「GXリーグ シンポジウム2022 Autumn」を開催 GXリーグ設立準備として半年間重ねた議論や活動内容の紹介や日本のGX推進についてグローバル視点を踏まえ議論
来る2050年のカーボンニュートラルに向け、551社※1の賛同企業と政府・産業界・金融界が連携する「GXリーグ」初となる活動報告の場
この度、経済産業省とGXリーグ設立準備事務局は、GXリーグのこれまでの取組みを紹介し、日本におけるGXの機運をより高める機会として「GXリーグ シンポジウム2022 Autumn」を11月24日(木)にオンライン形式にて開催いたしました。
来る2050年のカーボンニュートラル実現と社会変革に向け、551社※1の賛同企業が連携し、GX(グリーン・トランスフォーメーション)※2ヘの挑戦を行う「GXリーグ」。2022年度においては、準備段階として、2023年度の本格稼働に向けた様々な実証や議論を行っております。
※1 2022年10月31日時点
※2 2050年カーボンニュートラルや、2030年の国としての温室効果ガス排出削減目標の達成に向けた取組を
経済の成長の機会と捉え、排出削減と産業競争力の向上の実現に向けて、経済社会システム全体を変革すること
来る2050年のカーボンニュートラル実現と社会変革に向け、551社※1の賛同企業が連携し、GX(グリーン・トランスフォーメーション)※2ヘの挑戦を行う「GXリーグ」。2022年度においては、準備段階として、2023年度の本格稼働に向けた様々な実証や議論を行っております。
※1 2022年10月31日時点
※2 2050年カーボンニュートラルや、2030年の国としての温室効果ガス排出削減目標の達成に向けた取組を
経済の成長の機会と捉え、排出削減と産業競争力の向上の実現に向けて、経済社会システム全体を変革すること
シンポジウム当日は、セッション1 で、GXリーグのこれまでの活動紹介として、賛同企業数社が登壇しこれまでの取組事例を紹介。そしてセッション2では、世界的なESG経営のエキスパートであるヘレ・バンク・ヨルゲンセン氏をキーノートスピーカーに迎え、「脱炭素を企業成長・経済成長につなげるには」というテーマにて賛同企業とのパネルディスカッションを行い、それぞれの立場から考察を深め、これまで実施してきたGXリーグ設立準備の成果や今後に向けた抱負などを発表いたしました。
10月末現在、551社の企業が賛同しているGXリーグには「未来像策定」「ルールメイキング」「排出量取引」の場に加え、企業間の意識共有や共創を目的として開催している「GXスタジオ」の計4つの活動があることを紹介。本シンポジウムの目的を「すでに活動を始めている内容の紹介や今日のディスカッションを通して、賛同企業だけでなく、これから賛同を考えている企業の方たちにも具体的な中身を知っていただく、発信の場にしたいと思っております。」と述べました。
また、今後の展望について「GXリーグには企業と対話をするという機能と、排出量を削減しながら経済成長していくという両面があり、今後は各企業のやりたいことと、政府全体内での政策の進め方、ここをうまく連動させながら発展していきたい。今回のシンポジウムで企業の皆様から、新たなやりたいことや論点を出していただいたうえで、さらに進化させ皆様のこれからの活動の参考にしてもらいたいと思います。」と抱負を語りました。
参加社を代表して、三ッ輪ホールディングス㈱の及川 浩氏、インフォメティス㈱の林 貴典氏より、議論を経て取りまとめたビジネス機会について発表いただきました。「議論をする中で、カーボンニュートラルに対する課題感は共通しているものの、業種が様々で切り口・発想が違うため、多様性を軸とした相乗効果が生まれる可能性を感じました。(及川氏)」「今後は今回着想したアイデアをもっとブラッシュアップして、個人や企業の中で、新しい商品やサービスへの展開に取り組んでいきたい。(林氏)」といった感想や意気込みが語られました。
