サヴィルズ インベストメント マネージメントによる欧州工業・物流セクターにおける新たな投資機会の考察

• 市場ファンダメンタルズはボックス型物流施設投資を引き続き支える一方で、投資家の旺盛な投資需要は不動産投資利回りを歴史的に低水準へと導いている
• 投資家は、投資価格高騰のリスクを低減し、工業用・物流不動産投資市場を広範囲な知識・洞察をもって、分散投資の必要性を意識すべきである
• サヴィルズ インベストメント マネージメントは、都市圏物流とラストワンマイル物流、軽工業用物件、冷蔵倉庫などの様々なテーマ別の投資を、理論的根拠をもって、投資家の新たな分散投資機会及びその魅力的なリスク・リターン特性として見出している
• 投資家やテナントにとって、投資対象の不動産が、ESGの要請に対応していくことが、今後重要になる

東京2021年9月7日　グローバルな不動産投資運用会社のサヴィルズ インベストメント マネージメントが新たに発行したレポートでは、投資の主流の一つであるボックス型物流施設は引き続き強固な不動産ファンダメンタルズを示しているものの、利回り低下傾向の中で、新たな投資テーマの構築が提言されており、最新の投資戦略では工業用・物流不動産投資におけるサブセクターに、さらなる代替投資機会があることが報告されています。「Thinking outside big boxes」と題する本レポートは、ボックス型の物流と倉庫施設の投資機会に関して詳細な分析を記載しています。経済成長、取引量、製造業生産高、小売売上高などの長期的な需要のファンダメンタルズが、当該アセットタイプの投資経済性を支える一方で、欧州の主要な不動産市場では、こうしたアセットの投資機会が、空室率の記録的な低減にも押され、さらに狭まっています。電子商取引（e-commerce、以下EC）関連のボックス型物流施設のテナント需要を牽引するオンライン事業は急速に成長し、このセクターの不動産需要の重要な原動力にもなっています。

サヴィルズ インベストメント マネージメントの分析1 によると、欧州では2020年の物流施設需要が合計で1,000万平方メートル以上増床し、2025年までにはさらに2,100万平方メートルの増床が見込まれています。
しかし、現在の欧州市場では主要な利回りが3.5％～4.0％と記録的に低く、セクターによってはその水準を下回る時もあることから、サヴィルズ インベストメント マネージメントは需要の急増がボックス型物流施設の投資利回りをさらに低下させているのではないかと警鐘を鳴らしています。

本レポートでは、商品輸送の迅速化へと向かう長期トレンドや、都市市街地におけるボックス型施設の供給の制約により、新たに、都市物流とラストワンマイル物流、軽工業用物件、冷蔵倉庫というサブセクターが、投資家に分散投資機会を提供していると言及しています。

サヴィルズ インベストメント マネージメント 欧州 ロジスティクス事業統括アリスター・エネバー（Alistair Ennever）は次のように述べています。「経済、技術、消費、人口の長期的トレンドは欧州の産業と物流市場のファンダメンタルズを強化しています。新型コロナウイルス感染症のパンデミックによってＥＣの成長が加速し、ＥＣ市場のさらなる拡大が期待されます。」

「このため、我々は厳選した物件を購入し、重要なハブとして近代的かつ多目的な物流・工業用施設を提供することに価値を見出しております。歴史的に不動産投資利回りが低い今日、投資対象物件の選別や賃貸料の伸長の余地、収益の持続性は、投資家にとって重要な検討要素になります。」

サヴィルズ インベストメント マネージメント 欧州 リサーチ事業統括アンドレア・トランプ（Andreas Trumpp）は次のように述べています。「工業用・物流施設は不動産のなかでも環境、社会、ガバナンスの認証にさらされやすい分野です。我々はESGを重視することで、機関投資家が投資対象において不動産ファンダメンタルズをさらに改善し、投資利益の享受を高める事が出来るものと考えています。」

