在宅勤務は男性の育児参加を促す
夫婦のコミュニケーションや育児環境に関する研究成果
株式会社イデアラボの児玉(渡邉)茉奈美、浅野昭祐、ユニ・チャーム株式会社 共生社会研究所の菅文美、成戸洋介の研究グループは、夫婦へのインタビューや夫へのアンケート調査をもとに男性の育児参加を促す要因を明らかにしました。
本研究は、夫が「在宅勤務である」「子どもの笑顔や成長を見て幸せを感じる」「自分が育児や家事をしたことに対して肯定的な評価を受けていると感じる」という点が父親の育児参加を促進することを示したものです。
コロナ禍で企業の勤務体系が子育て家庭に与え得る影響が明らかになり、社会で注目される「男性の育児参加」に対して新たな知見を提供しました。
本研究成果は、日本家政学会誌の73巻6号にて公開されました。
本研究は、夫が「在宅勤務である」「子どもの笑顔や成長を見て幸せを感じる」「自分が育児や家事をしたことに対して肯定的な評価を受けていると感じる」という点が父親の育児参加を促進することを示したものです。
コロナ禍で企業の勤務体系が子育て家庭に与え得る影響が明らかになり、社会で注目される「男性の育児参加」に対して新たな知見を提供しました。
本研究成果は、日本家政学会誌の73巻6号にて公開されました。
- 研究成果のポイント
- コロナ禍での夫の家事育児を促進/阻害する要因を整理した
- 主な促進要因:在宅勤務、子どもとの幸せな時間、妻や友人から育児や家事への称賛・感謝がある
- 企業や社会からの働きかけとして,可能な限り在宅勤務を認めること、夫にできるだけ子どもの笑顔や成長を見る機会を設けることの必要性が示された
- 研究の背景
研究データを取得した2020年8月は新型コロナウイルスの蔓延によって家族以外との交流の制限があり、家庭外からの育児のサポートが少ない状態で、妻や子どもにとって夫の育児参加がより重要な状況であったと考えています。また,在宅勤務の普及により家にいる時間が増え,事前の育児参加に関する意志に関わらず育児に参加する状況になったことも考えられます。本研究は、そのような状況下で第一子の育児を行う父親の育児参加を促進/阻害する要因を明らかにするために行われました。
- 研究の内容
研究の結果、夫の育児参加を促す要因として(1)夫が在宅勤務であること、(2)夫が子どもの笑顔や成長を見て幸せを感じること、(3)妻や友人から夫の育児に対する称賛・感謝があること、の3つが示されました。
- 社会への影響
総務省の調査によると、コロナ禍で在宅勤務を導入した1209社のうち、約8割が収束後も在宅勤務を活用する予定または検討中と回答しています(総務省, 2021)。今後感染症対策が必要でなくなったとしても、本研究の結果からは勤務体系を柔軟にすることが子育てを支援することにつながる可能性が示されています。
企業や社会が男性の育児参加を促すためには、可能な限り在宅勤務を認めたり、できるだけ子どもの笑顔や成長を見る機会を設けたりするよう働きかけることが必要なのではないかと考えます。
- 研究員からのコメント
今後も,コロナ禍状況の継続や,新たな社会状況の変化が生じる可能性は否めません。そうした中で,本研究から得られた知見を参考に,夫婦で前向きに育児に向かっていただけると,本研究の大きな意義の一つになると考えております。
児玉(渡邉)茉奈美
株式会社イデアラボ 研究員
博士(教育学)
- 原論文情報
論文は下記リンクからオープンアクセスでご覧いただけます
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhej/73/6/73_306/_article/-char/ja/
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