に還元いたします。コロナ禍により厳しくなった事業所の運営、障害のある人の給料にすこしでもつながればと願っています。
今なお、製造した商品の売り場が再開されず、仕事がない状態に置かれている障害福祉事業所があります。そうしたところで働く障害のある人たちに、仕事のやりがいと給料・工賃を確保するため、みなさまの応援を心よりお願いいたします。
※さまざまな障害福祉事業所の商品や声、現場のようすなどを紹介しているフェイスブックにぜひアクセスしてください。
▼売上減の作業所応援プロジェクト(きょうされん)
https://www.facebook.com/korona.uriagegen/
▼障害福祉事業所のECモールサイト「TOMO市場」
https://www.tomoichiba.jp/
▼【きょうされん公式HP】TikTok運営会社・ByteDance様からのコロナ対策助成決定
https://www.kyosaren.or.jp/%e5%85%a8%e5%9b%bd%e4%ba%8b%e5%8b%99%e5%b1%80/corona/12210/
- 実施団体紹介
きょうされん
全国1,870カ所の障害福祉事業所で構成される団体。障害のある人の暮らしや障害福祉事業所の実態調査、より良い制度の創設や改善の要望活動、加盟事業所の財源にもなる事業活動、障害の理解を社会に広げるための広報・出版・情報活動、障害のある人や現場職員に向けた研修活動、国外の障害分野との国際交流活動等、障害のある人が「あたりまえに働き、えらべる暮らし」の実現に向け活動中。
▼公式サイト
https://www.kyosaren.or.jp/
<問い合わせ先>
きょうされん
所在地|東京都中野区中央5丁目41番地18番 東京都生協連会館4階
役員|理事長 斎藤なを子、専務理事 藤井克徳、常務理事 赤松 英知
本件担当者|きょうされん全国事務局(渡部、松本)
問合せ先|zenkoku@kyosaren.or.jp
公式サイト|https://www.kyosaren.or.jp/
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