97%の看護師が仕事を辞めたいと感じたことがある!辞めたい理由2位は【給与が低い】、1位は?
コロナ禍の影響もあり、その必要性が改めて重要視されている看護師という職種。看護師という専門職とはいえ、働いているのは人ですから「仕事を辞めたい」と感じたことのある方も多いことでしょう。
今回は200人の看護師に向けて「仕事を辞めたいと思った理由やきっかけ」、「仕事を辞めたい時の対処法」、「転職経験の有無」などをお聞きしました。
看護師として働いている方たちは、一体どんな時に「仕事を辞めたい」と感じているのでしょうか。
●回答者の属性
まずは「仕事を辞めたいと思ったことがあるかどうか」についてお聞きしました。
●ほぼ全員が「仕事を辞めたい」と思ったことがある!
「仕事を辞めたいと思ったことはありますか?」という質問に、なんと97%人が「思ったことがある」という結果が出ました。
一般企業で働く人たちにとっても「仕事を辞めたい」と感じることは多々ありますから、看護師に限らず、ほぼ全ての社会人の皆さんが感じていることでしょう。
辞めたいと思ったきっかけについての結果は次の通りです。
●辞めたいと思ったきっかけ1位は「人間関係」
看護師の「仕事を辞めたいと思った理由」11位以下については、こちら(https://www.vector-up.com/media/nurse-yametai/)で紹介しています。
仕事を辞めたいと思った理由の1位は「人間関係が悪い」、続いて2位に「給与が低い」、3位「業務量が多い」という結果になりました。
人間関係の悩みについては看護師に限らず、どんな職場であっても多くの人が抱えやすい悩みですよね。ただ看護師という職種ではどうしても女性が多く働く職場になりますから、人間関係に悩む人がより多いのかもしれませんね。
仕事を辞めたい具体的な理由として、下記のような意見をいただいています。
●看護師が「仕事を辞めたい」と思った理由
- 働くママは多かったですが、子供の体調不良時優遇されるスタッフと「また休み?」と嫌味を言われるスタッフに分かれて自分は後者だった。(30代女性・不定期で保健師として健診のスタッフ)
- 現場をわかっていない事務の上司が仕切っているため、コロナの検査やワクチンなどを県から委託され、相談なしに受けるので嫌になった。仕事が増えるが、人を増やすなどの対策はない。(~20代女性・子育て中の専業主婦)
- 人が足りず毎日業務量が多く残業は当たり前のため休む暇がなかった。(~20代女性・総合病院看護師)
- 責任が重く気がやすまらない。夜勤中は気疲れし吐き気がある。(~20代男性・総合病院ICU)
- 病院に勤めていたとき夜勤が続いて体力的にも精神的にもきつくなった。(40代女性・診療所の透析看護師)
- 命を預かる仕事というプレッシャーに耐えられなかった。業務量が多すぎて心に余裕が持てなくなった。(~20代女性・内科クリニック看護師)
- 子供の急な発熱などで休みたいときも、人員が足りず休ませてもらえなかった(30代女性・訪問看護ステーション)
- 人間関係が悪くて看護師の仕事そのものに集中できなかった(~20代女性・療養病院の病棟看護師)
- コロナ病棟で勤務をしているが、危険手当がでてない。(40代男性・私立大学病院の総合診療科)
- 単調な仕事でやりがいがない。あるのは点滴と酸素程度で、処置はほとんど軟膏塗布とシップ貼り。看護師じゃなくでもできる。(40代女性・老人保健施設で看護業務)
- 急性期病棟で毎日入退院が多く、バタバタしていた。残業も多く、夜間のオンコールもあった。(30代女性・専業主婦)
- 職場の休みが年間106日と少なく子供がいるがシフトによっては出勤しなくてはならないときがある。残業も多く家庭との両立が難しくなってきている。(30代女性・総合病院にて内科,外科病棟勤務)
- 上司が出たくない時間帯に無理矢理出勤させられ、夜勤でも朝勤務にまで及ぶ場合があった(30代女性・産業看護師)
- 医師からのパワーハラスメントが多い。報告したら無視される、確認をしたら怒鳴られるなどがある(~20代女性・脳神経外科と循環器の急性期病棟)
- 主に日勤でのマンパワー不足は常に感じていて、HCUという環境で重症患者も多い中、検査出しに呼ばれると病棟に看護師が1人しか残らない時もあり、危険だなと感じていた(~20代女性・HCU病棟看護師)
- 病棟勤務は土日、夜間関係なく24時間体制です。その反面、保育園は土日、休み、18時以降は延長保育がかかる状態だったから。(40代女性・大学病院の外科病棟)
●「誰かに相談する」または「転職に向けて動く」という人が多数