次に、市場ルール形成の取組においてワーキンググループ(WG)第一号となる「GX経営促進WG」にて幹事企業を務める、野村ホールディングス㈱ 濟木 ゆかり氏よりプレゼンテーションを行いました。本WGでは、製造業や総合商社、金融などあらゆるセクターから計79社が参画していること、世界全体のカーボンニュートラル実現に向け、日本企業が持つ気候変動への貢献の機会面が適切に評価される仕組みを構築するという目的があることが説明されました。また、「気候変動へのチャレンジをビジネス機会にしていくような取組みをサポートし、受け身ではなく積極的に課題解決に立ち向かえる社会を目指していきたい。」と展望も語られました。
最後に、業界を超えた企業間の連携と、その土壌として賛同企業が交流し合うこと自体を目的にした取組み「GXスタジオ」について、GXスタジオにてファシリテーターを務める事務局の上地 浩之氏(㈱博報堂)より、第1回目のGXスタジオ登壇者である、ライオン㈱岡野 知道氏にお話を聞きました。「GXスタジオを含め、GXリーグには多様な業界の企業が賛同しており、共通言語がまばらな中で対話の重要性と難しさを同時に感じた」と岡野氏。しかし「その対話から生まれる共感を基にした、規制的な”抑制型のルールメイク”ではなく、底上げ的な”共感型ルールメイク”の可能性に気づき、GXスタジオという空間の面白さを感じました。」と手応えが明かされました。
また、”shouldよりもwant”がコンセプトでもあるGXリーグでやってみたいこととして、「実際に他の賛同企業と連携して、新しい環境価値創出事業の検討を開始しており、今後も各企業との連携を深めたい。(及川氏)」「ルール形成の分野ではガラパゴス化が起こらないよう、国際的ガイダンスとの整合性も重要となってくるが、551社という賛同企業各社の、国内外のネットワークを用いた民間主導の活力は強力だと感じた(濟木氏)」という今後の企業間の連携強化への意気込みや「中にはビジネスに昇華したい方もおられるので、ビジネスコンペがあってもいい(林氏)」と具体的な案が出たり、賛同企業のメンバーの熱量の高さが伺える場面もありました。
最後に梶川室長より「対話の先にある共感が非常に重要。気候変動においては取り締まりやマスト事項という捉え方ではなく、CO2削減や環境価値の創出が生活者の共感を起こし、そこにビジネスとしての利益も乗り、自分事として気候変動の取組がなされていくポジティブなスパイラルを作っていきたい。今日出た意見や日々の対話でいただいた意見を基に、よりよいGXリーグにしていきたいと思います。」と述べ、セッションを締めくくりました。
どうすれば日本の NDC(国が決定する貢献)を達成する一助となりつつ、将来の低炭素市場において競争力を確保することができるか?というテーマでは、「ビジネスリーダーには、今世界中で起きている様々な気候変動が自社のビジネスにもたらすリスクはもちろん、チャンスを見極めてもらう必要がある。GXリーグのメンバーはすなわち、気候変動リーダーとして機会と競争優位性をつかむことのできる企業であると思う。」と話されました。また、脱炭素についての解説や、日本のネットゼロへの移行について、「脱炭素化は企業に競争力を維持する源泉になると同時に、温室効果ガスの排出量や損失と損害、人材開発に関連するコストを減らしてくれる。企業の脱炭素戦略で重要なのは、ビジネスリーダーが気候変動によるリスクを理解し、物理的な損害だけでなく、ネットゼロへの道のりにおける移行リスクも考えなくてはならない。その両方のリスクへの理解が必要になる。」と述べられました。
後半では、世界的なGX先進事例を紹介、「収益性と持続可能性は、矛盾するのではなく、むしろ手を取り合って成り立つ」という点を実例を交えて分かりやすく解説いただいたほか、ISSB(国際サステナビリティ基準審議会)による公開草案など、サステナビリティ・気候関連の世界的情勢についても詳細に説明をいただきました。最後に、「気候変動との世界における戦いにおいては、単独の企業や国ではネットゼロを達成することはできない。さまざまなプレイヤーが参加するGXリーグの取組みは非常に素晴らしいことで、2050年までに国内ネットゼロへ移行するうえで、大きな役割を果たされると考える。この道のりは平坦ではないが、先見の明と覚悟を持った指導者のいる企業は長期的に生き残り、発展する可能性が最も高い。」とGXリーグへのエールをいただきました。
