“人間らしさ”をテーマに社会課題を解決するデザイン会社「きいちのメモ」を設立
ウクライナ避難児童にも提供される“子どもががどこでも遊べて主体性を育む、持ち運び可能な遊具「PORTABLE PARK」”を発表
デザイン起業家の守屋 輝一(もりや きいち)は、人間の心理・行動を深く洞察し課題解決に活かすヒューマニティデザインファームの株式会社きいちのメモ(所在地:東京都練馬区、代表取締役:守屋 輝一)を設立します。デザイナーとしての具現化能力を活かした社会課題解決型プロジェクトの企画・開発・事業化や、起業家として得た実践知を活かした組織へのデザイン支援に取り組みます。また会社設立に際し、第1弾の事業として「どこでも遊び場に変えるプレイキット『PORTABLE PARK(ポータブルパーク)』」を発表します。
設立背景/理念
古来より常に哲学や倫理学における議論の対象である「人間らしさ」は、近年、AIやロボットの加速的発展から特に重要視されるようになっていると言えます。他方、代表の守屋は6歳から20年来、人間観察とその記録として1億文字以上のメモを取り続けてきた経験を活かし、「人間らしさ」をテーマに課題解決に取り組むデザイン会社「きいちのメモ」を設立します。
きいちのメモは、理念に「人の『弱さ』を前提にした仕組みづくり」を掲げます。これは守屋の考える「人間らしさ」とは「弱さ」であり、「一見すれば非合理的とも取れる人間がついとってしまう行動や自然に湧き上がる感情を抑えつけるのではなく、どう折り合いをつけるのか」を大切にすること、またその実践として、「『弱さ』を初めから組み込んだ仕組みをいかにして作るか」を探究する姿勢を表しています。
また、きいちのメモは①課題調査②製品・事業開発③社会実装④事業売却に取り組むデザインベンチャーの形態をとりますが、起業家自ら開発を行い、序盤からアウトプットの見た目にもこだわりを持つといった特徴があります。頭の中にあるアイデアやストーリーの純度が高く、また、フェーズによって追求できる審美性に違いはあるものの一定の美しさを常に担保することで、社会の共感を呼び込みやすくなるため、社会実装の成功率を高めることに繋がっています。
その第1弾事業として「どこでも遊び場に変えるプレイキット『PORTABLE PARK(ポータブルパーク)』」を立ち上げます。日本のモノづくりの技術と知恵を活かした「子どもがどこでも遊べる社会」を実現する新遊具です。テスト導入した国内イベントや公園、商業施設だけでなく、ウクライナの戦争避難児童からも高い評価を得ています。
PORTABLE PARK開発背景
未曽有の少子化の中、こども家庭庁の設置をはじめ、政府や自治体、民間企業が取り組む重要なテーマとして「子ども」がより強く認識されています。日本においては子どもの精神的幸福度(生活満足度と自殺率)や社会的スキルをはかる指標「すぐに友達ができる」力がOECD加盟国でワースト2位(*1)であり、学校で骨折する子どもの割合は30年前の1.5倍(*2)となるなど、心身面での問題が顕在化しています。その中で、子どもの心身の健全な発育を促す「遊び」は重要な社会的役割を帯びる一方で、遊びの空間量(*3)や子どもの外遊びの日数(*4)は各種調査から減少傾向にあります。
*1 ユニセフ イノチェンティ研究所『レポートカード16-子どもたちに影響する世界:先進国の子どもの幸福度を形作るものは何か(Worlds of Influence: Understanding what shapes child well-being in rich countries)』
*2日本スポーツ振興センター「学校の管理下の災害」グラフ化と考察はニッセイ基礎研究所の村松 容子氏による「子どもの骨折増加に2つの側面」より
*3横浜市におけるあそびの空間量の変化(環境デザイン研究所仙田満らによる)
*4日本学術会議子どもの成育環境分科会「我が国の子どもの成育環境の改善にむけて-成育空間の課題と提言2020-」p.25
そこで、きいちのメモは、子どもの主体性を育む「周囲とコミュニケーションをとりながら、遊びを自ら生み出す行為」ができる環境を「社会のありとあらゆる場所」につくるため、「どこでも遊び場に変えるプレイキット『PORTABLE PARK』(特許・商標登録申請済)」を展開。遊び以外の目的で訪れた場所に遊ぶ環境を形成し、将来の国の宝である子どもの幸福度向上に貢献します。
PORTABLE PARK 主な特徴
『PORTABLE PARK』は、日本有数の紙の印刷加工会社である福永紙工のモノづくりの技術と知恵を活かし
た紙製品で、以下の特徴を有しています。
1.自由に遊びを生み出せる「余白」の多さ
日本の子どもたちが苦手とする主体性を育む上で重要なのは、「遊びの自由度が高い」ことです。粘土のように変形し、ブロックのように連結をコンセプトに製作を行い、独自のペーパーハニカム構造による伸縮性や、形状固定や連結を可能にする持ち手のマジックテープにより「自分の力で遊びを生み出し続ける行為」を誘発します。また紙でできていることから、子どもの発想力を阻むことの多い危険性が著しく低いという点でも優れています。