仕事を辞めたいと思った時、「誰かに相談する」という選択をした人が最も多い結果となりました。
回答いただいた中でもとくに注目したいのが、2位~4位の「転職活動を始める」「退職に向けて準備をする」「転職サイト等に登録する」という転職に向けて行動です。
「状況改善を訴える」「異動をお願いする」などの現状改善の選択肢を抑えて、前向きに転職を検討したことのある人が多くいる結果となりました。
転職するしないに関わらず様々な求人情報を見ることで、現在の職場と見比べて現状に納得する場合もあるかもしれませんね。
続いて、転職経験の有無についてもお聞きしています。
●転職経験のある看護師は8割以上
なんと看護師の80%以上もの人が、転職経験があるとの回答をいただきました。
大手転職サイトの調査では6割以上の人が転職経験ありと答えており、一般職よりも看護師の方が転職経験のある人が多いと言えそうです。
転職者が多い状況でも、「転職したことがない」と答えた人も18%と一定数います。転職経験がない人からは、次のような意見をいただきました。
●転職したことがない人の意見
- 人間関係を新たに築くことが大変だ、億劫だと感じる部分が大きい。夜勤がある仕事を長く続けることは難しいし、お給料は減るが、違う職種に変えた方がいいのでは?と考えるだけで終わっている。(30代女性・総合病院NICU勤務の助産師)
- 転職自体が面倒なので、このままでも良いと思っています。耐えます。(30代男性・市民病院の外科病棟看護師)
- 上司に退職を止められた。(30代女性・休職中)
- 転職活動をする時間と気力がないため転職活動には踏み切れない。(~20代女性・大学病院の救急病棟看護師)
- 人間関係は良いので残るスタッフに迷惑をかけるのではという心配がある(~20代女性・脳神経外科病棟)
- 人間関係は良好であり、転職先での人間関係は上手くいくかと不安があり転職へ踏み出せない。(~20代女性・急性期総合病院の病棟看護師)
- 現在の職場の専門性が高く、基本技術も未習得のため、どこも雇ってくれないのではないかという不安がある。そのため、転職に踏み切れない。(~20代女性・大学病院の新生児集中治療部)
- 病院奨学金を借りているので今辞めてしまったら借金ができてしまう。(~20代女性・大学病院の手術室看護師)
- どこに行っても嫌な人はいるし、結局一緒なのかなと思っています。(30代女性・総合病院の集中治療室)
また転職先での人間関係や業務内容を不安視する人もいれば、退職した後の職場に迷惑をかけてしまうのでは?と気にする人も多く、多種多様な意見をいただきました。
転職する理由も、転職しない理由も人によって様々あるかと思います。そんな中で転職した人たちは、転職前後で気持ちにどんな変化があったのでしょうか。
転職経験のある人に「転職してよかったと思うかどうか」について聞きました。
●大半の人が「転職してよかった」と感じている!
転職経験のある看護師のうち、なんと82%の人が「転職してよかった」と感じていることがわかりました。
「転職してよかった」と感じている人から、次のような意見をいただいています。
●「転職してよかった」と感じている理由
- 収入は格段に減りましたが、子供との時間を十分に取れて息抜き程度に外に働きに出れてストレスフリーです。(30代女性・不定期で保健師として健診のスタッフ)
- 人間関係がすごく嫌だったが、今は人間関係が良い。仕事は忙しいがやりがいも感じている。(~20代女性・個人病院の内科)
- 転職後は人が多く業務量も時間内で終わるためほぼ定時で帰れて満足。(~20代女性・総合病院看護師)
- 転職しなければ1つの所しかわからないし、嫌々仕事をするなら新しい場所で新しい知識を得た方が絶対に自分のためになる(30代女性・デイサービスで看護師)
- 今の職場では給料は安いですが、人間関係は良好なので転職してよかったと思います(~20代男性・総合病院の入院棟)
- 転職する前は本当に転職して大丈夫か、新しい職場でうまくやっていけるか心配でした。実際に働き始めてからは、なんとかなっているので心配するだけ時間の無駄だったなと思います。(~20代女性・療養病院の病棟看護師)
- 忙しいのは変わらないが、医師のパワハラはなくなり精神的には楽になった。福利厚生もしっかりしているので頑張った分給与に反映され、転職してよかったと思える(40代女性・特別養護老人ホームの准看護師)
- 転職前は夜勤もあり、不規則な生活で、疲れが常に溜まっている状態だった。現在は、自分の働きたいリズムで働けるため、心に余裕が出来た。(30代女性・デイサービスの看護師)
