清川あさみ×伝統芸能プロジェクト「新古典楽し座」が発足〜新作能『NOBODY』製作決定〜
見たことない1000年前と1000年後を繋ぐ令和のショー、文化継承にご賛同いただけるクラウドファンディングを本日より開始
株式会社Dots(所在地:東京都渋谷区、代表:Asami Kiyokawa)は、この度、清川あさみ×伝統芸能プロジェクト「新古典楽し座」を発足し、新古典楽し座による一夜限りの新作『NOBODY』の制作が決定することを発表いたしました。
美術家/絵本作家/プロデューサーである清川は、過去の取り組みとして2020年3月、故郷・兵庫県淡路島の地域資源の魅力を向上させ、交流人口の拡大及び地域の活性化を図るため設置された『南あわじ市地域魅力プロデューサー』に就任。500年受け継がれる淡路島の国指定重要無形民族文化財である伝統芸能「淡路人形浄瑠璃」を令和の時代に合わせてアップデートする「淡路人形浄瑠璃再生プロジェクト」を立ち上げ、誰も見たことない物語の継承を始めました。
脚本家にはいとうせいこう氏を招き、元々のストーリーを深く解釈しながらも既存の演出に捉われることなく、映像・現代アート・テキスタイルなど様々な要素を掛け合わせ、2021年3月に新演目『戎舞+(プラス)』を発表。淡路人形座来場動員数を大幅に塗り替え、新しい風を吹き込んで参りました。
そしてこの度、見たことない1000年前と1000年後を繋ぐ令和のショー「新古典楽し座」プロジェクトを新たに発足。
再び、清川あさみといとうせいこう氏がタッグを組み、古典芸能のジャンルの垣根を越えてあらゆる文化資源を結び合わせ、また現代とも繋がる演出で次々に私たちの過去を今にします。
【「新古典楽し座」とは】
異種の伝統芸能を組み合わせ、日常で考えさせられるような素朴な問題提起を文学的なアプローチと共に描くアートパフォーマンス。
人形浄瑠璃に続く、総合監修の清川あさみをはじめとして作家いとうせいこう氏など日本古来のエンタテイメントの魅力を様々な分野のプロフェッショナルと再発見する試みです。
【制作背景】
2019年より構想をはじめ、震災から観光客が衰退しているという、故郷の伝統芸能の人形浄瑠璃の復興をお手伝いして欲しいというプロジェクトがきっかけでスタートしました。
人形浄瑠璃は1人の人間に対し、命を吹き込むために3人もの人間が必要です。様々な工夫をしながら命がけで考え、伝えられてきたこの文化を、全く新しい価値観を作るための編集と物語を芸術としてみせるしかない、日本人の心とその大切さを伝えていきたいという強い思いが生まれました。
次世代に継承する方法は過去にもある中、さらに改め再編集し、新しい舞台の価値観(大衆演劇)を作ることによって、場所と時代でより変化させながら成長していけるのではないか、と考えたのです。
昨今のコロナ禍、先の見えない不安を感じるこの世の中で、日本人だけでなく世界中の人々の心に、自分とは何者なのか?大切なものは何か?
――そんな問いから、新しい企画が始まりました。
【新作能『NOBADY』/ あらすじ】
孤独な私達それぞれの個の内面と、その解放を人間と人形で示す、
全く新しいアートパフォーマンス『NOBODY』
いつの時代も人間の悩みは変わらないものなのかもしれません。自分が自分であることに自信を持っていられる人はどのくらいいるのでしょうか? 自分は何者か答えられる人は、どのくらいいるのでしょうか?