2.「うまく扱えない」が、繋がりを生む
子どもの没頭を生む仕掛けは、身体スケールにまで拡張するサイズ感と3種類の形があることも関係しています。体よりも大きくなり、形も簡単に変わってしまうみたことない遊具。上手く扱えないからこそ、周囲の子どもや大人たちと協力して遊ぶ方が面白くできることに気づき、見知らぬ人同士の繋がりが生まれていきます。「うまく扱えない」遊びの余白が、人の創造力と関係構築力を引き出す手助けをします。
3.怪我しにくい安全素材・安心設計
紙でできているため高く積んだり、投げても大丈夫。また、赤ちゃん肌も傷つけないマジックテープを使用。他にも、角を大きく丸くする、手を切らないようにやすりがけをするなど、素材から設計まで安全にこだわっています。
4.収納・持ち運び・片付け 管理がしやすい
遊び場の空間量や日数が減少傾向にある社会においては、限られた空間・時間を遊びに活用することや、別の目的で訪れた先で遊び場を生むことが重要です。本製品は、折りたたんでいる状態は1.5センチほどのため、一般的な段ボール箱に約30個(サイズによって差あり)近く収納できるコンパクトさがありますが、ひとたび広げれば2メートルほどにまで広がります。また持ち運びにも優れるため、ありとあらゆる場所に遊び場を形成することを可能にしています。
他にも、マジックテープの設置面積を子どもの力でも剥がしやすい面積としている点や、ハニカム構造部の端面を一品一品手作業で粗すことで遊んでいるときに手を切ってしまいづらくするといった「子どもセンタードデザイン」の細かい工夫が随所に施されています。
一方、上記の特徴は遊び場運営者にとっても魅力的と言えます。PORTABLE PARKによる遊びの提供は、ただ楽しいだけでない子どもの発育に大きく貢献する遊びであるため、良い未来社会作りに貢献する意識を内外に共有します。また、周囲の人たちとの関係構築は見知らぬ人同士が顔見知りになっていくことであり、場所における関係者人口の増加に寄与します。そして、実務的な課題である管理のしやすさにおいても、安全かつ収納性・可搬性に優れ、片付けも容易(なお、子どもたちは片付けすら遊びと捉え、能動的に取り組んでくれる傾向にあります)であることから、解決をしています。現代の遊び場ニーズにフィットする革新的な遊具です。
ウクライナ戦争避難児童の支援
2022年9月より、ポーランドの現地NGO / 一般社団法人TOKYO PLAY(スポーツ庁主催「Sports in Lifeアワード」2021年度大賞)と連携し、ウクライナ戦争避難児童の支援に取り組むポーランドにPORTABLE PARKを提供しています。輸送コストを抑えつつも、広げれば、みんなで自由に遊ぶことのできる特徴を活かした形です。地方三都市で行われる遊びによるメンタルケア(※)プログラムで活用され、現地の子どもたちから高い支持を得ています。
子どもの将来を考える際、遊びは学びと比べて不要不急の娯楽と位置付けられがちですが、実際には、遊びは心身に多くの良い影響をもたらしてくれています。私たちは、PORTABLE PARKの理念である「『生きる』と『遊ぶ』を、ひとつにする」を実践するため、ウクライナの子どもたちへの継続的な支援に取り組んでまいります。
※紛争地域や被災地では遊びを通して、子どもが現実を受け容れていく記録が残っている。このことからも、遊びは人間の発育にとって本質的に重要であることがわかる。参考:東日本大震災における「津波ごっこ」について https://news.yahoo.co.jp/byline/sakamotomasahiko/20210301-00224481
展開商品・サービス 概要
■ 製品販売プラン
PORTABLE PARKは「△さんかく」「☐しかく」「〇まる」の3つの形ご用意しています。一つでも十分楽しめますが、3つをそれぞれ変形・伸び縮み・組み合わせると、より色んな遊びを作り出せるのでおすすめです。
通常価格
・PORTABLE PARK Mサイズ単品:4,980円(税込)
・PORTABLE PARK Mサイズセット(さんかく 1個、しかく 1個、まる 1個):12,980円(税込)
※販売開始時期など、最新情報は弊社ホームページにて随時更新します
※各種料金やプランに関するご質問がございましたらお気軽にお問い合わせください
■ イベントプラン ※事業者の方向け
商業施設や地域のコミュニティスペースに集まる人たちに向けて、PORTABLE PARKを使った「遊び」の関係作りを提供します。ユニークな見た目や動きから、みんなの注目を集めます。モノの設置以外にも、ワークショップやパートナー企業・アーティストとのコラボイベントなど様々なプランをご用意しておりますので、まずはお気軽にお問合せください!