ディスカッションの終盤、「今回GXリーグという非常にチャレンジングな取組みを起動されたということに対し、深く感謝を申し上げたい。加えて、削減貢献量の話やスコープ3の話を産業政策として捉えてもらい、GXリーグの中で皆で議論する座組みを作っていただいたというのは、非常に大きな一歩だと思う。引き続き一緒になって取り組ませていただきたい。(小山氏)」、「内向きに閉じてガラパゴス化するルールではなく、グローバル基準でスタンダード化していくように、私たちも一緒に取り組んでいく必要がある。(高橋氏)」、「1人しか当事者が参加しないと、システミックな変革は起きない。なので、ビジョンを持ち、望む将来をみんなで議論し、どうやって一緒に到達するかというコミュニケーションを取ることが最も大切。それができないと、到達したいところには行けない。(ヘレ氏)」と、今後への期待と抱負をそれぞれが語りました。最後に経済産業省の中山が、「政府としても脱炭素をしっかりと成長につなげて行く、そのために何ができるかということを考えながら、皆様と一緒に取り組んでまいりたい」と締めくくり、閉会いたしました。
当日の動画は下記URLよりご覧いただけます。
https://www.youtube.com/watch?v=UuS5MkUQDx4
※アーカイブ動画のスクリーンショットはご遠慮くださいませ。
■日 時:2022年11月24日(木)10:00~13:00(9:30受付開始) ※11:00~11:30は休憩時間
■会 場:UNIVERSITY of CREATIVITY マンダラ(東京都港区赤坂5丁目3番1号赤坂Bizタワー23階)
■登壇者: ・経済産業省 梶川 文博、中山 竜太郎
・㈱博報堂 ブランド・イノベーションデザイン局 根本 かおり、上地 浩之
・三ッ輪ホールディングス㈱ 取締役 及川 浩氏(リモート登壇)
・インフォメティス㈱ サービス事業本部 ビジネス開発部 林 貴典氏(リモート登壇)
・野村ホールディングス㈱ サステナビリティ推進室 濟木 ゆかり氏
・ライオン㈱ 執行役員 環境戦略担当 岡野 知道氏
・コンピテント・ボードの創設者兼CEO ヘレ・バンク・ヨルゲンセン氏(リモート登壇)
・ダイキン工業㈱ 東京支社渉外室(兼)CSR・地球環境センター 小山 師真氏
・㈱日立製作所 サステナビリティ推進本部 高橋 和範氏
・エネルギーアナリスト 前田 雄大氏
■内 容:
【セッション1 10:00~
・GXリーグの目的と事業の概況
-経済産業省 梶川 文博
・賛同企業による取組発表① 未来像策定について
-㈱博報堂 根本 かおり(モデレーター)、三ッ輪ホールディングス㈱ 及川 浩氏、
インフォメティス㈱ 林 貴典氏
・賛同企業による取組発表② GX経営促進ワーキング・グループについて
-野村ホールディングス㈱ 濟木 ゆかり氏
・賛同企業による取組発表③ GXスタジオについて
-㈱博報堂 上地 浩之(モデレーター) 、ライオン㈱ 岡野 知道氏
・ディスカッション GXリーグのこれまでとこれから
- ㈱博報堂 上地 浩之(モデレーター)、野村ホールディングス㈱ 濟木 ゆかり氏、
ライオン㈱ 岡野 知道氏、三ッ輪ホールディングス㈱ 及川 浩氏、
インフォメティス㈱ 林 貴典氏、経済産業省 梶川 文博
【セッション2 11:30~】
テーマ:脱炭素を企業成長・経済成長につなげるためには
・基調講演
-コンピテント・ボード ヘレ・バンク・ヨルゲンセン氏
・ディスカッション
-エネルギーアナリスト 前田 雄大氏(モデレーター)、
コンピテント・ボード ヘレ・バンク・ヨルゲンセン氏、ダイキン工業㈱ 小山 師真氏、
㈱日立製作所 高橋和範氏、経済産業省 中山 竜太郎
2050年カーボンニュートラルや、2030年の国としての温室効果ガス排出削減目標の達成に向けた取組を経済の成長の機会と捉え、排出削減と産業競争力の向上の実現に向けて、経済社会システム全体の変革がGXです。
【GXリーグとは】
2050年カーボンニュートラル実現と社会変革を見据えて、GX(グリーントランスフォーメーション)ヘの挑戦を行い、持続的な成長実現を目指す企業が同様の取組を行う企業群を官・学と共に協働する場が、GXリーグです。
- 【セッション1】シンポジウムの目的と、GXリーグの概況や今後の展望について、経済産業省 梶川 文博より紹介。「今後は各企業のやりたいこと、政府全体の政策の進め方を連動させながら発展させていきたい。」
