ハンプトンロードブリッジトンネル拡張事業において当社製CFCC®(炭素繊維複合材ケーブル)の採用が決定
アメリカ国内最大級のインフラプロジェクト(総工費38億ドル)バージニア州のハンプトンとノーフォークを結ぶ海上大動脈の大規模拡張
東京製綱株式会社(本社所在地:東京都中央区、代表取締役社長:浅野正也)のグループ会社である、東京製綱インターナショナル株式会社(本社所在地:東京都中央区、代表取締役社長:佐藤和規、以下 当社)は、当社が独自の研究・開発に基づき製造・販売を行う世界で唯一の炭素繊維複合材ケーブル(以下 CFCC®)が、アメリカ合衆国(以下 米国)バージニア州にて進行中のハンプトンロードブリッジトンネル拡張事業(施主:バージニア州)に採用されたことをお知らせします。
同事業は、米国内で現在予定されているインフラプロジェクトの中で最大規模を誇り、総工費38億ドル(約4,000億円)を投じて、バージニア州のハンプトンとノーフォークを約16kmに渡って結ぶ海上大動脈を大幅に拡張する一大プロジェクトです。現在、片側2車線で交通ピーク時に大規模渋滞の発生が常態化しているハンプトンロードブリッジトンネルを、2倍となる片側4車線に拡幅し、渋滞の解消と交通量の大幅な向上を図ります。
材料工学・設計・建設・交通工学など各分野における当代最高レベルの技術と知見が集結するハンプトンロードブリッジトンネル拡張事業において、海上という厳しい使用環境に適する最も優れた材料として、当社製CFCC®の「①強度」「②耐腐食性」「③軽量性」「④ライフサイクルコスト」が高く評価された結果、この度の採用が決定しました。同事業において当社製CFCC®は、海上部約8.6kmの桁ならびに杭の緊張材と補強筋として使用され、その総延長は5,486kmにも及びます。
米国内では、1960年代に建設されたコンクリート橋梁が一斉に寿命を迎えることが社会問題化しております。特に、海辺の塩害地域や融雪剤を使用する寒冷地域では、鉄筋の腐食等の理由から本来よりも早く寿命を迎えるケースも多々見られます。こうした中で、高い耐食性や強靭性からコンクリート構造物の補強材としてのCFCC®のニーズが年々高まっており、2018年には米国全州道路交通運輸行政官協会(AASHTO)によって、CFRP(炭素繊維強化ポリマー)を設計に適用する際の規格も制定されました。
当社のCFCC®と関連製品は、既に米国内で9州36のプロジェクトに採用されていますが、過去最大となるハンプトンロードブリッジトンネル拡張事業が実績となり、更なる普及拡大が期待されます。
東京製綱グループは、米国をはじめ世界各国で、CFCC®に代表される品質の高い製品の製造・供給を通じて、安心・安全なインフラ構築に貢献してまいります。
- 受注概要
2.納入予定時期:2021年1月~2023年12月
3.受注量:
炭素繊維複合材ケーブル(以下 CFCC®)
緊張材の長さ:3,962km、補強筋の長さ:1,524km、合計5,486km
- ハンプトンロードブリッジトンネル拡張事業について
同州のハンプトンとノーフォークの間の州間高速道路64号線に沿って、約16kmに渡りトンネルと州間高速道路の容量を増やしモビリティの大幅な向上を図ることが目的です。現在は片側2車線で交通ピーク時に大規模渋滞の発生が常態化している州間高速道路を片側4車線に拡幅することで交通混雑を減らし、バージニア港や世界最大の海軍基地であるノーフォーク海軍基地へのアクセスも容易になります。
《事業概要》
施主:バージニア州
総工費:38億ドル(約4,000億円)
工期:2020年~2025年11月
《完成予想図》
(画像出典元:ハンプトンロードブリッジトンネル拡張事業公式サイト https://www.hrbtexpansion.org/)
《CFCC®を採用した緊張材・補強筋のイメージ》
- 参考①:東京製綱インターナショナル株式会社のアメリカにおける沿革と実績
一般にコンクリート橋梁の寿命は50年程度とされる中、米国では1960年代に建設され寿命に至るものが多数現存しており、一部では塩害で寿命より早く劣化することが問題化しています。
当社では、高強度で腐食しないCFCC® がこれらの問題解決に最適であるとの判断から、潜在需要調査と技術普及活動をいち早く展開して参りました。係る活動の中で、CFCC®の長寿命性やメンテナンスフリーである点がミシガン州から認められ、橋梁架け替えの際の補強材として公式に指定を受けました。これを契機として、2013年8月にミシガン州にTokyo Rope USA,Incを設立いたしました。その後、2016年にCFCC工場を稼働いたしました。2018年には、米国全州道路交通運輸行政官協会(AASHTO)によって、CFRPを設計に適用する際の規格化制定も成されました。
この様に、米国内のインフラ事業におけるCFCC®へのニーズは確実に伸長しており、足許ではミシガンに加え、フロリダ、バージニア、ノースカロライナ、オハイオ、メリーランドなどの合計9州の各プロジェクトに採用されております。
この度、ハンプトンロードブリッジトンネル拡張事業という米国内でも最大級の規模と注目度を誇るプロジェクトに採用されたことで、全米におけるCFCC®の知名度と技術的信頼性が格段に高まり、海辺の塩害地域や融雪剤を多用する降雪地域を抱える各州を中心に検討が加速し更なる普及拡大が期待されます。
沿革:
2012年 Cable Technologies North America,Incをミシガン州に設立
2013年 Tokyo Rope USA,Incに社名変更
2014年 M102プロジェクト(ミシガン州)にて桁の緊張材・補強筋としてCFCC®が採用される
2016年 CFCC®工場稼働
2018年 High Rise Bridgeプロジェクト(バージニア州)にて36inchスクエアパイルにCFCC®が採用される
2020年 Harry Nice Bridgeプロジェクト(メリーランド州)にて66inchシリンダパイルにCFCC®が採用される
同事業の受注を加味した北米向けCFCC®土木製品の出荷数量予測:
※2022~2023年の予測値については、当事業の受注見込数量を弊社の判断にて各年に割付
(コロナ禍や天候等の状況により、納入が前後する可能性があります)
- 参考②:当社製炭素繊維複合材ケーブル(CFCC®)の特長
特長:
炭素繊維エポキシ樹脂からなる炭素繊維複合材(CFCC®)ケーブル
撚り合された炭素繊維(ストランド)を更に撚り合せてケーブル化
CFCC®の特性:
•軽量(鋼材の約1/5)
•高引張強度
•高弾性率
•低線膨張係数(鋼材の約1/20)
•耐腐食性
•非磁性
•柔軟性(可撓性)
CFCC®と各種材料の特性比較:
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