「ボックス型物流施設だけでなく、投資需要が伸長しつつあるサブセクターの高利回り物件などの選択肢も加味し、プロダクトサイクルの初期段階からリスクテイクに参加し得るクライアント投資家に対して、投資利回りの向上やリスクの効果的な分散を実現・提供していきます。」

サヴィルズ インベストメント マネージメントのレポートにおいて、新たな投資対象としての工業・物流施設セクターのサブセクターに関しては、下記の骨子の通りです：

都市物流とラストワンマイル物流 – サヴィルズ インベストメント マネージメントは、さらなる物流開発素地の不足状況、一方で最終消費者に近いラストワンマイルの物流施設の需要増加にともない、都市や市街地の周辺地域で、工業・物流セクターの賃料と地価の上昇を招くと予測しています。サヴィルズ インベストメント マネージメントは、2020年の優良資産に対する都市圏の工業用不動産の賃貸プレミアムは45％であったと試算しています。2 投資家やテナントが求めるESG要件を満たし、かつ、都市部に立地する不動産の入手はますます難しくなってきています。「物件購入よりも開発をする」ということも、簡単な選択肢ではないですが、一つの事業手法として求められているかもしれません。

軽工業用物件 – 軽工業用物件は、10,000平方メートル以下の延床面積で、人口増加や都市化が進む都市エリア内で物件供給が簡単ではない区域に立地する物件の事を指します。マルチ用途の物件かつ多くの小規模のテナントを抱えるケースでは、不動産アセットマネージメントの負荷は大きいものの、一方でテナント需要は補足しやすく、空室リスクを漸減させ得ると考えられます。既存物件だけでなく、再開発による物件供給の可能性がありますが、投資事業そのものが複雑化し下方修正リスクも伴います。需要と供給が不均衡な地域という特性から需要増の場合に賃料の伸び率は期待されますが、物件の場所と物件クオリティーの選別が重要となります。

冷蔵倉庫 – このサブセクターは、ファンダメンタルズに支えられた長期的な投資機会と安定的な需要を見込める可能性があります。今般のＣｏｖｉｄ19による公衆衛生の危機によって、保冷を必要とする医療用品への需要が地球規模で急増した一方で、食料品小売業者がオンライン活動を強化し、新たなオンライン上の食料品プラットフォームも誕生しました。2019年に欧州の冷蔵倉庫市場は750億米ドルに達し、サヴィルズ インベストメント マネージメントは、その市場価値は年率8％以上の成長を見込みつつ2025年までには1,130億米ドル規模まで達すると推定しています。3 最も魅力的な施設の立地は、欧州の大都市圏の近郊の立地になります。

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1Source: Savills IM analysis based on data from PMA (Spring 2021) and Oxford Economics (June 2021)
2Source: Savills IM analysis based on PMA data, Spring 2021
3Source: Savills IM analysis based on Allied Market Research (2021)

サヴィルズ インベストメント マネージメント について
 

• サヴィルズ インベストメント マネージメントは、アムステルダム、フランクフルト、ハンブルク、カトヴィツェ、クアラルンプール（サヴィルズ マレーシアとの提携契約の一部として）、ロンドン、ルクセンブルク、マドリッド、ミラノ、ミュンヘン、パリ、シンガポール、ストックホルム、セント・ヘリア、シドニー、東京、ワルシャワに事業拠点を置くグローバルな不動産投資運用会社です。
• 2021年3月31日時点でサヴィルズ インベストメント マネージメントは合計で約208億ユーロの資産を運用しています。
• サヴィルズ インベストメント マネージメントはサヴィルズ インベストメント マネージメントLLPとその子会社を表す商標です。
• サヴィルズ インベストメント マネージメントLLPは金融行為規制機構の規制のもとイングランドでNo: OC306423と登録されている有限責任会社です。
• サヴィルズ インベストメント マネージメントはイギリス、オーストラリア、イタリア、ドイツ、ジャージー、日本、ルクセンブルク、シンガポールの規制当局の認可を取得しています。