- 夜勤がなくなり、精神的にも肉体的にも楽になった。給料はほぼ同じだが、看護師と一般企業では仕事量が違いすぎると思い、やはり看護師は給料と仕事が見合っていないと感じる(~20代女性・メーカー営業職)
- 前の職場は看護学校に付属していた病院だった為学生の延長のように扱われ、業務外の課題もあった為ストレスだった。(~20代女性・美容皮膚科の看護師)
- 次の場所が良いかどうかというより、嫌だと思った場所を離れることだけでストレス軽減に繋がる(30代男性・精神科病院の看護師)
「給料は減ったが、悩みから解放された」といった意見が多く寄せられました。
給料がどれくらいもらえるかも重要な事ではありますが、職場の人間関係ややりがいの有無、勤務時間など、精神的にストレスフリーであることも給料と同じくらい大切ですよね。
前職の状況と比べて、少しでも状況改善できたなら「転職してよかった」と感じられる結果になりそうです。
また転職経験者のうち「転職してよかったとは思わない」と感じている人からは、次のような意見をいただいています。
●「転職してよかったと思わない」と感じている理由
- 自分自身としてはまだその業務に対しての新たなトラブルがあり、それに対しての対応でなかなか業務が終わらない(40代男性・老人ホームで看護師)
- 勤務体制がしんどくて体調を崩し転職したが、今のところでは以前あまり気にならなかった人間関係の悩みが多い。どこにいってもストレスはある。(~20代女性・クリニック看護師)
- 訪問看護だと融通が効くと聞いていたので転職した。家庭の時間は増えたが、人員不足のため利用者の増減で仕事量がかわる。(40代女性・訪問看護ステーションの看護師)
- 転職前はしんどいのでやめたい一心だったけど、やめてからは体は楽だけど張り合いがない。(40代女性・障がい者施設の看護師)
- 退職を申し出てから辞めるまでの期間が気まずかった。次の職場でも新しく覚える事が多く、大変だった。(30代女性・休職中)
- 急性期病院→急性期病院の転職をしましたが、どちらも忙しさやマンパワー不足は常に感じます。(~20代女性・HCU病棟看護師)
転職して新たな職場に行くわけですから、新しい環境に身を置くのは少なからずストレスがかかります。新たなストレスで転職を後悔してしまう気持ちも分かりますが、慣れた先でどう感じるかが重要と言えそうですね。
●仕事を辞めたい気持ちが強いなら、転職も前向きに考えてみよう
看護師が仕事を辞めたい理由や、辞めたい時の対処法、転職経験の有無などをご紹介しました。
看護師という専門職とはいえ、働いているのは一般の人。人間関係や職場環境などによって「仕事を辞めたい」と感じてしまう人は大勢います。
そんな時に無理して働き続けるのではなく、状況改善のために誰かに相談してみたり、転職に向けて動いてみたり、とにかく何かしら行動に移す人が多くいました。
また実際に転職経験のある看護師は8割以上、その中で転職を後悔している人はそんなに多くはいません。
どうしても「仕事を辞めたい」気持ちが強く、負担が大きいなら、転職に向けて動いてみるのも良さそうですね。
調査概要
調査日:2022年12月1日~2022年12月15日、2022年12月20日~2023年1月3日
調査方法:インターネットによる選択・記述式回答
調査対象:看護師での職務経験がある方
調査人数:200人
■株式会社ベクトルについて
人事のトータルソリューション企業として、人事コンサルティング事業をはじめ、人材紹介事業、採用支援事業など、さまざまな事業を展開しています。
URL:https://www.vector-up.com
さまざまな悩みを解決に導く情報メディア「解決!ナビゲーター」(https://www.vector-up.com/media/)を運営。看護師に向けて転職情報の紹介(https://www.vector-up.com/media/nurse-tenshoku/)など、仕事に悩みがある人に向けて参考になる情報を掲載しています。
お金の悩みを解決できる有益情報お金を借りる方法(https://www.vector-up.com/media/okane-kariru/)や数多くのクレジットカードの中から、自分に合った最良のクレジットカードが見つかるおすすめのクレジットカード情報(https://www.vector-up.com/media/creditcard/)、借金の返済に困っている方に、借金減額の仕組み(https://www.vector-up.com/media/debt-reliefsystem/)についても提供しています。
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