通常価格
応相談 ※オーダーメイドであるため、形や個数に応じて価格は変動します
■ オリジナル製品プラン ※事業者の方向け
PORTABLE PARKの形や色をオリジナルでデザインし、イベントとセットで提供します(企業ロゴを入れることも可能です)。より個性を出したPORTABLE PARKを使って、遊びによる満足度の高い空間を提供することでファン作りを促進します。
通常価格
応相談 ※オーダーメイドであるため、形や個数に応じて価格は変動します
PORTABLE PARK サイズ
Mサイズ(畳んだ状態の厚さ約1cmから200cmまで拡張可能)
・さんかく:W18×D32×H1 cm
・しかく:W23×D32×H1 cm
・まる:W16×D32×H1 cm
PORTABLE PARK 今後の展開
PORTABLE PARKはミッションに掲げる「子どもがどこでも遊べる社会へ」を実践していきます。従来遊び場がある児童施設や教育施設はもちろん、商業施設や音楽フェス、スポーツチームのキッズデーなど、遊び以外の目的で訪れる人の多い場所に遊び場を形成することを進めていきます。またTOKYO PLAYと連携し、遊びのプロであるプレイワーカーによる、より優れた遊びの効果を引き出す場づくりや、遊びの価値の定量化を進める研究にも取り組んでいく予定です。
ウクライナ支援にも継続的に取り組んでいきます。また本活動を皮切りに、困難な状況にある子どもたちへのPORTABLE PARKの提供や、有事に陥った際の備蓄に玩具・遊具を組み込むための活動など、社会貢献にも積極的に取り組んで参ります。
きいちのメモの今後について
事業の第2弾として、死亡ならびに重症事故を減らすために自転車に乗る子どものヘルメット着用率100%を目指す「PROLO(国際エンジニアリングアワード JAMES DYSON AWARD日本最優秀賞・国際TOP20受賞/国際特許取得)」の年内展開も予定しています。
【きいちのメモ代表 守屋について】
1995年埼玉県生まれ。デザイン起業家。
2020年法政大学大学院デザイン工学研究科システムデザイン専攻修了。クリエーション・エンジニアリング・マネジメントを横断した総合デザイン戦略及びプロダクトデザインを学ぶ。2020年よりデザインコンサルティング会社にてスタートアップを中心とした流動的なデザイン支援業務に従事。在籍しながら個人活動を続け、2023年「人間らしさ」をテーマに社会課題解決に取り組むヒューマニティデザインファーム株式会社きいちのメモを設立。
きいちのメモの社名は、代表の守屋が6歳から20年以上メモをとり続けていること、またそれがプロジェクトのコンセプトやアイデアを生み出す源泉となっていることに由来。関連するコンセプトとして「人の弱さを前提にした仕組みづくり」を掲げており、一見すれば非合理的とも取れる人間がついとってしまう行動や自然に湧き上がる感情を抑えつけるのではなく、初めから組み込んだ形での課題解決を実践する姿勢を表している。
代表作に死亡ならびに重症事故を減らすために自転車に乗る子どものヘルメット着用率100%を目指す「PROLO(国際エンジニアリングアワード JAMES DYSON AWARD日本最優秀賞・国際TOP20受賞/国際特許取得)」、誰でもぬか漬けを上手に作れるようサポートしてくれる発酵コミュニケーションロボット「Nukabot(国際学術会議CHI LBW部門論文採択、日本科学未来館常設展示、ミラノ・トリエンナーレ招待展示)」がある。2021年から海洋テックベンチャーとして世界初の人工サンゴ産卵を成功させた株式会社イノカCDO(チーフデザインオフィサー)。同年より法政大学第二高等学校「理系のためのデザイン入門」外部講師。
【株式会社きいちのメモ会社概要】
商号:株式会社きいちのメモ
代表取締役:守屋輝一
所在地:東京都練馬区 以下非公開
設立:2023年6月
資本金:500万円(2023年7月現在)
URL(きいちのメモ):https://kiichimoriya.jp/
URL(PORTABLE PARK):https://kiichimoriya.jp/portablepark
Instagram(PORTABLE PARK):https://www.instagram.com/portable_park/
本リリースに関する問い合わせ
(株)きいちのメモ:守屋 輝一
e-mail: kiichi.moriya@kiichimoriya.jp
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