新型コロナウイルス感染症の新規創薬ターゲットの発見とロート製薬とのライセンス契約、及び、再生医療の研究成果を新規創薬ターゲットの発見につなげる新組織「RB+」の取り組みについて
株式会社バイオミメティクスシンパシーズ(本社:東京都江東区 代表取締役社長:漆畑 直樹)は、新型コロナウイルス感染症に対して間葉系幹細胞が有効とされるメカニズムの一端を解明し、そのメカニズムに基づく薬候補物質の探索を行った結果、3つの候補物質を同定しました。そしてこの度、そのうち1つの候補物質(キノロン系化合物X:特許査定)について、ロート製薬株式会社(本社:大阪市生野区 代表取締役社長:杉本 雅史、以下、「ロート製薬」)とライセンス契約を締結し、共同開発を目指すこととなりました。その他の2つの候補物質であるインスリン、及びHGFについても(特許出願中)、国内外の製薬企業と協力して有効な新型コロナ治療薬の開発へと繋げるべく、研究成果を早期に公開することとしましたので、お知らせ致します。
また、今後当社は新型コロナウイルス感染症に関する新薬候補発見例をもとに、その他の重大な医療課題に対しても有効な新薬候補を社会に提供するために、再生医療のメカニズム解明を新規な創薬ターゲットの発見に繋ぐ研究開発組織「名称:RB+」をロート製薬と共同で運営し、関係各所連携の上、鋭意取り組んでまいります。
候補物質について
新型コロナ患者に対する間葉系幹細胞を用いた臨床試験が国内外で実施されている中で、当社は間葉系幹細胞により想定される新型コロナ感染症の治療メカニズムを解析することにより、転写因子FOXO1がACE2とTMPRSS2の遺伝子発現の制御に重要であることを見出した結果、FOXO1の阻害作用を持つ3つの治療薬候補物質の発見に成功しました。これらは、SARS-CoV2が自身のスパイクタンパク質を介して宿主細胞への侵入と感染を成立させるために重要な、宿主細胞の表面に存在するACE2とTMPRSS2の両方の遺伝子発現を抑制するという、非常に画期的なものです(図1)。これまでもACE2またはTMPRSS2のいずれか一方をターゲットとする薬剤は知られていましたが、今回の発見はそれら両方を一剤で抑制することが大きな特徴です(図2)。そして実際にキノロン系化合物Xは、in vitro試験においてSARS-CoV2のS1スパイクタンパク質の宿主細胞への取り込みを有意に抑制すると共に、マウスへの気管内投与においては、肺組織中のACE2またはTMPRSS2の遺伝子発現を抑制する傾向が確認されました。今後、SARS-CoV2感染実験など、医薬品開発に向けた評価をロート製薬と共同でさらに進めてまいります。
またインスリン及びHGFについても、キノロン系化合物Xと類似のメカニズムを介して、ACE2及びTMPRSS2の発現を同時に、且つ有意に抑制する作用を有することを確認しています。
ライセンス契約について
FOXO1阻害作用を有するキノロン系化合物Xについてライセンス契約をロート製薬と締結し、医薬品開発に向け共同開発を実施します。本技術を用いた事業化についても、ロート製薬と共同で検討してまいります。
共同での取組み 「RB+」について
再生医療研究から見出した新しいメカニズムから新型コロナウイルス感染症の治療薬候補を同定した手法を他の疾患の治療薬開発にも広げるために、当社とロート製薬は新しい研究開発組織「RB+」を発足します。「RB+」は、近い将来、間葉系幹細胞が対象とする多くの疾患に対する治療メカニズムについても解明し、従来知られていなかった創薬ターゲットを見出し、他の企業にも参画いただき、オープンイノベーションによって治療薬の実用化に向けた動きを加速する共創プラットフォームです。
(図1)
(図2)
また、今後当社は新型コロナウイルス感染症に関する新薬候補発見例をもとに、その他の重大な医療課題に対しても有効な新薬候補を社会に提供するために、再生医療のメカニズム解明を新規な創薬ターゲットの発見に繋ぐ研究開発組織「名称:RB+」をロート製薬と共同で運営し、関係各所連携の上、鋭意取り組んでまいります。
候補物質について
新型コロナ患者に対する間葉系幹細胞を用いた臨床試験が国内外で実施されている中で、当社は間葉系幹細胞により想定される新型コロナ感染症の治療メカニズムを解析することにより、転写因子FOXO1がACE2とTMPRSS2の遺伝子発現の制御に重要であることを見出した結果、FOXO1の阻害作用を持つ3つの治療薬候補物質の発見に成功しました。これらは、SARS-CoV2が自身のスパイクタンパク質を介して宿主細胞への侵入と感染を成立させるために重要な、宿主細胞の表面に存在するACE2とTMPRSS2の両方の遺伝子発現を抑制するという、非常に画期的なものです(図1)。これまでもACE2またはTMPRSS2のいずれか一方をターゲットとする薬剤は知られていましたが、今回の発見はそれら両方を一剤で抑制することが大きな特徴です(図2)。そして実際にキノロン系化合物Xは、in vitro試験においてSARS-CoV2のS1スパイクタンパク質の宿主細胞への取り込みを有意に抑制すると共に、マウスへの気管内投与においては、肺組織中のACE2またはTMPRSS2の遺伝子発現を抑制する傾向が確認されました。今後、SARS-CoV2感染実験など、医薬品開発に向けた評価をロート製薬と共同でさらに進めてまいります。
またインスリン及びHGFについても、キノロン系化合物Xと類似のメカニズムを介して、ACE2及びTMPRSS2の発現を同時に、且つ有意に抑制する作用を有することを確認しています。
ライセンス契約について
FOXO1阻害作用を有するキノロン系化合物Xについてライセンス契約をロート製薬と締結し、医薬品開発に向け共同開発を実施します。本技術を用いた事業化についても、ロート製薬と共同で検討してまいります。
共同での取組み 「RB+」について
再生医療研究から見出した新しいメカニズムから新型コロナウイルス感染症の治療薬候補を同定した手法を他の疾患の治療薬開発にも広げるために、当社とロート製薬は新しい研究開発組織「RB+」を発足します。「RB+」は、近い将来、間葉系幹細胞が対象とする多くの疾患に対する治療メカニズムについても解明し、従来知られていなかった創薬ターゲットを見出し、他の企業にも参画いただき、オープンイノベーションによって治療薬の実用化に向けた動きを加速する共創プラットフォームです。
(図1)
(図2)
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