現代アートの表現で作られた人形を持った演者が、得体の知れぬ他者の出現により、自己への不安を掘り下げていく過程を能の舞で表現します。
演目のラストでは人形が変化し、自己に対する迷いや恐れから解放されます。そして静かに消えていく。その情景が観る者の深い癒しに繋がるような、すなわち古典芸能でありながらコンテンポラリーな要素をも取り入れた、新しい能の世界をご覧いただきます。
【公演のみどころ】
舞台自体はモノクロームな世界です。
デジタルでメタバースな世界が進む中、やはり人間の本質に響くもの……
AI擬人化では出来ないもの。決して派手なものではありませんが、心に残る作品になるかと思います。
孤独な私達それぞれの個の内面と、その解放を人間と人形で示す、全く新しいアートパフォーマンス『NOBODY』には素晴らしいメンバーが集まり、ある意味実験のように制作していきます。
【豪華な製作陣】
原作 いとうせいこう
俳優 / 小説家 / ラッパー / タレント
雑誌『ホットドッグ・プレス』の編集者を経て、1980年代にはラッパーとして藤原ヒロシらと共に最初期の日本語ヒップホップのシーンを牽引する。その後は小説『ノーライフキング』で小説家としてデビュー。独特の 文体で注目され、ルポタージュやエッセイなど多くの著書を発表。
能楽師 林宗一郎(観世流シテ方)
京観世五軒家のうち、寛永二年より続く林喜右衛門家十四世当主。父、十三世林喜右衛門、及び二十六世観世清和に師事。これまでに「乱」「石橋」「道成寺」「翁」「望月」「安宅」を披く。また歌舞伎俳優・市川海老蔵特別公演「源氏物語」「古典への誘い」他に出演し、日本の古典芸能の魅力を世界に伝える事を志す。2017年にはマレーシア国交樹立60周年記念公演「船弁慶」、ジャパンソサエティ・ニューヨーク創立110周年記念公演「利休江ノ浦」に出演するなど海外にも活動を広げる。
糸あやつり人形劇団 糸あやつり人形 一糸座
『一糸座』は、寛永年間から続く結城座、十代目結城孫三郎の三男・結城一糸によって2003年に旗揚げ。江戸の流れを正統に継承する座として、古典作品の上演に限らず、国内外のアーティストとの共同作業による斬新な新作公演も意欲的に行っている。2015年にはイタリア・ボローニャ大学より招聘され、「伝統と前衛」をテーマにシンポジウム・レクチャー・上演を行うなど海外での活動も多い。2022年には、結城一糸の名前を長男結城敬太が継承し、四代目結城一糸を名乗る。三代目結城一糸は、江戸時代に活躍し名人と呼ばれるも一代で途絶えた人形遣いの名前を復活させ、江戸伝内と改名した。
ミュージシャン 原 摩利彦
親しみやすいピアノ曲から先鋭的な音響作品まで、舞台・現代アート・映画など、さまざまな媒体形式で制作活動を行う。
NODA・MAP『フェイクスピア』音楽担当。李相日監督『流浪の月』音楽担当。令和3年度京都府文化賞奨励賞受賞。
能面師 大月 光勲
京都在住の能面師。創作面などを能楽師や寺社などに奉納し、2015年にはフランス・パリでの個展を成功させるなど、精力的に活動。
「光勲能面會」を主宰しており鎌倉には「鎌倉光勲會」を発足、後進の指導も積極的に取り組んでいる。
バルーンアーティストユニット DAISY BALLOON
バルーンアーティストであるRieHosokai(細貝里枝|1976年)と、アートディレクター・グラフィックデザイナーのTakashiKawada(河田孝志 |同年)からなるアーティストユニット。2008年結成以来、「感覚と質」をテーマに掲げ、バルーンで構成された数々の作品を制作。それらは繊細さが細部まで行き渡った建築物を思わせ、多くの人々を魅了している。
また、清川は2022年6月に大阪芸術大学 客員教授に就任し、アート芸術分野に励む学生たちに向けた講義を通じ、舞台美術をDAISY BALLOONがメインとして、大阪芸術大学の学生ラボメンバーがアシスタントとなり製作。「NOBODY」メインポスター製作も学生らと協業しました。
◆「新古典楽し座」の目的
1. SDGsな取り組みと、伝統産業の未来社会への意義
歌舞伎や能楽など、伝統芸能の舞台に必要な日本の伝統芸能をこれからも美しいものに保つため、伝統道具(衣裳、刀、髪飾りなど)を守るプロジェクトでもあります。
2. 貴重な伝統芸能の衰退を防ぐ
伝統芸能の魅力を都民が再認識できる仕掛けづくりや、地方で知られていない/衰退している伝統芸能を楽し座に持ってくることにより、発進することができます。
3. 伝統芸能の持つ「日本ブランド」力の海外発信
新しい「日本の形」を見せられる、古典でもなく現代でもない、古典のカタチを大事にしつつ新しい芸術を発進することができます。
