インド政府認定、建設・製造職人を育成・派出を行う「アイティップス」インドで日本人職人による技能訓練校を開校

日本人職人による技能研修、日本への送出、生活支援を一気通貫で実施。外国人技能実習生制度の抱える課題を根本解決へ

アイティップス株式会社

2023年5月30日 11時00分

インドで建設・製造における特定技能外国人の育成から日本での生活支援まで一気通貫の体制を目指すアイティップス株式会社（愛知県名古屋市、代表：クマール　ラトネッシュ、URL：https://www.itips.blue/）は、インド国ベンガル―ル市にて、日本人職人による技能訓練校を開校（以下、本校）し、技能訓練校の第1期生（2023年7月開講）の募集を開始いたしました。運営管理は当社現地法人iTips Private Limitedが行います。
　本校では、製造から建設まで、ものづくりの知見に優れた日本人職人を講師としてインドに派遣し、現地インド人に対し、特定技能認定を目的とした技能研修を行います。
　第1期では、板金工事の施工管理技士の人材育成から始めます。

本校のカリキュラムは、講師陣から日本式のものづくりの考え方や技能を会得しながら、現地の日系企業の現場で働く機会を提供することが特徴です。

座学だけでは得られない実践的な学びをデザインすることで、生徒一人ひとりが手に職を就ける機会を提供することを目指しています。さらに当社は、日本へインド人材を送り出す機関としてインド政府から認定を受けた初の日本法人として、本校の修了生に、日本への就業機会の提供も積極的に行うと共に、必要な日本語教育や生活支援も行います。※1

　日本・インド両国に自ら拠点を持つ当グループは、日本が誇る匠の技術力を活かし、インドでスキルトレーニング、現場研修、日本語教育、日本への人材紹介、そして日本での生活支援まで、一気通貫で行うユニークな会社として、インドのものづくり人材育成に貢献すると共に、日本の人材不足の解消にも一躍を担っていきます。

※1 建設・製造業としての認定における、第一号郡

特定技能2号を取得した外国人材はわずか8名、失業率24％のインド人材を育成し特定技能取得を目指す

　日本の建設業界は、2030年までに23万人の職人が不足すると試算され、昨今の有効求人倍率は5倍を超えるなど、深刻な人材不足に直面しています。その中で、外国人技能実習生が活躍するものの、失踪者が相次ぐなど課題が多く、全産業の失踪者数の内5割以上が建設業従事者という実態があります。外国人技能実習制度は、日本での技術習得という「建前」と現場の労働力確保という「本音」のはざまで、矛盾の多い人材供給源として長らく批判の的になってきました。しかし2023年5月11日開催の政府の有識者会議で、ようやく「技能実習制度」を廃止し、「新たな制度」の創設に向けた中間報告書が提出され、抜本的な改善の道筋が示されました。

しかし、特定技能2号（建設）はまだ8名しかおらず（※2）、人材不足解消への道のりはまだほど遠いことが現状です。

　インドは、国連人口基金（UNFPA）によれば、その人口が2023年に14億2860万人に達し、中国の人口（14億2570万人）を上回り、世界最多となります。平均年齢も28歳と非常に若いのが特徴です。ところが若年人口の増加ペースに雇用機会の拡大が追い付かないという課題を抱えています。国際労働機関（ILO）によれば、23年の15〜24歳の失業率は約24％にも上ると試算されています。

　本施設を通じ、特定技能取得を目的とした研修を行い、輩出への貢献を目指します。

※2 2023年5月現在、製造業では特定技能人材制度が未整備のため、建設業のみの人数

日本の建設・製造業の外国人技能実習生制度が抱える課題にいち早く着手

　日本の建設・製造業界は、厳しい就業環境にあり、外国人材にとってはフィットするのは容易なことではありません。当社は、この問題にいち早く着手し、約2年前から累計40人に対し研修・現場経験の実施をしてきました。

そして今回、この研修をより大規模かつ継続的に実施するため技能訓練校を開校いたします。

第1期生：7月（板金工事施工管理技士）10名、第2期生：9月（板金職人）20名（予定）

パートナーシップ特別訓練コースにも対応

　本技能訓練校では、協賛企業様によるパートナーシップ特別訓練コースにも対応してまいります。このコースでは、協賛企業様との密な連携を通じて、企業独自の技能や業務に特化した訓練を提供します。協賛企業様の現場での実務経験や専門知識を生かしたカリキュラムを構築し、参加者が実際の仕事環境において最も重要なスキルを習得することができます。

パートナーシップ特別訓練コースの想定例

・ドローン技術会社様と連携し、ドローン技術を備えた職人を育成

・住宅メーカー様と連携し、大工技術を備えた職人を育成

・施工アプリ開発会社様と連携し、施工管理アプリの操作可能な職人を育成

アイティップス代表　クマール　ラトネッシュよりコメント

「すべてのがんばる人に、幸せを」これが我々のミッションです。

ヒトが生まれた瞬間に与えられた環境には、愛情の差があり、人権の差があり、機会の差があり、貧富の差があり、そして寿命の差があります。この中で明るい未来を切り開くのは、一人ひとりの努力、そう信じています。昨今、日本では「がんばる」という言葉を使うことをためらわれる風潮にあります。しかし、我々は、賢明に努力する人々が成長し、物心両面の豊かさを掴む、そのサポートを全力で行いたいと考えています。

　私には、18歳の頃から途上国で学校を作りたいという夢がありました。20年の時を経て、インドの人々に日本の技術を学ぶ機会を提供できることをとても嬉しく思います。

　私はこれまで、60以上のインドの工事案件に携わってきました。インドでは、職人技術の標準化が遅れています。技術を証明する資格制度も未整備の為、現場のワーカーの所得は常に不安定です。無論、社会的な地位も低く、リスペクトも受けられません。「努力の先に明るい未来がある」という希望をもって、彼らが自己研磨できる舞台をインドで整備してまいります。そして、彼らのキャリアアップの場として、日本市場が選ばれるよう、日本のものづくりの精神を伝えていく所存です。

　インド現地での訓練校の設立を皮切りに、人材の採用およびプロダクト開発を強化してまいります。