あぶくま高原の中心部に位置する福島県田村市の交通事業者・観光拠点・市役所が連携し、地域の魅力化に挑戦

移動と体験を掛け合わせた観光の提供に向けて、新たな取り組みを開始

福島県田村市でタクシー事業「はばタクシー」やバス事業を展開する東部自動車合資会社は、同市内でタクシー事業を行う有限会社ほていやタクシー、天文台の運営を行う株式会社大野企画、クラフトビールの製造販売を行う株式会社ホップジャパン、並びに田村市役所と連携し、田村市の魅力の向上や発信に取り組みます。震災から10年を迎え、激しい社会の変化にさらされる中で、業界や企業、官民の壁を超えた地域の連携を深めることで、新たな復興への一歩を踏み出します。

• 福島県田村市の特色と提携の背景

福島県中通りの中部、阿武隈高原の中心に位置する田村市は、これまで「あぶくま洞・入水鍾乳洞」を主要な観光地として観光客を獲得してきました。しかし、東日本大震災を契機に観光客は激減。その後復興への取り組みにより、近年における福島県全体の観光客は震災前の水準まで回復しつつある一方で、県内での地域格差は大きく、主要観光地であるあぶくま洞の観光課客数でさえ、震災前の６割程度に留まっています。
そこで、東部自動車合資会社は、有限会社ほていやタクシー、株式会社大野企画、株式会社ホップジャパン、並びに田村市と連携を強化し、共同での商品開発やイベントの開催を通じて、主要な観光拠点を含めた田村市全体の魅力の向上や発信に協働で取り組みます。

• 具体的な取り組み

(1)利用者が観光を楽しみながら地域の歴史や伝承、産業の理解を促進する「謎解き型観光タクシー」の企画、運営
(2)アウトドア体験が楽しめる「滞在型観光タクシー」の企画、運営
(3)その他、協働での冬の観光イベントの開催や、観光資源の開発
観光拠点の事業者と交通事業者が連携し、移動と体験を組み合わせた観光を提供することで、利用者に対してより付加価値の高いサービスを提供し、観光客数の向上だけでなく、リピーターの獲得による関係人口の創出に寄与していきます。本取り組みは、観光庁の「既存観光拠点の再生・高付加価値化推進事業」への採択を受け、市内での事業拡大に向けた第一弾として、2021年12月～2022年2月に実証実験を実施します。

• 福島県田村市/連携事業者の想い

東部自動車合資会社(代表　羽場 愛一郎)
事業内容：福島県田村市内にてタクシー事業を営むと共に、田村市内小中学校のスクールバスや乗合タクシーを田村市と提携し運行。
コメント：少子高齢化の時代に突入し未来を考えると不安だらけの世の中ですが、手をこまねいては何も始まらない。少しでも地域貢献出来ること、元気が出ることを地道に積み上げて、次の世代に残せるものをと思い経営しています。当社は創業百有余年、地域と表裏一体の商売を続けてきました。公共交通は地域の活気があってこその事業です。このプロジェクトを通じて、あぶくま高原の中心地「田村市」の素晴らしい名所と歴史や伝統を市民の皆様や訪問して頂けるお客様へ発信し、地域の活性化にわずかでも貢献できればと思います。

有限会社ほていやタクシー(代表取締役　猪狩　恭一郎)
事業内容： 福島県田村市内にてタクシー事業を営むと共に、乗合タクシーを田村市と提携し運行。
コメント：当社は、開業以来、およそ60年間にわたり田村市大越町を中心に数多くのお客様を運び続けてまいりました。また、路線バスの代替として乗合タクシー事業を運行するなど、公共交通としての機能と責務を担っています。このプロジェクトに参画し、「田村市」の地域の魅力を掘り起こして、地域観光コンテンツの再発見と磨き上げ、あぶくま高原として誇れる観光地を目指し、誘客と地元を知り尽くした乗務員がおもてなしのまごころでご案内したいと思っております。

株式会社ホップジャパン(代表者　代表　本間 誠氏)
事業内容：田村市都路町でクラフトビールを醸造・販売、ロッジの経営もやりながら市の指定管理者としてキャンプ場などを併設したアウトドアパーク施設「グリーンパーク都路」を運営。
コメント：私は、ビールづくりに欠かせない良質なホップときれいな水を求めて田村市に移住してきました。ホップ栽培から手掛けることで加工しない生のホップを使ってビールを作ることができています。大自然の中にあるキャンプ場併設のブルワリーですので、春は新緑と花々、秋は紅葉、そして日本一きれいな星空を眺めながら出来立てのクラフトビールを味わえる幸せを是非体感して頂きたいです！

星の村天文台　株式会社大野企画(代表　大野　智裕)
事業内容： 田村市星の村天文台を指定管理者として、経営・企画・管理業務を実施。
コメント：一般の方が星空観察にどのような事を望んでいるのか？「ついでに」なのか「主体」としてなのかを見極めていきたい。1年を通して「星+食+泊まる」が出来る施設が田村市内で増加することを期待します。

福島県田村市 田村市役所 産業部観光交流課（市長　白石 高司）
コメント：交通事業者・観光拠点・市役所が連携することで、田村市の魅力が詰まった企画ができました。本事業を契機として、より多くの方に田村市の歴史や文化、観光資源の魅力を発信できるよう官民一体となり観光事業を進めてまいります。