セッション1は、GXリーグ事務局を代表し、経済産業省 産業技術環境局 環境経済室長の梶川文博の挨拶よりスタートしました。
10月末現在、551社の企業が賛同しているGXリーグには「未来像策定」「ルールメイキング」「排出量取引」の場に加え、企業間の意識共有や共創を目的として開催している「GXスタジオ」の計4つの活動があることを紹介。本シンポジウムの目的を「すでに活動を始めている内容の紹介や今日のディスカッションを通して、賛同企業だけでなく、これから賛同を考えている企業の方たちにも具体的な中身を知っていただく、発信の場にしたいと思っております。」と述べました。
また、今後の展望について「GXリーグには企業と対話をするという機能と、排出量を削減しながら経済成長していくという両面があり、今後は各企業のやりたいことと、政府全体内での政策の進め方、ここをうまく連動させながら発展していきたい。今回のシンポジウムで企業の皆様から、新たなやりたいことや論点を出していただいたうえで、さらに進化させ皆様のこれからの活動の参考にしてもらいたいと思います。」と抱負を語りました。
- 【セッション1】“GXリーグの「対話」と「共創」”「未来像策定」「GX経営促進WG」「GXスタジオ」での、賛同企業による取組み成果紹介。
参加社を代表して、三ッ輪ホールディングス㈱の及川 浩氏、インフォメティス㈱の林 貴典氏より、議論を経て取りまとめたビジネス機会について発表いただきました。「議論をする中で、カーボンニュートラルに対する課題感は共通しているものの、業種が様々で切り口・発想が違うため、多様性を軸とした相乗効果が生まれる可能性を感じました。(及川氏)」「今後は今回着想したアイデアをもっとブラッシュアップして、個人や企業の中で、新しい商品やサービスへの展開に取り組んでいきたい。(林氏)」といった感想や意気込みが語られました。
次に、市場ルール形成の取組においてワーキンググループ(WG)第一号となる「GX経営促進WG」にて幹事企業を務める、野村ホールディングス㈱ 濟木 ゆかり氏よりプレゼンテーションを行いました。本WGでは、製造業や総合商社、金融などあらゆるセクターから計79社が参画していること、世界全体のカーボンニュートラル実現に向け、日本企業が持つ気候変動への貢献の機会面が適切に評価される仕組みを構築するという目的があることが説明されました。また、「気候変動へのチャレンジをビジネス機会にしていくような取組みをサポートし、受け身ではなく積極的に課題解決に立ち向かえる社会を目指していきたい。」と展望も語られました。
最後に、業界を超えた企業間の連携と、その土壌として賛同企業が交流し合うこと自体を目的にした取組み「GXスタジオ」について、GXスタジオにてファシリテーターを務める事務局の上地 浩之氏(㈱博報堂)より、第1回目のGXスタジオ登壇者である、ライオン㈱岡野 知道氏にお話を聞きました。「GXスタジオを含め、GXリーグには多様な業界の企業が賛同しており、共通言語がまばらな中で対話の重要性と難しさを同時に感じた」と岡野氏。しかし「その対話から生まれる共感を基にした、規制的な”抑制型のルールメイク”ではなく、底上げ的な”共感型ルールメイク”の可能性に気づき、GXスタジオという空間の面白さを感じました。」と手応えが明かされました。
- 【セッション1】多種多様な企業が対話を重ねる「GXリーグ」のこれからについてディスカッション。「対話の先にある共感が非常に重要」。
また、”shouldよりもwant”がコンセプトでもあるGXリーグでやってみたいこととして、「実際に他の賛同企業と連携して、新しい環境価値創出事業の検討を開始しており、今後も各企業との連携を深めたい。(及川氏)」「ルール形成の分野ではガラパゴス化が起こらないよう、国際的ガイダンスとの整合性も重要となってくるが、551社という賛同企業各社の、国内外のネットワークを用いた民間主導の活力は強力だと感じた(濟木氏)」という今後の企業間の連携強化への意気込みや「中にはビジネスに昇華したい方もおられるので、ビジネスコンペがあってもいい(林氏)」と具体的な案が出たり、賛同企業のメンバーの熱量の高さが伺える場面もありました。
