江戸時代・幻の“空に浮かぶ茶室”が現代に

山腹からせり出す空中茶室「閑雲軒」をVRで再現

 江戸時代前期に石清水八幡宮(京都府八幡市)のある男山山腹からせり出すように作られた空中茶室「閑雲軒」。八幡市は、この常識にとらわれない茶文化の形を時を超えて体感してもらおうと、茶室の内部やそこから見える景色などを再現したVR動画を制作し、期間限定サイトで公開しています。

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 閑雲軒は、石清水八幡宮の社僧であった松花堂昭乗(1582~1639年)が近江国小室藩初代藩主で建築家でもあった小堀遠州(1579~1647年)とともに、自らが住職を務めた「瀧本坊」に造った茶室。清水寺の舞台のように山腹の崖からせり出した「懸け造り」と呼ばれる構造で、名だたる茶人たちが訪れ、平面図や文章にも記録が残されていますが、1773年(安永2年)に火事で焼失してしまいました。

閑雲軒 イメージ図(八幡市教育委員会 提供)閑雲軒 イメージ図(八幡市教育委員会 提供)

 

 

 2010年に八幡市教育委員会による発掘調査が行われ、瀧本坊全体の建物の配置とともに、閑雲軒がかつてあった場所が明らかになりました。崖の斜面には建物の柱を支えた礎石の列が30m以上見つかり、「懸け造り」の書院があったことも判明しました。
 茶室は長さ7mもの柱で支えられ、床面のほとんどが空中にせり出した「空中茶室」ともいうべき構造。また、にじり口に至るまでの空中を歩くような廊下を、茶室につきものの露地庭に見立てており、当時としては画期的な茶室であったといわれています。

瀧本坊跡 石垣(八幡市教育委員会 提供)瀧本坊跡 石垣(八幡市教育委員会 提供)

 

瀧本坊跡 全景(八幡市教育委員会 提供)瀧本坊跡 全景(八幡市教育委員会 提供)

 

 VR動画では、その空中に浮かぶ廊下を歩いて茶室に入り、昭乗役を務める茶人のお点前を見るなどして当時の追体験をしつつ、ドローンで撮影した八幡の風景との合成映像で空中を散歩する雰囲気が味わえます。
 VR動画は制作を記念した期間限定サイト(~3月31日)で公開しているほか、サイトの公開終了後も八幡市立松花堂庭園・美術館のYoutubeチャンネルで視聴できます。また、同サイトでは映画「空中茶室を夢みた男」のダイジェスト版や閑雲軒の解説などのコンテンツも公開しています。

※松花堂昭乗が晩年を過ごした草庵「松花堂」が移築された松花堂庭園の内園は現在、2018年の大阪府北部地震の復旧工事中のため、外園のみの公開になります。
 
  • 関連コンテンツ

[空中茶室VR制作記念期間限定サイト]

https://www.kan-un-ken.jp/
[八幡市立松花堂庭園・美術館Youtubeチャンネル]
https://youtube.com/channel/UCSnvKrIhB_fGX9n8PPr9zIA/
[八幡市立松花堂庭園・美術館HP]
https://shokado-garden-art-museum.jp/
 
  • 松花堂昭乗とは
 石清水八幡宮の境内に最盛期には60近くあった坊の一つである「瀧本坊」の社僧。書や画、茶の湯、和歌などを介して、小堀遠州、近衛信尋、沢庵和尚、淀屋个庵などの著名人と交友を持った文化人。特に書は、近衛信尹、本阿弥光悦と共に「寛永の三筆」と称されています。
 また、四つ切の箱に料理を盛り付ける松花堂弁当は、昭和の初めごろ、日本料理の料亭「吉兆」(※)の創業者・湯木貞一が八幡の地を訪れた際、松花堂昭乗が好んで使っていた煙草盆が目に留まり、弁当箱に応用したのが起源。
(※)「吉」は、正しくは「口」の上が「土」。

「松花堂昭乗自画像写」(部分)(松花堂美術館蔵)「松花堂昭乗自画像写」(部分)(松花堂美術館蔵)

 

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