ベトナム絹絵画家グエン・ファン・チャン 絵画保存修復プロジェクト展 「愛を語る人 ―画家のまなざしをつなぐ人々の物語―」を開催

2023年4月28日(金)~5月19日(金) 金沢21世紀美術館 市民ギャラリーB

日越外交関係樹立50周年記念事業
ベトナムを代表する絹絵画家グエン・ファン・チャンの修復作品を展示
絵画保存修復家・岩井希久子氏によるトークショーも開催

一般財団法人三谷文化芸術保護情報発信事業財団(所在地:石川県金沢市、代表理事:三谷 充、以下 本財団)は、日本とベトナムの外交関係樹立50周年にあたる今年、4月28日(金)から5月19日(金)まで、金沢21世紀美術館にて、ベトナムを代表する絹絵画家グエン・ファン・チャンの絵画保存修復プロジェクト展「愛を語る人 ―画家のまなざしをつなぐ人々の物語―」を開催します。
本展はこれまで十余年にわたり挑んできた絵画保存修復プロジェクトによって蘇らせることができた、グエン・ファン・チャンの作品16点と、絵画保存修復のドキュメンタリー映像や修復道具、資料を一堂に紹介します。
グエン・ファン・チャン(阮 潘正、1892.7.21-1984.11.12)は生涯をかけてベトナム近代絹絵を確立した、ベトナムを代表する画家です。他国からの支配、抵抗、独立にいたるまでの長く困難な時代を生きた彼は、無邪気に遊ぶ子どもの姿や働く女性の姿に、ヒューマニティにあふれたまなざしを注ぎ、日常の尊さを生涯にわたって描き続けてきました。

ベトナム近代絹絵の技法は、精緻な筆致で絹地に水彩で描き、何度も水洗いをしてはまた描画を繰り返し、色を染め続ける表現手法です。高温多湿の厳しい環境、混迷の状況下で傷んでしまった作品を、保存・修復し未来に遺したいという画家の長女グエット・トゥ氏の願いを受け、日本の有志によって2008年に絵画保存修復プロジェクトが立ち上がりました。絵画保存修復家である岩井希久子氏や、民間企業の支援や最新の技術により、15年の歳月を経て、繊細な絹に描かれた画家のまなざしが美しく蘇ります。

今回は、修復後初公開となる1作品《香炉の火煙(ひけむり)》をはじめ、これまでに修復された全16作品を展示します。また、絵画保存修復のドキュメンタリー映像や、クロストークショーおよび絵画保存修復プロジェクトの記録映画である『記憶を繋ぐ人々』(2017年)も上映されます。なお、入場料とクロストークショーの参加費はどちらも無料です。
本財団はこれからも、東アジアにおける歴史的価値のある文化芸術を保護し、地域に根ざした芸術活動を支援していきます。

■展覧会概要

展覧会名

ベトナム絹絵画家グエン・ファン・チャン 絵画保存修復プロジェクト展
「愛を語る人 ―画家のまなざしをつなぐ人々の物語―」
会期

2023年4月28日(金)~5月19日(金)

※月曜休館日、5月14日(日)臨時休館日
開場時間/10:00~18:00

会場 金沢21世紀美術館 市民ギャラリーB(地下1階)
石川県金沢市広坂1-2-1
入場料 無料
展示内容  絹絵、素描、水彩画16点(修復作品)
修復工程、修復道具
修復ドキュメンタリーフィルム
主催 一般財団法人 三谷文化芸術保護情報発信事業財団
共催 三谷産業株式会社、株式会社クリエイティブ・ポジション・コア
特別協力 有限会社IWAI ART保存修復研究所
協力 セーレン株式会社、三菱ガス化学株式会社、株式会社サビア、株式会社TTトレーディング
後援 石川県、金沢市、在大阪ベトナム社会主義共和国総領事館、北陸ベトナム相互企業進出促進協会

■今回の見どころ
  • 修復後初公開される《香炉の火煙(ひけむり)》
  • 絵画保存修復家・岩井希久子氏によって修復されたグエン・ファン・チャンの16作品と、美術照明家・藤原工氏の展示照明によって作り出される空間
  • 絵画保存修復のドキュメンタリー映像
  • 絵画保存修復の工程と道具、資料の展示

■スペシャルイベント
クロストーク vol.1 「絵画保存修復プロジェクトから見えてきたもの」
岩井 希久子(絵画保存修復家)× 林 寿美(インディペンデント・キュレーター)

2023年4月29日(土・祝) 13:00-14:30

クロストーク vol.2 「ベトナムのなかのフランス文化 新しい『工藝』の誕生」
二村 淳子(白百合女子大学准教授)× 十一代 大樋長左衛門(陶芸家)

2023年4月29日(土・祝)16:00-17:30

映画上映「記憶を繋ぐ人々」(2017年)
絵画保存修復プロジェクトの記録映画(約75分の作品)

2023年4月30(日)11:00〜、13:00〜、15:00〜(3回上映)

いずれも会場は金沢21世紀美術館 シアター21(地下1階) 参加費:無料 定員:各100名(先着順)

■ グエン・ファン・チャン(1892-1984)

1892年、現在のベトナム北中部、ハティン省タックハ県のティエンバット村生まれ。儒学者の家系に生まれるが、幼い頃に父を亡くし、漢字や読み書きを子どもに教える家庭教師の仕事をしながら家計を支えた。フランス語の教養も身につけ、1925年、インドシナ美術学校(École des Beaux-arts de l’Indochine)の第一期生として入学。フランス人教師の勧めにより、在学中に自身の東洋文化のアイデンティティと一致した素材、絹での制作を始める。1931年にはパリ国際植民地博覧会に出品し、フランスで高い評価を得る。1960年以降は、北ベトナム(ベトナム民主共和国)の国会議員を務めるなど、変化する社会の中でも常に評価され続けた稀有な画家である。東洋と西洋の文化が交錯する1930年代から激動の1970年代まで、一貫して目に映った風景、日常に生きる人々を描写し続けた。

■ 絵画保存修復家(アート・コンサヴェター) 岩井 希久子 (写真右)

1955年熊本県生まれ。1974年に熊本県立美術館初代副館長の父親の紹介で絵画保存修復と出会う。
1980年イギリスに渡り、ロンドンのナショナル・マリタイム・ミュージアムで修復技術を学ぶ。 1984年帰国。以降、フリーランスとして、モネ、ゴッホ、ピカソといった名画の修復を手がけるほか、香川県直島の地中美術館のモネ《睡蓮》の修復保存展示計画や、現代アート、セル画など多様な表現の修復にも挑む。2009年から娘の貴愛(写真左)と共に、グエン・ファン・チャン作品の保存修復プロジェクトに取り組むほか、2016年からは熊本地震で被災した油彩画作品の保存修復プロジェクトを遂行中。

(補足情報)
【一般財団法人三谷文化芸術保護情報発信事業財団】https://mitani-pcap.jp/

日本および東アジアの対象国・地域における歴史的価値のある文化芸術の保護および地域を背景にした芸術活動の支援、成果の情報発信を行うことを目的に2021年に設立されました。
これまでに「ベトナム絹絵画家グエン・ファン・チャン 絵画保存修復プロジェクト」によるアート保護活動と、アーティスト・イン・レジデンス活動支援である「Artist in 金澤町家」プロジェクトを展開しています。

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会社概要

URL
https://mitani-pcap.jp/
業種
財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
石川県金沢市昭和町16番1号
電話番号
-
代表者名
三谷 充
上場
未上場
資本金
-
設立
2021年03月