最後に梶川室長より「対話の先にある共感が非常に重要。気候変動においては取り締まりやマスト事項という捉え方ではなく、CO2削減や環境価値の創出が生活者の共感を起こし、そこにビジネスとしての利益も乗り、自分事として気候変動の取組がなされていくポジティブなスパイラルを作っていきたい。今日出た意見や日々の対話でいただいた意見を基に、よりよいGXリーグにしていきたいと思います。」と述べ、セッションを締めくくりました。
- 【セッション2】「GXリーグのメンバーは、気候変動リーダーとして機会と競争優位性をつかめる企業である。」世界的なESG経営の専門家であるヘレ・バンク・ヨルゲンセン氏の基調講演。
セッション2は、世界的なESG経営のエキスパートであるヘレ・バンク・ヨルゲンセン氏のキーノートからスタートしました。ヨルゲンセン氏はサステナビリティについて、「現在の社会のニーズを満たしつつも、将来の世代のリソースを奪わないという基本的な考え方に基づいている。サステナビリティにおける最大のリスクの一つが、本日のテーマである気候変動と脱炭素化だが、これらのリスクの裏にはそれ以上の”機会”が隠れている。サステナビリティは類を見ない市場拡大を遂げており、特に今年は世界中の投資家、企業リーダー、政府関係者が気候関連の約束や環境上の懸念への対応における進捗に注目している。」と関心の高さを述べられました。
どうすれば日本の NDC(国が決定する貢献)を達成する一助となりつつ、将来の低炭素市場において競争力を確保することができるか?というテーマでは、「ビジネスリーダーには、今世界中で起きている様々な気候変動が自社のビジネスにもたらすリスクはもちろん、チャンスを見極めてもらう必要がある。GXリーグのメンバーはすなわち、気候変動リーダーとして機会と競争優位性をつかむことのできる企業であると思う。」と話されました。また、脱炭素についての解説や、日本のネットゼロへの移行について、「脱炭素化は企業に競争力を維持する源泉になると同時に、温室効果ガスの排出量や損失と損害、人材開発に関連するコストを減らしてくれる。企業の脱炭素戦略で重要なのは、ビジネスリーダーが気候変動によるリスクを理解し、物理的な損害だけでなく、ネットゼロへの道のりにおける移行リスクも考えなくてはならない。その両方のリスクへの理解が必要になる。」と述べられました。
後半では、世界的なGX先進事例を紹介、「収益性と持続可能性は、矛盾するのではなく、むしろ手を取り合って成り立つ」という点を実例を交えて分かりやすく解説いただいたほか、ISSB(国際サステナビリティ基準審議会)による公開草案など、サステナビリティ・気候関連の世界的情勢についても詳細に説明をいただきました。最後に、「気候変動との世界における戦いにおいては、単独の企業や国ではネットゼロを達成することはできない。さまざまなプレイヤーが参加するGXリーグの取組みは非常に素晴らしいことで、2050年までに国内ネットゼロへ移行するうえで、大きな役割を果たされると考える。この道のりは平坦ではないが、先見の明と覚悟を持った指導者のいる企業は長期的に生き残り、発展する可能性が最も高い。」とGXリーグへのエールをいただきました。
- 【セッション2】「チャンスを捉えるコツ」「移行リスクの捉え方」「業界内外と連携する重要性」など、「脱炭素を企業成長・経済成長につなげるためには」をテーマにディスカッション。
セッション2の締めくくりは、エネルギーアナリストの前田 雄大氏がモデレーターを務め、ヘレ・バンク・ヨルゲンセン氏、ダイキン工業㈱ 小山 師真氏、㈱日立製作所 高橋 和範氏、経済産業省 産業技術環境局 環境経済室 中山 竜太郎の4名で「脱炭素を企業成長・経済成長につなげるためには?」をテーマとしたディスカッションが行われました。具体的には、ダイキン工業㈱や㈱日立製作所が取り組んでいる「カーボンニュートラルの実現に向けた取組みの発表」を入り口に、「脱炭素時代にチャンスを捉えるコツ・移行リスクの捉え方」や「業界内外と連携する重要性」などについて有意義な意見交換が行われました。