4. 日本特有の美しさに気付く感覚の体験
日本人の美しい自然とそれぞれの土地での神話や歴史を、脳が感じる感覚の体験に繋がり次世代に受け継いでいきます。
5. 伝統産業と出会う場を多方面で設ける
若者たちは現在と未来をつなげる役割を担い、伝統産業が未来社会においてどう生きるのかを考え、自ら参加、発信することができます(大学、イベント、その他)。
◆清川あさみ コメント
「ここに辿り着くまでに、様々な構想や旅、ディスカッション、制作をしてきました。デジタルでメタバースな世界が進む中、やはり人間の本質に響くものを作りたかったのです。AI擬人化ではできないもの。決して派手なものではありません。素晴らしい技術のグラデーションと、今でこそ見てほしい物語が詰まっています。また、「能と操り人形」という組み合わせ自体も新しいと私自身が思い付き、見てみたいしカタチにしてみたい、と強く思いました。
この一夜限りの舞台をきっかけとして、まだ注目されてない様々な芸能や芸術と、古典の新たな可能性を見てもらい、本公演をきっかけに若い世代にも古典に興味を持ってもらいたいです。新たなファン層の獲得により、物語を次世代に、そして世界につなげていくことができます。複数の古典芸能の掛け合わせにより、新しい文化とエンターテイメントの融合ができれば、より古典を多面的に見せることができますし、海外のファンの獲得にもつながるはずです。『維持の連続』ではなく『革新の連続』をつくりたい。私達自身も楽しみながら、老若男女を問わず楽しんでいただける古典芸術をつくっていけたらと考えています」
◆いとうせいこう コメント
「たくさんの魅力的な芸能(それは各地の祭も含みます)の根本を大切にしながら、誰でもわかるようにアップデートしていけたら。そして有名な古典のセリフのリズムを変えないまま、現代でも聞き取れるように書き換える作品にもチャレンジ出来たらと思っています。
古典芸能は過去を扱わざるを得ないのですが、今回は新作能で「現在」の私たちの心の苦しみをテーマにしており、そこから解放されるラストに共鳴していただけたら。
ということで、時代を超えて長く残る作品をさまざまな芸能の担い手の皆さんと共に生み出し、それが未来の伝統になっていくことを夢見ています」
開催概要の詳細につきましては、今後の発表をどうぞご期待ください。
- クラウドファンディングが本日よりスタート
「新古典楽し座」による公演「NOBODY」についてのクラウドファンディングがスタートします。
「新古典楽し座」のビジョンに共感し、賛同してくださる皆様と一緒に「NOBODY」を最良の形につくり上げる目的となっています。未知の可能性に満ちた古典芸能を「新古典楽し座」と一緒にアップデートし、さらに次なる活動につなげていくためにお力添えをいただければ大変心強く存じます。
サイトURL:https://readyfor.jp/projects/tanoshiza_nobody
【新作能『NOBODY』概要】
タイトル: NOBODY
公演日:2023年4月28日(金) 開場18:30開演19:00
場所:ロームシアター京都(ノースホール)
チケット:5,500円(税込)
協力:MtK Contemporary Art
大阪芸術大学美術学科ASAMI LABO
共催:株式会社マツシマホールディングス
- 清川あさみ プロフィール
1979年、兵庫県・淡路島⽣まれ。服飾を学ぶと共に雑誌の読者モデルをしていた2000年代より”ファッションと⾃⼰表現の可能性”をテーマに創作活動を⾏う。代表作として「美⼥採集」「Complex」「TOKYO MONSTER」などがあり、写真に刺繍を施しながら、個⼈のアイデンティティを形成する”内⾯”と”外⾯”の関係や、そこに生じる⼼理的な⽭盾やギャップなどを主題とした作品を発表してきた。現在 11 刷のベストセラー「銀河鉄道の夜」(リトルモア) など絵本や作品集などの著書も多数あり、作家 谷川俊太郎氏との共作絵本「かみさまはいるいない?」が2年に1度の児童書の世界大会の日本代表に選ばれる。
⽔⼾芸術館(2011年)、⾦津創作の森美術館(2015年)、東京・表参道ヒルズ(2012年、2018年)等にて個展・展覧会を国内のみならず海外でも多数開催。アートディレクターとして広告のビジュアルやグラフィックデザインに携わると共に、空間デザインやCM映像のディレクター、審査員などを務める。
YOASOBIのMV制作や、NHKドラマ「大奥」メインビジュアルなど映像や広告でも活躍。
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