ディスカッションの終盤、「今回GXリーグという非常にチャレンジングな取組みを起動されたということに対し、深く感謝を申し上げたい。加えて、削減貢献量の話やスコープ3の話を産業政策として捉えてもらい、GXリーグの中で皆で議論する座組みを作っていただいたというのは、非常に大きな一歩だと思う。引き続き一緒になって取り組ませていただきたい。(小山氏)」、「内向きに閉じてガラパゴス化するルールではなく、グローバル基準でスタンダード化していくように、私たちも一緒に取り組んでいく必要がある。(高橋氏)」、「1人しか当事者が参加しないと、システミックな変革は起きない。なので、ビジョンを持ち、望む将来をみんなで議論し、どうやって一緒に到達するかというコミュニケーションを取ることが最も大切。それができないと、到達したいところには行けない。(ヘレ氏)」と、今後への期待と抱負をそれぞれが語りました。最後に経済産業省の中山が、「政府としても脱炭素をしっかりと成長につなげて行く、そのために何ができるかということを考えながら、皆様と一緒に取り組んでまいりたい」と締めくくり、閉会いたしました。
当日の動画は下記URLよりご覧いただけます。
https://www.youtube.com/watch?v=UuS5MkUQDx4
※アーカイブ動画のスクリーンショットはご遠慮くださいませ。
- 実施概要
■日 時:2022年11月24日(木)10:00~13:00(9:30受付開始) ※11:00~11:30は休憩時間
■会 場:UNIVERSITY of CREATIVITY マンダラ(東京都港区赤坂5丁目3番1号赤坂Bizタワー23階)
■登壇者: ・経済産業省 梶川 文博、中山 竜太郎
・㈱博報堂 ブランド・イノベーションデザイン局 根本 かおり、上地 浩之
・三ッ輪ホールディングス㈱ 取締役 及川 浩氏(リモート登壇)
・インフォメティス㈱ サービス事業本部 ビジネス開発部 林 貴典氏(リモート登壇)
・野村ホールディングス㈱ サステナビリティ推進室 濟木 ゆかり氏
・ライオン㈱ 執行役員 環境戦略担当 岡野 知道氏
・コンピテント・ボードの創設者兼CEO ヘレ・バンク・ヨルゲンセン氏(リモート登壇)
・ダイキン工業㈱ 東京支社渉外室(兼)CSR・地球環境センター 小山 師真氏
・㈱日立製作所 サステナビリティ推進本部 高橋 和範氏
・エネルギーアナリスト 前田 雄大氏
■内 容:
【セッション1 10:00~
・GXリーグの目的と事業の概況
-経済産業省 梶川 文博
・賛同企業による取組発表① 未来像策定について
-㈱博報堂 根本 かおり(モデレーター)、三ッ輪ホールディングス㈱ 及川 浩氏、
インフォメティス㈱ 林 貴典氏
・賛同企業による取組発表② GX経営促進ワーキング・グループについて
-野村ホールディングス㈱ 濟木 ゆかり氏
・賛同企業による取組発表③ GXスタジオについて
-㈱博報堂 上地 浩之(モデレーター) 、ライオン㈱ 岡野 知道氏
・ディスカッション GXリーグのこれまでとこれから
- ㈱博報堂 上地 浩之(モデレーター)、野村ホールディングス㈱ 濟木 ゆかり氏、
ライオン㈱ 岡野 知道氏、三ッ輪ホールディングス㈱ 及川 浩氏、
インフォメティス㈱ 林 貴典氏、経済産業省 梶川 文博
【セッション2 11:30~】
テーマ:脱炭素を企業成長・経済成長につなげるためには
・基調講演
-コンピテント・ボード ヘレ・バンク・ヨルゲンセン氏
・ディスカッション
-エネルギーアナリスト 前田 雄大氏(モデレーター)、
コンピテント・ボード ヘレ・バンク・ヨルゲンセン氏、ダイキン工業㈱ 小山 師真氏、
㈱日立製作所 高橋和範氏、経済産業省 中山 竜太郎
- GXおよびGXリーグとは?
【GX(グリーントランスフォーメーション)とは】
2050年カーボンニュートラルや、2030年の国としての温室効果ガス排出削減目標の達成に向けた取組を経済の成長の機会と捉え、排出削減と産業競争力の向上の実現に向けて、経済社会システム全体の変革がGXです。
【GXリーグとは】
2050年カーボンニュートラル実現と社会変革を見据えて、GX(グリーントランスフォーメーション)ヘの挑戦を行い、持続的な成長実現を目指す企業が同様の取組を行う企業群を官・学と共に協働する場が、GXリーグです。
- GXリーグが提供する3+1の場
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